有価証券報告書-第76期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/23 9:17
【資料】
PDFをみる
【項目】
150項目
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は以下のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度における海外経済は、関税政策や地政学的リスクの高まりが意識される中でも、総じて底堅く推移しました。米国では、AI関連需要をはじめとした企業活動が底堅く推移した一方、個人消費にはやや減速感が見られました。中国では、政策支援による下支えが見られたものの、国内需要の低迷や不動産市場の停滞を背景に、総じて低調に推移しました。欧州では、個人消費が底堅く推移し景気に緩やかな持ち直しの動きが見られましたが、年度末にかけては、中東情勢の緊迫化に伴う資源価格の上昇が景気の重石となりました。
わが国経済は、所得・雇用環境の改善を背景に、サービス消費を中心とした個人消費が底堅く推移するとともに、設備投資も堅調に推移し、緩やかな回復基調を維持しました。一方で、企業物価や設備投資関連コストは高止まりしており、特に化学業界では、設備工事の需給バランスの逼迫等を背景に、設備工事費の上昇が継続しました。加えて、急激な為替変動や中東情勢の緊迫化に伴う資源価格の高騰など、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社事業の主要市場である電子材料業界は、AI関連半導体デバイス向け需要が引き続き市場成長を牽引し、特に下期にかけて需要が一段と拡大したことから、先端半導体向け材料は好調に推移しました。
当社では、2023年3月期からスタートした5ヵ年の中期経営計画「Beyond500」に基づき、2024年には感光材開発分析棟および先端分野向け材料の大規模な新規生産設備が完成しました。これらの設備投資により製造技術力・分析体制が強化され、最先端品質を満たす安定供給体制が整いました。今後もこれらの設備を活用し、需要拡大が期待される半導体市場への供給を強化してまいります。
当事業年度においては、先端半導体向け材料の需要が拡大し、先端フォトレジスト向け材料および化成品事業における高純度溶剤の販売が好調に推移したことから、売上高は41,956百万円(前期比+3,291百万円、+8.5%)と増加しました。利益面では先端半導体向け材料の大型設備および生産情報システムの稼働開始に伴い、期初から減価償却費や人員増強等の固定費が大幅に増加したものの、期後半にかけて高付加価値品の販売増加により増加した固定費の一部を吸収し、営業利益は3,668百万円(前期比△434百万円、△10.6%)、経常利益は3,592百万円(前期比△404百万円、△10.1%)、当期純利益は2,692百万円(前期比△586百万円、△17.9%)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(感光性材料事業)
半導体向け材料は、AI向け半導体デバイスの強い需要が継続し、当社の先端フォトレジスト向け材料の販売は前期比で増加いたしましたが、一般半導体向けはやや減少しました。半導体メモリの供給不足に懸念があるものの、スマートフォンやTV用のパネル生産は一定レベルで保たれたことから、当社製品のディスプレイ向け感光材の販売も堅調に推移しました。
この結果、同事業の売上高は26,417百万円(前期比+2,544百万円、+10.7%)となりました。また、大型設備および生産情報システムの稼働開始に伴い、期初から減価償却費や人員増強等の固定費が大幅に増加したものの、期後半にかけて先端材料の販売増加により固定費負担の一部を吸収し、営業利益は1,051百万円(前期比△927百万円、△46.9%)となりました。
(化成品事業)
電子材料関連製品は、生成AIの普及拡大を背景としたデータセンター投資の活発化や、半導体の高性能化・高集積化の進展に伴う先端プロセス向け材料需要の増加により、堅調な市場環境が継続しました。このような状況のもと、高純度溶剤については先端ロジックおよびメモリ用途を中心に需要が拡大し、販売が好調に推移した結果、前年同期比で売上は増加しました。
香料材料関連製品は、米国の関税措置の影響を受け、サプライチェーン上での在庫調整や為替影響により、前年同期比では売上が減少しました。
タンクターミナル関連は、輸入品に対する保管需要の増加によりタンクの引き合いが旺盛であったことに加え、新たな無機化学品専用タンクの運用開始も寄与し、タンク契約率は高水準で推移しました。
この結果、同事業の売上高は15,538百万円(前期比+746百万円、+5.0%)、営業利益は2,617百万円(前期比+493百万円、+23.2%)となりました。
当事業年度における総資産は66,949百万円となり、前事業年度末比1,085百万円の増加となりました。
流動資産は25,292百万円で、前事業年度末比1,223百万円の増加となりました。これは主に売掛金1,792百万円の増加などによるものであります。
固定資産は41,656百万円で、前事業年度末比137百万円の減少となりました。これは主に取得による増加4,336百万円、減価償却による減少5,084百万円などによるものであります。
流動負債は18,834百万円で、前事業年度末比2,298百万円の減少となりました。これは主に短期借入金2,600百万円の減少などによるものであります。
固定負債は20,662百万円で、前事業年度末比763百万円の増加となりました。これは主に長期借入金417百万円の増加によるものであります。
純資産合計は27,452百万円で、前事業年度末比2,620百万円の増加となりました。これは主に当期純利益2,692百万円によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ86百万円増加し、3,683百万円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益3,556百万円、減価償却費5,084百万円などにより7,490百万円の収入(前事業年度は6,795百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出3,733百万円などにより4,874百万円の支出(前事業年度は11,974百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の返済による支出2,600百万円などにより2,546百万円の支出(前事業年度は5,193百万円の収入)となりました。
③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当事業年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
前期比(%)
感光性材料事業(百万円)32,778+12.5
化成品事業(百万円)15,883+0.4
合計(百万円)48,661+8.2

(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
b.受注状況
当社は、原則として見込み生産を行っております。
c.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当事業年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
前期比(%)
感光性材料事業(百万円)26,417+10.7
化成品事業(百万円)15,538+5.0
合計(百万円)41,956+8.5

注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2. 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
相手先前事業年度当事業年度
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
信越化学工業株式会社5,16013.36,88916.4

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用とともに、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを用いております。これらの見積りにあたり過去の実績や現状等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる可能性があります。
また、当社が採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表」の「重要な会計方針」に記載しておりますが、特に次にかかげる重要な会計方針が、財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
(繰延税金資産の回収可能性の評価)
当社は繰延税金資産を認識するにあたり、将来減算一時差異に対して、予定される繰延税金負債の取崩、予測される将来の課税所得及びタックス・プランニングを考慮しております。将来の課税所得は事業計画を基礎としており、その進捗を加味して合理的に見積り、回収可能性を十分に検討した上で、回収見込額を計上しております。そこでの重要な仮定は、主に市場の需要予測及び生産計画であります。
繰延税金資産の回収可能性は、主に将来の課税所得の見積りによるところが大きく、課税所得の予測は将来の市場の需要動向や当社の生産活動の状況及びその他の要因により変化します。
将来の課税所得見込額は、その時の業績等により変動するため、課税所得の見積りに影響を与える要因が発生した場合は、繰延税金資産の回収可能性の評価を見直す可能性があります。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.当社の当事業年度の経営成績等
・経営成績の分析
当事業年度の売上高は41,956百万円(前期比+3,291百万円、+8.5%)、営業利益は3,668百万円(前期比△434百万円、△10.6%)、経常利益は3,592百万円(前期比△404百万円、△10.1%)、当期純利益は2,692百万円(前期比△586百万円、△17.9%)となりました。
売上高および営業利益については「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおり、売上高・利益ともに前期比増加となりました。
営業外収益から営業外費用を差引いた純額は、76百万円の費用計上となりました。内訳としては、為替差益109百万円等があったものの、支払利息321百万円等があったことによるものであります。この結果、当期の経常利益は3,592百万円(前期比△404百万円、△10.1%)となりました。
特別利益は301百万円の計上となりました。内訳としては、助成金収入301百万円の計上によるものであります。
特別損失は337百万円の計上となりました。内訳としては、圧縮未決算特別勘定繰入301百万円の計上によるものであります。
以上の結果、税引前当期純利益は3,556百万円となり、法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額を差引いた当期純利益は2,692百万円(前期比△586百万円、△17.9%)となりました。
・財政状態の分析
当事業年度の財政状態の分析につきましては「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
・キャッシュ・フローの分析
当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.当社の経営成績に重要な影響を与える要因
当社の経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しているとおりですが、市場環境の変動等、様々なリスク要因が当社の成長や経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社は、常に新技術の動向や市場動向に留意しつつ、お客様ニーズに合致した製品を開発し提供していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因の低減を図ってまいります。
c.当社の資本の財源及び資金の流動性
当社の運転資金需要のうち主なものは、原材料の購入等の製造費用のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、生産設備の購入等によるものであります。
当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、短期運転資金、長期運転資金および設備投資は、自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。
なお、当事業年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は27,167百万円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は3,683百万円となっております。
d.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載の通りであります。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。