有価証券報告書-第42期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

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2017/06/30 10:29
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業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度のわが国経済は、アメリカやアジア諸地域との外交や経済の変動により、景気への影響に留意する必要があるものの、経済再生と財政健全化を実現する各種政策の推進を背景に、投資の増加や雇用環境の更なる改善等が続くなかで、景気の好循環が期待されています。
当化粧品業界におきましては、インバウンド需要が下火になりつつも、平成28年度の年間化粧品販売金額は増加の推移となりました。人口の減少や少子高齢化が進む中で、加齢に伴う肌や頭皮に悩みをもつ層は増加傾向にあり、これらのケアを訴求した高機能・高付加価値商品の投入が積極的に行われ、拡大を続けており、エイジング市場やホワイトニング市場は活況を呈すると見込まれています。
訪問販売化粧品市場では、チャネルを横断した展開が拡大・加速し、企業間競争は激しさを増すなかで、集客に向けた販売員の教育や、新規顧客獲得など、各社の強みを活かした施策が重要となっております。多様化する消費者層に対応するため、顧客に対して積極的にコミュニケーションを図ることで、より身近な存在になり、柔軟性のあるサービスの構築・提供はもとより、従来どおり訪問販売だからこそできる価値、すなわち誠実・信頼を顧客に提供し続けることが求められています。
このような状況のもとで、当社グループは企業理念「愛と美と豊かさの実践と追求」に基づき、人と人が直接出会い、コミュニケーションを取りながら、製品やサービスを提供していく対面販売にこだわり、コア事業である訪問販売領域の販売組織満足度を高めるとともに、全てのステークホルダーの満足度の向上を目指し、「驚きと楽しさと感動に溢れる美しい生き方」を共に創造し、幸せと豊かさを提供できる「ワンダ・フル・カンパニー」として成長すべく、企業活動に邁進してまいりました。
創立40周年を迎えた当連結会計年度は、企業テーマに「With」を掲げ、すべての戦略と支援の方向について、販売会社増設と組織づくりに焦点を当て、目の前の人の可能性を信じて本気でかかわり、お互いに刺激し合うことで共に自己成長し、「なりたい自分になる」、「自身のもつ販売功績レコードを更新する」ことを全社、全販売組織をあげて共に推進してまいりました。その過程を通して、多様化する販売会社固有の問題解決と、地域ユニット・カテゴリー別戦略をスピーディかつ柔軟に展開し、販売組織とのパートナーシップをより強め、美しく生きる人を育む活動を通して、多くの女性の美しさ実現を支援してまいりました。
具体的には、新製品「レッドパワー セラム」の販売施策を軸に、当社の強みを活かした美容液からアプローチする販売方法の展開や、販売組織づくりを支援する製品体系の構築、季節強化展開から長年ご愛用いただいているお客様の満足度アップと定着促進、新規顧客の拡大、その取り組みを大きく促進する各種販売促進施策の展開等に一貫して取り組んでまいりました。
販売環境の支援としましては、販社財務支援による経営健全化支援、スマートフォンによる販売・決済アプリ「アイビーレジ」と周辺機器の導入、カウンセリング販売の継続強化、Webを活用した販売組織とのコミュニケーション基盤の構築、情報発信拠点アルテミス ザ・ショップ、同 ザ・ルームの展開等を積極的に実施してまいりました。
当連結会計年度においては、「レッドパワー セラム」、「アイビー メークアップコレクション ブライト アップ パワー」、「ディープパス QD」シリーズ(医薬部外品)、「ディープパス」シリーズ、及び「アイビー プレステージ」シリーズを発売し、顧客拡大、並びに顧客満足向上に努めてまいりました。
経営基盤強化につきましては、経営判断の迅速化を図るため、各部の使命に基づき役割を明確にして業務執行を行ってまいりました。具体的には、「経営会議」を軸とした全社マネジメントと牽制機能の強化の他、「予算統制会議」での予実管理や、経営管理機能の課題別設定とスピーディな実行、「販売戦略会議」においては、販売施策の機動力強化と顧客への価値伝達に継続して取り組んでまいりました。
実務面においても機動的な資本政策と経営管理、製品開発の推進、製造原価の継続的低減活動、「レッドパワー セラム」の販売促進に向けた経費の重点配分と機動的な投下、成果連動を濃くした賞与還元、固定費の圧縮、資産の有効活用、リスク管理・コンプライアンスの継続強化、ISO品質マネジメントシステムの運用推進にも積極的に取り組んでまいりました。
売上面におきましては、営業所増設、ビューティマネージャー増員、アイビーメイツ増客、販売力を下支えする理念・販売系の研修動員が前年同期比増で好調に推移したこと、販促費の効果的な投入や販売組織モチベーション企画が原動力となり、販売活動に取り組みやすくなったことを背景に、“一人ひとりの夢の実現”に向けて全社一丸となり取り組んだ結果、売上高は増収となりました。
一方、利益面におきましては、「レッドパワー セラム」をはじめとする新製品の拡販により、販売費及び一般管理費が増加したものの、売上高拡大と売上原価率低減効果により売上総利益が伸長し、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益とも増益となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は6,664,737千円(前年同期比29.1%増)、営業利益は1,090,043千円(同72.9%増)、経常利益は1,099,152千円(同75.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は606,172千円(同73.2%増)となりました。
部門別の販売実績につきましては、次のとおりであります。
[化粧品部門]
イ.スキンケア
スキンケアにつきましては、平成28年9月に、お手入れの手応えを高めるためのエイジングケア製品として、「レッドパワー セラム」を発売し、営業戦略に基づいた該新製品の販促プロモーションや先行予約促進、販売組織づくりの積極展開を実施してまいりました。その結果、年度末までに総数61万本超の出荷をし、過去にない取り組みにつながったことで、多くの喜びの声をいただくことができました。同時に、基幹スキンケアシリーズの販売強化により、販売組織の拡大と新規顧客獲得にも取り組んでまいりました。
平成29年2月には、シンプルに、販売しやすいアイテム構成へ製品体系を構築する一環として、どのスキンケアシリーズとも組み合わせ可能なように、<メーク落とし>と<洗顔料>を共通化しました。年齢や紫外線ダメージによるごわつき肌に、ワンランク上の肌を目指し洗浄機能を追求した「ディープパス QD オイル クレンジング」(医薬部外品)、「ディープパス QD プレミアム クリーム ウォッシュ」(医薬部外品)、メークなじみサインや、やさしい感覚の泡で、なめらか肌にこだわり洗浄実感を考えた「ディープパス クリーム クレンジング」、「ディープパス クリーム ウォッシュ」の2タイプを新発売し、発売本数として計15万5,000本超を出荷しました。また、同2月には、ハリ美肌を目指す女性たちに贈る当社最高位のエイジングケアシリーズ「アイビー プレステージ ローション」、「アイビー プレステージ クリーム」を新発売し、計5万7,000本超を出荷しました。
その他、季節強化製品と美白関連製品は一部伸び悩んだものの、スキンケア全体の売上高は5,656,788千円(同40.8%増)となりました。
ロ.メークアップ
メークアップにつきましては、平成28年12月に、数量限定のセット製品「アイビー メークアップコレクション ブライト アップ パワー」を発売し、顧客満足向上に努めました。売上高は394,275千円(同1.7%増)となりました。
ハ.ヘアケア
ヘアケアにつきましては、新製品の発売はなく、売上高は149,134千円(同2.7%減)となりました。
ニ.その他化粧品
その他化粧品につきましては、売上高は45,660千円(同35.3%減)となりました。
以上、化粧品部門の売上高は6,245,859千円(同34.9%増)となりました。
[美容補助商品]
新製品の発売はなく、売上高は367,968千円(同23.9%減)となりました。
[化粧雑貨品等]
化粧用具等の化粧雑貨品等につきましては、売上高は47,626千円(同17.0%増)となりました。
[100%子会社 株式会社アイプラティナ]
固定客に特化した支援・サービスを展開してまいりましたが、収益面の低迷が続いたこと、並びに訪問販売以外のマーケットへの挑戦やノウハウの吸収ができたことから、通信販売事業から撤退しました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、売上債権の増加、法人税等の支払、社債の償還による支出、自己株式の取得による支出、配当金の支払等があるものの、税金等調整前当期純利益の計上、社債発行による収入等により、当連結会計年度期首残高に比べ30,637千円増加し、当連結会計年度末には1,219,362千円となりました。
また当連結会計年度における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果獲得した資金は848,299千円(前年同期比438,791千円増)となりました。
これは主に売上債権の増加額561,674千円、たな卸資産の増加額168,457千円、法人税等の支払額366,454千円等があるものの、税金等調整前当期純利益1,099,152千円、減価償却費107,246千円、仕入債務の増加額177,172千円、未払費用の増加額450,838千円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の使用した資金は316,317千円(同172,497千円増)となりました。
これは主に貸付金の回収による収入84,202千円等があるものの、有形固定資産の取得による支出80,841千円、無形固定資産の取得による支出72,343千円、貸付けによる支出119,127千円、投資不動産の取得による支出128,472千円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は500,645千円(同111,607千円増)となりました。
これは主に社債発行による収入785,635千円があるものの、短期借入金の純減額80,000千円、社債の償還による支出204,000千円、自己株式の取得による支出505,251千円、配当金の支払額495,080千円等があったことによるものであります。