有価証券報告書-第124期(2022/04/01-2023/03/31)

【提出】
2023/06/26 15:30
【資料】
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【項目】
150項目

有報資料


当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、創立の精神である『高級特殊鋼を製造し、産業界に貢献する』に基づき、特殊鋼素材開発、製造、精密部品加工、熱処理、表面処理から成るバリューチェーンを活かした特徴ある商品をお客様に提供しております。また、お客様とのコラボレーションによる新たな商品開発も含め、多方面で新しい技術開発に取組んでおります。さらに、海外での生産活動も積極的に進め、タイとインドの生産拠点と連携し、グローバルに広がるお客様の多様なニーズに応えております。
2023年度は、前年度から続く厳しい経営環境の下、「激流乗り越え チームで成長」をスローガンに掲げました。さらなる原価低減活動の推進に加え、カーボンニュートラル等の環境対応や新商品開発を全社一体で取り組み、これからも産業界の発展ならびに人々の豊かな暮らしに貢献できるよう挑戦し続けてまいります。
(2)経営環境及び対処すべき課題
新型コロナウイルス感染症については、感染対策が進み世界的に経済活動は正常化に向かっていますが、サプライチェーン混乱の影響が残っています。長引くロシアのウクライナ侵攻の影響と併せて、原材料価格高騰や部品不足が継続しており、世界経済の先行きはより不透明さが増しています。
当社の主要顧客先である自動車産業は、電動化が加速する中、素材メーカーに対するニーズも大きく変わってきています。自動車産業に次ぐ顧客先である半導体産業では、需要が変動する中で柔軟な生産対応が求められております。また、半導体商品の世代交代が頻繁であるため、常に新しい商品の開発が要求されております。さらに、産業の垣根を越えた世界的なカーボンニュートラル実現に向け、ものづくりの方法を見直すとともに、環境に配慮した商品開発が求められています。
このような状況下、当社では新型コロナウイルスの感染防止に努めながら、2021年5月に策定した中期経営計画に沿って活動を進めてきました。
①特殊鋼事業
a.特殊鋼事業全般
2021年度から原材料やエネルギー等のコストが上昇しており、製造原価の低減と販売価格の適正化が課題と認識しております。これまで同様、製造工程や各種副資材の見直しによる原価低減活動は継続いたしますが、その活動効果を上回るコスト上昇については、お客様が納得できるよう丁寧に説明しながら、販売価格に適正に反映できるよう協議を進めてまいります。
また、自動車の電動化によりエンジン用商品の市場は縮小する一方、電動車や半導体等の新たな成長市場の開拓も課題であります。2023年度は、当社の主力商品の一つである電磁ステンレス鋼を含めた機能材料の生産能力を増強するため、新規設備の設置を進めていきます。新市場からの需要も含めて、当社の機能材料の価値をご理解いただいているお客様の要求に応えられるよう、製造ラインや人員配置を見直すことでより高付加価値な商品の供給能力を最適化してまいります。
b.新事業・新商品
世界的なカーボンニュートラル実現に向け、当社は素材メーカーとして積極的に新事業の創出と新商品の開発を進めてまいります。
2022年度に採択された新エネルギー・産業技術総合開発機構のグリーンイノベーション基金事業「次世代蓄電池・次世代モーターの開発」プロジェクトの中で、当社はモーター用素材の開発を担当しております。2023年度には試験用設備が稼働し、開発活動が本格化します。
また、2021年度に「麒麟磁」として商標登録した磁歪クラッド材を活用した商品開発を継続してまいります。農業分野ではエンドユーザーでの有償モニタリング試験を開始し、早期の商品化とサプライチェーンの構築を目指します。
東北大学や東北大学金属材料研究所等の研究機関と連携しながら、新事業・新商品の創出に向けて研究開発機能を強化してまいります。
c.海外事業
タイの加工事業については、単体での黒字化を達成しておりますが、その維持が課題と認識しております。今後も安定して収益を生み出せるよう、既存商品の安定生産と新規商品の受注活動を継続いたします。
インドの鋼材事業については、2023年度は量産稼働から4年となりますが、事業基盤はまだ不安定な状態です。管理部門の人員補強により事業基盤を整え、早期の収益基盤の安定化を図ります。
d.事業基盤
これらの取組みの下支えとして、企業風土改革とデジタルトランスフォーメーション(以下「DX」という。)による事業基盤の強化が課題です。
企業風土改革では、当社企業グループ内でのコミュニケーション活性化のための各種取組や階層別の教育を充実させてきました。その取組みとして、全社横断的なプロジェクトを立ち上げましたが、上述の新市場開拓や新商品の開発として成果が上がりつつあります。
DXに関連しては、2022年度に稼働を開始した基幹システムを最大限活用するとともに、IT化が進んでいない事業領域へのシステム開発を進めていきます。基幹システムのデータやその他の操業データはクラウド環境上に蓄積し、全社で有効に活用できるように取り組んでおります。
②不動産賃貸事業
旧長町工場用地に建設した商業施設である「ザ・モール仙台長町」を中心とした不動産価値の最大化が課題です。インターネット通信販売の普及や人口減少により、実店舗での販売は減少傾向が見られますが、これからも「安全・安心・快適」な施設作りとビルメンテナンスの提供を行い、集客力の維持・向上を図ります。また、地域や近隣店舗との連携を強化し、仙台市長町エリアの活性化を目指します。
不動産賃貸事業は当社グループの収益基盤を下支えしておりますが、2023年度以降もより一層の安定したキャッシュインフローを生み出せるよう、事業投資を継続します。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、産業のグローバル化を背景に厳しい価格競争を強いられる事業環境のなか、さらなる経営基盤の強化・持続的発展に向けた戦略投資に向けて積極的に資源配分しつつ、収益確保を目指しております。
直近策定の中期計画では、最終年度の2024年3月期において連結売上高210億円、連結経常利益21億円を目標としております。

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