有価証券報告書-第24期(2025/04/01-2026/03/31)
(3) 戦略・指標及び目標
当社グループでは、「JX金属グループフィロソフィー」に基づき、2040年の当社の在りたい姿を示した長期ビジョンの達成に向けて、マテリアリティを特定しています。各マテリアリティはKPIを設定し、サステナビリティ推進会議にて達成度合いを測定・評価しながら運用しています。
・マテリアリティの特定プロセス
2018年に下記ステップにより10項目の「CSR重要テーマ」を特定し、その後、2020年には長期ビジョンの策定を踏まえて見直しを行い、その達成に向けた優先課題として6項目の「マテリアリティ」へと再整理しました。

・マテリアリティ(重要課題)とKPI(重要業績評価指標)
Environment
マテリアリティ①:地球環境保全への貢献
Social
マテリアリティ②:くらしを支える先端材料の提供
マテリアリティ③:魅力ある職場の実現
(注) 障がい者の雇用促進と安定を目的として設立される子会社
マテリアリティ④:人権の尊重
マテリアリティ⑤:地域コミュニティとの共存共栄
Governance
マテリアリティ⑥:ガバナンスの強化
・マテリアリティの改定(2025年度)
2025年度は、事業ポートフォリオ戦略の進展や、上場等の経営を取り巻く環境の変化、フィロソフィーの策定等を背景に、マテリアリティの改定について検討しました。改定に当たっては、既存のマテリアリティをベースとしつつ、経済産業省の推進する「SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)」や「国際統合報告フレームワーク」の提唱する「統合思考」等の考え方を取り入れ、当社グループが提供する価値と、それを支える経営基盤をより明確に示すことを重視しました。
また、複数の社外有識者との継続的な対話を重ねるとともに、サステナビリティ推進会議、経営会議、取締役会にて複数回にわたり報告・付議し、経営層を巻き込んだ議論を行いました。これらの検討を経て、以下のとおりマテリアリティを確定しました。

なお、特定したマテリアリティについては、今後の社会情勢やニーズの変化、経営戦略等に応じて内容の見直しを定期的に実施していく予定です。
当社グループでは、「JX金属グループフィロソフィー」に基づき、2040年の当社の在りたい姿を示した長期ビジョンの達成に向けて、マテリアリティを特定しています。各マテリアリティはKPIを設定し、サステナビリティ推進会議にて達成度合いを測定・評価しながら運用しています。
・マテリアリティの特定プロセス
2018年に下記ステップにより10項目の「CSR重要テーマ」を特定し、その後、2020年には長期ビジョンの策定を踏まえて見直しを行い、その達成に向けた優先課題として6項目の「マテリアリティ」へと再整理しました。

・マテリアリティ(重要課題)とKPI(重要業績評価指標)
Environment
マテリアリティ①:地球環境保全への貢献
| 2025年度目標KPI | 2025年度実績・進捗 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| リサイクル原料比率:リサイクル原料品目の拡大 (対象:JX金属グループ) | 銅製錬におけるリサイクル原料比率(原料投入比率若しくは製品中の含有比率)を2040年に50%に引き上げる目標に向け、リサイクル原料増処理に向けた設備増設や新規プロセスの調査・試験などに取り組みました。 マスバランス方式を活用した2種類の100%リサイクル電気銅(PCL100/mb及びMR100/mb)について、複数のお客様とリサイクル原料の増集荷等を伴う取引を開始しました。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| CO2自社総排出量:2050年度CO2ネットゼロ、2030年度50%削減(2018年度比)に向けた取り組みの推進 (対象:JX金属グループ) | 目標達成に向け発足したカーボンフリー委員会を通じた活動を継続し、各拠点でのCO2フリー電力の導入やネットゼロに向けた事業部別のロードマップの作成をはじめとする脱炭素に向けた各種取り組みを推進しました。 目標達成に向けて各拠点でのCO2フリー電力の継続使用や、新規技術導入の検討を継続して行いました。また、カーボンフリー委員会を通じてScope3排出量削減に向けた検討を開始しました。 ■当社グループ Scope1,2排出量の推移(2025年度実績は集計中)
※Scope1はエネルギー(燃料)、廃棄物(廃油、廃プラ、汚泥、木くず)焼却及び還元剤・中和剤・黒鉛電極・リサイクル原料由来分をCO2換算しています。CO2排出係数は各年度において適用される地球温暖化対策推進法の係数を使用しています。 ※Scope2は電気及び熱由来分をCO2換算しています。第三者より供給された熱エネルギー(蒸気、温水、冷水)を含みます。Scope2算出のために適用する排出係数は、国内グループ及び海外グループでそれぞれ以下のように適用しています。 国内グループ:環境省、経済産業省が公表する最新の電気事業者別の調整後排出係数を適用 海外グループ:現地の電力会社、国が公表する排出係数又は国際エネルギー機関(IEA)が発行する「IEA Emission factors 2024」が公表する国別排出係数を適用 ※温室効果ガス排出量の定量化は、活動量データの測定、及び排出係数の決定に関する不確実性並びに地球温暖化係数の決定に関する科学的不確実性にさらされています。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 埋立処分比率:1%未満 (対象:JX金属グループ) | 環境に及ぼす影響を最小限に抑えることを目的として、廃棄物を削減すべく埋立処分比率1%未満を維持する目標を掲げています。2024年度の埋立処分比率は0.59%(速報値)でした。 ※タニオビス社の埋立処分量の絶対値は他拠点と比べて大きく、かつリサイクルも技術的に大変困難です。そのためタニオビス社以外の拠点の削減効果を適切に反映すべくタニオビス社を除外したバウンダリでKPIを運用しています。なお、タニオビス社を含めた数値は現在算定中です。 |
Social
マテリアリティ②:くらしを支える先端材料の提供
| 2025年度目標KPI | 2025年度実績・進捗 |
| 研究開発費における先端材料・新規事業に関わる研究開発費比率[2025年度:80%以上] | 2025年度の先端材料・新規事業に関わる研究開発比率は94%となりました。今後も当該領域を中心に、成長加速を見据えた積極的な研究開発投資を行います。 |
| 技術立脚型経営を支える体制の構築 | 成長領域であるデータインフラ材料分野の事業化を加速するため、「先端材料事業本部」に「データインフラ材料事業推進部」を新設しました。 |
| 生成AIを活用した働き方の改革、AI活用文化・企業風土の醸成 | 生成AI(Copilot等)の全社展開及び活用促進を着実に推進し、文書作成や会議、ナレッジ活用等における業務効率化を実現しました。一部では、月次での時間削減効果も確認されるなど、生産性向上に寄与しています。加えて、役員・社員向け勉強会やユースケース創出を通じて活用理解が大きく進展し、AIを活用した業務改善に自律的に取り組む文化の醸成が進みました。 |
マテリアリティ③:魅力ある職場の実現
| 2025年度目標KPI | 2025年度実績・進捗 |
| 人と組織の活性化に向けた取り組みの実施 | 従業員意識調査を実施し、社員の声を積極的に取り入れ、働きがいのある職場環境づくりに努めるとともに、社内公募制度やカムバック制度の導入等によって人材の流動化を支援するなど、組織全体の活性化を図る取り組みを進めています。 |
| 年休取得率の向上:80%以上 (対象:JX金属) | 年休を取得しやすい職場環境の醸成や年休奨励日の増設などの取り組みの継続実施により、年休取得率は85.8%となりました。今後も更なる取得率向上に向けた働きかけを実施してまいります。 |
| 障がい者雇用率の維持・向上:2.7%以上 (対象:JX金属、特例子会社(注)含む) | 2025年度の障がい者雇用率は2.87%となりました。今後も障がい者雇用率の維持・向上を目指すとともに、障がいのある方が充実した社会生活を送れるよう、積極的な支援と各種施策を展開していきます。 |
| 重大な労働災害発生の低減:年千人率(休業4日以上)0.70以下 (対象:JX金属グループ) | 2025年の年千人率は1.07となりました。災害発生の事実を厳粛に受け止め、昨年度に引き続き、リスクアセスメントの実効性向上や、事故原因究明のための従業員の能力向上等を通じて、安全衛生マネジメントシステムの継続的な改善に取り組むとともに労働災害防止に努めていきます。 |
| 健康増進に向けた取り組み:がん検診受診率80%以上 (対象:JX金属) | 2025年度受診率は前年度(83.5%)から上昇し、85.7%となりました。従来JX金属に所属する社員を対象に行ってきており、その効果は年々表れています。今後も引き続き、かかる諸施策(がん検診が備わった定期健康診断・人間ドックコースの設定、本社・各箇所健康相談室によるフォロー、がん検診推奨リーフレットの配布等)を社内に展開していくことで、社員の健康意識を高め、受診率向上につなげていきます。 |
(注) 障がい者の雇用促進と安定を目的として設立される子会社
マテリアリティ④:人権の尊重
| 2025年度目標KPI | 2025年度実績・進捗 |
| サプライチェーンにおける人権調査の実施 | 原料の調達においてOECDガイダンスに準拠したサプライチェーン・デュー・デリジェンスのマネジメントシステムを構築し、運用しています。2025年度も銅、金、銀、プラチナ、パラジウム、タンタルについて、監査法人による外部監査を受審し、適切な運用を実施していると認められました。 |
| 人権研修の受講率:100% (対象:JX金属) | 人権の尊重を企業行動規範や人権方針、その他社内規則に定めるとともに、グループ各社にて、人権意識の向上と人権問題の発生防止を目的として、人権研修やeラーニングを継続実施しています。2025年度も、役員・従業員を対象として、主に職場におけるハラスメントをテーマに、人事部・法務部が共同で制作したeラーニング研修と、約20分の動画研修を行い、受講率は100%でした。 |
マテリアリティ⑤:地域コミュニティとの共存共栄
| 2025年度目標KPI | 2025年度実績・進捗 |
| 事業活動の基盤である地域社会との信頼関係の構築 | 国内外の各事業拠点において地域に根差した社会貢献活動や地域とのコミュニケーションを行うことにより、事業活動の基盤となる地域社会との信頼関係構築に努めました。 |
Governance
マテリアリティ⑥:ガバナンスの強化
| 2025年度目標KPI | 2025年度実績・進捗 |
| 事業特性・社会動向等を踏まえたコンプライアンス研修の実施 | 当社グループでは、役員・従業員のコンプライアンス知識・意識向上を目的として毎年度コンプライアンス研修を実施しています。前年度に引き続き、グループ全体のコンプライアンス研修(テーマ:コンプライアンスとは/反社対応/インサイダー取引防止)、階層別のコンプライアンス研修及び分野別のコンプライアンス研修をそれぞれ事業特性や社会動向等を踏まえ実施しました。 |
| 品質管理教育の実施 [2025年度教育受講者数:500名以上] | 2025年度の教育受講者数は約400名でした。2025年度は費用削減を目的とした教育の内製化(ENEOS総研から戦略技研への移管)、従来プログラムの見直し、e-ラーニング化の準備を重点的に進め、教育実施回数を縮小したことから、受講者を400名に限定しました。現在、e-ラーニング化も計画どおり進捗しているため、2026年度は受講者数500名を目標に活動します。 |
| 重大なセキュリティインシデントの発生0件 | ISMSに基づくリスクアセスメント・監査・教育等を通じて組織的・人的・物理的・技術的対策の強化と維持に取り組み、2025年度における重大なセキュリティインシデントの発生は0件でした。 サイバー攻撃の増加・高度化などセキュリティリスクが増大していることを踏まえ、今後も平時の予防対策強化に加え、インシデント発生時のレジリエンス強化に継続的に取り組みます。 |
| 全社的リスクマネジメント体制の着実な運用 | 当社グループでは、リスクマネジメントのガイドラインである「ISO31000」を参考にして構築した全社的リスクマネジメント(ERM)に基づく活動に取り組んでいます。2025年度も、ERMを企業価値の向上により資する取り組みとするべく定めた「JX金属グループのERMのあるべき姿」の達成に向け、ERMの仕組みの継続的な改善に取り組みました。改善にあたっては、外部機関の成熟度モデルを活用し現状とのギャップを分析した上で、従来の運用改善や対策となる施策を企画・実施しました。 |
・マテリアリティの改定(2025年度)
2025年度は、事業ポートフォリオ戦略の進展や、上場等の経営を取り巻く環境の変化、フィロソフィーの策定等を背景に、マテリアリティの改定について検討しました。改定に当たっては、既存のマテリアリティをベースとしつつ、経済産業省の推進する「SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)」や「国際統合報告フレームワーク」の提唱する「統合思考」等の考え方を取り入れ、当社グループが提供する価値と、それを支える経営基盤をより明確に示すことを重視しました。
また、複数の社外有識者との継続的な対話を重ねるとともに、サステナビリティ推進会議、経営会議、取締役会にて複数回にわたり報告・付議し、経営層を巻き込んだ議論を行いました。これらの検討を経て、以下のとおりマテリアリティを確定しました。

なお、特定したマテリアリティについては、今後の社会情勢やニーズの変化、経営戦略等に応じて内容の見直しを定期的に実施していく予定です。