有価証券報告書-第188期(平成27年1月1日-平成27年12月31日)

【提出】
2016/03/30 11:26
【資料】
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【項目】
109項目

対処すべき課題

今後の見通しにつきましては、企業収益や雇用環境の改善により、国内経済は回復基調で推移するものの、アジア経済の影響、株式市場及び外国為替市場の急激な変動による混乱が継続することが予想され、先行き不透明な状況で推移するものと予想されます。
このような環境下、平成28年1月1日付けで連結子会社3社を合併させ、新組織体制の下、引き続き商品構成の充実を推進しつつ、販売力の強化によりシェアの拡大と新規市場の開拓を図り、遊休資産の活用を進め、更なる収益の改善と企業価値の向上に努め、赤字体質からの早期脱却を目指して参ります。
<株式会社の支配に関する基本方針>(1) 基本方針の内容の概要
当社は、金融商品取引所に株式を上場している者として、市場における当社株式の自由な取引を尊重し、特定の者による当社株式の大規模買付行為であっても、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません。また、最終的には株式の大規模買付提案に応じるかどうかは株主の皆様の決定に委ねられるべきだと考えています。
ただし、株式の大規模買付提案の中には、例えばステークホルダーとの良好な関係を保ち続けることができない可能性があるなど、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を損なう虞のあるものや、当社グループの価値を十分に反映しているとは言えないもの、あるいは株主の皆様が最終的な決定をされるために必要な情報が十分に提供されないものもありえます。
そのような提案に対して、当社取締役会は、株主の皆様から負託された者の責務として、株主の皆様のために、必要な時間や情報の確保、株式の大規模買付提案者との交渉などを行う必要があると考えております。
(2) 取組みの具体的な内容の概要
① 基本方針の実現に資する特別な取組み
イ 企業価値向上への取組み
当社は明治18年に淡路島で創業した「淡陶社」をルーツとしております。淡路島では19世紀初頭の文政年間に賀集珉平翁が珉平焼を始め、当時の藩主蜂須賀公のお手釜として花器・茶器をつくり淡路焼として名声を博しておりました。淡陶社はこの流れを汲み、創業当初より、珉平焼を継承した食器・花器・玩具等の製造販売を行っておりました。
当社はこのような歴史を背景に、わが国で最も歴史のあるタイルメーカーとして、主に建築物に利用するタイルの製造に取り組んで参りました。更に、近年では、単なるタイル製造業の枠を超え、タイルを構成要素とする各種空間提案を通じて、より豊かな生活を実現するソリューション型のメーカーを志向しております。
当社は、わが国最古のタイル製造技術に基づいて、現代的な生活環境にも適応する建築材料としてのタイルを生産・供給しております。当社の企業価値はこのような技術力と提案力により確保、向上されるべきであり、また、これを支える顧客、取引先、従業員等の一体性こそが、当社の企業価値の源泉であると考えております。
当社は、このような経営姿勢を「Life with Tile」というメッセージに込め、すべてのステークホルダーの利益を追求し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の向上を図って参ります。
ロ コーポレート・ガバナンスについて
当社は、コーポレート・ガバナンスの強化に取り組むことにより、企業経営における透明性、健全性、効率性を追求し、すべてのステークホルダーの利益の確保を目指しております。そのために内部統制機能の充実を重要な経営課題と位置付け、これらを推進しております。
当社は、経営環境の変化に迅速に対応できる経営体制を構築するために取締役の任期を1年としております。また、当社は、監査役制度を採用しており、監査役は、取締役会などの重要な会議への出席のほか、各事業所やグループ会社の監査を行うことにより、取締役の業務執行の適法性、妥当性について確認、検討を行っております。
② 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、平成24年2月14日開催の取締役会において、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させることを目的として、当社株式等の大規模買付行為に関する対応策(事前警告型買収防衛策)(以下、「本プラン」といいます。)の導入を決議し、平成24年3月29日開催の当社第184回定時株主総会にて株主の皆様のご承認をいただき、平成27年3月26日開催の当社第187回定時株主総会にて本プラン継続のご承認をいただきました。
本プランは、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させることを目的として、上記記載の基本方針に沿うものであり、当社株式等の大規模買付行為を行おうとする者が遵守すべきルールを明確にし、株主の皆様が適切な判断をするために必要かつ十分な情報及び時間、並びに大規模買付行為を行おうとする者との交渉の機会を確保することを目的としています。
本プランは、当社株式等の大規模買付行為を行おうとする者が遵守すべきルールを策定するとともに、一定の場合には当社が対抗措置をとることによって大規模買付行為を行おうとする者に損害が発生する可能性があることを明らかにし、これらを適切に開示することにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さない当社株式等の大規模買付行為を行おうとする者に対して、警告を行うものであります。なお、対抗措置には既存の株主に対する新株予約権の無償割当等の措置を含んでおります。
また、本プランでは、対抗措置の発動等にあたって、当社取締役会の恣意的判断を排除し、取締役会の判断及び対応の客観性、合理性を確保するための機関として独立委員会を設置し、発動の是非について当社取締役への勧告を行う仕組みとしています。独立委員会は、独立委員会規程に従い、当社社外取締役、当社社外監査役、または社外の有識者(実績のある会社経営者、官庁出身者、弁護士、公認会計士若しくは学識経験者またはこれらに準じる者)で、当社の業務執行を行う経営陣から独立した者のみから構成されるものといたします。
(3) 取組みの具体的な内容に対する当社取締役会の判断及びその理由
本プランは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則)を充足しており、かつ、企業価値研究会が平成20年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」の内容を踏まえております。
① 企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則
本プランは、当社株式等に対する大規模買付け等がなされた際に、当該大規模買付け等に応じるべきか否かを株主の皆様がご判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や期間を確保し、株主の皆様のために買付者等と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させるという目的をもって導入されるものであります。
② 事前開示・株主意思の原則
本プランの有効期限は平成30年3月開催予定の定時株主総会終結時までであります。ただし、当該有効期間の満了前であっても当社の株主総会において本プランの変更または廃止の決議がなされた場合には、本プランも当該決議に従い変更または廃止されることになります。従いまして、本プランの導入及び廃止には、株主の皆様のご意思が十分反映される仕組みとなっております。
③ 必要性・相当性確保の原則
イ 独立性の高い社外者の判断の重視と情報開示の徹底
当社は、本プランに基づく大規模買付け等への対抗措置の発動等に関する取締役会の恣意的判断を排し、取締役会の判断及び対応の客観性及び合理性を確保することを目的として独立委員会を設置し、当社取締役会は、対抗措置の発動または不発動の決議に際して独立委員会の勧告を最大限尊重いたします。
また、当社は、独立委員会の判断の概要について株主及び投資家の皆様に情報開示を行うこととし、当社の企業価値・株主共同の利益に資するよう本プランの透明な運営が行われる仕組みを確保しております。
ロ 合理的な客観的発動要件の設定
本プランは、合理的かつ客観的な発動要件が充足されなければ発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みを確保しております。
ハ デッドハンド型若しくはスローハンド型買収防衛策ではないこと
本プランは、当社の株主総会で選任された取締役で構成される取締役会により、いつでも廃止することができるものとされております。従って、本プランは、デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交代させても、なお発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。
また、当社は期差任期制を採用していないため、本プランはスローハンド型(取締役会の構成員の交代を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)でもありません。