有価証券報告書-第129期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)

【提出】
2021/03/29 14:57
【資料】
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【項目】
135項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針及び経営戦略等
当社は、企業理念体系「Our Philosophy」を基に、経済的価値のみならず社会的価値の向上に取り組み、持続可能な社会の発展に貢献していくことを、経営の基本方針としております。この「Our Philosophy」は、私たちの存在意義=Purposeを「未来をひらくイノベーションで最高の安心とヨロコビをつくる。」と定めて頂点に置き、「信念=Story」「ありたい姿=Vision」「たいせつにすべき価値観=住友ゴムWAY」からなる体系にしています。当社では、「Our Philosophy」をあらゆる意思決定の拠り所、行動の起点とした事業活動を推進するとともに、「Our Philosophy」を体現するために策定した「中期計画」の実現を目指してまいります。
ご参考:企業理念体系「Our Philosophy」
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2020年2月13日公表した2025年を目標年度とした中期計画は、従来から取り組んできた「飽くなき技術革新」への継続的な注力と、「新市場への挑戦」「新分野の創出」で構築したグローバル体制の成果最大化に加え、経営基盤強化のための組織体質の強化活動・利益創出の活動を推進し、さらに経済的・社会的価値の高い企業グループとなることを目標イメージとしております。
ご参考:中期計画の骨子
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具体的な数値目標として、2025年までに連結売上収益1兆円以上、連結事業利益1,000億円以上、ROE10%以上、D/Eレシオ0.5以下を掲げ、目標達成に向けて邁進してまいります。
ご参考:中期計画の財務数値目標
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経営戦略としましては、「高機能商品の開発・増販」「新たな価値の創出」「ESG経営の推進」をバリュードライバーとして、持続的成長の実現を通じて企業価値の最大化を目指します。
「高機能商品の開発・増販」「新たな価値の創出」の具体的な施策は、「(2)経営環境及び対処すべき課題」に記載のとおりとなります。
「ESG経営の推進」については、サステナビリティ活動の更なる推進のため、長期的な視点に立った施策の企画・推進を図る部門として「サステナビリティ推進本部」を2021年1月に新設しました。サステナビリティ推進本部を中心に全社で次のようなESG活動を展開し、SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)達成に貢献してまいります。
[Environment(環境)]
技術開発コンセプト「SMART TYRE CONCEPT(スマート・タイヤ・コンセプト)」の開発による安全・環境性能実現、工場排水の100%リサイクル技術の拡大、国内外の主要拠点での完全ゼロエミッションの継続のほか、新たに次の3つの取り組みを推進してまいります。
(カーボンニュートラルに向けた取り組み )
日本政府は2050年までに二酸化炭素排出量を実質ゼロとするカーボンニュートラルの達成を2020年10月に表明しました。当社はこの目標達成に全面的に賛同し、2050年までに工場から排出する二酸化炭素の100%削減を目指します。
・スコープ1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出
自社で使用している化石燃料を、次世代エネルギーとして期待されている水素や、バイオマス等の再生可能エネルギーに切り替えることにより、2050年に100%削減します。なお、水素エネルギーについては現在、国内の主力タイヤ工場で実証実験を検討中です。
・スコープ2:他社から供給された電気の使用に伴う間接排出
太陽光発電パネルの設置拡大、グリーン電力の購入拡大を図ります。
・スコープ3:スコープ1、2以外の間接排出
代表的な取り組みとしては、タイヤ、スポーツ、産業品の各分野で原材料のバイオマス比率を向上した商品の開発を目指してまいります。
(天然ゴムのサステナブル化に向けた取り組み)
こちらは3つの方向で取り組みを進めてまいります。
トレーサビリティでは、国際的な環境NGO(Non-governmental Organization:非政府組織)であるWWF(World Wide Fund for Nature:世界自然保護基金)と2021年よりタイアップし、天然ゴムを持続可能なものとするための各種取り組みを進めてまいります。
生産性向上では、ゴムの木の成長促進と樹液採取の生産性向上につながる研究を実施中です。
臭気改善では、臭気低減天然ゴムの開発に成功しております。今後も更なる臭気改善を図り、工場周辺の環境改善に貢献してまいります。
(プラスチックの使用量削減に向けた取り組み)
海洋プラスチック問題は現在、世界中で大きな社会課題となっています。
当社でもタイヤラベルをはじめ、商品包装材や販促ツールにプラスチックを使用しておりますが、今後、段階的にプラスチックの使用量を削減してまいります。また製品の原材料においてもリサイクル可能な素材の可能性を今後、研究してまいります。
[Social(社会)]
多様な属性や価値観を持つ一人ひとりが尊重され、働きがいを持つことができる風土作りのため、従来の上司評価だけではなく多面評価も導入し健全なリーダーシップ育成に活用してまいります。また、AIやIoT、RPA(パソコンを使用した定型業務の自動化)といったデジタル技術活用により業務効率化を進め、付加価値の高い仕事や新しいことに挑戦する時間を創出するとともに、在宅勤務の更なる推進等により、多様な働き方の確立を進めてまいります。
健康経営の推進については、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる企業が選出される「健康経営銘柄2020」に、昨年初めて選出されました。「自分の健康は自分で守る」という健康経営宣言のもと、定期健康診断・ストレスチェックの実施とそのフォローの徹底やメンタルヘルスケアの拡充等、従業員の健康意識向上を図り、疾病予防と健康増進を進めてまいります。
[Governance(ガバナンス)]
「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載の体制で、グローバルな事業拡大や社会的要請の高まりなどを踏まえ、取締役会の実効性向上施策や海外も含めた子会社に対する定期監査の実施等を推進し、グループ全体のコーポレートガバナンスの充実を図ってまいります。
(2)経営環境及び対処すべき課題
今後の世界経済の見通しは、新型コロナウイルス感染症の再拡大による経済環境の悪化懸念に加えて、米中の通商問題の動向、中国の経済成長率の減速、地政学的リスクの顕在化等、景気の不確実性も一層高まっていくものと予想しております。
わが国経済でも、政府による各種政策の効果等により、緩やかな持ち直しの動きが続くことが期待されますが、感染再拡大のリスクもあり、厳しい状況が続くものと予想しております。
このような情勢のもと、当社グループは、これまで中期計画で掲げた課題を中心に市況や働き方の変化に合わせた個々のアクションプランを追加・修正しながら、着実に事業運営してまいりました。引き続き、「高機能商品の開発・増販」「新たな価値の創出」「ESG経営の推進」をバリュードライバーの核として収益の質や成長の持続性を考慮しながら、企業の経済的価値・社会的価値向上を目指し、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載したリスク要因を踏まえながら、次のような課題に取り組んでまいります。
(タイヤ事業)
国内市場においては、低燃費タイヤにおけるプレゼンス維持向上を目指して新商品を順次投入してまいります。「ダンロップ」ブランドでは、「事故のない毎日をつくりたい。」をブランドメッセージとして発信し、安全が長続きする性能持続技術を搭載した「VEURO VE304(ビューロ ブイイー サンマルヨン)」等の高機能商品を拡販してまいります。
海外市場においては、新興諸国での拡販に加えて、ブランド価値向上を図っている「ファルケン」ブランドを活用し、欧米での拡販を継続します。日米欧に配置したテクニカルセンターを活用し、新車装着用タイヤの納入拡大によるブランド認知の向上と、市販用タイヤへの波及効果の最大化を推進してまいります。
開発面では、未来のモビリティ社会で求められるタイヤの開発及び周辺サービス展開のコンセプト「SMART TYRE CONCEPT」の具現化を推進します。また、当社の強みであるタイヤの回転速度の細かい変化を解析することにより路面・タイヤをモニタリングし、自動運転の高度化にも寄与する技術「センシングコア」をさらに進化させ、サービスモデル・提供価値を段階的に発展させることで、新しいモビリティ社会に求められる価値を提供してまいります。
生産面では、世界各地での増販にあわせ、高機能タイヤの生産能力増強等を継続してまいります。また、生産現場の様々な課題に対応すべく人工知能(AI)やあらゆるモノがネットにつながるIoTといったデジタル技術活用と設備自動化を進め、持続的な成長を支える供給体制の構築に努めてまいります。
(スポーツ事業)
スポーツ事業を取り巻く環境は依然厳しいものの、コロナ禍においても健康で充実した生活を送るためにスポーツの魅力や果たす役割の重要性が改めて認識されました。今後も、Eコマースの強化など新常態に適応した新しい事業スタイルを通じスポーツの「ヨロコビ」を提供し続けてまいります。
ゴルフ用品では、増加している入門者・初心者層、気軽にスポーツを楽しむユーザーへの対応とともに、国内に加え、市場規模の大きい北米での増販を目指し、日米2拠点での開発体制で市場ニーズに応じたダントツ商品を投入することで、一層の拡販を進めてまいります。
テニス用品では、2019年に引き続き2020年も、全豪オープン公式ボールサプライヤーとして試合球を提供、ATPツアーでも2年連続でボール使用率No.1となりました。こうして得た「ダンロップ」テニスボールへの高い評価を生かしながら、「ダンロップ」ブランドの価値向上と拡販につなげてまいります。
ウェルネス事業では、健康志向の高まりを受けて、ゴルフスクール・テニススクール・フィットネス関連3子会社を合併し(2021年4月1日の予定)、シナジー効果を高めることにより新しい価値提供に取り組んでまいります。
(産業品他事業)
医療用精密ゴム部品では、今後更なる医療業界への社会的期待の高まりに応えるため、欧州を主としたグローバルでの供給体制の確立を継続してまいります。
生活用品事業では、新型コロナウイルス感染症等による感染症予防の観点から世界的に供給が逼迫している使い切り薄手手袋において、マレーシア工場での新ライン増設による供給能力増加を活かし、社会貢献及び収益力の強化に努めます。
制振事業では、引き続き堅調な販売を継続しており、今後も安全で高品質な商品供給に努めます。

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