有価証券報告書-第194期(2025/04/01-2026/03/31)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、1902 (明治35) 年の創立以来、一貫して靴の企画・製造・販売に従事しております。靴を履物であると同時に文化・生活の創造の原動力のひとつととらえ、新しい価値の提案をし、提供することで事業の発展を図ってまいりました。
将来にわたって変化に対応し、業績を向上させ、従業員が活力を持って働いていくためには、企業構造の変革と従業員一人ひとりの自己変革が必要であり、その確固とした軸となる「ミッション・ビジョン・バリュー」を以下のとおり制定しております。
〈ミッション〉“「ずっといい」を創造する”
時間が経つほど大事にされ、価値が生まれるような「ずっといい」暮らしや生き方を皆さまとともに創造していくことを目指します。
〈ビジョン〉 “人生に物語を、社会に豊かさを。”
一人ひとりの良質な毎日が積み重なり、未来には新しい文化が生まれ、社会は豊かになっていきます。私たちは人生に物語を、社会に豊かさをつくっていく会社を目指します。
〈バリュー〉 ・ 一人ひとりを想像する
・ 共に歩み、共に創る
・ 長く愛される品質を
・ 枠を超え、創造的に
・ 挑戦をやり遂げる
今後も、さらにお客さまのご支持をいただけるような商品開発、店舗づくり、販売体制などあらゆる分野で総力を結集し、新たな成長の基盤を創造することによって、お客さまのご信頼にお応えしていくとともに、財務体質の強化及びキャッシュ・フロー重視の事業活動を推進し、企業価値の最大化を目指してまいります。
(2) 経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループを取り巻く事業環境は、企業収益や雇用環境の改善により緩やかな回復傾向にあるものの、継続的な消費者物価上昇による消費マインドの低下に加え、地政学リスクの緊迫化を背景とした原材料・エネルギー価格の高騰等により、当社事業への影響が懸念されております。
中期経営計画(2023年度から2025年度)の最終年度において、当社は基幹ブランドのリブランディングやOMO推進に注力いたしましたが、主力であるビジネスシューズ需要減少の影響は大きく、目標数値を大きく下回る結果となりました。このような状況下、国内生産拠点の集約・再編、組織のスリム化による固定費削減等、抜本的な構造改革に加え、成長分野であるEC事業や海外事業への戦略投資を強化し、持続可能な高収益体質への転換を目指して、以下の事項に重点的に取り組んでまいります。
① ブランド価値の向上
ブランドごとのターゲットと提供価値を再定義し、ブランド価値の更なる向上に努めてまいります 。基幹ブランド「リーガル」は、リブランディング戦略の最適化を図りつつ推進させ、コンセプトストアの出店や既存店の改装を通じて、ビジネススニーカーを筆頭とした多様化するライフスタイルに寄り添う顧客体験を具現化してまいります。商品面では、高機能・高付加価値の「ライフスタイル」カテゴリーの拡充や、象徴的なアイテムである「REGAL Boots Mark」の再構築を通じて、次世代顧客の獲得と関係性強化に取り組んでまいります。
② デジタルデータ利活用による顧客基盤の整備とLTVの向上
デジタルデータを分析・活用し、市場ニーズの激しい変化に即応するビジネスモデルへの転換を推進してまいります。会員組織の統合によって顧客基盤を整備し、顧客データと販売動向をリアルタイムに解析することで、お客さま一人ひとりに最適化された購買体験の提供とLTV (顧客生涯価値) の向上を図ってまいります。
③ 構造改革による在庫効率の改善
不透明な市場環境に対応するため、ブランドポートフォリオの再編と商品ラインナップの最適化を徹底し、在庫効率の改善と収益性の向上を目指します。主力であるビジネスシューズ需要の減少に伴い、国内生産拠点の集約・再編を実施し、デジタルデータによる需給予測に基づいた供給体制を構築することで、在庫効率の改善に取り組んでまいります。
④ サステナビリティの推進
全ての企業活動が豊かな自然環境と人々の生活の上に成り立っていることを深く認識し、ステークホルダーの皆さまと共に持続可能な成長を目指してまいります。環境配慮型素材の選定や廃棄ロス低減を目指すとともに、3R (リデュース、リユース、リサイクル) の取り組みを更に深化させ、高品質な製品を長く愛用いただく文化を醸成することで、循環型社会の実現と中長期的な企業価値の向上に取り組んでまいります。
⑤ 人的資本経営の推進と組織体制の再構築
持続的な成長を支える自律的な組織への変革を目指し、構造改革による組織のスリム化と人員体制の最適化を図ります。経営環境の変化に即応できる機動的な組織への再構築を図るとともに、次世代のビジネスモデルを担う専門人材の育成と適正配置に注力してまいります。また、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンを推進し、個々の多様な能力が最大限に発揮できる環境を整備し、従業員一人ひとりの挑戦と成長が企業価値の向上に直結する企業文化を醸成してまいります。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは全体に対する経営指標として、売上高対営業利益率 0.3%、ROE 6.3%、ROIC △0.8%を目標として取り組んでおります。当社グループは、中長期的な企業価値の向上に向け、「売上高営業利益率」、「投下資本利益率 (ROIC)」、および「自己資本利益率 (ROE)」を経営上の客観的な指標としております。本業の稼ぐ力である「売上高営業利益率」の向上と、資本コストを意識した「ROIC」による資本効率の最適化を推進し、その成果を総合的な財務指標である「ROE」の向上へと繋げることで、持続的な企業価値および株主価値の拡大に努めてまいります。