有価証券報告書-第160期(2025/04/01-2026/03/31)
15. のれん
IAS第36号「資産の減損」に従い、当連結会計年度末(2026年3月末)において、のれんに対する減損テストを行いました。このテストでは、当社グループで識別された資金生成単位(CGU)の「使用価値」と、各CGU内の資産の帳簿価額を比較しました。使用価値は、各資金生成単位の将来営業キャッシュ・フローを以下の表に記載の割引率で割り引いた現在価値として算定しています。将来営業キャッシュ・フローの見積額は、2027年3月期から2031年3月期までの会計期間とその後の永続性を考慮しています。重要な仮定には、割引率、永続成長率、予測される販売量と価格、投入コストが含まれます。
のれんの減損テストに使用された主要な仮定は以下の通りです。
各CGUの割引率(税引前)は、加重平均した地域固有のリスクプレミアムを、各事業で主に使用する通貨の一般的なリスク・フリー・レートに追加することで決定されます。決定された割引率の範囲は、「建築用ガラス事業 欧州」に適用した8.3%から、「建築用ガラス事業 太陽電池パネル用ガラス事業」「建築用ガラス事業 北米」「自動車用ガラス事業 北米」に適用した9.4%となりました。
「自動車用ガラス事業 北米」のCGUのキャッシュ・フローの見積りには、1.4%の永続成長率が含まれています。「建築用ガラス事業 欧州」、「建築用ガラス事業 北米」、「建築用ガラス事業 太陽電池パネル用ガラス事業」のCGUでは、2.0%の永続的成長率を使用しました。
その他の主要な仮定としては、ガラス製品の販売価格、市場数量の成長率並びに投入コストが挙げられます。ガラス製品の販売価格は、対象期間における需要と供給の動向に関する現在までの趨勢及び予想に基づき、予測しています。市場数量の成長率は、各国・地域におけるGDP成長率や各市場におけるガラス産業に固有の要素(例えば規制環境の変化など)を参照して見積りをしており、利用可能な外部の市場予測も用いています。自動車用ガラス事業においては、新車用ガラスの需要は外部の予測機関から入手した各地域の自動車生産台数予測に基づいて見積もられています。
また投入コストについては、最近のサプライヤーとの交渉内容や、業界における一般的な見通し情報を考慮した上で見積りをしています。将来の投入コストの見積りには既存のヘッジ契約も考慮に入れています。建築用ガラス事業において投入コストの上昇分を価格に転嫁できるかどうかは、市場動向に大きく依存しており、工場や設備の稼働率が高いほど価格決定力が強まり、コスト上昇分の転嫁が容易になります。当連結会計年度では、欧州の建築用ガラス事業の設備稼働率は上昇し、前連結会計年度と比較して価格が顕著に上昇しました。自動車用ガラス事業においては、自動車メーカーとの販売契約は、通常、契約期間中の価格が事前に決定された形で合意されます。近年、当社グループは、上昇した投入コストの多くの部分を自動車メーカーから回収しています。
当連結会計年度において、当社グループは「自動車用ガラス事業 北米」のCGUののれんの減損損失を認識しました。北米では近年、市場でのポジションの維持・向上に成功しており、それに伴い売上高も改善しています。しかし、このCGUの業績は、製造コストの増加によって悪化しており、その一因として製造効率の問題が挙げられます。当社グループは、このCGUにおける製造パフォーマンスの改善に強く注力しています。
前連結会計年度において、主に南米で事業を展開する「建築用ガラス事業 その他の地域」のCGUののれんの減損損失を認識しました。これにより当社グループは、2006年6月のピルキントン社買収により生じた「建築用ガラス事業 その他の地域」のCGUに係るのれん全額を減損したことになります。
詳細については、注記10「個別開示項目」をご参照ください。
当社グループは、前第1四半期連結会計期間において、識別可能な資金生成単位(CGU)の再評価を行いました。前連結会計年度内に北米の生産設備が建築用ガラスから太陽電池パネル用ガラスへ転換されたことにより、太陽電池パネル用ガラス事業は、ますます重要で独立したキャッシュ・フローを生成することから、独立した資金生成単位として識別可能と結論づけました。これに伴い、従前は「建築用ガラス事業 欧州」と「建築用ガラス事業 北米」の資金生成単位に含まれていた太陽電池パネル用ガラス事業のキャッシュ・フローや、のれんやその他無形資産を含む関連資産は、独立した「太陽電池パネル用ガラス事業」の資金生成単位として識別することになりました。なお、当社グループの財政状態及び業績に関する報告セグメントについては変更していません。
連結貸借対照表に計上されるのれんは、CGU別に以下の通りとなりました。
減損テストにおいて主要な感応度を示す仮定は、使用価値の計算で用いる割引率です。もし割引率が上記の表に記載された率よりも上昇するならば、各資金生成単位における減損計上までの余裕度は低下します。
残存するのれんについて、「自動車用ガラス事業 北米」は減損計上までの余裕度がゼロとなり、適用した仮定の変動により使用価値が減少し、減損計上までの余裕度が低下する可能性が最も高いと当社グループが考えるCGUになります。当連結会計年度の減損テストでこのCGUが使用した割引率は9.4%(前連結会計年度は8.9%)で、上述のとおり減損損失を認識しました。ここから割引率がさらに1%上昇すると、6,530百万円の減損損失が追加で発生します。但し、この感応度分析は割引率の変化のみを単独で考慮したものです。割引率の上昇を伴う経済環境の変化が同時にガラス市場の成長を伴うことも想定され得るため、必ずしも割引率の上昇が更なる減損を発生させるとは限りません。
またこの他のCGUで、減損計上までの余裕度が、適用した仮定の変動により将来の減損計上の合理的な可能性を示唆するレベルにあるのは「建築用ガラス事業 欧州」で、減損計上までの余裕度は31,715百万円ありました。当連結会計年度の減損テストでこのCGUが使用した割引率は8.3%でした。他の条件に変動がない前提において、仮にこのCGUに適用する割引率が1.2%上昇し9.5%になると、減損計上までの余裕度はゼロになります。ここから割引率がさらに1%上昇すると、「建築用ガラス事業 欧州」ののれん15,940百万円の減損損失が発生します。但し、この感応度分析は割引率の変化のみを単独で考慮したものです。割引率の上昇を伴う経済環境の変化が同時にガラス市場の成長を伴うことも想定され得るため、必ずしも割引率の上昇が更なる減損を発生させるとは限りません。
当社グループは、上記以外の資金生成単位については、減損計上までの余裕度を十分に有していると考えています。
| (単位:百万円) | |||
| 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | ||
| (取得原価) | |||
| 4月1日現在 | 143,447 | 145,813 | |
| 為替換算差額 | 17,528 | △2,366 | |
| 3月31日現在 | 160,975 | 143,447 | |
| (減損損失累計額) | |||
| 4月1日現在 | △61,313 | △61,641 | |
| 減損損失 | △3,422 | △1,397 | |
| 為替換算差額 | △8,894 | 1,725 | |
| 3月31日現在 | △73,629 | △61,313 | |
| (帳簿価額) | |||
| 3月31日現在 | 87,346 | 82,134 |
IAS第36号「資産の減損」に従い、当連結会計年度末(2026年3月末)において、のれんに対する減損テストを行いました。このテストでは、当社グループで識別された資金生成単位(CGU)の「使用価値」と、各CGU内の資産の帳簿価額を比較しました。使用価値は、各資金生成単位の将来営業キャッシュ・フローを以下の表に記載の割引率で割り引いた現在価値として算定しています。将来営業キャッシュ・フローの見積額は、2027年3月期から2031年3月期までの会計期間とその後の永続性を考慮しています。重要な仮定には、割引率、永続成長率、予測される販売量と価格、投入コストが含まれます。
のれんの減損テストに使用された主要な仮定は以下の通りです。
| 主要な仮定 | |
| 将来営業キャッシュ・フローの予測期間 | 2026年3月末を起点として、最長5年間 (この期間以降は、一定の成長率での増加が永続すると仮定) |
| 永続成長率 | 1.4% ~ 2.0% |
| 割引率(税引前ベース) | 8.3% ~ 9.4% |
各CGUの割引率(税引前)は、加重平均した地域固有のリスクプレミアムを、各事業で主に使用する通貨の一般的なリスク・フリー・レートに追加することで決定されます。決定された割引率の範囲は、「建築用ガラス事業 欧州」に適用した8.3%から、「建築用ガラス事業 太陽電池パネル用ガラス事業」「建築用ガラス事業 北米」「自動車用ガラス事業 北米」に適用した9.4%となりました。
「自動車用ガラス事業 北米」のCGUのキャッシュ・フローの見積りには、1.4%の永続成長率が含まれています。「建築用ガラス事業 欧州」、「建築用ガラス事業 北米」、「建築用ガラス事業 太陽電池パネル用ガラス事業」のCGUでは、2.0%の永続的成長率を使用しました。
その他の主要な仮定としては、ガラス製品の販売価格、市場数量の成長率並びに投入コストが挙げられます。ガラス製品の販売価格は、対象期間における需要と供給の動向に関する現在までの趨勢及び予想に基づき、予測しています。市場数量の成長率は、各国・地域におけるGDP成長率や各市場におけるガラス産業に固有の要素(例えば規制環境の変化など)を参照して見積りをしており、利用可能な外部の市場予測も用いています。自動車用ガラス事業においては、新車用ガラスの需要は外部の予測機関から入手した各地域の自動車生産台数予測に基づいて見積もられています。
また投入コストについては、最近のサプライヤーとの交渉内容や、業界における一般的な見通し情報を考慮した上で見積りをしています。将来の投入コストの見積りには既存のヘッジ契約も考慮に入れています。建築用ガラス事業において投入コストの上昇分を価格に転嫁できるかどうかは、市場動向に大きく依存しており、工場や設備の稼働率が高いほど価格決定力が強まり、コスト上昇分の転嫁が容易になります。当連結会計年度では、欧州の建築用ガラス事業の設備稼働率は上昇し、前連結会計年度と比較して価格が顕著に上昇しました。自動車用ガラス事業においては、自動車メーカーとの販売契約は、通常、契約期間中の価格が事前に決定された形で合意されます。近年、当社グループは、上昇した投入コストの多くの部分を自動車メーカーから回収しています。
当連結会計年度において、当社グループは「自動車用ガラス事業 北米」のCGUののれんの減損損失を認識しました。北米では近年、市場でのポジションの維持・向上に成功しており、それに伴い売上高も改善しています。しかし、このCGUの業績は、製造コストの増加によって悪化しており、その一因として製造効率の問題が挙げられます。当社グループは、このCGUにおける製造パフォーマンスの改善に強く注力しています。
前連結会計年度において、主に南米で事業を展開する「建築用ガラス事業 その他の地域」のCGUののれんの減損損失を認識しました。これにより当社グループは、2006年6月のピルキントン社買収により生じた「建築用ガラス事業 その他の地域」のCGUに係るのれん全額を減損したことになります。
詳細については、注記10「個別開示項目」をご参照ください。
当社グループは、前第1四半期連結会計期間において、識別可能な資金生成単位(CGU)の再評価を行いました。前連結会計年度内に北米の生産設備が建築用ガラスから太陽電池パネル用ガラスへ転換されたことにより、太陽電池パネル用ガラス事業は、ますます重要で独立したキャッシュ・フローを生成することから、独立した資金生成単位として識別可能と結論づけました。これに伴い、従前は「建築用ガラス事業 欧州」と「建築用ガラス事業 北米」の資金生成単位に含まれていた太陽電池パネル用ガラス事業のキャッシュ・フローや、のれんやその他無形資産を含む関連資産は、独立した「太陽電池パネル用ガラス事業」の資金生成単位として識別することになりました。なお、当社グループの財政状態及び業績に関する報告セグメントについては変更していません。
連結貸借対照表に計上されるのれんは、CGU別に以下の通りとなりました。
| (単位:百万円) | ||
| 当連結会計年度末 (2026年3月31日) | 前連結会計年度末 (2025年3月31日) | |
| 建築用ガラス事業 欧州 | 18,555 | 16,521 |
| 建築用ガラス事業 日本 | 12 | 12 |
| 建築用ガラス事業 北米 | 6,454 | 5,994 |
| 建築用ガラス事業 その他の地域 | 67 | 63 |
| 建築用ガラス事業 太陽電池パネル用ガラス事業 | 45,428 | 40,652 |
| 自動車用ガラス事業 欧州 | 287 | 254 |
| 自動車用ガラス事業 北米 | 14,928 | 17,220 |
| その他 | 1,615 | 1,418 |
| 合計 | 87,346 | 82,134 |
減損テストにおいて主要な感応度を示す仮定は、使用価値の計算で用いる割引率です。もし割引率が上記の表に記載された率よりも上昇するならば、各資金生成単位における減損計上までの余裕度は低下します。
残存するのれんについて、「自動車用ガラス事業 北米」は減損計上までの余裕度がゼロとなり、適用した仮定の変動により使用価値が減少し、減損計上までの余裕度が低下する可能性が最も高いと当社グループが考えるCGUになります。当連結会計年度の減損テストでこのCGUが使用した割引率は9.4%(前連結会計年度は8.9%)で、上述のとおり減損損失を認識しました。ここから割引率がさらに1%上昇すると、6,530百万円の減損損失が追加で発生します。但し、この感応度分析は割引率の変化のみを単独で考慮したものです。割引率の上昇を伴う経済環境の変化が同時にガラス市場の成長を伴うことも想定され得るため、必ずしも割引率の上昇が更なる減損を発生させるとは限りません。
またこの他のCGUで、減損計上までの余裕度が、適用した仮定の変動により将来の減損計上の合理的な可能性を示唆するレベルにあるのは「建築用ガラス事業 欧州」で、減損計上までの余裕度は31,715百万円ありました。当連結会計年度の減損テストでこのCGUが使用した割引率は8.3%でした。他の条件に変動がない前提において、仮にこのCGUに適用する割引率が1.2%上昇し9.5%になると、減損計上までの余裕度はゼロになります。ここから割引率がさらに1%上昇すると、「建築用ガラス事業 欧州」ののれん15,940百万円の減損損失が発生します。但し、この感応度分析は割引率の変化のみを単独で考慮したものです。割引率の上昇を伴う経済環境の変化が同時にガラス市場の成長を伴うことも想定され得るため、必ずしも割引率の上昇が更なる減損を発生させるとは限りません。
当社グループは、上記以外の資金生成単位については、減損計上までの余裕度を十分に有していると考えています。