有価証券報告書-第122期(2025/04/01-2026/03/31)
(4) 戦略と指標・目標
当社は、サステナビリティを経営の軸に据えた2030年ビジョンを策定し、「事業とモノづくり力の変革で収益力を向上させESG経営を実践」を基本方針に「持続可能な地球環境への貢献」「事業の変革で豊かな社会を創造」「従業員の幸せと会社の発展」という3つの経営指針に基づき、事業活動を推進しています。
その実現に向けて優先的に取り組むべき経営重要課題であるマテリアリティとして掲げ、SDGsにおける169のターゲットを整理・紐づけし、重要課題KPIとして具体的な指標と目標を設定することで、計画的に実行しています。各指標の進捗状況は各業務推進会議でモニタリングすることで、必要に応じ迅速な活動の改善を図っています。
(指標・目標と実績)
(注)気候変動への対応及び人的資本経営の指標・目標は下記の「気候変動への対応」及び「人的資本経営」に記載しています。
(気候変動への対応)
当社は2021年に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」に賛同表明し、2022年よりTCFDフレームワークに基づき、情報開示を実施しています。戦略においては、気候変動による事業への影響の把握と気候関連リスク・機会に対応するため、シナリオ分析を実施しました。
1.5℃シナリオでは主要顧客である自動車業界のCASE進展、鉄鋼業界への脱炭素化要求などはリスクであると同時に、次世代電動アクスル部品、電子部品などの電動車向け部品の拡大や自動運転支援システムの普及拡大など新たなビジネス機会の創出につながることを認識しました。4℃シナリオでは自然災害等によるサプライチェーンへの影響を改めて確認しました。
上記の結果を踏まえ、引き続き脱炭素に貢献する技術・製品の開発・製造・販売を進めるとともに、サプライチェーンの強靭化やステークホルダーとのコミュニケーションの強化に努めていきます。
■参照シナリオ

■シナリオ分析結果

① CO2排出量削減目標
当社グループの事業活動におけるCO2排出量を「2030年までに50%削減(2013年度比)及び2050年までにカーボンニュートラルの実現に挑戦」と目標を掲げ、その実現と前倒し達成に向け、取り組んでいます。

(注) 1 排出量は全てScope1、Scope2の合計値
2 「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律」(資源エネルギー庁)及び契約電力会社の各年度の排出係数に基づき算定。2023年度よりSGSジャパン株式会社による独立した第三者検証を取得しています。
3 2025年度の排出量は、2026年5月末時点の速報値です。実排出量については2026年9月に第三者検証を取得予定です。
② 実現に向けたロードマップ
上記の目標の実現に向けて「①省エネの深化・追求」「②再生可能エネルギーの活用」「③脱炭素技術の開発・導入」を軸に活動を推進しています。

上記の戦略に関する指標及び実績は次のとおりです。
(算定方法)「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律」(資源エネルギー庁)及び契約電力会社の各年度の排出係数に基づき算定しています。2025年度の排出量は、2026年5月末時点の速報値です。実績排出量は「愛知製鋼統合レポート」にて公表しており、2025年度実績を記載した「愛知製鋼統合レポート2026」は2026年9月発行を予定しています。
(https://www.aichi-steel.co.jp/ir/library/integrate_report/)。
(注)集計方法の見直しに伴い、過年度数値を遡及して修正しています。
(人的資本経営)
当社は、社員が幸せを感じられる「価値ある会社人生」を追求することが、結果として会社の成長につながると考え、従来から「人を大切にする経営」を実践しています。2030年ビジョンでは経営指針の一つとして「従業員の幸せと会社の発展」を掲げ、その実現に向けた人材への投資を積極的に行っています。
① ダイバーシティ&インクルージョン
多様な属性や、感性・能力・価値観・経験を持った社員が、互いに認め合い、相互研鑽して能力を発揮することが、新たな価値創出につながると考えています。そのための人材確保・育成や社内環境整備の充実に取り組んでいます。
a.女性の活躍支援
定期採用においては、従来から女性の採用比率目標を設定して積極的な採用を実施しています。また、研修などを通してキャリア形成を支援するとともに、ライフイベントと仕事の両立をサポートするための、育児支援制度や介護支援制度を軸とした「ナイスファミリー制度」に加え、「コアタイムのないフレックスタイム勤務」「在宅勤務制度」などを導入しています。加えて職場や上司の理解を促進し性別に関係なく育児休業を取得しやすくするため、全ての基幹職に対して育児支援制度に関するe-Learningを実施するなど、意識面への取り組みにも注力しています。
b.シニアの継続的な活躍
労働力人口の減少や現場力の維持・向上などの観点から、シニア社員(60歳以上)のパフォーマンスを最大限に引き出すことが重要と考えています。当社では、定年退職後から年金受給開始までの期間、希望者全員が継続して働くことができる「ナイスシニア制度」を設けています。安心感と高い意欲を持って働き続けられるよう労使で議論しながら、作業環境の整備や処遇の見直しを実施しています。また、今後のキャリアプランや働く意義をあらためて考える機会として、55歳到達者を対象に「働き方」や「退職金と年金」「健康と食生活」などをテーマとしたセミナーを開催するなど、シニア社員の自律的なキャリア形成に向けた取り組みも実施しています。
c.障がい者のイキイキ職場拡大
計画的な定期・中途採用を実施するとともに、障がいのある従業員が、製造現場や事務部門など幅広い職場で活躍できるよう、さまざまな施策に取り組んでいます。仕事への意欲や個人ごとに異なる特性と業務内容の適性を重視し、職場実習や面談を重ねたうえで、配属職場を決めています。配属後も、本人との定期面談や受入職場へのフォローなどの支援や配慮を「障がい者職場生活相談員」が中心となり実施するなど、能力を最大限に活かすためのさまざまな施策を実施しています。また働くうえでの障壁を取り除くため、バリアフリー整備やキャリア形成の支援、従業員の啓発活動や意識向上の取り組みを行い、受入職場の拡大にも注力しています。
② 人材育成
当社は2030年ビジョンの一つとして「人材育成」ビジョンを定めています。「素材でモノづくりの可能性を広げる会社」として、これからもお客様から選ばれ続けるには、世の中の変化に柔軟に対応する力の向上が必要と考え、「専門性」と「基礎力」両面からの人材の育成・確保に取り組んでいます。それぞれの職務に必要な「専門性」に加え、変化に即応できる「基礎力」として、モノづくり企業として永年培ってきた「技能」と「問題解決力」、「自工程完結」の強化を重点施策として実施しています。

問題解決力
「問題解決力」は、「職場でのOJT」を通して身に付けることを基本とし、その効果を「集合研修」で高めるという考え方のもと、研修体系の充実を図ってきました。従業員一人ひとりが将来のキャリアプランを考え、その実現に必要な技能や知識の習得と能力開発に向けた業務アサイン・目標について、定期的に上司と話し合う仕組みを設けています。また各種研修では、OJTとOff-JTの相乗効果を目的に管理・監督者が後進を指導することや、参加者の意識を高めるために経営トップが自らの経験なども交えて講話するなど、研修の効果を高めるための工夫をしています。
加えて、「自工程完結」教育を役職者・入社2年目の総合事技職社員等、幅広い階層向けに実施しています。仕事の質を高め、業務改廃を進めるとともに「業務改善」意識や論理的思考の定着を図っています。さらに、その論理的思考に基づいて業務のデジタル化を進めています。
③ 社員の健康・安全
当社は創業以来、人を大切にする経営を実践してきました。人を大切にする経営とは、従業員が心身ともに健康で活動的な生活を送り「価値ある人生」と「従業員・家族の幸せ」を実現し、社会への価値提供につなげることです。「従業員の健康・安全」を重要課題と位置づけ、心と身体の健康保持・増進に努め、人にやさしい職場づくりを推進しています。
a.健康経営の実践
健康経営を経営戦略の柱の一つと位置づけ、「愛知製鋼 健康宣言」のもと、人事部および安全健康環境部を中心に、健康保険組合、労働組合とも連携した推進体制を構築しています。戦略マップに基づき、生活習慣病予防およびメンタルヘルスの向上を重点に、計画的かつ継続的に取り組んでいます。これらの取り組みが評価され、当社は、経済産業省および日本健康会議が実施する「健康経営優良法人」に9年連続で認定されました。
b.生活習慣病の予防
従業員の健康意識向上と行動変容を促進することを目的に、「健康チャレンジ8」活動を推進しています。体重、朝食、飲酒、間食、禁煙、運動、睡眠、ストレスの8項目に関する健康習慣の実践を促す施策として、職場対抗イベントを実施するなど、従業員・職場が主体的に、楽しく健康づくりに取り組める工夫を行っています。
c.メンタルヘルス
相談窓口の設置、一般従業員および管理監督者向け教育の実施、精神科顧問医による相談対応等を通じ、不調の未然防止および早期発見・早期ケアに取り組んでいます。また年1回、全従業員を対象としたストレスチェックを実施し、高ストレス者や高リスク職場への対応を行うことで、心の健康づくりを推進しています。
④ 社員エンゲージメント
当社では全社員を対象としたエンゲージメント調査を実施しています。仕事に対する意欲、仕事を通した成長の実感や上司の支援、職場風土など、さまざまな観点で分析した結果を踏まえ、各種人事施策の展開や、各職場のマネジメント改善に取り組んでいます。具体的には、マネジメント力の向上を目的としたリーダー研修や「人」と「成果」の2軸による新たな評価制度の導入、社員のさらなる一体感醸成を目的とした「全社イベント(運動会、駅伝大会など)」の実施、「従業員持株会向け譲渡制限付株式インセンティブ制度」の導入などに取り組んでいます。また、人にフォーカスした活動として、働きやすい環境整備やインナーブランディングの強化、人事制度・育成施策の見直しなどを推進し、「人を大切にする経営」のさらなる充実に向けた取り組みを進めています。
上記の戦略に関する指標、目標及び実績は次のとおりです。
(注) 1 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異についての実績は、「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等 (2)従業員の状況 ④管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異」に記載しています。
2 モラールサーベイは、会社の経営や施策、仕事への意欲などに対する社員の意識調査です。
当社は、サステナビリティを経営の軸に据えた2030年ビジョンを策定し、「事業とモノづくり力の変革で収益力を向上させESG経営を実践」を基本方針に「持続可能な地球環境への貢献」「事業の変革で豊かな社会を創造」「従業員の幸せと会社の発展」という3つの経営指針に基づき、事業活動を推進しています。
その実現に向けて優先的に取り組むべき経営重要課題であるマテリアリティとして掲げ、SDGsにおける169のターゲットを整理・紐づけし、重要課題KPIとして具体的な指標と目標を設定することで、計画的に実行しています。各指標の進捗状況は各業務推進会議でモニタリングすることで、必要に応じ迅速な活動の改善を図っています。
(指標・目標と実績)
| 重要課題 | KPI(指標) | 単位 | 2030年度 目標 | 2025年度 実績 | 備考 |
| 資源循環 | 副産物埋立量 | t(トン) | 2,000 | 2,100 | |
| 大気汚染物質排出: 規制値の8割以上 | 件 | 0 | 0 | 窒素酸化物(NOx)及び 硫黄酸化物(SOx)を対象 | |
| 工場排水汚濁負荷量: 規制値の8割以上 | 件 | 0 | 0 | COD、窒素及びリンを対象 | |
| 調達 | グリーン調達 ガイドライン周知率 | % | 100 | 100 | |
| 取適法違反件数 | 件 | 0 | 0 | ||
| 技術革新 | 特許出願件数 | 件 | - | 53 | 2024年度 54件 |
| サイバー セキュリティ | 重大インシデント件数 | 件 | 0 | 0 | |
| 品質 | 客先流出不具合件数 | 件 | 0 | 17 | |
| 生産 | 粗鋼生産量 | 千t | - | 969 | 2024年度 956千t |
| 鍛造品生産量 | 千t | - | 243 | 2024年度 239千t | |
| 電子部品生産量 | 百万 セット | - | 52.8 | 2024年度 48.3百万セット | |
| 人権の尊重 | 職種別研修の人権教育実施率 | % | 100 | 100 | |
| 法令遵守 | 重大な法令違反件数 | 件 | 0 | 0 | |
| 内部統制システムの 重要な不備件数 | 件 | 0 | 0 |
(注)気候変動への対応及び人的資本経営の指標・目標は下記の「気候変動への対応」及び「人的資本経営」に記載しています。
(気候変動への対応)
当社は2021年に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」に賛同表明し、2022年よりTCFDフレームワークに基づき、情報開示を実施しています。戦略においては、気候変動による事業への影響の把握と気候関連リスク・機会に対応するため、シナリオ分析を実施しました。
1.5℃シナリオでは主要顧客である自動車業界のCASE進展、鉄鋼業界への脱炭素化要求などはリスクであると同時に、次世代電動アクスル部品、電子部品などの電動車向け部品の拡大や自動運転支援システムの普及拡大など新たなビジネス機会の創出につながることを認識しました。4℃シナリオでは自然災害等によるサプライチェーンへの影響を改めて確認しました。
上記の結果を踏まえ、引き続き脱炭素に貢献する技術・製品の開発・製造・販売を進めるとともに、サプライチェーンの強靭化やステークホルダーとのコミュニケーションの強化に努めていきます。
■参照シナリオ

■シナリオ分析結果

① CO2排出量削減目標
当社グループの事業活動におけるCO2排出量を「2030年までに50%削減(2013年度比)及び2050年までにカーボンニュートラルの実現に挑戦」と目標を掲げ、その実現と前倒し達成に向け、取り組んでいます。

(注) 1 排出量は全てScope1、Scope2の合計値
2 「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律」(資源エネルギー庁)及び契約電力会社の各年度の排出係数に基づき算定。2023年度よりSGSジャパン株式会社による独立した第三者検証を取得しています。
3 2025年度の排出量は、2026年5月末時点の速報値です。実排出量については2026年9月に第三者検証を取得予定です。
② 実現に向けたロードマップ
上記の目標の実現に向けて「①省エネの深化・追求」「②再生可能エネルギーの活用」「③脱炭素技術の開発・導入」を軸に活動を推進しています。

上記の戦略に関する指標及び実績は次のとおりです。
| 区分 | 指標 | CO2排出量(千t-CO2) | 2025年度 削減率 (2013年度比) | |||
| 2013年度 (基準年度) | 2023年度 (実績)(注) | 2024年度 (実績)(注) | 2025年度 (速報) | |||
| 単体 | Scope1 | 257 | 224 | 223 | 246 | 4.3% |
| Scope2 | 540 | 410 | 372 | 320 | 40.7% | |
| 合計 | 797 | 634 | 595 | 566 | 29.0% | |
| 連結 | Scope1 | 280 | 247 | 245 | 267 | 4.6% |
| Scope2 | 550 | 482 | 439 | 390 | 29.1% | |
| 合計 | 931 | 729 | 684 | 657 | 29.4% | |
(算定方法)「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律」(資源エネルギー庁)及び契約電力会社の各年度の排出係数に基づき算定しています。2025年度の排出量は、2026年5月末時点の速報値です。実績排出量は「愛知製鋼統合レポート」にて公表しており、2025年度実績を記載した「愛知製鋼統合レポート2026」は2026年9月発行を予定しています。
(https://www.aichi-steel.co.jp/ir/library/integrate_report/)。
(注)集計方法の見直しに伴い、過年度数値を遡及して修正しています。
(人的資本経営)
当社は、社員が幸せを感じられる「価値ある会社人生」を追求することが、結果として会社の成長につながると考え、従来から「人を大切にする経営」を実践しています。2030年ビジョンでは経営指針の一つとして「従業員の幸せと会社の発展」を掲げ、その実現に向けた人材への投資を積極的に行っています。
① ダイバーシティ&インクルージョン
多様な属性や、感性・能力・価値観・経験を持った社員が、互いに認め合い、相互研鑽して能力を発揮することが、新たな価値創出につながると考えています。そのための人材確保・育成や社内環境整備の充実に取り組んでいます。
a.女性の活躍支援
定期採用においては、従来から女性の採用比率目標を設定して積極的な採用を実施しています。また、研修などを通してキャリア形成を支援するとともに、ライフイベントと仕事の両立をサポートするための、育児支援制度や介護支援制度を軸とした「ナイスファミリー制度」に加え、「コアタイムのないフレックスタイム勤務」「在宅勤務制度」などを導入しています。加えて職場や上司の理解を促進し性別に関係なく育児休業を取得しやすくするため、全ての基幹職に対して育児支援制度に関するe-Learningを実施するなど、意識面への取り組みにも注力しています。
b.シニアの継続的な活躍
労働力人口の減少や現場力の維持・向上などの観点から、シニア社員(60歳以上)のパフォーマンスを最大限に引き出すことが重要と考えています。当社では、定年退職後から年金受給開始までの期間、希望者全員が継続して働くことができる「ナイスシニア制度」を設けています。安心感と高い意欲を持って働き続けられるよう労使で議論しながら、作業環境の整備や処遇の見直しを実施しています。また、今後のキャリアプランや働く意義をあらためて考える機会として、55歳到達者を対象に「働き方」や「退職金と年金」「健康と食生活」などをテーマとしたセミナーを開催するなど、シニア社員の自律的なキャリア形成に向けた取り組みも実施しています。
c.障がい者のイキイキ職場拡大
計画的な定期・中途採用を実施するとともに、障がいのある従業員が、製造現場や事務部門など幅広い職場で活躍できるよう、さまざまな施策に取り組んでいます。仕事への意欲や個人ごとに異なる特性と業務内容の適性を重視し、職場実習や面談を重ねたうえで、配属職場を決めています。配属後も、本人との定期面談や受入職場へのフォローなどの支援や配慮を「障がい者職場生活相談員」が中心となり実施するなど、能力を最大限に活かすためのさまざまな施策を実施しています。また働くうえでの障壁を取り除くため、バリアフリー整備やキャリア形成の支援、従業員の啓発活動や意識向上の取り組みを行い、受入職場の拡大にも注力しています。
② 人材育成
当社は2030年ビジョンの一つとして「人材育成」ビジョンを定めています。「素材でモノづくりの可能性を広げる会社」として、これからもお客様から選ばれ続けるには、世の中の変化に柔軟に対応する力の向上が必要と考え、「専門性」と「基礎力」両面からの人材の育成・確保に取り組んでいます。それぞれの職務に必要な「専門性」に加え、変化に即応できる「基礎力」として、モノづくり企業として永年培ってきた「技能」と「問題解決力」、「自工程完結」の強化を重点施策として実施しています。

問題解決力
「問題解決力」は、「職場でのOJT」を通して身に付けることを基本とし、その効果を「集合研修」で高めるという考え方のもと、研修体系の充実を図ってきました。従業員一人ひとりが将来のキャリアプランを考え、その実現に必要な技能や知識の習得と能力開発に向けた業務アサイン・目標について、定期的に上司と話し合う仕組みを設けています。また各種研修では、OJTとOff-JTの相乗効果を目的に管理・監督者が後進を指導することや、参加者の意識を高めるために経営トップが自らの経験なども交えて講話するなど、研修の効果を高めるための工夫をしています。
加えて、「自工程完結」教育を役職者・入社2年目の総合事技職社員等、幅広い階層向けに実施しています。仕事の質を高め、業務改廃を進めるとともに「業務改善」意識や論理的思考の定着を図っています。さらに、その論理的思考に基づいて業務のデジタル化を進めています。
③ 社員の健康・安全
当社は創業以来、人を大切にする経営を実践してきました。人を大切にする経営とは、従業員が心身ともに健康で活動的な生活を送り「価値ある人生」と「従業員・家族の幸せ」を実現し、社会への価値提供につなげることです。「従業員の健康・安全」を重要課題と位置づけ、心と身体の健康保持・増進に努め、人にやさしい職場づくりを推進しています。
a.健康経営の実践
健康経営を経営戦略の柱の一つと位置づけ、「愛知製鋼 健康宣言」のもと、人事部および安全健康環境部を中心に、健康保険組合、労働組合とも連携した推進体制を構築しています。戦略マップに基づき、生活習慣病予防およびメンタルヘルスの向上を重点に、計画的かつ継続的に取り組んでいます。これらの取り組みが評価され、当社は、経済産業省および日本健康会議が実施する「健康経営優良法人」に9年連続で認定されました。
b.生活習慣病の予防
従業員の健康意識向上と行動変容を促進することを目的に、「健康チャレンジ8」活動を推進しています。体重、朝食、飲酒、間食、禁煙、運動、睡眠、ストレスの8項目に関する健康習慣の実践を促す施策として、職場対抗イベントを実施するなど、従業員・職場が主体的に、楽しく健康づくりに取り組める工夫を行っています。
c.メンタルヘルス
相談窓口の設置、一般従業員および管理監督者向け教育の実施、精神科顧問医による相談対応等を通じ、不調の未然防止および早期発見・早期ケアに取り組んでいます。また年1回、全従業員を対象としたストレスチェックを実施し、高ストレス者や高リスク職場への対応を行うことで、心の健康づくりを推進しています。
④ 社員エンゲージメント
当社では全社員を対象としたエンゲージメント調査を実施しています。仕事に対する意欲、仕事を通した成長の実感や上司の支援、職場風土など、さまざまな観点で分析した結果を踏まえ、各種人事施策の展開や、各職場のマネジメント改善に取り組んでいます。具体的には、マネジメント力の向上を目的としたリーダー研修や「人」と「成果」の2軸による新たな評価制度の導入、社員のさらなる一体感醸成を目的とした「全社イベント(運動会、駅伝大会など)」の実施、「従業員持株会向け譲渡制限付株式インセンティブ制度」の導入などに取り組んでいます。また、人にフォーカスした活動として、働きやすい環境整備やインナーブランディングの強化、人事制度・育成施策の見直しなどを推進し、「人を大切にする経営」のさらなる充実に向けた取り組みを進めています。
上記の戦略に関する指標、目標及び実績は次のとおりです。
| 指標 | 単位 | 2030年度 目標 | 2025年度 実績 | 備考 | |
| ダイバーシティ&インクルージョン | 女性管理職数 | 名 | 10 | 7 | 対2024年度+1名 |
| 高齢者満足度(5点満点) | 点 | 4.00 | 3.61 | モラールサーベイ(注2) における60歳以上の調査結果 | |
| 人材育成 | 研修トレーナー資格 取得人数(累計) | 名 | 135 | 70 | 対2024年度+4名 |
| 社員の健康・安全 | 重大災害件数 | 件 | 0 | 0 | |
| 全災害度数率 | % | 0.0 | 0.94 | ||
| 傷病休業日数率 | % | 0.25 | 1.34 | ||
| メンタル起因による 傷病休業日数率 | % | 0.00 | 0.82 | ||
| 適正体重超過者率 | % | - | 34.7 | BMI(Body Mass Index) 25以上 | |
| 社員 エンゲージメント | 社員満足度(5点満点) | 点 | 4.00 | 3.39 | モラールサーベイ(注2) における全社員の調査結果 |
| 年次有給休暇取得日数 | 日/人・年 | 20.0 | 16.5 | ||
| 1人あたりの残業時間(スタッフ) | 時間/人・年 | 120 | 167 | ||
(注) 1 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異についての実績は、「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等 (2)従業員の状況 ④管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異」に記載しています。
2 モラールサーベイは、会社の経営や施策、仕事への意欲などに対する社員の意識調査です。