有価証券報告書-第54期(2024/04/01-2025/03/31)

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2025/06/19 11:18
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137項目
(3)-② マテリアリティに関する行動計画
当社のマテリアリティに関する主な行動計画は、以下の通りです。
■環境にやさしい製品づくり
貴金属や希少鉱物を使用する当社において、環境にやさしい製品づくりは1971年の創業時からの重点課題であるため、マテリアリティのうちでも特に重点的に取り組む課題としています。
なお、当社は製造工程をフォーミュレーション(調合)業務のみとしているため大きな製造設備は保有・稼働しておりませんのでエネルギー使用やGHG排出の絶対量は微少ではありますが、製品によるエネルギー分野への貢献だけでなく、使用量の削減についても真摯に取り組んでまいります。
①環境負荷低減につながる製品開発及び事業活動の推進
・環境配慮型製品(穀物由来原料代替、ニッケル不使用、シアンフリー)について、個別の開発テーマごとに設定した製品化計画を達成(製品リリース)することを目標としています。
②めっき工程におけるエネルギー使用量削減
・「GHG排出量削減:2030年スコープ1・2に関するカーボンニュートラルを達成する」ことと、研究開発設備の遮熱化や空調機器の更新など様々な省エネルギーへの取り組みを行い「エネルギー使用量削減:2030年度エネルギー使用量を2022年度(167t-CO2)比で20%削減する」ことを目標としています。
・上記のエネルギー消費量削減施策のみではカーボンニュートラルは達成できないため、J-クレジット等の使用によるカーボンニュートラル実現も計画しております。
③めっきで培ったコア技術の応用によるエネルギー分野への貢献
・展示会出展などを通じて提携先の選定を進め、2027年度までに電池材料・電解液メーカーとの共同開発に合意し、2030年度には生産・販売開始することを目指します。
■人的資本経営の推進
当社は知識集約型・開発型の企業であり、人的資本が企業価値向上の源泉であるため、マテリアリティのうちでも特に重点的に取り組む課題としています。
社員が「能動型自律人材」(*1)へと成長し、ウェルビーイングのもとでその能力を会社の経営戦略と一致する方向で発揮することで、製品開発や営業活動をはじめとする事業活動が活性化され、当社事業が成長する機会になります。一方でこれが損なわれると成長機会を失うリスクとなります。また、従業員が安心して働くことのできる安全な職場環境の整備を行うことが従業員の働く意欲を高める基礎となるため、これを推進することが当社事業の成長につながる機会となります。一方でこれを怠ると成長機会を失うリスクとなります。
よって、当社の企業理念に基づく中長期ビジョンを実現するためには「人的資本経営の推進」が欠かせません。
この人的資本経営の推進を実現させるために、①企業理念に共感し、ビジョンの実現に主体的に参画する組織風土の醸成 ②能動型自律人材の採用と育成 ③働きやすく、やりがいを感じる職場環境の整備 という3つのテーマに沿って人的資本方針を策定し、サステナビリティ委員会の管轄のもとで実行しております。この方針のもとで、全従業員が主体的に経営に参画する企業風土を育み、人的資本経営の実現を目指します。
当中期経営計画期間(2025~2027年度)における進捗はエンゲージメントスコア等によりモニタリングしてまいります。
① 企業理念に共感し、ビジョンの実現に主体的に参画する組織風土の醸成
・経営層とコミュニケーションを取る機会の充実や、社長をはじめとした経営者からの情報発信を質量両面で拡充することにより経営への関心を高め、より主体的に経営に参画する企業風土を醸成します。
② 能動型自律人材の採用と育成
・人材投資を拡大することにより、能動型自律人材に相応しい賃金体系を維持・継続し続けることに加えて、成長に向けて必要な教育や自己啓発の機会を整備してまいります。また、キャリア採用を通じた多様性に富んだ職場環境によって社員の成長意欲を引き出すとともに、能動型自律人材の要素である挑戦、遂行、共働を促す仕掛けや実践する機会を増やしてまいります。
③ 働きやすく、やりがいを感じる職場環境の整備
・社員のウェルビーイングにつながる諸制度・施策の充実、働き方の選択肢の拡大、1on1等によるキャリア支援の拡充等に継続的に取り組んでいきます。
・育児休業については、現状、希望者は全員取得しております。今後も当社の福利厚生制度の説明の機会等において育児休業制度の周知と一層の浸透を図っていきます。「育児休業取得率」をモニタリングします。
・女性管理職についてはキャリア採用と併せてキャリア支援プログラムによるサポートを検討・実行します。「女性管理職比率」をモニタリングします。
<人的資本経営にかかる労働安全衛生、人権、健康等に関する方針や取組み>①「人材採用・育成方針」
一人ひとりが当事者意識をもった「能動型自律人材」(*1)の採用・育成に加え、スキル・経験・知識を備えた人材(性別・年齢・国籍を問わない)の登用等を通じた人材の多様性の確保を推進します。
(*1)当社は、「能動型自律人材」を以下の3つに定義づけております。
1)好奇心をもって挑戦する人材
社会の変化を先取りし、好奇心と探求心をもって果敢に新しいことに挑戦します
2)当事者意識をもってやり遂げる人材
自ら考えて行動し、常に全体最適の視点で最後まで責任をもってやり遂げます
3)多様性を尊重し周囲と協働できる人材
人を思いやり、つながりや個性を大切にすることで組織の可能性を最大化します
②「労働・安全衛生方針」(社内環境整備方針)
ア 労働慣行について
当社は、従業員の人権を含む各種の国際規範を尊重し、従業員に対して尊厳をもって扱います。
イ 安全衛生について
当社は、労働関連の負傷や疾病を最小限に抑えることに努め、安全で健康な職場環境により、製品・サービスの質の向上や従業員の定着とモラルの向上を目指します。
また、当社は、職場の衛生と安全問題を特定し解決するために、継続的な従業員への情報提供と教育を実施します。
③人権の尊重に関する取り組み(「人権の尊重に関する基本方針」)
当社は「化学の好奇心でエレクトロニクスに役立てる」を企業理念とし、「社会課題と向き合い多様な視点と独自の発想力を発揮し、エレクトロニクス業界を牽引するファインケミカル企業となる」ことを目標としております。
そして、当社は事業活動を通じて様々なステークホルダーの人権に負の影響を引き起こし、または助長する可能性があることを認識しており、前述した目標の達成のためにもこうした人権侵害を回避し、全ての人々の人権が尊重されなければならないことを理解しております。
そこで、当社は「人権の尊重に関する基本方針」を以下の通り定め、当社の全ての役員と社員にて遵守してまい ります。
「人権の尊重に関する基本方針」
ア 人権に対する基本的な考え方
当社は、人権尊重の取り組みを推進し、その責務を果たすため、すべての人々の基本的人権を規定した国連の「国際人権章典」及び「ビジネスと人権に関わる指導原則」、国際労働機関(ILO)の「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」などの人権に関する国際規範を支持・尊重し、それらを踏まえて実践に努めます。また、事業活動を行う国や地域の法令を遵守し、国際的に認められた人権と各国や地域の法令との間で相反する要請がある場合は国際的に承認された人権の原則を追求します。
イ 人権尊重
当社は多様性を尊重し、出生、国籍、人種、民族、信条、性別、年齢、職業、雇用形態、学歴、性的指向、性自認、婚姻、妊娠、疾病、障害、社会的身分または門地などいかなる差別、ならびにパワーハラスメント、セクシャルハラスメント等のあらゆるハラスメント行為を行いません。また、強制労働や児童労働は認めません。
ウ 適用範囲
本方針は、当社の全役員・全従業員(正社員・契約社員・派遣社員を含む)に対して適用されます。また、当社のサプライヤーやビジネスパートナーに対して本方針を支持し、人権尊重に努めるよう働きかけ、協働して人権尊重を推進します。
エ 取り組み
・デューディリジェンス
当社は、人権デューディリジェンスの仕組みを構築し、これを継続して実施することで人権への負の影響の特定・評価を行い、その影響を防止・軽減することに取り組みます。
・救済
当社が人権への負の影響を引き起こした、あるいはこれを助長したことが判明した場合、適切な手続きを通じてその救済に取り組みます。
・教育
当社は、本方針の実効性を担保するため、当社の役員・従業員に対して適切な教育を行います。
・苦情処理メカニズム
当社は人権への負の影響を含む懸念を早期に発見し、対処するため通報制度を設けています。通報においては、通報者の匿名性や通報内容の秘匿性を担保します。また通報者に対し通報を理由とする不利益な取り扱いは行いません。
・情報開示
人権尊重の取り組みの進捗状況及びその結果について、当社ウェブサイト等を通じて報告していきます。
④人的資本方針に関する指標と目標・具体的な取り組み
当社は人的資本方針に関して以下の取り組みを行っています。いずれの取り組みも、当中期経営計画期間においても指標と目標を設け達成度合いを測定する予定です。
能動型自律人材となりうる人材を豊富に獲得するため、2023年度採用より各部門長が部門最適な人材像を確立し主体的に採用活動を展開する採用方式を導入しております。
人材育成については、従業員全員が参集し経営方針の浸透と組織風土の醸成等を図る全社方針説明会の半期毎の開催をはじめ、各部門にて毎月1on1ミーティングを開催する等の活動により、当社に必要な人材像の理解の深化を図りました。また、コンプライアンス等の人権関連課題についての当社取り組みについても全従業員への周知徹底を図っています。
労働安全衛生について安全衛生委員会を中心に各ガイドラインの順守と質的向上を図る一方で、働き方の選択肢の拡充にも取り組んでおります。なお2024年度時点で育児休業取得希望者は100%取得の達成を継続しております。
人権方針に関する取り組みについては、以下の人権デューディリジェンスをご参照ください。
⑤人権デューディリジェンス
当社は、当社の人権方針に則り、当社事業活動によって影響を受ける人々を対象とした人権デューディリジェンスを実施し、顕著な人権課題を特定しています。人権デューディリジェンスの実施にあたっては、「国連指導原則 報告フレームワーク」及びUNDP*のアジアにおけるビジネスと人権「HRDD 研修進行ガイド」(2021 年)を参考にしています。
*UNDP(国連開発計画):貧困や格差、気候変動といった不公正をなくすための活動を行う国連の機関
具体的には、当社事業活動によって影響を受ける主要なライツホルダーを自社従業員・サプライヤー・顧客/エンドユーザー・地域住民の4つのカテゴリーに分け、当社にとってのリスクではなく、影響を受けるこれらのカテゴリーの人々へのリスクに着目し、潜在的な人権リスクの洗い出しを行いました。その上で、リスクの深刻度とリスクの発生可能性という2つの観点から優先順位を判断し、下記のヒートマップに整理しました。その際、発生可能性よりも深刻度に重きをおいた評価を行っております。
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ア 顕著な人権課題の特定
上記ヒートマップにおいて優先度が高いと位置づけられた以下の人権課題を当社の事業活動における顕著な人権課題として特定しました。
a.紛争鉱物
b.自社従業員に対する公平・公正な処遇
また、顕著な人権課題と比べると優先度は低くなるものの、以下の人権課題についても、そのリスクを認識し、取り組みを進めてまいります。
c.職場における安全衛生(自社従業員)
d.健康被害(顧客/エンドユーザー・地域住民)
当社は、今後も定期的に人権デューディリジェンスを実施し、顕著な人権課題の見直しを行ってまいります。
イ 対応策
当社は、顕著な人権課題に対して、次のように取り組んでいます。
a.紛争鉱物
・当社は、貴金属めっき薬品の製造において貴金属を使用します(金、パラジウム、白金等)。
・紛争鉱物不調達の取り組みを進めるため、貴金属の調達にあたっては、事前にLBMA認定*を受けた企業であることを確認しています。
・当社の調達方針・CSRガイドライン等において、サプライヤーへの遵法のお願い事項を定め、取引先に対して定期的に調査を行っています。調査の結果、問題があると判断した場合には、改善要請を行うと共に、十分な改善が行われない場合は、取引を中止する等の措置を講じることとしています。
* LBMA(ロンドン地金市場協会)認定とは、金融市場における金や貴金属の取引に関連する重要な認証であり、金やその他の貴金属が紛争鉱物ではないということを証明することが可能となります。LBMA認定は金や貴金属が紛争鉱物ではないことを証明するための重要なメカニズムとなっており、国際的な金融市場において、責任ある取引の基準を確立しています。
b.自社従業員に対する公平・公正な処遇
・当社は、少人数体制の下、業務の属人性に伴う長時間労働が散見されている現状に対応し、従業員のワークライフバランスを改善するための取り組みに着手しています。
①育児休業 希望者全員の取得
②柔軟な働き方(勤務時間、勤務場所)の導入検討
・当社の女性活用に関する取り組みは以下の通りです。
①女性管理職の養成(キャリア採用とキャリア支援プログラムによるサポート)
c.職場における安全衛生(自社従業員)
・当社は少人数でありながら正社員・パートタイマー・派遣社員からなる製造部門を有しており、労働安全衛生法において定められている第一種衛生管理者が複数名在籍し各職場における安全衛生を管理監督するとともに、各職場の代表で構成する安全衛生委員会が委託産業医とともに定期的な職場巡視等を行い労働環境の維持改善に努めております。
①第一種衛生管理者の資格取得奨励(2025年6月現在2名在籍)
②安全衛生委員会メンバーと産業医による職場巡視(年3回実施)
d.健康被害(顧客/エンドユーザー・地域住民)
・当社では様々な薬品を取り扱っており、中には劇物毒物に該当するものがあります。劇毒物の取扱いに必要な資格・免許は当然取得済みであり、薬品の取扱いについて関連法規、ISO9001/14001などの国際規格、更に顧客要請等に準拠した厳格な手順を確立し、各ステークホルダーに及ぶ健康被害を決して出さないよう誠実に事業運営しております。
①薬品取扱い等に関する関連法規の更新情報の定期確認(毎月実施)
②緊急事態訓練の励行(毎年実施)
■知的無形資産の質的向上
当社は知識集約型企業であり、製造業でありながら大きな製造設備を保持しておりません。事業活動において最も大切なのは人的資本であり、研究開発活動を通じて人材が生み出す「レシピ」や、50年以上に渡って顧客課題に向き合い解決してきた「ノウハウ」や「顧客との信頼関係」です。そういった無形の資産の可用性を高めるとともに機密の流出を防ぐ、攻めと守りの両面から取り組んでいくことが知的無形資産の価値の最大化につながるものと認識しています。昨今の知識集約型経済においてはこれらの無形資産が競争力の源泉となることから、継続的な投資と戦略的な対応が必要不可欠です。当社では主に情報システムの活用により知的無形資産の価値を高めることにより、持続的な成長と市場での優位性の確立を目指しています。
■経営基盤の強化
当社は、持続的な成長と企業価値の向上を実現するため、経営基盤の強化を経営上の重要事項として位置づけています。これは、中期経営計画の着実な実行を支えるモニタリングシステムの運営や、株主・投資家の皆様への情報開示の充実といった事業の拡大につながる施策のほか、製品の品質保証や安全管理の強化、情報セキュリティ事故の未然防止、調達リスクへの対応、職場の安全衛生の確保など、負の影響を排除し企業運営の根幹となる基礎的要素を含みます。これらを強化することにより、環境変化への柔軟な対応力を高め、リスクへの耐性を向上させるとともに、事業の安定的かつ効率的な運営が可能となります。特に昨今の経済・社会の不確実性が高まる中で持続可能な成長を遂げるためには、強固な経営基盤の構築が不可欠であると判断し、戦略的に取り組んでいます。

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  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
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