有価証券報告書-第102期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは持株会社体制のもと、社会に貢献できる可能性をあらゆる角度から検討し、傘下の事業会社のそれぞれの特性と機能を活かし、活力と調和のとれたグループ経営を推し進めるとともに、世界市場をターゲットとした事業を展開してまいります。
また、当社グループでは、2019年に創立75周年を迎えたことを機に、これまでの伝統を踏まえつつ、これからの当社グループの方針・理念をより明確にするため、あらたに下記のとおりMission, Vision, Yamato SPIRITを制定いたしました。

鉄鋼事業・軌道事業ともに日本国内市場は成熟していることから、当社グループとしてこれからも更に発展していくために、需要が堅実な市場や今後インフラ投資の伸びが期待出来る新興国などに拠点を持ち、その国の成長に寄与していくと同時に成長の果実として収益を取り込んでいく所存です。このMission, Vision, Yamato SPIRITのもと、当社グループの成長の源泉が、海外事業にあることを改めて発信し、今後も海外事業を更に安定・発展・拡大させてまいります。そのためにも、モノづくり企業として技術、経営のベースである国内姫路の工場を当社の海外展開を支えるグループのマザー工場として位置付け、更なる基盤強化を推し進めるとともに、コスト競争力の強化、品質の安定と向上、デリバリーを含む顧客サービスの向上に不断の努力を続けてまいります。また、人材教育・育成にもより一層力を入れ、更なる事業の発展に努めてまいります。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社は、世界的な経済構造の激しい変革に対応できる経営方針として、事業の一極化をさけ、主に海外に事業投資を行い、投資の分散化を進めてまいりました。健全な財務体質を維持しつつ、将来の成長分野へ投資する方針であり、キャッシュ・フローを重視した経営を行ってまいります。なお、当社グループの業績は、製品販売価格と原材料価格の変動に大きく影響され、各々の市場価格は、国内外の経済情勢をはじめ外部環境に大きく影響を受けることから、中長期の収益計画は作成しておりません。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループの足元の事業環境としましては、新型コロナウイルス感染症についてはワクチンの普及は徐々に進展しているものの、変異ウイルスの拡大等、収束にはまだ時間を要する状況となっております。また、鉄源需給の逼迫から鉄スクラップ及び鉄鉱石価格は高値圏で推移することが見込まれる一方、鋼材需要の回復は当社グループの各社が事業を展開している国・地域毎に濃淡が見られる状況となっております。
そのような状況のもと、当社グループが属する各事業分野では、今後も国内外メーカーとの競争が激化するものと予想され、これに対処するために国内外の各事業において、生産設備の更新、拡充等により生産性の向上や省エネルギー化による原価低減を図り、当社グループとして更なる収益性の向上を目指してまいります。
国内におきましては、当社グループの鉄鋼事業の中核を担うヤマトスチール株式会社において、製鋼部門で2019年に更新した単段式炉頂スクラップ予熱装置(SSP)の本格稼動後、シール装置や排ガス分析装置の導入により、更なる省エネルギー化・安全操業の確保に努めており、連続鋳造工程ではモールド冷却水自動制御化等により、半製品の品質向上にも努めております。圧延部門におきましては、品質・生産性向上のため、製品寸法をオンラインで自動計測するためのプロファイルゲージ設置等を行っております。また、圧延設備の更新を計画しており、最新鋭の設備の導入により、生産効率向上・品質強化など競争力の強化を図るとともに、グローバル展開を支えるマザー工場として海外事業への技術の発信にも注力してまいります。
なお、当社グループにおきましては従来から鉄鋼製品製造会社間で技術会議を定期的に開催し、技術情報の交換と技術向上に努めておりますが、人材育成面や更なる技術交流の機会を創出していくためにも、海外の関係会社と姫路のヤマトスチール株式会社との間でエンジニアの交流等を一層活発化させることでグループの技術情報の共有及び人材の底上げを図り、競争力の強化にも努めていく所存です。
また、営業部門におきましては顧客向けECサイトの構築により、事務作業の合理化やサービスの品質向上を図るとともに、顧客の短納期発注の捕捉に努めるなど、強みである短納期対応の拡充に製販一体で取り組んでおります。事務部門につきましては、ヤマトスチール株式会社、大和軌道製造株式会社の人事、総務、財務経理といった間接部門を大和工業株式会社内に統合し、大和工業グループ全社目線で対応できる人材の育成にも努めてまいります。
海外の鉄鋼事業におきましては、鉄鋼事業(タイ国)のサイアム・ヤマト・スチールカンパニーリミテッド(以下、SYS)において、大型の鋼材物流センターを活用し、小ロット・短納期対応が可能という国内メーカーの強みを活かし、輸入材との差別化を図るとともに、鋼材加工の一部内製化による付加価値製品の販売強化や、プロジェクト案件に向けて現地ファブリケーターやゼネコンへの営業にも注力してまいります。また、従来から東南アジアの形鋼市場は当社グループにとって今後の成長が期待出来る最も重要なマーケットのひとつと位置付けておりましたが、特に成長が見込まれるベトナムにおいて、同国唯一のH形鋼メーカーであるポスコ・ヤマト・ビナ・スチールジョイントストックカンパニー(以下、PY VINA)の株式の49%を取得し、持分法適用関連会社としております。品質向上や操業改善等の取り組みを通じPY VINAの事業の良質化に努めるとともに、SYS及びPY VINAの連携強化を図り東南アジアの形鋼市場におけるプレゼンス向上に努めてまいります。
また、米国のニューコア・ヤマト・スチールカンパニー(以下、NYS)においても老朽化していた大型サイズ生産ラインの圧延機を更新し、NYSの強みの一つである大型製品の安定生産及び拡販に努めております。
環境への取り組み
当社グループでは、鉄スクラップを再利用して鉄鋼生産を行うことで、循環型社会の実現に貢献しております。また、製造プロセスの省資源化・省エネルギー化にも取り組み、環境負荷の少ない設備の導入等も積極的に行っております。国内のヤマトスチール株式会社においては、より環境負荷の少ない設備である単段式炉頂スクラップ予熱装置(SSP)の導入により、電気炉から排出される高温ガスを利用し、鉄スクラップの予熱を行うことで、大幅な省エネルギー化を実現するなど、高炉法と比較してCO2発生率を1/6にまで低減しております。また、SYSにおいても、太陽光発電や廃熱利用の促進等の環境対策を積極的に実施しております。
なお、国内のヤマトスチール株式会社においては、2020年8月に一般社団法人サステナブル経営推進機構が認証する「エコリーフ環境ラベル」及び「カーボンフットプリント」の2種類の環境宣言の認証をH形鋼等6製品において取得しました。これら認証により開示される情報では、製品毎の環境負荷が定量的かつ客観的に評価されており、環境に配慮した製品を購買する上での判断材料となります。なお、鉄鋼業界でこれら2種類の認証を取得したのは同社が国内初です。また、SYSにおいても、2018年に、タイ工業連盟から同国の鉄鋼メーカーで初めて「エコファクトリー」の認定を受けております。今後も国内・海外事業において環境を意識した事業活動に取り組んでまいります。
当社グループのCO2排出量の削減目標につきましては、この度、国内事業における2025年度のCO2排出量を2013年度比で38%削減することを目標として設定いたしました。引き続き、生産設備の更新や操業の効率化を通じ、省エネルギー化に努めてまいります。
(SYSにおける太陽光発電パネル設置例)

(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは持株会社体制のもと、社会に貢献できる可能性をあらゆる角度から検討し、傘下の事業会社のそれぞれの特性と機能を活かし、活力と調和のとれたグループ経営を推し進めるとともに、世界市場をターゲットとした事業を展開してまいります。
また、当社グループでは、2019年に創立75周年を迎えたことを機に、これまでの伝統を踏まえつつ、これからの当社グループの方針・理念をより明確にするため、あらたに下記のとおりMission, Vision, Yamato SPIRITを制定いたしました。

鉄鋼事業・軌道事業ともに日本国内市場は成熟していることから、当社グループとしてこれからも更に発展していくために、需要が堅実な市場や今後インフラ投資の伸びが期待出来る新興国などに拠点を持ち、その国の成長に寄与していくと同時に成長の果実として収益を取り込んでいく所存です。このMission, Vision, Yamato SPIRITのもと、当社グループの成長の源泉が、海外事業にあることを改めて発信し、今後も海外事業を更に安定・発展・拡大させてまいります。そのためにも、モノづくり企業として技術、経営のベースである国内姫路の工場を当社の海外展開を支えるグループのマザー工場として位置付け、更なる基盤強化を推し進めるとともに、コスト競争力の強化、品質の安定と向上、デリバリーを含む顧客サービスの向上に不断の努力を続けてまいります。また、人材教育・育成にもより一層力を入れ、更なる事業の発展に努めてまいります。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社は、世界的な経済構造の激しい変革に対応できる経営方針として、事業の一極化をさけ、主に海外に事業投資を行い、投資の分散化を進めてまいりました。健全な財務体質を維持しつつ、将来の成長分野へ投資する方針であり、キャッシュ・フローを重視した経営を行ってまいります。なお、当社グループの業績は、製品販売価格と原材料価格の変動に大きく影響され、各々の市場価格は、国内外の経済情勢をはじめ外部環境に大きく影響を受けることから、中長期の収益計画は作成しておりません。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループの足元の事業環境としましては、新型コロナウイルス感染症についてはワクチンの普及は徐々に進展しているものの、変異ウイルスの拡大等、収束にはまだ時間を要する状況となっております。また、鉄源需給の逼迫から鉄スクラップ及び鉄鉱石価格は高値圏で推移することが見込まれる一方、鋼材需要の回復は当社グループの各社が事業を展開している国・地域毎に濃淡が見られる状況となっております。
そのような状況のもと、当社グループが属する各事業分野では、今後も国内外メーカーとの競争が激化するものと予想され、これに対処するために国内外の各事業において、生産設備の更新、拡充等により生産性の向上や省エネルギー化による原価低減を図り、当社グループとして更なる収益性の向上を目指してまいります。
国内におきましては、当社グループの鉄鋼事業の中核を担うヤマトスチール株式会社において、製鋼部門で2019年に更新した単段式炉頂スクラップ予熱装置(SSP)の本格稼動後、シール装置や排ガス分析装置の導入により、更なる省エネルギー化・安全操業の確保に努めており、連続鋳造工程ではモールド冷却水自動制御化等により、半製品の品質向上にも努めております。圧延部門におきましては、品質・生産性向上のため、製品寸法をオンラインで自動計測するためのプロファイルゲージ設置等を行っております。また、圧延設備の更新を計画しており、最新鋭の設備の導入により、生産効率向上・品質強化など競争力の強化を図るとともに、グローバル展開を支えるマザー工場として海外事業への技術の発信にも注力してまいります。
なお、当社グループにおきましては従来から鉄鋼製品製造会社間で技術会議を定期的に開催し、技術情報の交換と技術向上に努めておりますが、人材育成面や更なる技術交流の機会を創出していくためにも、海外の関係会社と姫路のヤマトスチール株式会社との間でエンジニアの交流等を一層活発化させることでグループの技術情報の共有及び人材の底上げを図り、競争力の強化にも努めていく所存です。
また、営業部門におきましては顧客向けECサイトの構築により、事務作業の合理化やサービスの品質向上を図るとともに、顧客の短納期発注の捕捉に努めるなど、強みである短納期対応の拡充に製販一体で取り組んでおります。事務部門につきましては、ヤマトスチール株式会社、大和軌道製造株式会社の人事、総務、財務経理といった間接部門を大和工業株式会社内に統合し、大和工業グループ全社目線で対応できる人材の育成にも努めてまいります。
海外の鉄鋼事業におきましては、鉄鋼事業(タイ国)のサイアム・ヤマト・スチールカンパニーリミテッド(以下、SYS)において、大型の鋼材物流センターを活用し、小ロット・短納期対応が可能という国内メーカーの強みを活かし、輸入材との差別化を図るとともに、鋼材加工の一部内製化による付加価値製品の販売強化や、プロジェクト案件に向けて現地ファブリケーターやゼネコンへの営業にも注力してまいります。また、従来から東南アジアの形鋼市場は当社グループにとって今後の成長が期待出来る最も重要なマーケットのひとつと位置付けておりましたが、特に成長が見込まれるベトナムにおいて、同国唯一のH形鋼メーカーであるポスコ・ヤマト・ビナ・スチールジョイントストックカンパニー(以下、PY VINA)の株式の49%を取得し、持分法適用関連会社としております。品質向上や操業改善等の取り組みを通じPY VINAの事業の良質化に努めるとともに、SYS及びPY VINAの連携強化を図り東南アジアの形鋼市場におけるプレゼンス向上に努めてまいります。
また、米国のニューコア・ヤマト・スチールカンパニー(以下、NYS)においても老朽化していた大型サイズ生産ラインの圧延機を更新し、NYSの強みの一つである大型製品の安定生産及び拡販に努めております。
環境への取り組み
当社グループでは、鉄スクラップを再利用して鉄鋼生産を行うことで、循環型社会の実現に貢献しております。また、製造プロセスの省資源化・省エネルギー化にも取り組み、環境負荷の少ない設備の導入等も積極的に行っております。国内のヤマトスチール株式会社においては、より環境負荷の少ない設備である単段式炉頂スクラップ予熱装置(SSP)の導入により、電気炉から排出される高温ガスを利用し、鉄スクラップの予熱を行うことで、大幅な省エネルギー化を実現するなど、高炉法と比較してCO2発生率を1/6にまで低減しております。また、SYSにおいても、太陽光発電や廃熱利用の促進等の環境対策を積極的に実施しております。
なお、国内のヤマトスチール株式会社においては、2020年8月に一般社団法人サステナブル経営推進機構が認証する「エコリーフ環境ラベル」及び「カーボンフットプリント」の2種類の環境宣言の認証をH形鋼等6製品において取得しました。これら認証により開示される情報では、製品毎の環境負荷が定量的かつ客観的に評価されており、環境に配慮した製品を購買する上での判断材料となります。なお、鉄鋼業界でこれら2種類の認証を取得したのは同社が国内初です。また、SYSにおいても、2018年に、タイ工業連盟から同国の鉄鋼メーカーで初めて「エコファクトリー」の認定を受けております。今後も国内・海外事業において環境を意識した事業活動に取り組んでまいります。
当社グループのCO2排出量の削減目標につきましては、この度、国内事業における2025年度のCO2排出量を2013年度比で38%削減することを目標として設定いたしました。引き続き、生産設備の更新や操業の効率化を通じ、省エネルギー化に努めてまいります。
(SYSにおける太陽光発電パネル設置例)
