有価証券報告書-第61期(平成30年3月1日-平成31年2月28日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、経営理念である「ユーザーのための研究開発」をモットーに、境界領域(モノとモノとの接点における摩擦や磨耗など)におけるニーズに応え、「水と油と高分子のスペシャリストとして社会の発展に貢献」し、「小さくとも世界にきらりと光を放つ」企業を目指し、次の5項目を中期経営方針に掲げております。
① 多様な技術を集積し、強みを活かす研究開発により、高付加価値製品でトップシェアを獲得する。
② M&A、事業提携を活用し、新事業を創出する。
③ 国内事業基盤をさらに充実させるとともに、成長する地域でのコア事業を強化する。
④ 生産部門一人一人の意識改革により、品質の向上とコスト低減をすすめる。
⑤ コンプライアンス・リスクに対して高い意識をもち、ステークホルダーの信頼を高める。
(2) 経営戦略等
① 各事業部門の戦略
(特殊潤滑油部門)
主たる需要分野である自動車産業においては、日本、中国、アメリカにおいて生産台数の頭打ち傾向がみられますが、インドや東南アジアを中心とした新興国では生産台数の増加が見込まれます。そうした中、当社主力製品であるダイカスト用油剤については、少量塗布で優れた性能を発揮する離型剤の拡大によってグローバルトップを目指します。また、まだまだ世界的にシェアの低い切削油剤や熱間鍛造潤滑剤については、国内外の開発ノウハウを共有化するとともに、グローバル生産体制を確立させ、世界市場でのシェア拡大を図ります。
一方、国内では、上記少量塗布型離型剤、白色系の熱間鍛造潤滑剤等、環境負荷軽減に貢献できる潤滑剤の開発や、航空機部品、ガラス等の難削材の加工を可能にする切削油剤の開発、新たな販売ルートの開拓等により国内基盤の充実を図ります。
(合成潤滑油部門)
高温用合成潤滑油は、主として自動車電装部品向けの高温軸受用グリースの基油として使用されており、高いシェアを有するオンリーワン製品として安定的な需要が見込まれますが、新たな製品開発、用途の拡大、欧米・中国への展開により、オリジナリティーの高い製品を世界に供給します。
ハ-ドディスク表面潤滑剤は、サーバ向けメディア市場での底堅い需要はあるものの、ハードディスクドライブ以外の記憶媒体の開発進展にともない厳しい環境が続くと予想される中、薄膜化、耐久性やコストパフォーマンスに優れた新潤滑剤を市場投入するとともに、生産の最適化とコストダウンにより収益性維持に努めます。また、次世代メディア用潤滑剤の先行開発を積極的に進め、継続的な新機種での認定を目指します。
(素材部門)
主力製品である流動パラフィンは、高引火点流動パラフィン等、新製品の投入により国内外のリチウムイオン電池向け需要の取り込みを図るとともに、医療品、化粧品等の成長分野における需要の拡大に対応します。また需要の堅調な天然スルホネートについては、生産性の向上により生産量を確保いたします。
(ホットメルト接着剤部門)
衛生材では、既存顧客との関係をより強固にしながら国内基盤を固めるとともに、多様化する海外ニーズに対応した商品の開発により、グローバル展開をさらに加速させます。ラベル等の粘着材分野においては、高機能新製品により新しい分野、新しい用途への売上高拡大を目指します。また、ⅤОC(揮発性有機化合物)への対策として、需要増加が見込まれる自動車内装用を主とする反応型ホットメルト接着剤については、環境負荷軽減に貢献できる接着剤として引き続きアピールをしていきます。
中国天津やインドネシア現地法人においては衛生材用途だけでなく、フィルター分野や自動車分野等他分野への拡販活動を強化するとともに、販売エリアの拡大も進めていきます。
製造面では、原料購入のグローバル化を推進し、サプライチェーンを強化することにより、原材料の安定確保とコスト競争力強化に努めます。また、海外生産部門とのネットワークを強化し、グローバル共通品質の確保と最適生産を追求します。
(デバイス材料部門)
当部門の主力製品である有機EL向け封止材については、中国等海外を中心に販売を拡大していくとともに、当該業界でも知名度が高まってきた世界で唯一の高性能ガス・水蒸気透過度測定装置(スーパーディテクト)についても、海外メーカーをターゲットに販売体制を整え拡大を図っていきます。有機薄膜太陽電池については、OPV開発部として独立させるとともに増員を図り、早期に事業化すべく開発、製造、販売の強化をしてまいります。
② 海外戦略
当社グループは、自動車分野で国内市場が成熟する中、引き続き、自動車関連や衛生材料分野の成長が見込まれる新興国において、特殊潤滑油、ホットメルト接着剤等の事業展開を積極的に推進してまいりますが、特に、中長期的には自動車関連等で需要が拡大している中国、北米を重要市場と位置付け、マーケティング、性能、コスト面等で競合各社を凌駕すべく体制を強化してまいります。また、グローバル展開推進のための体制作りや、新製品開発力強化による競争力の向上を目指し、現地と日本の連携により現地ニーズに対応した事業展開をスピーディーに進めます。
中国ではグループ会社間のネットワークをさらに強化するとともに販売網を整備し、日系のみならず現地企業への販売を強化します。特に、まだシェアの低い切削油剤や熱間鍛造潤滑剤の拡販活動を加速するとともに、ホットメルト接着剤では、衛生材用途以外の用途での拡大を図っていきます。また、環境規制が厳しくなってきている中で、少量塗布型離型剤の販売を強化するとともに、環境に配慮した製造を行ってまいります。
東南アジアでは現地ニーズの情報収集に注力し、ニーズに対応した製品開発をタイムリーに行うことで、ローカルユーザーを含めた市場でのシェアアップに努めます。またタイ、インドネシアの生産拠点を核としてベトナム、マレーシア、フィリピン等へ市場開拓を進めます。
インドでは、2017年に設立した現地法人を拠点に潤滑油やホットメルト接着剤の販売を拡大するとともに、工場建設を進め2019年6月の稼働を目指します。
北米においては、ダイカスト用油剤、熱間鍛造潤滑剤および高温用合成潤滑油を中心とした市場開拓を日系企業のみならず米系企業に対して推進するとともに、メキシコ駐在員事務所と連携し、積極的に自動車部品メーカー等の需要を取り込んでまいります。
③ 新製品開発
新製品開発では、従来からの「環境関連分野」、「情報関連分野」、「エネルギーデバイス分野」に「メディカル材料分野」を加えた4分野に重点をおき、人的、技術的ネットワークを生かしながら、当社のコア技術をさらに強化し、国内外の顧客ニーズにあった製品開発に注力していきます。また、世界をリードする独創性の高い製品をタイムリーに市場投入してまいります。
(環境関連分野)
自動車関連部品の製造工程で重要な役割を担う特殊潤滑油分野では、省資源、省エネルギーに貢献する高機能製品の開発を進めます。少量塗布で優れた離型性や潤滑性を発揮するダイカスト用油剤、難削材や航空機産業用部品を加工できる切削油剤等、オリジナリティーの高い製品展開を図ります。
溶剤を含まず環境負荷軽減に寄与するホットメルト接着剤分野では、反応型ホットメルト接着剤等が国内自動車メーカーの一部車種で採用されていますが、耐熱性をさらに向上し、これまで使用されなかった内装用部位への展開を図るとともに低コスト化を実現し、グローバルな展開に結び付けてまいります。
(情報関連分野)
ハードディスクドライブの需要は、中長期的に見れば今後ともクラウドサーバ用の成長が進展すると予想され、より高度な次世代記録方式に対応した高機能な表面潤滑剤を提供してまいります。また、流動パラフィンについては、リチウムイオンバッテリーメーカーの増産ならびに品質向上に対応した生産・開発体制を構築していきます。
(エネルギーデバイス分野)
有機合成技術、配合技術、高分子材料の変性技術等を生かし、今後の成長が期待される有機ELパネルや照明等、有機デバイスの長寿命化に貢献する高バリア性封止材料については、さらなる性能アップに努めるとともに、有機デバイス分野で高いシェアを有する韓国企業、中国企業での本格的な採用に向けて注力し、新エネルギー関連分野への展開を加速します。また、有機薄膜太陽電池については、発電効率の向上とともに、量産化によって歩留まりの向上を図り、用途の拡大を図っていきます。
(メディカル材料分野)
メディカル材料分野については、専任の人材を配置し、神戸の先端医療産業都市内に位置するメリットを生かしつつ、大学等との産官学連携により創薬支援材料や高薬理活性材料の開発等を進めてまいります。
④ 製造設備の革新と海外生産体制の強化
操業50年を経た千葉工場においては、プロジェクトをつくり、さらなる品質の安定、生産効率の向上、コストダウンを推進し、国際競争力を高めてまいります。また、2017年に操業30年を迎えた赤穂工場はモレスコグループのマザー工場として、国内外子会社の製造拠点を統括するとともに、グループ全体としての原材料の最適調達、最適生産等を図りつつ、グローバル生産体制の構築を強化していきます。
⑤ 人材育成
当社は、研究開発型企業を標榜しているとおり、研究開発の人材に強みをもっておりますが、社内での教育の他、産官学連携を密接かつ幅広く行っており、よりレベルの高い研究開発人材を育成しております。営業部門では、当社製品を熟知しているだけでなく、製造や研究開発に知見をもった営業マンの育成に力をいれるとともに、グローバルな事業展開を支える人材を育成し、顧客サービスを第一に考えた営業を展開しております。また、2018年2月には「働き方改革宣言」を行い、中期経営計画の中で、自由な働き方、働きやすい環境づくり、女性の活躍等を推進してまいります。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
第8次中期経営計画(2018年度~2020年度)においては、上記の経営方針および経営戦略等のもと、残り2期間の目標を下記のとおり定めております。
(4) 経営環境、事業上および財務上の対処すべき課題
米国の保護主義台頭、米中貿易摩擦の影響により世界経済全体が不安定化しつつある中、原油価格が下落し始める等、世界経済は先行き不透明感が増してきております。日本経済についても、国内自動車生産は堅調に推移しているものの、中国経済の失速等により停滞感が広がり、企業業績も伸び悩んできております。また、中国を中心に環境規制が厳しくなり、調達が難しくなってきている原材料も出てきております。
このような事業環境において、当社グループは、中国、東南アジアにおける潤滑油、ホットメルト接着剤の更なる拡販等、自動車部品メーカーや紙おむつメーカー等の需要に応えるとともに、今後高い成長が見込まれるインドでのビジネスを本格的に稼働し、ホットメルト接着剤、特殊潤滑油の需要を掘り起こしていきます。北米においては、現地の人材を採用し、営業、開発を強化し、日系企業だけでなく現地企業との取引拡大に力を入れております。また、有機EL用封止材やガス・水蒸気透過度測定装置を中国で拡販することによってデバイス事業を軌道に乗せてまいります。
新製品開発では、次世代ハードディスク表面潤滑剤、少量塗布型ダイカスト離型剤等により利益の確保を図るとともに、OPV(有機薄膜太陽電池)の量産化を進めて販売先を拡大することによって、日本国内での認知度を高めていきます。さらに、従来から取り組んでいる粉体離型剤、コート剤に加え、メディカル材料についてもより一層テーマを広げ、ニッチな分野でのビジネス化を目指します。
生産面では、IoTを活用した生産効率やBCPを常に意識しながら、赤穂工場、千葉工場、国内外子会社等、グループ一体となった生産体制の構築を目指しており、増産、合理化、省力化、品質向上への設備投資に力を入れていきます。また、一部原材料の供給が厳しくなる中で、原材料のグローバル調達、多様化、有利購買等により、安定調達、コストダウンを推進し国際競争力を高めてまいります。
また、働き方改革が叫ばれる中、昨年度「働き方改革宣言」を行い、多様な働き方を導入、検討する等、労働生産性向上、働きやすい職場を築き上げてまいります。
(1) 経営方針
当社グループは、経営理念である「ユーザーのための研究開発」をモットーに、境界領域(モノとモノとの接点における摩擦や磨耗など)におけるニーズに応え、「水と油と高分子のスペシャリストとして社会の発展に貢献」し、「小さくとも世界にきらりと光を放つ」企業を目指し、次の5項目を中期経営方針に掲げております。
① 多様な技術を集積し、強みを活かす研究開発により、高付加価値製品でトップシェアを獲得する。
② M&A、事業提携を活用し、新事業を創出する。
③ 国内事業基盤をさらに充実させるとともに、成長する地域でのコア事業を強化する。
④ 生産部門一人一人の意識改革により、品質の向上とコスト低減をすすめる。
⑤ コンプライアンス・リスクに対して高い意識をもち、ステークホルダーの信頼を高める。
(2) 経営戦略等
① 各事業部門の戦略
(特殊潤滑油部門)
主たる需要分野である自動車産業においては、日本、中国、アメリカにおいて生産台数の頭打ち傾向がみられますが、インドや東南アジアを中心とした新興国では生産台数の増加が見込まれます。そうした中、当社主力製品であるダイカスト用油剤については、少量塗布で優れた性能を発揮する離型剤の拡大によってグローバルトップを目指します。また、まだまだ世界的にシェアの低い切削油剤や熱間鍛造潤滑剤については、国内外の開発ノウハウを共有化するとともに、グローバル生産体制を確立させ、世界市場でのシェア拡大を図ります。
一方、国内では、上記少量塗布型離型剤、白色系の熱間鍛造潤滑剤等、環境負荷軽減に貢献できる潤滑剤の開発や、航空機部品、ガラス等の難削材の加工を可能にする切削油剤の開発、新たな販売ルートの開拓等により国内基盤の充実を図ります。
(合成潤滑油部門)
高温用合成潤滑油は、主として自動車電装部品向けの高温軸受用グリースの基油として使用されており、高いシェアを有するオンリーワン製品として安定的な需要が見込まれますが、新たな製品開発、用途の拡大、欧米・中国への展開により、オリジナリティーの高い製品を世界に供給します。
ハ-ドディスク表面潤滑剤は、サーバ向けメディア市場での底堅い需要はあるものの、ハードディスクドライブ以外の記憶媒体の開発進展にともない厳しい環境が続くと予想される中、薄膜化、耐久性やコストパフォーマンスに優れた新潤滑剤を市場投入するとともに、生産の最適化とコストダウンにより収益性維持に努めます。また、次世代メディア用潤滑剤の先行開発を積極的に進め、継続的な新機種での認定を目指します。
(素材部門)
主力製品である流動パラフィンは、高引火点流動パラフィン等、新製品の投入により国内外のリチウムイオン電池向け需要の取り込みを図るとともに、医療品、化粧品等の成長分野における需要の拡大に対応します。また需要の堅調な天然スルホネートについては、生産性の向上により生産量を確保いたします。
(ホットメルト接着剤部門)
衛生材では、既存顧客との関係をより強固にしながら国内基盤を固めるとともに、多様化する海外ニーズに対応した商品の開発により、グローバル展開をさらに加速させます。ラベル等の粘着材分野においては、高機能新製品により新しい分野、新しい用途への売上高拡大を目指します。また、ⅤОC(揮発性有機化合物)への対策として、需要増加が見込まれる自動車内装用を主とする反応型ホットメルト接着剤については、環境負荷軽減に貢献できる接着剤として引き続きアピールをしていきます。
中国天津やインドネシア現地法人においては衛生材用途だけでなく、フィルター分野や自動車分野等他分野への拡販活動を強化するとともに、販売エリアの拡大も進めていきます。
製造面では、原料購入のグローバル化を推進し、サプライチェーンを強化することにより、原材料の安定確保とコスト競争力強化に努めます。また、海外生産部門とのネットワークを強化し、グローバル共通品質の確保と最適生産を追求します。
(デバイス材料部門)
当部門の主力製品である有機EL向け封止材については、中国等海外を中心に販売を拡大していくとともに、当該業界でも知名度が高まってきた世界で唯一の高性能ガス・水蒸気透過度測定装置(スーパーディテクト)についても、海外メーカーをターゲットに販売体制を整え拡大を図っていきます。有機薄膜太陽電池については、OPV開発部として独立させるとともに増員を図り、早期に事業化すべく開発、製造、販売の強化をしてまいります。
② 海外戦略
当社グループは、自動車分野で国内市場が成熟する中、引き続き、自動車関連や衛生材料分野の成長が見込まれる新興国において、特殊潤滑油、ホットメルト接着剤等の事業展開を積極的に推進してまいりますが、特に、中長期的には自動車関連等で需要が拡大している中国、北米を重要市場と位置付け、マーケティング、性能、コスト面等で競合各社を凌駕すべく体制を強化してまいります。また、グローバル展開推進のための体制作りや、新製品開発力強化による競争力の向上を目指し、現地と日本の連携により現地ニーズに対応した事業展開をスピーディーに進めます。
中国ではグループ会社間のネットワークをさらに強化するとともに販売網を整備し、日系のみならず現地企業への販売を強化します。特に、まだシェアの低い切削油剤や熱間鍛造潤滑剤の拡販活動を加速するとともに、ホットメルト接着剤では、衛生材用途以外の用途での拡大を図っていきます。また、環境規制が厳しくなってきている中で、少量塗布型離型剤の販売を強化するとともに、環境に配慮した製造を行ってまいります。
東南アジアでは現地ニーズの情報収集に注力し、ニーズに対応した製品開発をタイムリーに行うことで、ローカルユーザーを含めた市場でのシェアアップに努めます。またタイ、インドネシアの生産拠点を核としてベトナム、マレーシア、フィリピン等へ市場開拓を進めます。
インドでは、2017年に設立した現地法人を拠点に潤滑油やホットメルト接着剤の販売を拡大するとともに、工場建設を進め2019年6月の稼働を目指します。
北米においては、ダイカスト用油剤、熱間鍛造潤滑剤および高温用合成潤滑油を中心とした市場開拓を日系企業のみならず米系企業に対して推進するとともに、メキシコ駐在員事務所と連携し、積極的に自動車部品メーカー等の需要を取り込んでまいります。
③ 新製品開発
新製品開発では、従来からの「環境関連分野」、「情報関連分野」、「エネルギーデバイス分野」に「メディカル材料分野」を加えた4分野に重点をおき、人的、技術的ネットワークを生かしながら、当社のコア技術をさらに強化し、国内外の顧客ニーズにあった製品開発に注力していきます。また、世界をリードする独創性の高い製品をタイムリーに市場投入してまいります。
(環境関連分野)
自動車関連部品の製造工程で重要な役割を担う特殊潤滑油分野では、省資源、省エネルギーに貢献する高機能製品の開発を進めます。少量塗布で優れた離型性や潤滑性を発揮するダイカスト用油剤、難削材や航空機産業用部品を加工できる切削油剤等、オリジナリティーの高い製品展開を図ります。
溶剤を含まず環境負荷軽減に寄与するホットメルト接着剤分野では、反応型ホットメルト接着剤等が国内自動車メーカーの一部車種で採用されていますが、耐熱性をさらに向上し、これまで使用されなかった内装用部位への展開を図るとともに低コスト化を実現し、グローバルな展開に結び付けてまいります。
(情報関連分野)
ハードディスクドライブの需要は、中長期的に見れば今後ともクラウドサーバ用の成長が進展すると予想され、より高度な次世代記録方式に対応した高機能な表面潤滑剤を提供してまいります。また、流動パラフィンについては、リチウムイオンバッテリーメーカーの増産ならびに品質向上に対応した生産・開発体制を構築していきます。
(エネルギーデバイス分野)
有機合成技術、配合技術、高分子材料の変性技術等を生かし、今後の成長が期待される有機ELパネルや照明等、有機デバイスの長寿命化に貢献する高バリア性封止材料については、さらなる性能アップに努めるとともに、有機デバイス分野で高いシェアを有する韓国企業、中国企業での本格的な採用に向けて注力し、新エネルギー関連分野への展開を加速します。また、有機薄膜太陽電池については、発電効率の向上とともに、量産化によって歩留まりの向上を図り、用途の拡大を図っていきます。
(メディカル材料分野)
メディカル材料分野については、専任の人材を配置し、神戸の先端医療産業都市内に位置するメリットを生かしつつ、大学等との産官学連携により創薬支援材料や高薬理活性材料の開発等を進めてまいります。
④ 製造設備の革新と海外生産体制の強化
操業50年を経た千葉工場においては、プロジェクトをつくり、さらなる品質の安定、生産効率の向上、コストダウンを推進し、国際競争力を高めてまいります。また、2017年に操業30年を迎えた赤穂工場はモレスコグループのマザー工場として、国内外子会社の製造拠点を統括するとともに、グループ全体としての原材料の最適調達、最適生産等を図りつつ、グローバル生産体制の構築を強化していきます。
⑤ 人材育成
当社は、研究開発型企業を標榜しているとおり、研究開発の人材に強みをもっておりますが、社内での教育の他、産官学連携を密接かつ幅広く行っており、よりレベルの高い研究開発人材を育成しております。営業部門では、当社製品を熟知しているだけでなく、製造や研究開発に知見をもった営業マンの育成に力をいれるとともに、グローバルな事業展開を支える人材を育成し、顧客サービスを第一に考えた営業を展開しております。また、2018年2月には「働き方改革宣言」を行い、中期経営計画の中で、自由な働き方、働きやすい環境づくり、女性の活躍等を推進してまいります。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
第8次中期経営計画(2018年度~2020年度)においては、上記の経営方針および経営戦略等のもと、残り2期間の目標を下記のとおり定めております。
| 2019年度 | 2020年度 | |
| 売上高(百万円) | 31,300 | 33,800 |
| 営業利益(百万円) | 2,150 | 2,400 |
| 経常利益(百万円) | 2,450 | 2,700 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) | 1,550 | 1,650 |
| 経常利益率(%) | 7.8 | 8.0 |
(4) 経営環境、事業上および財務上の対処すべき課題
米国の保護主義台頭、米中貿易摩擦の影響により世界経済全体が不安定化しつつある中、原油価格が下落し始める等、世界経済は先行き不透明感が増してきております。日本経済についても、国内自動車生産は堅調に推移しているものの、中国経済の失速等により停滞感が広がり、企業業績も伸び悩んできております。また、中国を中心に環境規制が厳しくなり、調達が難しくなってきている原材料も出てきております。
このような事業環境において、当社グループは、中国、東南アジアにおける潤滑油、ホットメルト接着剤の更なる拡販等、自動車部品メーカーや紙おむつメーカー等の需要に応えるとともに、今後高い成長が見込まれるインドでのビジネスを本格的に稼働し、ホットメルト接着剤、特殊潤滑油の需要を掘り起こしていきます。北米においては、現地の人材を採用し、営業、開発を強化し、日系企業だけでなく現地企業との取引拡大に力を入れております。また、有機EL用封止材やガス・水蒸気透過度測定装置を中国で拡販することによってデバイス事業を軌道に乗せてまいります。
新製品開発では、次世代ハードディスク表面潤滑剤、少量塗布型ダイカスト離型剤等により利益の確保を図るとともに、OPV(有機薄膜太陽電池)の量産化を進めて販売先を拡大することによって、日本国内での認知度を高めていきます。さらに、従来から取り組んでいる粉体離型剤、コート剤に加え、メディカル材料についてもより一層テーマを広げ、ニッチな分野でのビジネス化を目指します。
生産面では、IoTを活用した生産効率やBCPを常に意識しながら、赤穂工場、千葉工場、国内外子会社等、グループ一体となった生産体制の構築を目指しており、増産、合理化、省力化、品質向上への設備投資に力を入れていきます。また、一部原材料の供給が厳しくなる中で、原材料のグローバル調達、多様化、有利購買等により、安定調達、コストダウンを推進し国際競争力を高めてまいります。
また、働き方改革が叫ばれる中、昨年度「働き方改革宣言」を行い、多様な働き方を導入、検討する等、労働生産性向上、働きやすい職場を築き上げてまいります。