有価証券報告書-第77期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/20 13:11
【資料】
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【項目】
158項目
「企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」(2019年1月31日内閣府令第3号)による改正後の「企業内容等の開示に関する内閣府令」第二号様式記載上の注意(30)の規定を当事業年度に係る有価証券報告書から適用しております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営環境
①全般
当連結会計年度の世界経済は、アジア並びにヨーロッパの中では弱さがみられるものの、全体としては穏やかな成長が継続しました。
日本は輸出や生産の一部に弱さがみられるものの、個人消費の持ち直しや設備投資の増加等を背景に緩やかに回復しています。先行きについては、当面、一部に弱さが残るものの、雇用や所得環境の改善が続くなかで、穏やかな回復が続くとみられます。
アジア地域については、中国では、景気は穏やかに減速しており、先行きについても当面は穏やかな減速が続くことが見込まれますが、各種政策効果が次第に発現することが期待されます。インドネシアでは景気は穏やかに回復しており、韓国・タイにおいては景気は穏やかに回復していますが弱い動きも見られます。
アメリカでは、景気は着実に回復が続いており、先行きについても着実に回復が続くと見込まれます。
ヨーロッパ地域については、ユーロ圏では景気は一部に弱さがみられるものの穏やかに回復しており、先行きについても基調としては穏やかな回復傾向で推移することが期待されます。
世界経済は、今後も穏やかな回復基調を辿るとみられますが、アメリカの通商問題や政策の動向および影響、金融資本市場の変動の影響には引き続き注意が必要です。
②印刷市場の全体像
印刷産業をパッケージ印刷(各種パッケージ、ラベル等)、出版印刷(雑誌、新聞、書籍等)、商業印刷(冊子・パンフレット、カタログ、DM等)の3つに区分すると、世界市場の割合はそれぞれ約65%、20%、15%となります。今後の数年間において、全体としては2%台後半の年間成長を予測していますが、区分によってその見通しは異なり、パッケージ印刷は4~5%の成長、出版印刷は2%程度の縮小、商業印刷は1%程度の成長を予測しています。
パッケージ印刷は所得や消費支出の増加と都市化の進展に支えられて、今後数年に渡り堅実に成長するとみられます。その原動力となる新興国市場では、経済成長、識字率の上昇、生活スタイルや消費者の嗜好の転換により、加工食品や飲料、玩具、電子機器、医薬品などのパッケージ入り製品の需要増加が継続しています。
出版印刷においては、コンテンツがオンライン上のプラットフォームに移行していることから、印刷された雑誌や新聞の発行部数が下落しています。
商業印刷は、雑誌や新聞のコンテンツが印刷からデジタルプラットフォームへ移行するなかで、それに広告が付随し減少している一方、新興市場の都市化は商業印刷の成長に寄与しています。また、インターネットやクラウド技術を利用したオンデマンド印刷が、未だ規模は小さいながらも急速に成長しています。
③日本の印刷市場
日本の出版印刷(書籍、雑誌、新聞等)は年間5%程度の縮小が予測され、商業印刷(冊子・パンフレット、カタログ、DM等)も年間1%程度の縮小が予測されます。パッケージ印刷(各種パッケージ、ラベル等)においては、日本は成熟した先進国であることから、年間1%程度の成長を予測しています。
④印刷インキに対するニーズと当社の対応
印刷産業における世界的ニーズの潮流は、地球環境問題を背景として、環境配慮型インキ(水性インキ、ノントルエンインキ、ノンVOCインキ等)や植物由来原料インキ、省エネルギー対応インキへのシフトを、印刷工程等における生産性向上や印刷物自体の品質向上を伴いつつ実現するところにあります。
当社が中期経営計画の重点施策の一つとしている2つの付加価値訴求製品、省電力UVインキとパウダーレス枚葉インキ“キレイナ”は上記ニーズを業界最高水準で満たしており、これらの製品を、従来の商流に加えVan Son社が150年かけて培った販売網を通じて、世界各国の印刷事業者へ提供を開始しています。
当社がUVインキ自社開発成功以来、40年以上に亘って蓄積したノウハウと、製品ラインナップの多様さは、競合他社との競争優位の源泉となっています。また、グッドデザイン賞も受賞した“キレイナ”は、印刷現場における永年の夢であった‘パウダーフリー化’をも実現できる画期的な油性枚葉インキとして、他社に先駆けて新しい市場を創出する可能性があると考えています。
(2) 中期経営計画の進捗状況
2017年11月に公表した中期経営計画「With You toward 2020」の初年度である2019年3月期の重点施策は(a)グローバル展開の加速(b)付加価値訴求の強力推進(c)コスト削減・効率化の追求の3つであり、当連結会計年度の進捗状況は次のとおりです。
(a) グローバル展開の加速
当社として早期に海外進出を果たした東南アジアに加え、重点展開地域としているヨーロッパ並びに北米地域においても新たなスタートを切り、以下の具体的な成果を中心に、各地域において事業拡大への整備が進み、2021年3月期の中期経営計画目標達成に向けての足場固めが行われました。
地域具体的成果
東南アジア中国浙江迪克東華精細化工有限公司の工場建設プロジェクト推進
中国(香港)東華油墨国際(香港)有限公司の事業伸張
タイトオカ(タイランド)㈱の事業伸長
その他の地域ヨーロッパVan Son(NL)※1での次世代枚葉インキの生産開始
Van Son(NL)での省電力UVインキの販売開始
北米Van Son(US)※2での省電力UVインキの販売開始
T&K TOKA U.S.A., INC. の活動開始
Midwest Ink Co. 買収

※1.Royal Dutch Printing Ink Factories Van Son B.V.(オランダ王国)
※2.Van Son Holland Ink Corporation of America(アメリカ合衆国)
(b) 付加価値訴求の強力推進
2つの付加価値訴求製品、省電力UVインキとパウダーレス枚葉インキ“キレイナ”の重点プロモーションを日本市場において実施し、“キレイナ”は年度シェア目標を達成しました。また、ヨーロッパにおける“キレイナ”の製造・販売も開始し、現地ユーザーから高い評価を得ています。省電力UVインキについても、ヨーロッパ印刷インキ工業会(EuPIA)の新しい環境基準を満たす新設計省電力UVインキの性能優位が確認されました。
(c) コスト削減・効率化の追求
生産・技術部門が一体となってトータルコストダウンに取り組んだ結果、各主力製品の生産能率は前年比で100%~109%、計画に対しては93%~101%の結果となりました。2017年に稼働を開始した、既存工場よりも20%以上高い生産能率をもつ滋賀UV工場が通期で稼働し、UVインキの生産量は当連結会計年度も過去最高を更新しました。
一方、原材料については中国の環境規制強化やグローバル規模の素原料需給逼迫による価格高騰の影響を受けました。当社製品の基幹原料は、中間体を含み原料生産のほとんどを中国に依存しています。一昨年来の中国の環境規制強化によって多くの生産プラントが操業停止となり、需給バランスが悪化、その結果大幅に原材料コストが上昇しました。
研究開発および生産体制の強化については、グループ内研究機能の相互共有が具体的に進捗しました。枚葉インキでは、原材料メーカーとの連携に加え海外グループ会社と本社研究開発部門との共同した取組みにより、性能とコストのバランスをこれまでにない高水準で実現しました。
(3)2020年3月期における取り組み
2020年3月期は中期経営計画最終年度となる2021年3月期の目標を達成するための非常に重要な1年であり、2019年3月期に引き続き、中期経営計画の重点施策を継続的に推進し、次期の加速を可能とする足場固めを着実に実施します。
(2020年3月期アクションプラン)
グローバル展開の加速のうち、ヨーロッパではT&K TOKA商流とVan Son商流の統合を推進し、新設計省電力UVインキの市場投入加速とVan Son(NL)製“キレイナ”等の次世代枚葉インキの本格量産を進めることで、Van Son(NL)の売上高・生産量・収益性の三位一体の強化を進めます。アメリカではT&K TOKA U.S.A., INC.が中心となりVan Son(US)による省電力UVインキの更なる市場投入拡大を進め、またM&Aにより子会社化したMidwest Ink Co.との統合を着実に推進し、Van Son(US)の拠点があるニューヨーク州・イリノイ州・フロリダ州に加えて、オハイオ州・インディアナ州・ウィスコンシン州・ミネソタ州にあるMidwest Ink Co. の各拠点と連携した省電力UVインキの拡販を中心とする成長戦略を進めていきます。その他のエリアとしてASEAN・南インドでは販売体制の再編によってT&K TOKAのエリア統括機能を強化し、既存事業の収益基盤拡充を継続的に進めます。
日本における付加価値品への注力については、技術並びに営業部門のリソースを省電力UVインキと“キレイナ”へ重点的に投入し、また推進組織体制の強化により印刷事業者への訴求をさらに強力に推進します。
コスト削減・効率化の追求については、前期に引き続き生産・技術部門が一体となったトータルコストダウンを進めるほか、赤字製品の削減を継続的行っていきます。また、前期から取り組んでいる原材料価格の高騰を受けての価格改定の取り組みに注力し、上期後半には価格改定効果を漸進させ、下期より収益改善を本格化させます。
研究開発については、前期に引き続き国内外の大学および研究機関との共同開発を進め、新素材開発の取り組みを加速させます。また、原材料の需給バランス悪化に対し、代替材料検討による安定供給の確保を図ります。生産体制の強化については、FPDカラーフィルター用顔料分散液の新工場となる浙江迪克東華精細化工有限公司の工場建設を着実に進めます。

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