訂正有価証券報告書-第105期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/10/23 15:46
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本資料作成時点において、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴う影響については、社会生活、経営に与えるインパクトの見通しが困難である事などから織り込んでいません。また、収束後の経営環境の変化も現時点では想定が難しい状況です。今後の状況を注視し、適切な時期に事業への影響を評価・反映していく予定です。
したがって、以下では当社グループが2019年11月14日に公表した中期経営計画の骨子を記載しています。
(1) 経営ビジョン
私たちは、ダイバーシティ&インクルージョンをもとに、環境・社会と調和を図りながら、お客様・ステークホルダーとともに、新たな価値創造に挑戦し続ける日本発のエネルギー共創企業です。
ア.多様なエネルギー・素材を、安定的に届けます。
イ.培ってきた課題解決力を、世界に展開します。
ウ.変化への適応性に富む、レジリエントな企業体を作ります。
(2)経営戦略等
①2030年のビジョン
ア.2030年の事業環境認識
(ア)エネルギー需要構造の変化
・先進国:化石燃料需要減、多様化が進展 (電化・分散化・再エネ化)
・新興国:堅調な経済成長、エネルギー需要は増加
(イ)技術革新の進展
・新技術(EV・ロボットなど)向けの新たな素材需要が増加
・デジタル変革の進展
(ウ)ライフスタイルの変化・社会の要請
・消費者のエコロジー意識向上、循環型社会の進展
・顧客ニーズ変化(所有から使用へ)
・国内は高齢化・過疎化の進展
・SDGs達成への具体的貢献等、企業の社会的責任に対する要請の高まり
(環境対応、地域貢献、ガバナンス強化、職場風土改善、ダイバーシティ等)
イ.2030年に向けた基本方針
基本方針1. レジリエントな事業ポートフォリオの実現
(ア)収益基盤事業の構造改革
・燃料油事業の収益追求(シナジー最大化、製油所信頼性向上)
・ニソン製油所の収益貢献化
(イ)成長事業の拡大
・事業規模・領域拡大(中計期間のM&A1,000億円規模)
・高機能材事業比率2030年30%へ
・海外再エネ等の総電源開発量2030年5GWへ
(ウ)次世代事業の創出
・社会の変化、顧客ニーズの多様化、環境負荷低減等を見据えた新たな事業の創出
基本方針2. 社会の要請に適応したビジネスプラットフォームの構築
(ア)地球環境・社会との調和
・GHG削減の取り組み(2030年:17年比▲15%)
(イ)ガバナンスの進化
・取締役会の役割機能強化
(ウ)デジタル変革の加速
・デジタル技術活用による新たな価値創造
ウ.定量目標
「成長性」「収益安定性(市況変動の影響)」「環境負荷」など、複眼的視点からポートフォリオを検討し、結果として化石燃料事業への過度な依存を軽減します。
2030年度
営業利益+持分3,000億円
3事業
営業利益比率(燃料・開発・石炭)
50%未満
高機能材事業
営業利益比率
30%以上
総電源開発量累計
(内 海外)
5GW以上
(4GW以上)

エ.GHGの削減目標
GHG削減は「環境」「社会」「経済」の各分野への同時貢献を念頭に推進するという基本認識の下、3つの指標を用いて当社の関連活動を加速します。
(ア)目標値
・自社Scope1+2削減量 2030年目標値(2017年比):▲200万t-CO2(▲15%)
(イ)モニタリング指標
・供給エネルギー低炭素度 2050年の目安(2017年比):▲30%
※ただし、社会の低炭素化や技術進展の動向を踏まえて、目安の見直しを随時行う
・全社収益の炭素脱却度:2050年の事業環境を見極め、収益目標と炭素脱却度を設定
②中期経営計画(2020~2022年度)の概要
ア.経営目標
燃料油セグメントにおける統合シナジーの拡大、ニソン製油所の収益改善に加えて、潤滑油を中心とした高機能材セグメントの事業拡大および海外電源開発の拡大等により、本中期経営計画期間累計の当期純利益は4,800億円を目指します。
中計期間累計
(3年間)
当期利益4,800 億円
営業利益+持分7,200 億円
ROE10%以上
FCF4,000億円

イ.キャッシュバランス
当期純利益4,800億円の確保に加えて、資産売却等も実施することで、1兆300億円(3年間累計)のキャッシュインを確保します。
また、株主還元後2,000億円のフリーキャシュは、成長分野への戦略投資、財務体質強化、22年度以降の株主還元の原資として、収支状況等を総合的に勘案の上、最終的な配分を決定します。
(単位:億円)
3年間累計内訳
キャッシュイン10,300当期利益4,800、償却費等4,500、資産売却等1,000
キャッシュアウト8,300投資6,300(うちM&A財源1,000) 、株主還元2,000
株主還元後
フリーキャッシュ
2,000成長分野への戦略投資、財務体質強化、
22年度以降の株主還元

ウ.投資計画
本中期経営計画期間中は、収益基盤事業の構造改革を推進すべく、燃料油事業の安定操業に向けた操業維持投資や事業基盤強化投資に一定の金額を配分します。
一方、事業ポートフォリオの変革に向け、機能化学品、潤滑油、電子材料など、高機能材事業群の事業領域拡大を目的とした成長戦略投資を積極的に行っていく方針です。
また、成長分野においてはM&Aについても慎重かつ大胆に検討します。
(単位:億円)
投資区分位置付け3年間累計
成長・戦略更なる収益拡大を追求した収益基盤事業・成長事業・次世代事業への投資1,900
事業基盤強化原料多様化、定期修繕短縮、BCP対応等安定操業、競争力強化に資する投資700
操業維持メンテナンス等の維持更新投資2,700
M&A財源高機能材事業(機能化学品等)の成長分野におけるM&A財源1,000
合計6,300

エ.統合シナジーの最大化
経営統合によるシナジー効果600億円を2021年度末までに実現します。そのうち350億円については2019年度末までに達成しており、残る250億円についてはブランド施策統合、販売戦略見直し、精製コスト最適化、DTK(だったらこうしよう)プロジェクト推進による業務効率化などにより、2021年度までに達成すると同時に、さらなるシナジー創出を目指します。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
① セグメント毎の課題
当社のセグメント毎の具体的な課題は以下のとおりです。
ア. 燃料油セグメント
(ア)石油精製の最適化
石油精製については、長期的なコスト競争力向上と設備信頼性向上のために、継続的且つ効率的に投資を行っていきます。それにより、アジア・太平洋地域の新鋭製油所に伍する精製競争力を有し、社会に必要とされる製油所群であることを目指します。
(イ)燃料油事業の海外展開
今後も需要が拡大するアジア・太平洋地域におけるトレーディング事業、ベトナムにおけるニソン製油所の操業とSSの展開、北米における卸事業、豪州における卸小売事業の展開を通じて、海外での燃料油事業の拡大を進めていきます。
(ウ)特約店、販売店のネットワーク強化
特約店、販売店ネットワークは、燃料油、ガス等の、地域で必要となるエネルギー供給の担い手です。特約店、販売店の経営力の安定化のため、また、地域の抱える課題の解決に貢献するために、今まで培ってきたリテール施策を通じて、コンサルティング、情報処理、商品・サービスの開発・投入を行い、より一層強固な関係を構築していきます。6,500店の両ブランドSSネットワークを最大限活用していただけるよう、価値提供を行います。
また、デジタル技術(ICT)を活用した出荷予測、SS在庫情報、船舶、ローリー運行状況等の情報をリアルタイム且つ双方向に高度に連携することで、物流システムの最適化、サービスの向上を実現しつつ、物流の需要密度低下と現場人材不足に対応していきます。
イ. 基礎化学品セグメント
国内事業の収益基盤の安定化を更に進めるため、千葉、徳山のコンビナート顧客と連携し、事業環境に応じた安定生産と最適化、原料多様化によるコスト競争力強化を図ります。
燃料油事業と一体となった「Fuel and Chemical」の検討を具体化し、効率的な装置稼働と収益力向上を進めます。また、供給ソースが増える製品を軸に事業拡大とポートフォリオの選択幅を広げ、オレフィン、アロマ製品の事業基盤の安定化と収益の拡大を目指します。
ウ. 高機能材セグメント
(ア)潤滑油事業
自動車用潤滑油の分野では高度なトライボロジー(潤滑工学)を駆使して、お客様のニーズに適ったOEM製品を提供することで、お客様の事業展開をサポートしていきます。また、日本国内の自動車販売台数が横ばいとなる中、自動車メーカーや部品メーカーの海外移転に伴い市場がアジア等の新興国に移っており、今後も海外生産拠点を拡充してまいります。更に、世界的な潮流となっている脱炭素社会の実現に向け、EV市場をターゲットに、EVの電動ユニットに適合する潤滑油、モーター駆動に伴う高耐熱性化・低騒音化のニーズに対応するグリースの開発に取り組みます。また産業機械向けの油圧作動油やギヤ油などの工業用潤滑油についても、環境問題への関心の高まりによる省エネ・省資源のニーズに合致した、環境対応型高機能商品の開発を行います。
(イ)機能化学品事業
エンジニアリングプラスチック、粘接着基材などの独自技術をベースに、国内外の成長市場や需要拡大が見込まれる用途での販売拡大を進めます。技術革新が速い自動車・電装部品や情報通信機器、アジアを中心として需要が拡大している生活消費財などが主なターゲットとなります。市場のニーズに応えながら安定生産と事業規模拡大を進めるため、水添石油樹脂の海外生産を2019年度から開始し、2022年にはシンジオタクチックポリスチレン樹脂の海外生産を計画しています。
(ウ)電子材料事業
市場拡大期に入った有機EL材料需要への対応のため、更なる性能向上を実現できる研究開発体制を整備し、海外製造拠点を増強することで、ユーザーの期待に応えます。
(エ)高機能アスファルト事業
国内唯一の総合アスファルトメーカーとして、これまで培ってきた独自の技術力とノウハウを活かし、環境にやさしい商品を開発、提案してまいります。特に施工後の長寿命化や、施工性改善を通して、国内外の社会インフラ強靭化に貢献していきます。
(オ)アグリバイオ事業
食の安全と農業の生産性向上を目指し、生物農薬の開発を進め、将来的な環境規制強化に対応し得る新たな農薬市場の開拓に取り組みます。
(カ)全固体リチウムイオン電池向け固体電解質
全固体化に伴う電池性能向上により、充電時間の大幅短縮や蓄電能力向上が図られ、EVをはじめ、リチウムイオン電池の活用範囲を広げることが可能となる全固体電池向け固体電解質の事業化に向けた研究・開発を加速し、2020年代の上市を目指します。
エ. 電力・再生可能エネルギーセグメント
国内においては競争力ある自社電源を基盤としつつ外部調達を最適化することで、お客様に電力を供給します。また、当社は、風力、太陽光、バイオマス、地熱発電といった多様な再生可能エネルギー電源を有しており、今後もそのノウハウを活かして地域の特性に応じた電源開発を推進します。海外においては、北米におけるガス火力発電事業の推進、また北米や東南アジアにおける再生可能エネルギー事業に積極的に取り組みます。ソーラーパネル事業においては、従来のパネル販売から電源システム販売を行うシステムインテグレーターへと業態転換を図ることで事業成長を目指します。
オ. 資源セグメント
世界的なエネルギー需要拡大を踏まえ、既存の石油、石炭の資源資産価値の維持・向上とアジア圏でのガス田開発に取り組みます。石炭については環境負荷低減を図るため、高効率燃焼技術の提案や石炭への混焼比率を高めることができるバイオマス燃料の製造技術を確立します。また、地熱開発については、大分県での地熱事業の維持・継続とともに、新規事業の調査・実証を進めます。
カ. 研究開発及び新ビジネス開発
当社は有機化学、無機化学、環境負荷物質の低減における知見、技術的強みを有しており、これらを高めることで新たな素材やプロセスの開発につなげてまいります。社会的課題の解決に向け、コーポレート研究や各事業に属する製品研究で培ってきた技術をクロスファンクショナルにテーマ化し、国内外の大学、研究機関と連携するオープンイノベーションを推進します。同時に、内外にインキュベーション機能を持ち、ベンチャー企業との提携、資本参加の積極的推進により、研究開発を加速するとともに、新たなビジネスを創生していきます。さらに、デジタルトランスフォーメーションを推進し、次世代(Society5.0)のエネルギーインフラ構築や新たなモビリティを活用したビジネスモデル型事業の開発に取り組みます。
②サステナビリティへの取り組み
化石燃料を事業の中心とする統合新社にとって、地球環境への配慮・貢献や、SDGsの達成に向けた社会課題解決への貢献は必須であると考えています。以下の活動を通して、持続可能な地球環境と社会を実現しつつ、企業としての持続的成長を目指します。
・事業活動上排出する温室効果ガス(GHG)を削減する。
・外部機関の評価を積極的に活用し、事業活動目標に結びつける。
・当社グループの事業にかかわる全ての人々が活き活きと仕事に取り組める職場環境を整備する。
・当社グループの持つ事業資産と低炭素化技術を組み合わせ、課題解決につながる新たな事業創出を行う。
③財務上の課題
経営目標の達成に向け、成長市場での事業展開を積極的に推進していきます。そのためには、リスク対策及び海外展開の強化に向けた資金調達力の向上の観点から更なる財務基盤の強化が必要と考えています。

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