有価証券報告書-第104期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
当社グループは、2019年4月1日の統合新社の発足に先駆け、2018年10月16日に統合新社のビジョン及び事業戦略を公表しました。以下では、新社の経営方針等を記載しています。なお、現在新社の中期経営計画を策定中であり、2019年秋に公表する予定です。
(1) 経営方針
私たちは、ダイバーシティ&インクルーシブネスをもとに、環境・社会と調和を図りながら、お客様・ステークホルダーとともに、新たな価値創造に挑戦し続ける日本発のエネルギー共創企業です。
ア.多様なエネルギー・素材を、安定的に届けます。
イ.培ってきた課題解決力を、世界に展開します。
ウ.変化への適応性に富む、レジリエントな企業体を作ります。
(2) 経営戦略等
① 基本戦略
・ レジリエントな事業ポートフォリオを構築するため、基盤事業である燃料油事業と基礎化学品事業の競争力の強化を図るとともに、成長市場・分野への取り組みを加速します。
・ 石油のノーブルユースを追求し、国内6製油所、石油化学工場の競争力を高めるとともに、2018年11月14日付で商業運転を開始したベトナムのニソン製油所を含め、アジア圏におけるバリューチェーン全体の競争力強化を図ります。
・ 本経営統合の主要目的の一つである統合シナジーについては、2021年度に600億円を実現します。
・ 成長分野である高機能材事業、電力・再生可能エネルギー事業を国内外で積極展開します。
・ キャッシュ・フローについては、株主還元、戦略投資、財務基盤の強化に最適配分を行います。
・ 経営環境の変化に対応するためリスクマネジメントを一層重視するとともに、先進的なガバナンス体制を構築します。
・ 持続可能な社会作りに、より積極的に取り組みます。
・ 事業を通じて社員ひとり一人が能力を発揮し、成長できる環境を実現します。
② 統合新社の経営目標、株主還元方針、中期経営計画
ア.経営目標(2019年度〜2021年度)
・ 当期純利益 5,000億円以上(3年間累計)
2,000億円(2021年度)
・ 統合シナジー 600億円/年(2021年度)
・ ROE 10%超(2021年度)
・ ネットD/Eレシオ 0.5倍以下(2021年度)
・ 総還元性向 50%以上
イ.キャッシュ・フロー配分
安定収益を確保し株主還元を充実させつつ、成長市場・成長分野・構造改革への集中投資を行います。また、引き続き財務基盤の強化にも努めていきます。
ウ.投資戦略
投資総額5,000億円(3年間累計:内、戦略投資3,000億円)
・ 燃料油事業、基礎化学品事業:2,500億円
製油所高度化対応、海外拠点整備・拡充、SSネットワーク強化
・ 高機能材事業、電力・再生可能エネルギー事業:1,200億円
海外拠点(潤滑油、機能化学品、有機EL)、国内外電源確保、固体電解質、新規事業
・ 資源事業:1,300億円
ベトナムガス田開発、北海鉱区開発
エ.シナジーの追求
2017年5月より開始した経営統合に先立ち協働事業を強化・推進する取り組みは、原油調達、生産、物流、共同調達等様々な分野に広がっています。2019年には、2015年対比で300億円のシナジーが具体化する上、本経営統合により、以下のとおり2021年度末までにさらに300億円の追加シナジーを見込んでいます。
オ.株主還元方針
株主への利益還元が経営上の重要課題であるとの認識のもと、統合効果の実現を通じ着実に収益を確保し、株主還元を実現します。2019年度〜2021年度の当期純利益目標を累計5,000億円以上とし、このうち50%又はそれを上回る株主還元の実施を目指します(なお、各事業年度に当該株主還元額の10%以上を自己株式取得に充てる予定です)。
カ.中期経営計画
2019年秋を目途に長期ビジョンを含んだ中期経営計画を公表する予定です。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
① 経営環境
国内経済は、雇用・所得の環境が改善するなか、個人消費の回復基調が継続しています。一方で、中国経済の減速に加え、一部先進国での保護主義的傾向の高まりや米中の貿易協議の停滞により、世界的な景気低迷が懸念されています。また、中東・アジア・南米等での地政学リスクは前年度より増してきている状況です。
石油製品の需要について、国内市場は、電気自動車やプラグインハイブリッド車(PHV)の普及や省エネルギーの進展に伴い、中長期的な需要の減少が避けられませんが、海外ではアジアの新興国を中心に、当面は堅調な需要の伸長が見込まれています。
② セグメント毎の課題
当社のセグメント毎の具体的な課題は以下のとおりです。
ア. 燃料油セグメント
(ア)石油精製の最適化
石油精製については、長期的なコスト競争力向上と設備信頼性向上のために、継続的且つ効率的に投資を行っていきます。それにより、アジア・太平洋地域の新鋭製油所に伍する精製競争力を有し、引き続き社会に必要とされる製油所群であることを目指します。既に、統合LP(リニアプログラミング)も活用し、富士石油㈱を含めた7製油所における最適生産計画を策定できる環境を整備しています。なお、東亜石油㈱のコーカー、富士石油㈱のユリカ装置を最大限活用するとともに、千葉事業所における装置改造等により、グループ全体での重油生産比率を低減することで、2020年に予定されているIMO規制への対応を進めています。
(イ)燃料油事業の海外展開
今後も需要が拡大するアジア・太平洋地域におけるトレーディング事業、ベトナムにおけるニソン製油所の操業(2018年11月14日付で商業運転を開始)とSSの展開、北米における卸事業、豪州における卸小売事業の展開を通じて、引き続き海外での燃料油事業の拡大を進めていきます。
(ウ)特約店、販売店のネットワーク強化
特約店、販売店ネットワークは、燃料油、ガス等の地域で必要となるエネルギー供給の担い手です。特約店、販売店の経営力の安定化のため、また、地域の抱える課題の解決に貢献するために、今まで両社で培ってきたリテール施策を通じて、コンサルティング、情報処理、商品・サービスの開発・投入を行い、より一層強固な関係を構築していきます。両ブランドの6,500店のSSネットワークは、立地上の補完関係にあります。お客様には両ブランドのネットワークを最大限活用していただけるよう、価値提供を行います。
また、デジタル技術(ICT)を活用した出荷予測、SS在庫情報、船舶、ローリー運行状況等の情報をリアルタイム且つ双方向に高度に連携することで、物流システムの最適化、サービスの向上を実現しつつ、物流の需要密度低下と現場人材不足に対応していきます。
イ. 基礎化学品セグメント
国内事業の収益基盤の安定化を更に進めるため、千葉、四日市、山口のコンビナート顧客と連携し、事業環境に応じた安定生産と最適化、原料多様化によるコスト競争力強化を図ります。
燃料油事業と一体となった「Fuel to Chemical」の推進により、効率的な装置稼働と収益力向上に取り組むとともに、需要伸長が大きいアジアマーケットでベトナム・ニソン製油所から生産される製品(ベンゼン・パラキシレン)の販売拡大を確実に進めます。統合新社として、供給ソースが増える製品を軸に事業拡大とポートフォリオの選択幅を広げ、オレフィン、アロマ製品の事業基盤の安定化と収益の拡大を目指します。
ウ. 高機能材セグメント
(ア)潤滑油
国内外の内燃機自動車の省燃費化に貢献するとともに、生産効率の向上につながる工業用潤滑油の開発に取り組みます。また、電気自動車、ロボット等の最新技術製品に対応する新油の開発を行います。さらに、海外生産拠点を拡充し、国内外自動車メーカーへの供給力を向上させていきます。
(イ)機能化学品
エンジニアリングプラスチック、粘接着基材などの独自技術をベースに、国内外の成長市場や需要拡大が見込まれる用途での販売拡大を進めます。技術革新が速い自動車・電装部品や情報通信機器、アジアを中心として需要が拡大している生活消費財などが主なターゲットとなります。市場のニーズに応えながら安定生産と事業規模拡大を進めるため、水添石油樹脂の海外生産を2019年度から開始し、シンジオタクチックポリスチレン樹脂の海外生産の検討も進めていきます。
(ウ)電子材料
市場拡大期に入った有機EL材料需要への対応のため、更なる性能向上を実現できる研究開発体制を整備し、海外製造拠点を増強することで、ユーザーの期待に応えます。
(エ)高機能アスファルト
国内唯一の総合アスファルトメーカーとして、これまで培ってきた独自の技術力とノウハウを活かし、環境にやさしい商品を開発、提案していきます。特に施工後の長寿命化や、施工性改善を通して国内外の社会インフラ強靭化に貢献していきます。
(オ)アグリバイオ
食の安全と農業の生産性向上を目指し、生物農薬の開発を進め、将来的な環境規制強化に対応し得る新たな農薬市場の開拓に取り組みます。
(カ)全固体リチウムイオン電池向け固体電解質
全固体化による電池性能向上によって、充電時間の大幅短縮や蓄電能力向上が図られ、EVをはじめリチウムイオン電池の活用範囲を広げることが可能となる全固体電池向け固体電解質の製品化研究を早め、2020年代の上市を目指します。
エ. 電力・再生可能エネルギーセグメント
これまで国内で整備してきた競争力ある自社電源を基盤としつつ外部調達を最適化することで、お客様に電力を供給します。また、当社は、風力、太陽光、バイオマスといった多様な再生可能エネルギー電源を有しており、今後も積極的に開発を推進するとともに、低炭素化社会のニーズに適応した販売メニューを展開します。ソーラーパネル事業においては、独自の薄膜系太陽電池技術を活かした製品を供給し、且つ、分散型電源として自家消費型モデル等の開発に取り組みます。さらに、海外におけるガス火力発電事業、再生可能エネルギー事業、バイオマス事業等に取り組みます。加えて、マイクログリッド等の次世代のエネルギーマネジメント事業の開発に取り組んでいきます。
オ. 資源セグメント
世界的なエネルギー需要拡大を踏まえ、既存の石油、石炭の資源資産価値の維持・向上とアジア圏でのガス田開発に取り組みます。石炭については、安定且つ低廉なエネルギー源として資源開発を継続するとともに、環境負荷低減を図るため高効率燃焼技術の提案や石炭への混焼比率を高めることができるバイオマス燃料の製造技術を確立します。また、地熱開発については、大分地熱事業の維持・継続とともに、新規事業の調査・実証を進めます。
カ. 研究開発及び新ビジネス開発
当社は有機化学、無機化学、環境負荷物質の低減における知見、技術的強みを有しており、これらを高めることで新たな素材やプロセスの開発につなげていきます。社会的課題の解決に向け、コーポレート研究や各事業に属する製品研究で培ってきた技術をクロスファンクショナルにテーマ化し、国内外の大学、研究機関と連携するオープンイノベーションを推進します。
同時に、内外にインキュベーション機能を持ち、ベンチャー企業との提携、資本参加の積極的推進により、研究開発を加速するとともに、新たなビジネスを創生していきます。さらに、デジタル技術(ICT)を取り入れ、次世代(Society5.0)のエネルギーインフラ構築と新たなビジネスモデル型事業の開発に取り組みます。
③ サステナビリティへの取り組み
化石燃料を事業の中心とする統合新社にとって、地球環境への配慮・貢献や、SDGsの達成に向けた社会課題解決への貢献は必須であると考えています。以下の活動を通して、持続可能な地球環境と社会を実現しつつ、企業としての持続的成長を目指します。
・ 事業活動上排出する温室効果ガス(GHG)を削減する。
・ 外部機関の評価を積極的に活用し、事業活動目標に結びつける。
・ 当社グループの事業にかかわる全ての人々が活き活きと仕事に取り組める職場環境を整備する。
・ 当社グループの持つ事業資産と低炭素化技術を組み合わせ、課題解決につながる新たな事業創出を行う。
なお、具体的な数値目標及び行動計画については、2019年秋に発表する中期経営計画で示します。
④ 財務上の課題
統合新社の経営目標の達成に向け、成長市場での事業展開を積極的に推進していきます。そのためには、リスク対策及び海外展開の強化に向けた資金調達力の向上の観点から更なる財務基盤の強化が必要と考えています。
(4) 会社の支配に関する基本方針
当社は、当社グループの企業価値・株主共同の利益の確保・向上のため、安定的かつ持続的成長の実現に努めています。
したがって、当社株式を大量に取得しようとする者の出現等により、当社グループの企業価値・株主共同の利益が毀損されるおそれがある場合には、法令・定款で許容される範囲内において適切な措置を講じることを基本方針とします。
(1) 経営方針
私たちは、ダイバーシティ&インクルーシブネスをもとに、環境・社会と調和を図りながら、お客様・ステークホルダーとともに、新たな価値創造に挑戦し続ける日本発のエネルギー共創企業です。
ア.多様なエネルギー・素材を、安定的に届けます。
イ.培ってきた課題解決力を、世界に展開します。
ウ.変化への適応性に富む、レジリエントな企業体を作ります。
(2) 経営戦略等
① 基本戦略
・ レジリエントな事業ポートフォリオを構築するため、基盤事業である燃料油事業と基礎化学品事業の競争力の強化を図るとともに、成長市場・分野への取り組みを加速します。
・ 石油のノーブルユースを追求し、国内6製油所、石油化学工場の競争力を高めるとともに、2018年11月14日付で商業運転を開始したベトナムのニソン製油所を含め、アジア圏におけるバリューチェーン全体の競争力強化を図ります。
・ 本経営統合の主要目的の一つである統合シナジーについては、2021年度に600億円を実現します。
・ 成長分野である高機能材事業、電力・再生可能エネルギー事業を国内外で積極展開します。
・ キャッシュ・フローについては、株主還元、戦略投資、財務基盤の強化に最適配分を行います。
・ 経営環境の変化に対応するためリスクマネジメントを一層重視するとともに、先進的なガバナンス体制を構築します。
・ 持続可能な社会作りに、より積極的に取り組みます。
・ 事業を通じて社員ひとり一人が能力を発揮し、成長できる環境を実現します。
② 統合新社の経営目標、株主還元方針、中期経営計画
ア.経営目標(2019年度〜2021年度)
・ 当期純利益 5,000億円以上(3年間累計)
2,000億円(2021年度)
・ 統合シナジー 600億円/年(2021年度)
・ ROE 10%超(2021年度)
・ ネットD/Eレシオ 0.5倍以下(2021年度)
・ 総還元性向 50%以上
イ.キャッシュ・フロー配分
安定収益を確保し株主還元を充実させつつ、成長市場・成長分野・構造改革への集中投資を行います。また、引き続き財務基盤の強化にも努めていきます。
ウ.投資戦略
投資総額5,000億円(3年間累計:内、戦略投資3,000億円)
・ 燃料油事業、基礎化学品事業:2,500億円
製油所高度化対応、海外拠点整備・拡充、SSネットワーク強化
・ 高機能材事業、電力・再生可能エネルギー事業:1,200億円
海外拠点(潤滑油、機能化学品、有機EL)、国内外電源確保、固体電解質、新規事業
・ 資源事業:1,300億円
ベトナムガス田開発、北海鉱区開発
エ.シナジーの追求
2017年5月より開始した経営統合に先立ち協働事業を強化・推進する取り組みは、原油調達、生産、物流、共同調達等様々な分野に広がっています。2019年には、2015年対比で300億円のシナジーが具体化する上、本経営統合により、以下のとおり2021年度末までにさらに300億円の追加シナジーを見込んでいます。
| 分野 | 主要な項目 | 期待効果 |
| 原油調達 | ・原油の共同調達 ・原油タンカーの共同配船 ・傭船/新造船コスト削減 | 15億円 |
| 需給・海外 物流・販売 | ・最適生産計画システム一体化 ・7製油所の石油製品・半製品の相互融通 ・出荷基地の相互利用、共同配送 ・輸出入の一体化と海外販売の拡大 ・出荷基地の統廃合 | 290億円 |
| 製造部門 調達部門 | ・精製マージン改善施策のベストプラクティス展開 ・共同調達による調達コストの削減 ・IMO対応の最適化、揮発油需要減少への対応等 | 205億円 |
| 共通 | ・組織統合による重複コスト削減(オフィス統合等) ・設備投資の最適化 ・潤滑油基地の相互利用 ・その他(ITシステム、BPRの推進等) | 90億円 |
| 合計 | 600億円 | |
オ.株主還元方針
株主への利益還元が経営上の重要課題であるとの認識のもと、統合効果の実現を通じ着実に収益を確保し、株主還元を実現します。2019年度〜2021年度の当期純利益目標を累計5,000億円以上とし、このうち50%又はそれを上回る株主還元の実施を目指します(なお、各事業年度に当該株主還元額の10%以上を自己株式取得に充てる予定です)。
カ.中期経営計画
2019年秋を目途に長期ビジョンを含んだ中期経営計画を公表する予定です。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
① 経営環境
国内経済は、雇用・所得の環境が改善するなか、個人消費の回復基調が継続しています。一方で、中国経済の減速に加え、一部先進国での保護主義的傾向の高まりや米中の貿易協議の停滞により、世界的な景気低迷が懸念されています。また、中東・アジア・南米等での地政学リスクは前年度より増してきている状況です。
石油製品の需要について、国内市場は、電気自動車やプラグインハイブリッド車(PHV)の普及や省エネルギーの進展に伴い、中長期的な需要の減少が避けられませんが、海外ではアジアの新興国を中心に、当面は堅調な需要の伸長が見込まれています。
② セグメント毎の課題
当社のセグメント毎の具体的な課題は以下のとおりです。
ア. 燃料油セグメント
(ア)石油精製の最適化
石油精製については、長期的なコスト競争力向上と設備信頼性向上のために、継続的且つ効率的に投資を行っていきます。それにより、アジア・太平洋地域の新鋭製油所に伍する精製競争力を有し、引き続き社会に必要とされる製油所群であることを目指します。既に、統合LP(リニアプログラミング)も活用し、富士石油㈱を含めた7製油所における最適生産計画を策定できる環境を整備しています。なお、東亜石油㈱のコーカー、富士石油㈱のユリカ装置を最大限活用するとともに、千葉事業所における装置改造等により、グループ全体での重油生産比率を低減することで、2020年に予定されているIMO規制への対応を進めています。
(イ)燃料油事業の海外展開
今後も需要が拡大するアジア・太平洋地域におけるトレーディング事業、ベトナムにおけるニソン製油所の操業(2018年11月14日付で商業運転を開始)とSSの展開、北米における卸事業、豪州における卸小売事業の展開を通じて、引き続き海外での燃料油事業の拡大を進めていきます。
(ウ)特約店、販売店のネットワーク強化
特約店、販売店ネットワークは、燃料油、ガス等の地域で必要となるエネルギー供給の担い手です。特約店、販売店の経営力の安定化のため、また、地域の抱える課題の解決に貢献するために、今まで両社で培ってきたリテール施策を通じて、コンサルティング、情報処理、商品・サービスの開発・投入を行い、より一層強固な関係を構築していきます。両ブランドの6,500店のSSネットワークは、立地上の補完関係にあります。お客様には両ブランドのネットワークを最大限活用していただけるよう、価値提供を行います。
また、デジタル技術(ICT)を活用した出荷予測、SS在庫情報、船舶、ローリー運行状況等の情報をリアルタイム且つ双方向に高度に連携することで、物流システムの最適化、サービスの向上を実現しつつ、物流の需要密度低下と現場人材不足に対応していきます。
イ. 基礎化学品セグメント
国内事業の収益基盤の安定化を更に進めるため、千葉、四日市、山口のコンビナート顧客と連携し、事業環境に応じた安定生産と最適化、原料多様化によるコスト競争力強化を図ります。
燃料油事業と一体となった「Fuel to Chemical」の推進により、効率的な装置稼働と収益力向上に取り組むとともに、需要伸長が大きいアジアマーケットでベトナム・ニソン製油所から生産される製品(ベンゼン・パラキシレン)の販売拡大を確実に進めます。統合新社として、供給ソースが増える製品を軸に事業拡大とポートフォリオの選択幅を広げ、オレフィン、アロマ製品の事業基盤の安定化と収益の拡大を目指します。
ウ. 高機能材セグメント
(ア)潤滑油
国内外の内燃機自動車の省燃費化に貢献するとともに、生産効率の向上につながる工業用潤滑油の開発に取り組みます。また、電気自動車、ロボット等の最新技術製品に対応する新油の開発を行います。さらに、海外生産拠点を拡充し、国内外自動車メーカーへの供給力を向上させていきます。
(イ)機能化学品
エンジニアリングプラスチック、粘接着基材などの独自技術をベースに、国内外の成長市場や需要拡大が見込まれる用途での販売拡大を進めます。技術革新が速い自動車・電装部品や情報通信機器、アジアを中心として需要が拡大している生活消費財などが主なターゲットとなります。市場のニーズに応えながら安定生産と事業規模拡大を進めるため、水添石油樹脂の海外生産を2019年度から開始し、シンジオタクチックポリスチレン樹脂の海外生産の検討も進めていきます。
(ウ)電子材料
市場拡大期に入った有機EL材料需要への対応のため、更なる性能向上を実現できる研究開発体制を整備し、海外製造拠点を増強することで、ユーザーの期待に応えます。
(エ)高機能アスファルト
国内唯一の総合アスファルトメーカーとして、これまで培ってきた独自の技術力とノウハウを活かし、環境にやさしい商品を開発、提案していきます。特に施工後の長寿命化や、施工性改善を通して国内外の社会インフラ強靭化に貢献していきます。
(オ)アグリバイオ
食の安全と農業の生産性向上を目指し、生物農薬の開発を進め、将来的な環境規制強化に対応し得る新たな農薬市場の開拓に取り組みます。
(カ)全固体リチウムイオン電池向け固体電解質
全固体化による電池性能向上によって、充電時間の大幅短縮や蓄電能力向上が図られ、EVをはじめリチウムイオン電池の活用範囲を広げることが可能となる全固体電池向け固体電解質の製品化研究を早め、2020年代の上市を目指します。
エ. 電力・再生可能エネルギーセグメント
これまで国内で整備してきた競争力ある自社電源を基盤としつつ外部調達を最適化することで、お客様に電力を供給します。また、当社は、風力、太陽光、バイオマスといった多様な再生可能エネルギー電源を有しており、今後も積極的に開発を推進するとともに、低炭素化社会のニーズに適応した販売メニューを展開します。ソーラーパネル事業においては、独自の薄膜系太陽電池技術を活かした製品を供給し、且つ、分散型電源として自家消費型モデル等の開発に取り組みます。さらに、海外におけるガス火力発電事業、再生可能エネルギー事業、バイオマス事業等に取り組みます。加えて、マイクログリッド等の次世代のエネルギーマネジメント事業の開発に取り組んでいきます。
オ. 資源セグメント
世界的なエネルギー需要拡大を踏まえ、既存の石油、石炭の資源資産価値の維持・向上とアジア圏でのガス田開発に取り組みます。石炭については、安定且つ低廉なエネルギー源として資源開発を継続するとともに、環境負荷低減を図るため高効率燃焼技術の提案や石炭への混焼比率を高めることができるバイオマス燃料の製造技術を確立します。また、地熱開発については、大分地熱事業の維持・継続とともに、新規事業の調査・実証を進めます。
カ. 研究開発及び新ビジネス開発
当社は有機化学、無機化学、環境負荷物質の低減における知見、技術的強みを有しており、これらを高めることで新たな素材やプロセスの開発につなげていきます。社会的課題の解決に向け、コーポレート研究や各事業に属する製品研究で培ってきた技術をクロスファンクショナルにテーマ化し、国内外の大学、研究機関と連携するオープンイノベーションを推進します。
同時に、内外にインキュベーション機能を持ち、ベンチャー企業との提携、資本参加の積極的推進により、研究開発を加速するとともに、新たなビジネスを創生していきます。さらに、デジタル技術(ICT)を取り入れ、次世代(Society5.0)のエネルギーインフラ構築と新たなビジネスモデル型事業の開発に取り組みます。
③ サステナビリティへの取り組み
化石燃料を事業の中心とする統合新社にとって、地球環境への配慮・貢献や、SDGsの達成に向けた社会課題解決への貢献は必須であると考えています。以下の活動を通して、持続可能な地球環境と社会を実現しつつ、企業としての持続的成長を目指します。
・ 事業活動上排出する温室効果ガス(GHG)を削減する。
・ 外部機関の評価を積極的に活用し、事業活動目標に結びつける。
・ 当社グループの事業にかかわる全ての人々が活き活きと仕事に取り組める職場環境を整備する。
・ 当社グループの持つ事業資産と低炭素化技術を組み合わせ、課題解決につながる新たな事業創出を行う。
なお、具体的な数値目標及び行動計画については、2019年秋に発表する中期経営計画で示します。
④ 財務上の課題
統合新社の経営目標の達成に向け、成長市場での事業展開を積極的に推進していきます。そのためには、リスク対策及び海外展開の強化に向けた資金調達力の向上の観点から更なる財務基盤の強化が必要と考えています。
(4) 会社の支配に関する基本方針
当社は、当社グループの企業価値・株主共同の利益の確保・向上のため、安定的かつ持続的成長の実現に努めています。
したがって、当社株式を大量に取得しようとする者の出現等により、当社グループの企業価値・株主共同の利益が毀損されるおそれがある場合には、法令・定款で許容される範囲内において適切な措置を講じることを基本方針とします。