有価証券報告書-第104期(2022/01/01-2022/12/31)

【提出】
2023/03/31 9:23
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【項目】
145項目

有報資料

文中における将来に関する事項は、提出日現在(2023年3月31日)において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、《日本電気硝子 企業理念体系》の下、世界一の特殊ガラスメーカーを目指し、材料設計、溶
融、成形、加工といった技術により様々な特性や機能を持つガラス製品を開発、生産し、市場に潤沢に供給するこ
とにより、社会のニーズに対応していくことを経営の基本においています。
同時に、時代に即したCSR(企業の社会的責任)の中から重点課題を設定し活動を推進することにより、企業
の社会的責務を果たしてまいりたいと考えています。これらの取り組みを通して、社会の発展に貢献するとともに
企業アイデンティティの発信にも努め、企業価値の向上と持続的成長を図ってまいります。
《日本電気硝子 企業理念体系》
わたくしたちは、“文明の産物”の創造を通して社会に貢献するという創業の精神を、企業理念の底流をなすも
のと位置付けています。
(企業理念)
「ガラスの持つ無限の可能性を引き出し、モノづくりを通して、豊かな未来を切り拓きます。」
スローガン: GLASS FOR FUTURE
(目指すべき企業像)
「世界一の特殊ガラスメーカー」
(大切にしている価値観)
・お得意先第一お得意先のご要望を理解し、そのご要望にどこまでもお応えすること。
・達成への執念執念をもって、課題を為し遂げること。
・自由闊達前例にとらわれない自由な発想と、部門や世代にとらわれない自由な発言を尊重すること。
・高い倫理観いかなる局面においても、常に高い倫理観を持って誠実に行動すること。
・自然との共生自然と共存することを常に意識し、環境負荷の低減に努めること。

(2) 目標とする経営指標
将来に亘る事業の存続と発展を期するためには、継続的な研究開発と成長投資並びにこれらの活動を支える売
上と利益が不可欠であると考えています。このため、当社グループでは、売上高、営業利益、営業利益率を重要
な経営指標と位置付け、中期経営計画において目標値を設定しています。
(3) 経営環境、中長期的な会社の経営戦略、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
<経営環境>○事業内容
当社グループは、電子・情報の分野におけるガラスをはじめとする特殊ガラス製品及びガラス製造機械類の
製造、販売を行っています。「電子・情報」の分野においては、薄型パネルディスプレイ用ガラス、化学強化
専用ガラス、光関連ガラス及び電子デバイス用ガラスの製造、販売等を行っています。「機能材料・その他」
の分野においては、ガラスファイバ、建築用ガラス、耐熱ガラス、照明用ガラス、医療用ガラス及びガラス製
造機械類の製造、販売等を行っています。
主要製品は以下のとおりです。
区 分製 品 分 類主 要 製 品 名
電子・情報薄型パネルディスプレイ(FPD)用
ガラス
液晶ディスプレイ(LCD)用ガラス
有機EL(OLED)ディスプレイ用ガラス
化学強化専用ガラス化学強化専用ガラス
光関連ガラス光通信デバイス用キャピラリー・フェルール
光通信デバイス用レンズ部品
マイクロプリズム
電子デバイス用ガラス機能性粉末ガラス
イメージセンサ用板ガラス
小型電子部品用管ガラス
蛍光体ガラス<ルミファス>
機能材料・
その他
ガラスファイバ機能樹脂強化用チョップドストランド
建築材料用ウェットチョップドストランド
樹脂強化用ロービング
自動車用チョップドストランドマット
セメント強化用耐アルカリ性ガラスファイバ
建築用ガラスガラスブロック
結晶化ガラス建材<ネオパリエ>防火設備用ガラス<ファイアライト>超薄板ガラス-樹脂 積層体超低反射膜付ガラス<見えないガラス>
耐熱ガラス超耐熱結晶化ガラス<ネオセラム>調理器トッププレート用超耐熱結晶化ガラス
照明用ガラス
医療用ガラス医薬用管ガラス
放射線遮へい用ガラス
ガラス製造機械

○当連結会計年度の経営環境
コロナ禍の下、各国において社会経済活動の正常化は進展したものの、インフレーションの進行や供給の制
約等が世界経済に影響を及ぼし、国内においても急激な円安の進行とも相まって物価上昇を招くなど、予断を
許さない状況が続きました。
このような中、当連結会計年度においては、売上高は前連結会計年度を上回りました。損益面においては、営業利益及び経常利益は前連結会計年度を下回り、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度を上回
る実績となりました。
<当社グループの経営戦略>○ビジネスモデル
ガラスは、元素の組み合わせや製造方法により多種多様な機能と形状を可能にする素材です。長年育んでき
た広範なガラスの技術と独自の発想を掛け合わせ、社会が求める様々な高機能ガラス製品を提供しています。
この「モノづくり」(※)のための「創造力」、「技術力」、「人材力」、「組織力」こそが当社グループの
強みです。
「電子・情報」の分野ではFPD用ガラス、光関連・電子デバイス用ガラスなどのビジネスを、また、「機
能材料・その他」の分野ではガラスファイバ、医薬用管ガラス、耐熱ガラス、建築用ガラスなどのビジネスを
展開し、バランスの取れた事業ポートフォリオを構築していきます。
創造力「板」、「管」、「球」、「繊維」、「粉末」、「成形品」、薄膜・樹脂・金属等との「ハイブリッド製品」といった多種多様な形状と機能を持つガラスで新しい価値を創出しています。
技術力基礎研究として、材料設計・評価、プロセス設計・開発、製品化研究を行うとともに、計算科学(AI等を活用したデータ解析を含む)を用いた研究を行っています。これらに、精密成形・加工、超薄板成形等の応用研究を組み合わせ、新製品を開発しています。
人材力多角的なスキルアップを推進するための人材育成プログラムにより、“あらゆるステージで世界一のパフォーマンスを発揮できる人材”を育成しています。
組織力研究開発部門、プロセス開発部門、事業本部の一体的な開発体制と企業戦略、マーケティング部門の支援により、シーズ・ニーズにスピーディに対応しています。

※当社グループが目指す「モノづくり」
社会のニーズに応えるべく、最先端の技術をベースに研究開発を推進し、優れた製品を生み出し、最高
水準の品質と高効率の生産により、潤沢に市場に製品を供給する。再び、市場からの声を研究開発に活か
す。こうした循環を当社グループが目指すべき「モノづくり」と考えています。
○展開する市場分野
自動車:軽量化材料、照明、ディスプレイ、自動運転(カメラ・センサ等)、各種電子機器
エネルギー:二次電池、再生可能エネルギーシステム
医療:先進医薬容器、先端医療機器・設備
半導体:次世代半導体材料(小型高精細・高機能)、半導体製造プロセス
ディスプレイ:高機能ディスプレイ(高精細・薄型軽量・フレキシブル)
情報通信:光通信デバイス(次世代高速通信対応)
社会インフラ:高機能防火設備、高性能構造材料(安全・耐久・軽量)
家電・住設:高機能家電・住設材料、多機能壁材

<中期経営計画「EGP2026」>当社グループは、現在、2022年度から2026年度までの5か年を対象期間とする中期経営計画「EGP202
6」に取り組んでいます。
(スローガン)
“STRONG GROWTH” ~ 自らが変化し、スピードをあげて、やり遂げよう
(基本方針)
企業体質をより強くし、世界一環境に優しいガラスづくりを通して、
「世界一の特殊ガラスメーカー」を目指す。
(経営目標)
売上高 4,000億円(電子・情報2,100億円、機能材料・その他1,900億円)
営業利益 450億円
営業利益率 11%
目標達成年度 2026年度
各事業分野において、成長に向けた戦略を着実に実行し、目標を達成する。
(成長に向けての重点施策)
①事業基盤の強化
・強固なサプライチェーンの構築
・工場の強健化
・基礎的研究開発の継続
②機動的な投資
・マーケットの成長やカスタマーニーズに応じた迅速な投資
・DXの推進とスマートファクトリーの実現
・M&Aの積極的な取り組み
③新事業の推進
・全固体ナトリウムイオン二次電池など新製品の事業化
・半導体分野における基板ガラス、カバーガラス、LTCC材料事業の拡大
・他社との協業、提携等の積極的な活用
④カーボンニュートラルの推進
・全プロセスの電化を進め、競争力向上との両立を目指す
・再生可能エネルギーへの投資と調達
・CO₂フリーエネルギー(水素等)の技術開発
⑤人材戦略
・高度な知識や技術を持つ人材の採用と育成
・多様な人材の登用
・働きやすく、働きがいのある職場の整備
(財務方針)
・営業利益率は10%超に
・強固なバランスシートの維持
・総資産のスリム化による資産効率の向上
・キャッシュ・フローを見据えた経営
(利益還元方針)
・安定配当の継続(株主資本配当率(DOE)2%以上を維持)
・業績、財務状況等を踏まえた配当の拡充
・自己株式の弾力的な取得
<サステナビリティへの取り組み>当社グループは、かねてより企業理念体系を基本に、企業価値の向上と持続可能な社会の実現を目的として、
「環境」、「多様性」、「地域」の3つをCSR(企業の社会的責任)の重点課題に掲げ、「環境」は環境保
全、「多様性」は人的資本、「地域」は地域貢献を主要テーマとし、各担当部門が機動的かつ主体的に取り組ん
できました。
近年、気候変動、人的資本、人権への対応等、企業の持続的成長のための課題が増加し、企業活動を通した社
会課題解決や情報開示の充実といった社会的要請も強まってきています。このため、CSRの方向性や活動内容
等について包括的に議論し、経営陣に提言し、機動的に活動を展開するとともに、より適切な情報開示につなげ
ていくための組織横断的な仕組みとして、2023年1月にCSR委員会を設置しました。
CSR委員会では、CSRの3つの重点課題を軸として、ESGやSDGs等広くサステナビリティに関連す
る課題についても取り組み、当社グループの企業価値を高めるとともに、社会の持続可能な発展に貢献してまい
ります。
CSR委員会には、各重点課題の取り組みの実効性を高めるため、「環境チーム」、「多様性チーム」、「地
域貢献チーム」の3つのワーキングチームを設置しています。
(CSRの推進体制)
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(環境の取り組み)
気候変動への対応が地球規模の重要課題となる中、今後も持続可能なモノづくりを追求するとともに、気候
変動に的確に対応するため、2022年2月に2030年におけるCO2排出量削減目標(Scope1+2)と2050年
までのカーボンニュートラル達成を公表し、全電気溶融設備の水平展開や省エネ設備への切り換え、再生可能
エネルギーへの投資等、野心的な施策を推進しています。また、Scope3についても排出量算定のための
仕組み作りなど、情報開示の充実に向けた取り組みを進めています。
2021年11月に気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial
Disclosures:TCFD)の提言への賛同を表明し、気候変動が当社グループの事業にもたらすリスクと機会
を分析し、財務面への影響とその対応を検討してきました。今後も継続的に分析を行い、情報開示の充実を図
るとともに、カーボンニュートラル実行計画を着実に遂行していきます。
TCFD提言に基づく開示については、以下の当社ウェブサイトに掲載しています。
URL:https://www.neg.co.jp/csr/environment/tcfd/
(多様性の取り組み)
当社グループでは、性別、人種、障害の有無を問わず多様な人材による総合力が企業成長の原動力であると
考え、各々が健康で安全に働ける職場環境の整備や人材育成に努めています。
女性活躍については、管理職を含む女性リーダーの育成に注力しているほか、“プラチナくるみん”(子育
て支援優良企業)認定を取得し、女性従業員の活躍を後押ししています。また、優秀な海外人材をグループ経
営に参画させるため、2023年の新執行体制において初めて海外拠点の外国人従業員を執行役員に登用しまし
た。増加する国内拠点の外国人従業員に対しては、メンター制度や日本語教育等によりコミュニケーション支
援を行っています。障害者雇用では、法定雇用率(2.3%)を大きく上回る雇用率を継続しています(4.28%:
2022年12月31日現在)。
また、事業活動を行う上で人権尊重は不可欠であり、企業行動憲章と企業行動規範に人権尊重を掲げていま
す。グローバルなビジネスを念頭に、各国法令や国際規範を踏まえ、グループやサプライチェーン上で問題が
生じないようリスクの把握と低減に努めています。
(地域貢献の取り組み)
永続的な事業活動には地域との融和が不可欠であり、地元人材への教育支援や地域活動への積極的な参画、地域社会に対する支援を中心に地域貢献に取り組んでいます。
教育支援では、滋賀県立大学や京都大学における寄附講座、滋賀県小学5年生対象の「びわ湖フローティン
グスクール事業」への支援、大津市科学館での小中学生対象の出前授業等を行っています。地域活動では近隣
の清掃や植栽、納涼祭等のイベント開催を、また地域社会への支援では滋賀県内の子ども食堂に対する書籍寄
附等を実施しています。海外拠点においても、各国、各地域の文化や風習に即した地域貢献活動を展開してい
ます。今後も、地域のニーズを踏まえ活動していくことで、当社グループの企業価値向上につなげていきま
す。

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