有価証券報告書-第60期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/26 9:31
【資料】
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【項目】
110項目

業績等の概要

(1)当期の概況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用や所得環境の改善傾向が見られ、個人消費が底堅く推移するなど、景気は緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、中国をはじめとする新興国の成長鈍化や、英国のEU離脱問題、米国の新政権への移行等を起因とする金融市場や為替の不安定な動き、さらには原油の中東減産合意による価格上昇等、依然として先行き不透明な状況で推移しました。
このような状況のもと、当社グループは最適な経営資源の投下、物流・生産体制の継続的見直しによる経営体質の更なる強化、原料の安定的な確保およびコスト競争力の強化を進めるとともに、"FUSOブランド"のグローバル市場での確立に取り組んでまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は362億24百万円(前連結会計年度比2.6%増、9億25百万円増)となりました。営業利益は98億67百万円(同35.6%増、25億88百万円増)、経常利益は100億38百万円(同37.5%増、27億39百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益は68億95百万円(同46.2%増、21億79百万円増)となりました。
当社グループの報告セグメントの業績は、次のとおりです。
(ライフサイエンス事業)
ライフサイエンス事業の業績は、外部顧客に対する売上高が220億50百万円(前連結会計年度比5.3%減、12億35百万円減)、営業利益は39億79百万円(同12.4%増、4億38百万円増)となりました。
リンゴ酸等の果実酸類の販売は好調に推移しましたが、円高が海外子会社の円換算売上高および外貨建て売上高に大きな影響を与え、売上高は前連結会計年度を下回りました。営業利益は、海外子会社の利益に対する円高の影響がありましたが、石油化学製品の価格下落、ならびに円高効果により、果実酸の原材料価格および商品輸入価格が下落したほか、継続的に取り組んでいるコスト削減が利益率の向上に貢献したことにより、前連結会計年度を上回りました。
(電子材料および機能性化学品事業)
電子材料および機能性化学品事業全体の業績は、外部顧客に対する売上高が141億74百万円(前連結会計年度比18.0%増、21億61百万円増)、営業利益は69億96百万円(同49.1%増、23億2百万円増)となりました。
円高により外貨建て売上高は大きな影響を受けましたが、半導体市場が引続き堅調であり、半導体製造プロセスの微細化の進展により当社製品「超高純度コロイダルシリカ」への需要も増加しています。さらにナノパウダー等の半導体研磨分野以外に使用される製品の販売も堅調に推移したため、売上高は前連結会計年度を上回りました。営業利益は、下期の設備投資に伴う生産停止が製造原価に影響を与えたものの、コスト削減や販売数量の増加により、前連結会計年度を上回りました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、借入金の返済がなくなったこと、および定期預金の払い戻しが多かったため、前連結会計年度末に比べ127億71百万円増加し、239億85百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果取得した資金は、前連結会計年度に比べ13億26百万円増加し、94億13百万円(前連結会計年度は80億86百万円の取得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が増加したためです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果取得した資金は、前連結会計年度に比べ119億26百万円増加し、49億83百万円(前連結会計年度は69億43百万円の使用)となりました。これは主に、定期預金の払戻を受けたためです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ63億78百万円増加し、15億33百万円(前連結会計年度は48億45百万円の取得)となりました。これは主に、配当金の支払を行ったためです。