有価証券報告書-第78期(令和2年3月1日-令和3年2月28日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度(2020年3月1日から2021年2月28日まで)のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な大流行により社会活動が広範囲にわたって強く抑制されるなど、これまでに経験のない状況でありました。新型コロナウイルス感染症対策に直接的な影響を受ける個人消費が大きな落ち込みとなっている一方、設備投資は、堅調な海外需要、企業の投資マインドの改善等を背景として、昨秋以降は持ち直し基調となっております。このように、新型コロナウイルス感染症対策による影響は、経済部門や産業・業種によってかなり大きさが異なるなど不透明な状況が続いております。
当社グループの事業分野であります建設業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響で物件の遅延も発生いたしましたが、現時点での影響は限定的な状況であります。
当社グループの主力事業でありますコンクリートパイル事業におきましては、全国需要は前連結会計年度を若干下回りましたが、当社の主力商圏であります関東および静岡につきましては、前連結会計年度を上回る水準で推移いたしました。
また、コンクリートセグメント事業につきましては、大型物件の端境期にあり、前連結会計年度に引き続き極めて厳しい事業環境となりました。また、需要の回復は、大型物件の製造が始まる翌連結会計年度からを想定しております。
不動産賃貸事業につきましては、安定した業績で推移しております。
セグメント毎の経営成績は、次のとおりであります。
(コンクリート二次製品事業)
コンクリート二次製品事業の主力事業でありますコンクリートパイル事業につきましては、全国需要は西日本の需要環境が大変厳しかったことなどから、前連結会計年度を下回りましたが、当社の主力商圏であります関東および静岡につきましては、前連結会計年度を上回る水準で推移した結果、当連結会計年度の売上高は7,932百万円(前連結会計年度比29.9%増)、営業利益は310百万円(前連結会計年度比94.8%増)となりました。
(コンクリートセグメント事業)
大型物件の端境期にあり、前連結会計年度に引き続き極めて厳しい事業環境となりました。また、需要回復の時期が当初見込みより遅れて、翌連結会計年度からと想定されることから、当連結会計年度は低操業に応じた生産体制を徹底しコスト削減に努め、前連結会計年度からの継続物件の製造を進めた結果、当連結会計年度の売上高は、1,549百万円(前連結会計年度比4.4%増)、営業損失は2百万円(前連結会計年度は3百万円の利益)となりました。
(工事事業)
コンクリート二次製品事業と同様に、下期以降に大型物件の完工が集中したことから人件費を中心に工事原価率が大幅に上昇した結果、当連結会計年度の売上高は6,745百万円(前連結会計年度比20.3%増)、営業利益は472百万円(前連結会計年度比13.6%減)となりました。
(不動産賃貸事業)
当連結会計年度の売上高は193百万円(前連結会計年度比1.2%減)、営業利益は前連結会計年度に実施した大規模修繕の影響がなくなったことから138百万円(前連結会計年度比7.3%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は16,421百万円(前連結会計年度比22.6%増)、営業利益は304百万円(前連結会計年度比30.2%増)、経常利益は295百万円(前連結会計年度比35.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は160百万円(前連結会計年度比66.5%増)となりました。
②財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度に比べ2,196百万円(15.0%)増加して16,877百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末と比べて、1,475百万円(23.9%)増加し、7,655百万円となりました。これは主として現金及び預金の増加869百万円、受取手形及び売掛金の増加475百万円等によるものであります。固定資産は、前連結会計年度末と比べて、721百万円(8.5%)増加し、9,222百万円となりました。これは、主として建設仮勘定の増加521百万円の増加、投資有価証券の増加147百万円等によるものであります。流動負債は、前連結会計年度末と比べて、2,308百万円(32.3%)増加し、9,458百万円となりました。これは、主として支払手形及び買掛金の増加676百万円、電子記録債務の増加771百万円、短期借入金の増加786百万円等によるものであります。固定負債は、前連結会計年度末と比べて、186百万円(4.5%)減少し、3,934百万円となりました。これは、リース債務の減少46百万円、長期借入金の減少155百万円等によるものであります。当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末と比べて、73百万円(2.2%)増加し、3,484百万円となりました。これは、主として利益剰余金の増加63百万円、その他有価証券評価差額金の増加19百万円等によるものであります。
この結果、自己資本比率は20.2%、1株あたり純資産額は2,634円47銭となりました。
③キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,767百万円の増加(前連結会計年度比910百万円の増加)となりました。これは、税金等調整前当期純利益274百万円、減価償却費590百万円、仕入債務の増加額1,448百万円等の資金の増加に対し、売上債権の増加額617百万円、たな卸資産の増加額129百万円等の資金の減少によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,138百万円の減少(前連結会計年度比523百万円の減少)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出854百万円によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、240百万円の増加(前連結会計年度比897百万円の増加)となりました。これは、主に短期借入金の純増額786百万円、長期借入れによる収入2,000百万円、長期借入金の返済による支出2,263百万円によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ869百万円増加し、2,580百万円となりました。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
債務償還年数:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。
(注2)株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しています。
(注4)有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としています。
④生産、受注及び販売の状況
生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 コンクリート二次製品事業、コンクリートセグメント事業については製造原価、工事事業については完成工事原価によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
受注実績
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
※当連結会計年度においては、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表作成に当たって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。見積りに関しては過去の実績などを慎重に検討したうえで行い、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性によって異なる場合があります。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4 会計方針に関する事項」に記載のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a.繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産について将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
b.退職給付費用及び退職給付債務
当社グループは、退職給付費用及び債務について割引率、死亡率、退職率や年金資産の長期期待運用収益率等の数理計算上の前提条件に基づき、算出しております。今後、実際の結果が前提条件と異なる場合や前提条件が変更された場合には将来の退職給付費用及び債務が変動する可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析・検討内容
1)経営成績
(売上高)
売上高は、コンクリート二次製品事業及び工事事業において、全国需要は前連結会計年度を若干下回りましたが、当社の主力商圏であります関東および静岡につきましては、前連結会計年度を上回る水準で推移した結果、16,421百万円(前連結会計年度比22.6%の増加)となりました。
(営業利益)
当連結会計年度の売上総利益は、上記売上高の増加により、前連結会計年度比8.0%増の2,148百万円となりました。売上総利益率は、コンクリート二次製品事業及び工事事業において販売量確保のための価格競争の影響もあり、前連結会計年度の14.9%から当連結会計年度は13.1%に減少しております。
また、販売費及び一般管理費は、前連結会計年度の1,755百万円から88百万円増加し1,843百万円となりました。
以上の結果、営業利益は304百万円(前連結会計年度比30.2%の増加)となりました。なお、売上高営業利益率は1.9%で前連結会計年度比0.2ポイントの増加となりました。
(経常利益)
経常利益は、売上総利益率の悪化はありましたが、売上高の増加により、295百万円(前連結会計年度比35.7%の増加)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、主に上記の要因により、160百万円(前連結会計年度比66.5%の増加)となりました。
2021年2月期の連結業績予想(計画)との比較
(単位:百万円)
併せて、中期経営計画の目標値であるROE8%に対して、実績は4.8%、自己資本比率30%に対して、20.2%となりました。
(セグメント別の状況)
(コンクリート二次製品事業及び工事事業)
当社グループの主力事業でありますコンクリートパイル事業は、連結財務諸表のセグメント情報における「コンクリート二次製品事業」及び「工事事業」から構成されております。
当連結会計年度のコンクリートパイル事業の全国需要につきましては、西日本の需要環境が大変厳しかったことなどから、前年度を下回りました。一方で、当社の主力商圏である関東および静岡の需要は、一昨年度の需要が少なかったこともあり、前年度を上回りました。当社の売上高は、主力商圏の需要環境好転に支えられるとともに、営業部門拡充の効果等もあり、前年度に対して増収となりました。しかしながら、全国的には大変厳しい需要環境の中で価格競争が激化したことに加え、下期に大型工事が集中したことから製造原価を中心に原価率が上昇し、収益性という点では厳しい結果となりました。
コンクリートパイル事業の事業戦略につきましては、第6次中期経営計画に基づき、バリューチェーン全体の品質保証体制の強化及び経営資源の拡充を柱とした成長戦略を実行いたしました。2020年度の主な取組は以下のとおりです。
(バリューチェーン全体の品質保証体制を強化する取組)
①専門性の高い人材の育成および採用
②ICTの活用施策の継続的推進
人材育成に関しましては、資格取得の奨励や社内勉強会の充実などを行っております。国家資格を含め、資格保有者は着実に増えております。採用につきましては、インターンの実施や志願者の希望に応じた説明会の随時開催など、きめの細かい対応を行っております。また、当社ウェブサイトを2020年8月に刷新いたしました。事業内容や当社の魅力について積極的に発信してまいります。
ICT活用につきましては、グループウェアの活用、簡易アプリの開発・活用、業務支援システムの開発・活用等の業務支援領域を柱として、デジタル化による業務の正確性および効率性の改善を進めております。
取組事例といたしましては、全社員のPCをノート型に切り替えるとともに、社外からの安全なアクセス環境の整備、テレビ会議システムの拡充などを行いました。これにより、テレワーク可能な職種については、本格的なテレワークが可能となりました。また、経費精算等の間接業務につきましても、さらなるデジタル化を進め、2021年度より運用を開始いたします。
(経営資源を拡充する取組)
①営業部門の拡充を継続
②東京工場の基幹設備を改修
③スマートエネルギー事業の推進
営業部門の拡充につきましては、大阪および名古屋営業所の充実を図りました。当該営業所に関しては、引合いも順調に推移しており、今後の成長に向けて引き続き注力してまいります。また、その他の事業所におきましても拡充を進め、営業活動の充実を図ってまいります。
東京工場の基幹設備改修およびスマートエネルギー事業につきましては、順調に進展しております。
2021年度は、第6次中期経営計画の最終年度にあたります。第6次中期経営計画につきましては、主要な取り組みの着手を完了することができております。2021年度は、それらの取り組みを着実に進めていくと同時に、経営環境の総合的な検証を行った上で第7次中期経営計画へとつなげてまいります。
以上の結果、コンクリート二次製品事業の売上高は、7,932百万円(前連結会計年度比29.9%増)、営業利益は310百万円(前連結会計年度比94.8%増)となりました。また、工事事業の売上高は、6,745百万円(前連結会計年度比20.3%増)、営業利益は472百万円(前連結会計年度比13.6%減)となりました。
(コンクリートセグメント事業)
当社グループのコンクリートセグメント事業では、シールド工事で用いられるプレキャストコンクリート製のトンネル覆工部材を製造しており、受託製造に特化した事業であります。
コンクリートセグメント事業は、大型物件の端境期にあり、前年度に引き続き極めて厳しい需要環境となりました。このような状況に対応するため、低操業に応じた生産体制を徹底し、コスト削減に努めております。
以上の結果、コンクリートセグメント事業の売上高は、1,549百万円(前連結会計年度比4.4%増)、営業損失は2百万円(前連結会計年度は3百万円の利益)となりました。
(不動産賃貸事業)
不動産賃貸事業に関しましては、静岡県沼津市でのショッピングセンターの賃貸を主な事業としております。当連結会計年度は、安定した業績で推移しており、不動産賃貸事業の売上高は193百万円(前連結会計年度比1.2%減)、営業利益は、138百万円(前連結会計年度比7.3%増)となりました。
2) 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度に比べ2,196百万円(15.0%)増加して16,877百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末と比べて、1,475百万円(23.9%)増加し、7,655百万円となりました。これは主として現金及び預金の増加869百万円、受取手形及び売掛金の増加475百万円等によるものであります。固定資産は、前連結会計年度末と比べて、721百万円(8.5%)増加し、9,222百万円となりました。これは、主として建設仮勘定の増加521百万円の増加、投資有価証券の増加147百万円等によるものであります。流動負債は、前連結会計年度末と比べて、2,308百万円(32.3%)増加し、9,458百万円となりました。これは、主として支払手形及び買掛金の増加676百万円、電子記録債務の増加771百万円、短期借入金の増加786百万円等によるものであります。固定負債は、前連結会計年度末と比べて、186百万円(4.5%)減少し、3,934百万円となりました。これは、リース債務の減少46百万円、長期借入金の減少155百万円等によるものであります。当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末と比べて、73百万円(2.2%)増加し、3,484百万円となりました。これは、主として利益剰余金の増加63百万円、その他有価証券評価差額金の増加19百万円等によるものであります。
この結果、自己資本比率は20.2%、1株あたり純資産額は2,634円47銭となりました。
3) キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,767百万円の増加(前連結会計年度比910百万円の増加)となりました。これは、税金等調整前当期純利益274百万円、減価償却費590百万円、仕入債務の増加額1,448百万円等の資金の増加に対し、売上債権の増加額617百万円、たな卸資産の増加額129百万円等の資金の減少によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,138百万円の減少(前連結会計年度比523百万円の減少)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出854百万円によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、240百万円の増加(前連結会計年度比897百万円の増加)となりました。これは、主に短期借入金の純増額786百万円、長期借入れによる収入2,000百万円、長期借入金の返済による支出2,263百万円によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ869百万円増加し、2,580百万円となりました。
4)当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に需要な影響を与える要因としましては、原材料調達や価格の動向、市場動向、国内の法令や政治・経済動向等があります。
資材調達につきましては、重要な供給元とは関係強化を図るとともに、汎用品に関しては複数の調達先を起用することと、生産と販売のバランスの調整を含めた安定的な調達を進めております。
品質確保につきましては、品質強化委員会を中心とし、製造工程での不良品の発生状況や施工上の不具合などを分析し、ケーススタディなどによって解決策を提示し、各部門との連携・情報共有を図ることで対応を行っております。
市場の変化に対しましては、営業部門が設計事務所・ゼネコン・販売会社などの顧客と緊密な関係を構築し、お客様のニーズを的確にとらえた提案営業が実践できるよう取り組んでおります。
国内の法令や政治・経済動向等につきましては、取締役会を中心とし、情報を入手するとともに、社外の専門家と連携・情報共有を図ることで対応を行っております。
また、当連結会計年度における新型コロナウイルス感染症による業績への影響は軽微でありましたが、引続き感染対策を継続し、従業員及び関係者の安全確保に取り組んでまいります。
なお、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える主要なリスクにつきましては、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
5)資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要のうち主なものは、新規製品・工法開発等にかかる研究開発費や、老朽化した設備の維持更新、各種工法用治具のラインナップの拡充に係る投資であります。また、現在、東京工場のリニューアル工事とスマートエネルギー事業参画への投資約20億円などを計画しております。営業キャッシュ・フローを源泉とした自己資金と金融機関からの借入金により調達する計画であり、当連結会計年度末において786百万円を短期借入金で調達しております。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響を考慮し、緊急時における安定的な資金調達の体制を構築するため、取引金融機関との間で15億円のコミットメントライン契約(バイラテラル方式)を締結いたしました。
なお、当連結会計年度末における長・短期借入金及びリース債務を含む有利子負債残高は、6,158百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,580百万円であり、流動性の確保は重要な経営課題であります。
6)目標とする経営指標の達成状況等
当社グループは、2019年度から2021年度にかけて第6次中期経営計画を策定し、2年目である当連結会計年度は、コンクリートパイル事業では「バリューチェーン全体の品質保証体制の強化」「経営資源の拡充」を計画いたしました。また、コンクリートセグメント事業では、大型物件の端境期にあり極めて厳しい事業環境からのスタートとの認識で低操業に応じた生産体制を組み、徹底したコスト管理から取り組みました。
コンクリートパイル事業におきましては、当初計画通り「バリューチェーン全体の品質保証体制の強化」への取り組みとして
①専門性の高い人材の育成及び採用
②ICT活用施策の継続的推進
「経営資源の拡充」への取り組みとして、
①営業部門の拡充を継続
②東京工場の基幹設備の改修計画立案
③スマートエネルギー事業の推進
を中心に実行してまいりました。取組自体は、計画通りの進捗を見せておりますが、市場の需要動向の変動が当初見込みより厳しく、単年度の経営成績は数値目標が未達に終わりました。具体的な目標である中長期的なROE8%に対して、実績4.8%、自己資本比率30%に対して20.2%でありました。
2021年度に関しましても、当初計画に織り込んでいなかった「新型コロナウイルス感染症」が業績に影響を与える可能性があります。感染予防に必要な対策を継続し、安全確保に全力を傾けた上で目標達成に向け取り組んでまいります。
当連結会計年度における当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度(2020年3月1日から2021年2月28日まで)のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な大流行により社会活動が広範囲にわたって強く抑制されるなど、これまでに経験のない状況でありました。新型コロナウイルス感染症対策に直接的な影響を受ける個人消費が大きな落ち込みとなっている一方、設備投資は、堅調な海外需要、企業の投資マインドの改善等を背景として、昨秋以降は持ち直し基調となっております。このように、新型コロナウイルス感染症対策による影響は、経済部門や産業・業種によってかなり大きさが異なるなど不透明な状況が続いております。
当社グループの事業分野であります建設業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響で物件の遅延も発生いたしましたが、現時点での影響は限定的な状況であります。
当社グループの主力事業でありますコンクリートパイル事業におきましては、全国需要は前連結会計年度を若干下回りましたが、当社の主力商圏であります関東および静岡につきましては、前連結会計年度を上回る水準で推移いたしました。
また、コンクリートセグメント事業につきましては、大型物件の端境期にあり、前連結会計年度に引き続き極めて厳しい事業環境となりました。また、需要の回復は、大型物件の製造が始まる翌連結会計年度からを想定しております。
不動産賃貸事業につきましては、安定した業績で推移しております。
セグメント毎の経営成績は、次のとおりであります。
(コンクリート二次製品事業)
コンクリート二次製品事業の主力事業でありますコンクリートパイル事業につきましては、全国需要は西日本の需要環境が大変厳しかったことなどから、前連結会計年度を下回りましたが、当社の主力商圏であります関東および静岡につきましては、前連結会計年度を上回る水準で推移した結果、当連結会計年度の売上高は7,932百万円(前連結会計年度比29.9%増)、営業利益は310百万円(前連結会計年度比94.8%増)となりました。
(コンクリートセグメント事業)
大型物件の端境期にあり、前連結会計年度に引き続き極めて厳しい事業環境となりました。また、需要回復の時期が当初見込みより遅れて、翌連結会計年度からと想定されることから、当連結会計年度は低操業に応じた生産体制を徹底しコスト削減に努め、前連結会計年度からの継続物件の製造を進めた結果、当連結会計年度の売上高は、1,549百万円(前連結会計年度比4.4%増)、営業損失は2百万円(前連結会計年度は3百万円の利益)となりました。
(工事事業)
コンクリート二次製品事業と同様に、下期以降に大型物件の完工が集中したことから人件費を中心に工事原価率が大幅に上昇した結果、当連結会計年度の売上高は6,745百万円(前連結会計年度比20.3%増)、営業利益は472百万円(前連結会計年度比13.6%減)となりました。
(不動産賃貸事業)
当連結会計年度の売上高は193百万円(前連結会計年度比1.2%減)、営業利益は前連結会計年度に実施した大規模修繕の影響がなくなったことから138百万円(前連結会計年度比7.3%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は16,421百万円(前連結会計年度比22.6%増)、営業利益は304百万円(前連結会計年度比30.2%増)、経常利益は295百万円(前連結会計年度比35.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は160百万円(前連結会計年度比66.5%増)となりました。
②財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度に比べ2,196百万円(15.0%)増加して16,877百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末と比べて、1,475百万円(23.9%)増加し、7,655百万円となりました。これは主として現金及び預金の増加869百万円、受取手形及び売掛金の増加475百万円等によるものであります。固定資産は、前連結会計年度末と比べて、721百万円(8.5%)増加し、9,222百万円となりました。これは、主として建設仮勘定の増加521百万円の増加、投資有価証券の増加147百万円等によるものであります。流動負債は、前連結会計年度末と比べて、2,308百万円(32.3%)増加し、9,458百万円となりました。これは、主として支払手形及び買掛金の増加676百万円、電子記録債務の増加771百万円、短期借入金の増加786百万円等によるものであります。固定負債は、前連結会計年度末と比べて、186百万円(4.5%)減少し、3,934百万円となりました。これは、リース債務の減少46百万円、長期借入金の減少155百万円等によるものであります。当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末と比べて、73百万円(2.2%)増加し、3,484百万円となりました。これは、主として利益剰余金の増加63百万円、その他有価証券評価差額金の増加19百万円等によるものであります。
この結果、自己資本比率は20.2%、1株あたり純資産額は2,634円47銭となりました。
③キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,767百万円の増加(前連結会計年度比910百万円の増加)となりました。これは、税金等調整前当期純利益274百万円、減価償却費590百万円、仕入債務の増加額1,448百万円等の資金の増加に対し、売上債権の増加額617百万円、たな卸資産の増加額129百万円等の資金の減少によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,138百万円の減少(前連結会計年度比523百万円の減少)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出854百万円によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、240百万円の増加(前連結会計年度比897百万円の増加)となりました。これは、主に短期借入金の純増額786百万円、長期借入れによる収入2,000百万円、長期借入金の返済による支出2,263百万円によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ869百万円増加し、2,580百万円となりました。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
| 2017年2月期 | 2018年2月期 | 2019年2月期 | 2020年2月期 | 2021年2月期 | |
| 自己資本比率(%) | 17.2 | 18.6 | 22.2 | 22.7 | 20.2 |
| 時価ベースの 自己資本比率(%) | 14.5 | 22.4 | 21.1 | 14.7 | 13.5 |
| 債務償還年数(年) | 6.4 | 9.2 | 5.5 | 6.6 | 3.5 |
| インタレスト・ カバレッジ・レシオ(倍) | 10.5 | 7.7 | 14.0 | 13.1 | 30.8 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
債務償還年数:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。
(注2)株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しています。
(注4)有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としています。
④生産、受注及び販売の状況
生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(千円) | 前年同期比(%) |
| コンクリート二次製品事業 | 5,801,895 | +31.3 |
| コンクリートセグメント事業 | 1,498,005 | +5.3 |
| 工事事業 | 5,811,547 | +25.6 |
| 合計 | 13,111,448 | +25.3 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 コンクリート二次製品事業、コンクリートセグメント事業については製造原価、工事事業については完成工事原価によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
受注実績
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
| コンクリート二次製品事業 | 7,465,791 | +28.2 | 1,997,793 | △18.9 |
| コンクリートセグメント事業 | 1,783,204 | +28.6 | 1,939,776 | +13.7 |
| 工事事業 | 6,242,190 | +19.1 | 1,771,628 | △22.1 |
| 合計 | 15,491,186 | +24.4 | 5,709,198 | △11.4 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
| コンクリート二次製品事業 | 7,932,600 | +29.9 |
| コンクリートセグメント事業 | 1,549,960 | +4.4 |
| 工事事業 | 6,745,579 | +20.3 |
| 不動産賃貸事業 | 193,790 | △1.2 |
| 合計 | 16,421,930 | +22.6 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
| 鹿島建設㈱ | 1,934,181 | 14.4 | - | - |
| JFE建材㈱ | 1,456,644 | 10.9 | - | - |
※当連結会計年度においては、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表作成に当たって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。見積りに関しては過去の実績などを慎重に検討したうえで行い、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性によって異なる場合があります。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4 会計方針に関する事項」に記載のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a.繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産について将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
b.退職給付費用及び退職給付債務
当社グループは、退職給付費用及び債務について割引率、死亡率、退職率や年金資産の長期期待運用収益率等の数理計算上の前提条件に基づき、算出しております。今後、実際の結果が前提条件と異なる場合や前提条件が変更された場合には将来の退職給付費用及び債務が変動する可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析・検討内容
1)経営成績
(売上高)
売上高は、コンクリート二次製品事業及び工事事業において、全国需要は前連結会計年度を若干下回りましたが、当社の主力商圏であります関東および静岡につきましては、前連結会計年度を上回る水準で推移した結果、16,421百万円(前連結会計年度比22.6%の増加)となりました。
(営業利益)
当連結会計年度の売上総利益は、上記売上高の増加により、前連結会計年度比8.0%増の2,148百万円となりました。売上総利益率は、コンクリート二次製品事業及び工事事業において販売量確保のための価格競争の影響もあり、前連結会計年度の14.9%から当連結会計年度は13.1%に減少しております。
また、販売費及び一般管理費は、前連結会計年度の1,755百万円から88百万円増加し1,843百万円となりました。
以上の結果、営業利益は304百万円(前連結会計年度比30.2%の増加)となりました。なお、売上高営業利益率は1.9%で前連結会計年度比0.2ポイントの増加となりました。
(経常利益)
経常利益は、売上総利益率の悪化はありましたが、売上高の増加により、295百万円(前連結会計年度比35.7%の増加)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、主に上記の要因により、160百万円(前連結会計年度比66.5%の増加)となりました。
2021年2月期の連結業績予想(計画)との比較
(単位:百万円)
| 2020年2月期 (実績) | 2021年2月期 (実績) | 2021年2月期 (計画) | 前年同期比 | 計画比 | |
| 売上高 | 13,390 | 16,421 | 14,500 | 22.6% | 13.3% |
| 営業利益 | 234 | 304 | 320 | 30.2% | △4.8% |
| 経常利益 | 217 | 295 | 250 | 35.7% | 18.3% |
| 親会社株主に 帰属する 当期純利益 | 96 | 160 | 120 | 66.5% | 33.7% |
併せて、中期経営計画の目標値であるROE8%に対して、実績は4.8%、自己資本比率30%に対して、20.2%となりました。
(セグメント別の状況)
(コンクリート二次製品事業及び工事事業)
当社グループの主力事業でありますコンクリートパイル事業は、連結財務諸表のセグメント情報における「コンクリート二次製品事業」及び「工事事業」から構成されております。
当連結会計年度のコンクリートパイル事業の全国需要につきましては、西日本の需要環境が大変厳しかったことなどから、前年度を下回りました。一方で、当社の主力商圏である関東および静岡の需要は、一昨年度の需要が少なかったこともあり、前年度を上回りました。当社の売上高は、主力商圏の需要環境好転に支えられるとともに、営業部門拡充の効果等もあり、前年度に対して増収となりました。しかしながら、全国的には大変厳しい需要環境の中で価格競争が激化したことに加え、下期に大型工事が集中したことから製造原価を中心に原価率が上昇し、収益性という点では厳しい結果となりました。
コンクリートパイル事業の事業戦略につきましては、第6次中期経営計画に基づき、バリューチェーン全体の品質保証体制の強化及び経営資源の拡充を柱とした成長戦略を実行いたしました。2020年度の主な取組は以下のとおりです。
(バリューチェーン全体の品質保証体制を強化する取組)
①専門性の高い人材の育成および採用
②ICTの活用施策の継続的推進
人材育成に関しましては、資格取得の奨励や社内勉強会の充実などを行っております。国家資格を含め、資格保有者は着実に増えております。採用につきましては、インターンの実施や志願者の希望に応じた説明会の随時開催など、きめの細かい対応を行っております。また、当社ウェブサイトを2020年8月に刷新いたしました。事業内容や当社の魅力について積極的に発信してまいります。
ICT活用につきましては、グループウェアの活用、簡易アプリの開発・活用、業務支援システムの開発・活用等の業務支援領域を柱として、デジタル化による業務の正確性および効率性の改善を進めております。
取組事例といたしましては、全社員のPCをノート型に切り替えるとともに、社外からの安全なアクセス環境の整備、テレビ会議システムの拡充などを行いました。これにより、テレワーク可能な職種については、本格的なテレワークが可能となりました。また、経費精算等の間接業務につきましても、さらなるデジタル化を進め、2021年度より運用を開始いたします。
(経営資源を拡充する取組)
①営業部門の拡充を継続
②東京工場の基幹設備を改修
③スマートエネルギー事業の推進
営業部門の拡充につきましては、大阪および名古屋営業所の充実を図りました。当該営業所に関しては、引合いも順調に推移しており、今後の成長に向けて引き続き注力してまいります。また、その他の事業所におきましても拡充を進め、営業活動の充実を図ってまいります。
東京工場の基幹設備改修およびスマートエネルギー事業につきましては、順調に進展しております。
2021年度は、第6次中期経営計画の最終年度にあたります。第6次中期経営計画につきましては、主要な取り組みの着手を完了することができております。2021年度は、それらの取り組みを着実に進めていくと同時に、経営環境の総合的な検証を行った上で第7次中期経営計画へとつなげてまいります。
以上の結果、コンクリート二次製品事業の売上高は、7,932百万円(前連結会計年度比29.9%増)、営業利益は310百万円(前連結会計年度比94.8%増)となりました。また、工事事業の売上高は、6,745百万円(前連結会計年度比20.3%増)、営業利益は472百万円(前連結会計年度比13.6%減)となりました。
(コンクリートセグメント事業)
当社グループのコンクリートセグメント事業では、シールド工事で用いられるプレキャストコンクリート製のトンネル覆工部材を製造しており、受託製造に特化した事業であります。
コンクリートセグメント事業は、大型物件の端境期にあり、前年度に引き続き極めて厳しい需要環境となりました。このような状況に対応するため、低操業に応じた生産体制を徹底し、コスト削減に努めております。
以上の結果、コンクリートセグメント事業の売上高は、1,549百万円(前連結会計年度比4.4%増)、営業損失は2百万円(前連結会計年度は3百万円の利益)となりました。
(不動産賃貸事業)
不動産賃貸事業に関しましては、静岡県沼津市でのショッピングセンターの賃貸を主な事業としております。当連結会計年度は、安定した業績で推移しており、不動産賃貸事業の売上高は193百万円(前連結会計年度比1.2%減)、営業利益は、138百万円(前連結会計年度比7.3%増)となりました。
2) 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度に比べ2,196百万円(15.0%)増加して16,877百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末と比べて、1,475百万円(23.9%)増加し、7,655百万円となりました。これは主として現金及び預金の増加869百万円、受取手形及び売掛金の増加475百万円等によるものであります。固定資産は、前連結会計年度末と比べて、721百万円(8.5%)増加し、9,222百万円となりました。これは、主として建設仮勘定の増加521百万円の増加、投資有価証券の増加147百万円等によるものであります。流動負債は、前連結会計年度末と比べて、2,308百万円(32.3%)増加し、9,458百万円となりました。これは、主として支払手形及び買掛金の増加676百万円、電子記録債務の増加771百万円、短期借入金の増加786百万円等によるものであります。固定負債は、前連結会計年度末と比べて、186百万円(4.5%)減少し、3,934百万円となりました。これは、リース債務の減少46百万円、長期借入金の減少155百万円等によるものであります。当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末と比べて、73百万円(2.2%)増加し、3,484百万円となりました。これは、主として利益剰余金の増加63百万円、その他有価証券評価差額金の増加19百万円等によるものであります。
この結果、自己資本比率は20.2%、1株あたり純資産額は2,634円47銭となりました。
3) キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,767百万円の増加(前連結会計年度比910百万円の増加)となりました。これは、税金等調整前当期純利益274百万円、減価償却費590百万円、仕入債務の増加額1,448百万円等の資金の増加に対し、売上債権の増加額617百万円、たな卸資産の増加額129百万円等の資金の減少によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,138百万円の減少(前連結会計年度比523百万円の減少)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出854百万円によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、240百万円の増加(前連結会計年度比897百万円の増加)となりました。これは、主に短期借入金の純増額786百万円、長期借入れによる収入2,000百万円、長期借入金の返済による支出2,263百万円によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ869百万円増加し、2,580百万円となりました。
4)当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に需要な影響を与える要因としましては、原材料調達や価格の動向、市場動向、国内の法令や政治・経済動向等があります。
資材調達につきましては、重要な供給元とは関係強化を図るとともに、汎用品に関しては複数の調達先を起用することと、生産と販売のバランスの調整を含めた安定的な調達を進めております。
品質確保につきましては、品質強化委員会を中心とし、製造工程での不良品の発生状況や施工上の不具合などを分析し、ケーススタディなどによって解決策を提示し、各部門との連携・情報共有を図ることで対応を行っております。
市場の変化に対しましては、営業部門が設計事務所・ゼネコン・販売会社などの顧客と緊密な関係を構築し、お客様のニーズを的確にとらえた提案営業が実践できるよう取り組んでおります。
国内の法令や政治・経済動向等につきましては、取締役会を中心とし、情報を入手するとともに、社外の専門家と連携・情報共有を図ることで対応を行っております。
また、当連結会計年度における新型コロナウイルス感染症による業績への影響は軽微でありましたが、引続き感染対策を継続し、従業員及び関係者の安全確保に取り組んでまいります。
なお、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える主要なリスクにつきましては、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
5)資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要のうち主なものは、新規製品・工法開発等にかかる研究開発費や、老朽化した設備の維持更新、各種工法用治具のラインナップの拡充に係る投資であります。また、現在、東京工場のリニューアル工事とスマートエネルギー事業参画への投資約20億円などを計画しております。営業キャッシュ・フローを源泉とした自己資金と金融機関からの借入金により調達する計画であり、当連結会計年度末において786百万円を短期借入金で調達しております。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響を考慮し、緊急時における安定的な資金調達の体制を構築するため、取引金融機関との間で15億円のコミットメントライン契約(バイラテラル方式)を締結いたしました。
なお、当連結会計年度末における長・短期借入金及びリース債務を含む有利子負債残高は、6,158百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,580百万円であり、流動性の確保は重要な経営課題であります。
6)目標とする経営指標の達成状況等
当社グループは、2019年度から2021年度にかけて第6次中期経営計画を策定し、2年目である当連結会計年度は、コンクリートパイル事業では「バリューチェーン全体の品質保証体制の強化」「経営資源の拡充」を計画いたしました。また、コンクリートセグメント事業では、大型物件の端境期にあり極めて厳しい事業環境からのスタートとの認識で低操業に応じた生産体制を組み、徹底したコスト管理から取り組みました。
コンクリートパイル事業におきましては、当初計画通り「バリューチェーン全体の品質保証体制の強化」への取り組みとして
①専門性の高い人材の育成及び採用
②ICT活用施策の継続的推進
「経営資源の拡充」への取り組みとして、
①営業部門の拡充を継続
②東京工場の基幹設備の改修計画立案
③スマートエネルギー事業の推進
を中心に実行してまいりました。取組自体は、計画通りの進捗を見せておりますが、市場の需要動向の変動が当初見込みより厳しく、単年度の経営成績は数値目標が未達に終わりました。具体的な目標である中長期的なROE8%に対して、実績4.8%、自己資本比率30%に対して20.2%でありました。
2021年度に関しましても、当初計画に織り込んでいなかった「新型コロナウイルス感染症」が業績に影響を与える可能性があります。感染予防に必要な対策を継続し、安全確保に全力を傾けた上で目標達成に向け取り組んでまいります。