訂正有価証券報告書-第107期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

【提出】
2022/09/29 15:04
【資料】
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【項目】
168項目
(重要な会計上の見積り)
当社の連結財務諸表は、資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす経営者の見積り及び仮定を含んでいます。これらの見積り及び仮定は、過去の実績及び連結会計年度末日現在において合理的であると考えられる様々な要因等を勘案した経営者の最善の判断に基づいています。その性質上、実際の結果は、これらの見積り及び仮定とは異なる可能性があります。
当社の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性のある項目は以下のとおりです。
なお、新型コロナウイルス感染症が会計上の見積りに与える重要な影響はないと考えています。
1.持分法適用会社への投融資の評価
当社は持分法適用関連会社のNghi Son Refinery and Petrochemical LLC(以下「NSRP」という。)に対して出資及び海外子会社を通じた融資と資金の立替(未収入金として計上)を行っています。連結財務諸表作成にあたり、NSRPの業績は持分法投資損益を通じて反映され、NSRPの財政状態や経営成績は長期貸付金の公正価値や未収入金の回収可能性に影響を与え、その変動額は純損益に反映されます。当該投融資の連結貸借対照表における科目及び計上額は以下のとおりです。
科目計上額(百万円)
出資投資有価証券-
融資長期貸付金-
資金の立替未収入金114,935

NSRPは商業生産開始当初の装置稼働率の低迷やその後の製品市況の悪化により、過去から継続して営業損失を計上しており、当連結会計年度においても、製品市況、装置稼働率は改善しているものの、前期に続き営業損失、純損失を計上し、キャッシュ・フローも悪化しています。過年度からの営業損失の計上に伴い減損評価対象の固定資産に減損の兆候を認識し、減損テストを実施しましたが、使用価値に基づく回収可能価額が帳簿価額738,379百万円(持分比率100%ベース)を上回ったことから、減損損失を認識していません。
一方、当社の連結財務諸表では、長期貸付金について、見積将来キャッシュ・フローに基づく公正価値が長期貸付金の帳簿価額を下回ったことから、長期貸付金評価損55,916百万円を計上しました。
使用価値及び見積将来キャッシュ・フローに基づく公正価値の算定には、割引率、製品マージン及び装置稼働率等の仮定が含まれるNSRPの将来事業計画を使用しており、これらの仮定はNSRPの業績や外部環境に対する将来予測(需給動向、地政学的リスク、気候変動対応等)を踏まえて決定しています。これらの仮定の変動は連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
NSRPの要約財務諸表については、関連当事者情報「2.親会社又は重要な関連会社に関する注記」に記載しています。
2.固定資産の評価
有形固定資産及び無形固定資産については資産のグルーピングごとに減損の兆候を検討し、兆候が存在する場合には減損テストを実施しています。
減損テストにおける回収可能価額を算定するにあたっては、将来キャッシュ・フローの見積りや割引率等を決定しており、将来キャッシュ・フローは経営者が承認した事業計画を基礎として、経営者の最善の見積りと判断により決定しています。将来キャッシュ・フローに含まれる販売数量や商品価格、外国為替相場等は将来の経済情勢、気候変動対応に向けた低炭素社会への移行や日本国内における人口構成の変化などに伴う製品需要の減少等の不確実な要素の変動によって影響を受けるため、これらの見積りや回収可能価額の見直しが必要となった場合に、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。