有価証券報告書-第102期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/29 15:00
【資料】
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【項目】
130項目
(1) 経営方針
出光は、創業以来経営理念である「人間尊重」を事業を通じて実践し、広く社会で期待され信頼される企業となることを目指しています。
この考え方を踏まえ、以下のとおりステークホルダーの皆様への5つの約束を、当社グループの経営方針としています。「人」が中心の経営を更に深化・発展させていくことで、あらゆるステークホルダーの方々から信頼される企業を目指していきます。
◆新しい価値の創出と提供→「お客さま」
お客さまに安心・活力・満足を感じていただける商品・技術・サービスを提案、提供します。
そして、新しい価値の創出に努めます。
◆社会への貢献→「社会・環境」
安全を基盤とし、自然環境の維持・向上に努めます。
そして、地域・文化・社会に貢献します。
◆確かな成果の還元→「株主」
企業としての社会的責任を果たし、健全で持続的な成長を図ります。
そして、株主に確かな成果の還元に努めます。
◆パートナーとの協働→「パートナー」
販売店はじめ、共に事業に携わっている方々とお互いに協力し、お客さまの安心・活力・満足を実現します。
そして、成果と成功の共有を目指します。
◆自己成長・自己実現の追求→「社員」
社員一人ひとりが、自己成長と自己実現を追求することができる環境をつくります。
そして、各人が尊重される人間となるべく努力します。

(2) 対処すべき課題
① 環境認識
国内経済は個人消費、雇用の面で緩やかな回復基調が継続しています。一方、海外は、米国やアジア圏を中心に全体的に底堅く推移すると予想されるものの、一部先進国での保護主義的政策の動きや、北朝鮮やシリア問題等の地政学リスクの高まり等により、先行きが不透明な環境にあります。
国内市場では、電気自動車、プラグインハイブリッド車(PHV)の普及や省エネルギーの進展に伴い、中長期的な石油製品需要の減少が避けられませんが、海外ではアジアの新興国を中心に堅調な需要の伸長が見込まれています。
② 昭和シェル石油㈱との経営統合の検討に関して
当社は、平成27年7月30日にロイヤル・ダッチ・シェル ピーエルシーの子会社(以下RDS社)から昭和シェル石油㈱の株式を取得する旨の株式譲渡契約を締結し、以降昭和シェル石油㈱と平成27年11月から経営統合に向けた協議を進めています。
平成28年12月19日に公正取引委員会より、当社及び昭和シェル石油㈱が申し出た問題解消措置の実施を前提に、「排除措置命令を行わない旨の通知書」を受領するとともに、RDS社から昭和シェル石油株式117,761,200株(議決権比率31.3%)の取得を完了しました。
また平成29年5月9日に、昭和シェル石油㈱と企業グループを形成して協働事業を強化・推進することに関し、趣意書を締結しました。
当趣意書の骨子は以下のとおりです。
ア. 目的
両社は対等なパートナーとしてアライアンスを組み、本統合に向けた各種プロセスを再開又は加速しながら、広範囲にわたって協業を深化させ、本統合が実現するまでの時間も最大限有効に活用し、両社の企業価値をさらに向上させるべく、シナジー効果の先取りを図ります。
イ. アライアンス名 「Brighter Energy Alliance(ブライターエナジーアライアンス)」
ウ. アライアンスの内容
(ア)国内石油事業における統合シナジーの追求
・原油の調達と輸送の最適化、生産計画の最適化
・生産最適化のための製品・半製品の相互融通(両社製油所の定期修繕期間を含む)
・物流分野における配送効率化(陸上、海上)
・精製コストの削減
・省エネ、精製マージン改善施策のベストプラクティスの展開
・製造部門の共同調達の推進による調達コストの削減
(イ)シナジー目標
2017年4月から3年以内に年間250億円以上のシナジー創出を目指します。
なお、シナジー取組み項目は以下のとおりです。
分 野項 目期待効果
原油調達①原油共同調達
②原油タンカー共同配船/傭船コスト削減
10億円
供給①最適生産計画システム一体化による収益改善
・重油基材の最適化による分解装置最大活用
・各製油所への最適原油選択
②石油製品・半製品の相互融通(グループ内)
・プラント定期修繕時の協力
・輸出入の最適化
・重油転送コスト削減。
120億円
製造・調達①精製マージン改善施策のベストプラクティスの展開
・精製コスト削減等
②共同調達
・副資材(触媒、薬品等)
・工事、工事資材
70億円
物流・販売①出荷基地の相互利用
②共同配送(陸上、海上)
40億円
間接部門共同調達(ITシステム、コーポレート費用等)10億円
250億円以上

※上記に記載されている将来の見通しに関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的
であると判断する一定の前提に基づいており、実際のシナジー効果等は様々な要因により大きく
異なる可能性があります。
(ウ)重複分野における事業戦略のすり合わせ
(エ)アライアンスグループ及び統合新社の戦略検討
(オ)人的融和の推進
(カ)お客様視点での新たなサービス開発
(キ)社会貢献活動の一層の推進
(ク)低炭素社会実現への取り組み推進
以上のとおり、「屈指の競争力を有する業界のリーディングカンパニー」及び「日本発の新しいエネルギー企業」として飛躍を遂げるべく、昭和シェル石油㈱と協働事業の取り組みを加速させると同時に、引き続き経営統合に向けた協議を進めていきます。
③ 中長期的な会社の経営戦略
当社は、2013~2015年度までの第4次中期経営計画において、「エネルギーの確保と有効利用並びに高機能材のグローバル展開を通じて経済と環境の調和のある社会の発展に貢献する」を経営方針とし、持続的成長を実現するための事業構造改革を推進し、積極的な戦略投資を実施してきました。
今後、2017年度から2020年度頃までを、第4次中期経営計画の成果の刈り取りと更なる成長領域へ展開するフェーズと位置付け、経営課題に取り組んでいきます。
セグメント別の具体的な課題は以下のとおりです。
ア.石油製品セグメント
国内燃料油事業では、昭和シェル石油㈱との協働事業の強化・推進によりシナジーの早期創出を目指します。
海外では、ベトナムのニソン製油所・石油化学コンプレックスの商業運転開始やシンガポールを中心拠点とした燃料油販売事業の展開により、需要の拡大するアジア圏における事業拡大を図ります。
潤滑油事業では、環境対応型商品や技術革新に対応した高機能商品の開発を進めるとともに、海外での生産拠点の拡大によりグローバル展開を加速します。
イ.石油化学製品セグメント
基礎化学品事業では、誘導品を含めたサプライチェーンの最適化を進めます。製油所とのインテグレーション、原料多様化等を進め、一層の競争力強化に取り組みます。その一環として平成29年10月に千葉製油所と千葉工場を統合し、千葉事業所を発足します。また、ベトナムのニソン製油所・石油化学コンプレックスの商業運転開始に伴い、パラキシレン、ベンゼンの販売を拡大します。
機能材料事業では、シンジオタクチックポリスチレン樹脂・ポリカーボネート樹脂等のエンジニアリングプラスチック分野、及び水添石油樹脂や機能性軟質ポリプロピレン等の粘接着基材事業分野をコア事業とし、事業拡大を加速するため、経営資源を集中して育成を図ります。
なお、水添石油樹脂においては平成28年9月に台塑石化股份有限公司(FPCC社)と、台湾にて年産2万5千トンの製造装置を建設することを決定し、同社と合弁会社「台塑出光特用化学品股份有限公司」を設立しています。
ウ.資源セグメント
資源事業の共通課題は、第4次中期経営計画期間に実施した生産能力の拡大投資(クナル油田、ボガブライ鉱山等)とポートフォリオの見直し・コスト削減等の一連の施策の成果を着実に刈り取ることです。
石油開発事業では、コスト・投資の削減を進めつつ、既存油田の安定生産と厳選した探鉱活動を通じた埋蔵量確保に取り組みます。
石炭事業では、自社鉱山操業・調達・物流・販売のバリューチェーン全体で更なる競争力強化を図ります。また、低炭素社会への対応として、石炭・環境研究所による燃焼技術支援、バイオマス混焼の推進等に取り組みます。
ウラン事業では、カナダ シガーレイク鉱山における安定生産・販売を目指します。
エ.その他セグメント
電子材料事業では、平成29年1月に有機EL材料の研究拠点としてスイスにIdemitsu OLED Materials Europe AGを設立し、研究体制を強化しました。有機EL材料の高性能・低コスト化の技術開発を継続し、拡大する需要を着実に捉えて販売を拡大し、事業を成長軌道に乗せる取り組みを加速していきます。
アグリバイオ事業では、既存生物農薬・化学農薬や牛用混合飼料「ルミナップ®」、鶏用混合飼料「クロストップ®」の普及拡大、海外展開の強化により、「安全・安心な食」「増大する食糧需要」に貢献するニーズ対応型の事業を展開します。
ガス事業では、姫路天然ガス発電㈱の事業化検討を進めます。また、北米のLPG(液化石油ガス)のアジア向け輸出・販売事業の更なる拡大に取り組みます。
再生可能エネルギー事業では、風力・バイオマス・太陽光・地熱・水力等の電源開発検討を行うとともに、再生可能エネルギー電源を積極的に活用した電力小売事業を拡大していきます。
当社グループ全体としての重点課題は以下の3点です。
・国内基盤事業(燃料油・基礎化学品)の構造改革継続
・海外事業展開の継続
・高機能材事業の拡大(潤滑油・機能材料・電子材料)
当社は、安定した収益基盤の確立、持続的な成長戦略の構築を通じて企業価値の向上に取り組んでいきます。
なお、前述のうち将来に関する記述は、現時点で入手可能な情報に基づくものであり、実際の業績は今後の様々な要因によって、目標と相違する場合があります。
(3) 会社の支配に関する基本方針
当社は、当社グループの企業価値・株主共同の利益の確保・向上のため、安定的かつ持続的成長の実現に努めています。
したがって、当社株式を大量に取得しようとする者の出現等により、当社グループの企業価値・株主共同の利益が毀損されるおそれがある場合には、法令・定款で許容される範囲内において適切な措置を講じることを基本方針とします。

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