有価証券報告書-第95期(2024/04/01-2025/03/31)
2.戦略
マテリアリティの特定と戦略の概要
サステナビリティ委員会においてTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の枠組みに従い、対象となる事業の規模を表す「影響度」とリスク・機会となりうる気候関連の事象の「発生度」から、当社グループの各事業におけるリスク・機会の重要度を評価し、当社グループのサステナビリティに係るマテリアリティを特定するとともに、当該マテリアリティに対する戦略の概要を次のとおり策定いたしました。
(分析のプロセス)
TCFD提言で示された各リスク・機会の項目を参考に、気候変動問題が当社グループの事業に及ぼすリスク・機会に関して、以下のステップで検討いたしました。
また、1.5℃シナリオと、4℃シナリオの二つのシナリオを用いて、政策や市場動向の移行(移行リスク・機会)に関する分析と、災害等による物理的変化(物理的リスク・機会)に関する分析を実施いたしました。

(気候変動シナリオ)
◆1.5℃シナリオ(脱炭素移行に関する将来想定)
地球温暖化の抑制に向け、世界各国でカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みが加速しています。その中で、産業革命前と比較して地球の平均気温の上昇を1.5℃未満に抑えることを目標とする「1.5℃シナリオ」が国際的な共通目標として提示されています。このシナリオでは、温室効果ガスの大幅な削減を推進するため、各国で炭素価格の導入、排出権取引制度の拡充、より厳しい環境規制の実施といった政策的対応が求められることが想定されています。その結果、移行リスクの中でもとりわけ政策・規制面での影響は、4℃シナリオと比べて一層大きくなる可能性があります。
◆4℃シナリオ(気候変動影響が深刻化する将来想定)
気候変動対策が十分に進まず、産業革命以前と比べて今世紀末までに気温が約4℃上昇すると予測されるシナリオです。この場合、物理的リスクが深刻化し、極端な気象現象――台風・豪雨・猛暑などの発生頻度や規模の増大が想定されます。さらに、海面上昇による沿岸地域での浸水やインフラ被害も懸念され、地域社会や経済活動に広範な影響が及ぶ可能性があります。4℃シナリオは、環境・暮らし・産業に対し、多方面にわたる重大なリスクを示すものと位置づけられます。
◆1850~1900年を基準とした世界の平均気温の変化
出典:IPCC第6次評価報告書第1作業部会報告書 政策決定者向け要約 暫定訳(文部科学省及び気象庁)
IPCC第6次評価報告書第1作業部会報告書 政策決定者向け要約 暫定訳(文部科学省及び気象庁)より、図SPM.8を転載
(リスク・機会のインパクト評価と対応策の選定)
1.5℃シナリオでは、カーボンニュートラル達成に向けた国際的な取り組みの加速により、排出規制や炭素税の導入、エネルギー効率の向上に関する政策が進むことが想定されます。当社では、これらの外部環境変化に伴い、主に化石燃料の需要減少リスクを認識しています。一方で、廃油プラスチックの再生需要の拡大想定を踏まえて、当社の提供する製品・サービスが新たな市場機会を創出する可能性があります。今後の対応戦略としては、再生重油などの環境対応燃料の販売を強化を検討しております。
一方で、4℃シナリオでは、気候変動対策が進まず自然災害の頻度や規模が増加することが想定され、インフラの強靭化工事や災害復旧工事の需要が高まることにより、アスファルトや燃料の供給機会が拡大すると見込まれます。また、建設機械のレンタル需要や、BCP対策としての発電機等の防災機器レンタルニーズも増加する可能性があります。こうした市場変化を捉えるべく、当社では、燃料や建機の安定供給体制を強化するとともに、仕入先との連携を深め、利益率の高い小口燃料販売の強化や、BCP対応機材・レンタルラインナップの拡充に向けた投資を推進しています。
このようなリスクと機会に対応するため、当社グループは、BDF・再生重油等の環境対応型エネルギーに関する取り組みを加速させることで、カーボンニュートラル社会の実現に貢献してまいります。
マテリアリティの特定と戦略の概要
サステナビリティ委員会においてTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の枠組みに従い、対象となる事業の規模を表す「影響度」とリスク・機会となりうる気候関連の事象の「発生度」から、当社グループの各事業におけるリスク・機会の重要度を評価し、当社グループのサステナビリティに係るマテリアリティを特定するとともに、当該マテリアリティに対する戦略の概要を次のとおり策定いたしました。
| 分類 | マテリアリティ | 戦略の概要 |
| E (環境) | ①環境への貢献 | 環境負荷低減に資する商品・サービスの提供 |
| サーキュラーエコノミーを担うリサイクル事業等の推進 | ||
| シェアリングエコノミーに貢献するレンタル事業等の推進 | ||
| ②良質な製品・サービスの提供 | 社会の要請に対応した製品・サービスのラインナップの拡充 | |
| S (社会) | サプライチェーンの維持強化 | |
| ③人材育成・社内環境整備 | 社員のエンゲージメントの向上 | |
| 人材の多様性の推進 | ||
| 将来を担う人材の育成促進 | ||
| ④地域社会への貢献 | 地域に根ざした事業展開の推進 | |
| 製品・サービスの供給体制の強化 | ||
| 災害発生時の供給体制・サービス体制の維持と強化 | ||
| G (ガバナンス) | ⑤コーポレート・ガバナンスの強化 | 経営の透明性を高めるコーポレート・ガバナンス体制の構築 |
| コンプライアンスの徹底 | ||
| 非財務情報を含む情報開示の充実 |
(分析のプロセス)
TCFD提言で示された各リスク・機会の項目を参考に、気候変動問題が当社グループの事業に及ぼすリスク・機会に関して、以下のステップで検討いたしました。
また、1.5℃シナリオと、4℃シナリオの二つのシナリオを用いて、政策や市場動向の移行(移行リスク・機会)に関する分析と、災害等による物理的変化(物理的リスク・機会)に関する分析を実施いたしました。

(気候変動シナリオ)
◆1.5℃シナリオ(脱炭素移行に関する将来想定)
地球温暖化の抑制に向け、世界各国でカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みが加速しています。その中で、産業革命前と比較して地球の平均気温の上昇を1.5℃未満に抑えることを目標とする「1.5℃シナリオ」が国際的な共通目標として提示されています。このシナリオでは、温室効果ガスの大幅な削減を推進するため、各国で炭素価格の導入、排出権取引制度の拡充、より厳しい環境規制の実施といった政策的対応が求められることが想定されています。その結果、移行リスクの中でもとりわけ政策・規制面での影響は、4℃シナリオと比べて一層大きくなる可能性があります。
◆4℃シナリオ(気候変動影響が深刻化する将来想定)
気候変動対策が十分に進まず、産業革命以前と比べて今世紀末までに気温が約4℃上昇すると予測されるシナリオです。この場合、物理的リスクが深刻化し、極端な気象現象――台風・豪雨・猛暑などの発生頻度や規模の増大が想定されます。さらに、海面上昇による沿岸地域での浸水やインフラ被害も懸念され、地域社会や経済活動に広範な影響が及ぶ可能性があります。4℃シナリオは、環境・暮らし・産業に対し、多方面にわたる重大なリスクを示すものと位置づけられます。
◆1850~1900年を基準とした世界の平均気温の変化
出典:IPCC第6次評価報告書第1作業部会報告書 政策決定者向け要約 暫定訳(文部科学省及び気象庁)IPCC第6次評価報告書第1作業部会報告書 政策決定者向け要約 暫定訳(文部科学省及び気象庁)より、図SPM.8を転載
(リスク・機会のインパクト評価と対応策の選定)
1.5℃シナリオでは、カーボンニュートラル達成に向けた国際的な取り組みの加速により、排出規制や炭素税の導入、エネルギー効率の向上に関する政策が進むことが想定されます。当社では、これらの外部環境変化に伴い、主に化石燃料の需要減少リスクを認識しています。一方で、廃油プラスチックの再生需要の拡大想定を踏まえて、当社の提供する製品・サービスが新たな市場機会を創出する可能性があります。今後の対応戦略としては、再生重油などの環境対応燃料の販売を強化を検討しております。
一方で、4℃シナリオでは、気候変動対策が進まず自然災害の頻度や規模が増加することが想定され、インフラの強靭化工事や災害復旧工事の需要が高まることにより、アスファルトや燃料の供給機会が拡大すると見込まれます。また、建設機械のレンタル需要や、BCP対策としての発電機等の防災機器レンタルニーズも増加する可能性があります。こうした市場変化を捉えるべく、当社では、燃料や建機の安定供給体制を強化するとともに、仕入先との連携を深め、利益率の高い小口燃料販売の強化や、BCP対応機材・レンタルラインナップの拡充に向けた投資を推進しています。
| リスク | ドライバー | 気候変動がもたらす影響 | 発生 可能性 | 影響度 | 対応策 | |
| 移行 リスク | 法規制・ 政策 | 温室効果ガス排出抑制に関する規制強化 | GHG排出量削減目標達成のためによる化石燃料の需要減 | 大 | 大 | ・BDFの拡販 ・カーボンクレジットの販売 |
| 市場 | 顧客からサプライヤーへのGHG削減対応要請強化 | 顧客のGHG削減ニーズを満たす燃料製品を提供できない場合の販売機会喪失 | 中 | 大 | ・BDFの拡販 ・カーボンクレジットの販売 ・EV建機などの商品拡充 | |
| 低炭素化対応建機のラインナップがないことによる販売機会の喪失 | 中 | 中 | ・早期にカーボンニュートラル対応機材の採算性を確認しラインナップ化 | |||
| 車両向け燃料の脱・低炭素化 | 車両の電動化、環境対応燃料への燃転による石油製品の需要減少 | 大 | 大 | ・再生重油や高純度BDFなどの環境対応燃料の販売を強化 | ||
| リスク | ドライバー | 気候変動がもたらす影響 | 発生 可能性 | 影響度 | 対応策 | |
| 物理的 リスク | 急性 | 自然災害の激甚化 | 台風や水害により生産拠点や物流が被災しサプライチェーンが分断、製品調達や顧客先への配送が困難となる | 中 | 大 | ・調達先を多様化し被災時に調達可能な取引先を増やす ・配送拠点(運送会社や小口配送依頼先)を複数設置し、拠点被災時に運べない確率を下げる |
| 慢性 | 気温の上昇 | 暖冬や降雪量減少による燃料需要の減少 | 大 | 大 | ・暖房用以外の燃料使用先の拡大(土木工場等) ・住宅設備の販売強化 | |
| 機会 | 市場 | 国土強靭化(インフラ強靭化、建物の修繕) | 自然災害に備えるためのインフラ強靭化工事増加や自然災害復旧対応工事の増加に伴うアスファルト・燃料需要増 | 中 | 大 | ・サプライチェーンの維持強化、安定供給の実施 ・仕入先との連携強化 ・利益率の高い小口燃料販売の強化 |
| 自然災害に備えるためのインフラ強靭化工事増加や自然災害復旧対応工事の増加に伴う建機レンタル需要増 | 大 | 大 | ・レンタル機械の拡充等の投資強化 | |||
| サーキュラーエコノミーの拡大 | 廃油プラスチックの再生需要の拡大 | 大 | 大 | ・再生重油の販売先の拡大 | ||
| 製品及び サービス | 国土強靭化(インフラ強靭化、建物の修繕) | BCPの観点から発電機等のラインナップ追加によるレンタル需要増 | 小 | 大 | ・BCP関連商品の拡充 | |
このようなリスクと機会に対応するため、当社グループは、BDF・再生重油等の環境対応型エネルギーに関する取り組みを加速させることで、カーボンニュートラル社会の実現に貢献してまいります。