有価証券報告書-第50期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/25 13:16
【資料】
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【項目】
149項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社を取り巻く環境は、世界規模の経済活動の変化に伴い、大きく変わってきています。そこに新型コロナウイルスの影響も加わり、これまでの経済の流れの延長線から大きく違うステージへと変容する中で、新しい知恵や工夫が求められています。
このような環境のもと、「私たちは人を豊かにしてグローバル社会貢献度が高い技術会社になる」ことを未来に通ずる姿とし、2030年を見据えたビジョンを「AR-2030VISION」として定めました。その行動指針は、「ステークホルダー・エンゲージメントを高める」としています。会社は社会のためにあること、また持続的に社会の責任を果たして貢献できる企業であり続けることを常に考えていきます。そして私たちを取り巻くすべてのステークホルダーとの対話を通じて、企業価値を高めていきます。
この「AR-2030VISION」の実現に向けて、最初のステージの2023年3月期までの2020年4月~2023年3月を第13次中期三ヵ年として、中期計画を策定いたしました。その基本方針は、「誠実で機敏な対応力で岩盤を築き質的に成長する。」としています。
中期経営戦略は、「事業が貢献する機会を増やして密着し、素早く課題を解決する技術で経験と実績を積み上げ る」「CSR/ESG経営へ進化させる」といたしました。当社の強みである朝日ラバーらしさを継続して磨き、成長させていく上で、求められる期待に素早く応えて多くの信頼が得られる行動やステークホルダーとの絆を強くする活発な行動を実践し、繰り返し経験と実績を積み上げながらグローバルな経済環境のもとで持続的な成長を果たしていくために質的な成長を目指します。
業績目標は、連結売上高80~90億円、利益指標については、売上高に影響を及ぼす市場環境の変化に対応しながらも、質的成長を目指すことから、連結営業利益率8%以上といたしました。
当社グループの重点事業分野を光学事業、医療・ライフサイエンス事業、機能事業、通信事業の4つに分け、それぞれの製品群を成長させるコア技術、工場の役割を整理し、これまでに整えてきた生産環境を最大限に生かす取り組みを進めてまいります。
光学事業では、「感性、共感」をキーワードに、色と光を制御する技術と感性技術を磨き、自動車の内装照明市場から外装照明、またアンビエント照明に向けた技術開発と提案を進めます。海外の顧客へのアプローチをさらに進めていくため、自動車産業向けの品質マネジメントシステムであるIATF16949の認証を白河工場で2020年12月に取得する予定です。
医療・ライフサイエンス事業では、診断・治療分野、理化学機器分野、介護・予防分野に向けて制御技術と感性技術を磨き、世界の医療現場と患者のQOL(Quality of Life)向上に貢献します。
機能事業では、ビークル分野、エネルギー分野、環境発電分野、スポーツ分野において制御技術と触覚・熱・振 動・光関連の技術、感性技術を磨き、将来のライフスタイルの実現への貢献に向けて、弾性無限で人に優しい感性価値を提供します。
通信事業では、自動認識分野、通信機器分野、センシング分野において、伝える・伝わるセンシング技術、触覚・熱・振動・光関連の技術、感性技術を磨き、ゴムだからこそ実現できる価値を提供します。
これらの事業展開を進めるうえで、独自の競争力の源泉となるコア技術である「色と光のコントロール技術」「素材変性技術」「表面改質およびマイクロ加工技術」に、それぞれの事業分野の成長のキーワードとなる視点を加えて、さらに進化させてまいります。
2021年3月期は第13次中期経営計画の初年度となります。その経営方針は、「さらに好奇心を高めて深化・進化・新化しよう」です。新型コロナウイルス感染症の拡大により、当社グループが事業活動を行っている国、地域における行政機関の要請等により、従業員やその家族の健康リスク回避や社会における様々な制約がかかることで、事業活動が滞る可能性があります。ただ、顧客および協力会社とも密接に情報交換を行うことで、先の需要の変動情報をつかみ、当事業会計年度まで進めてきたあらゆる事業活動を新たな計画に載せ替えながら、さらなる質的に成長に向けて事業基盤の強化と販売拡大を狙います。