有価証券報告書-第24期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/19 16:10
【資料】
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【項目】
188項目

有報資料

(1) 会社の経営の基本方針
企業理念:JFEグループは、常に世界最高の技術をもって社会に貢献します。
行動規範:挑戦。柔軟。誠実。
パーパス:
・JFEスチール㈱ ねがう未来に、鉄で応える。
・JFEエンジニアリング㈱ くらしの礎を 創る・担う・つなぐ – Just For the Earth
・JFE商事㈱ 世界をつなぐ。鉄でつなぐ。
(2) 企業構造
JFEグループは鉄鋼、エンジニアリング、商社の3つの事業を中心とした企業グループです。
鉄を中核として、エネルギー技術や資源リサイクル技術等幅広い分野に領域を広げており、世界最高の技術に裏打ちされた3つの事業が生み出し続けるシナジーを、持続可能な社会の構築に向けて更に拡大していきます。
(3) JFEグループの競争力の源泉
(鉄鋼事業・商社事業)
鉄鋼事業は、世界有数の生産規模と高い技術開発力を有する銑鋼一貫メーカーのJFEスチール㈱を中核としており、お客様や社会の多様なニーズにお応えする鉄鋼製品をグローバルに供給しています。
また商社事業は、JFE商事㈱を中核として、鉄鋼製品を中心に、鉄鋼原料・非鉄金属・化学品・資機材・船舶から食品・エレクトロニクスまで幅広く取り扱い、サプライチェーン全体の付加価値を向上させるサービスをグローバルに提供しています。
鉄鋼・商社事業の競争優位の源泉は、①お客様のニーズに基づいた最先端の「技術開発力」と、②製造現場で培われてきた「生産」の実力、および③JFEスチール㈱とJFE商事㈱が一体となって長年築いてきた強固なお客様との信頼関係に基づく「販売力」の3つを基礎としています。これらをベースに、お客様のニーズに沿った新たな価値を創造し、最適なソリューションを提供し続けてきました。これらの競争優位性は私たちが長年の努力により積み重ねてきた貴重な財産であり、他社が容易に真似できない持続的成長のドライバーです。
○新たな価値の創造を可能とする技術開発力(鉄鋼事業)
世界各地のお客様の高度なご要望にお応えすることで、業界をリードする技術力を蓄積してきました。幅広い分野での高機能・高品質の商品やサービスの開発と提供を通じて新たな価値を創造し、世界中の産業や社会の発展と人々の生活の進化に貢献しています。また、優れた環境保全・省資源・省エネ技術により、世界で最も低いレベルの環境負荷で鉄鋼製品を生産することができ、その技術を世界各地の環境対策に役立てるとともに、成長の機会として活用しています。
○製造現場で培われてきた「生産」の実力(鉄鋼事業)
JFEスチール㈱の製造現場においては、長年の鉄鋼製品製造で培われてきた質が高く、高い生産性を有する製造技術、知的財産、操業ノウハウ等が無数に蓄積されています。これらに加えて、低CO2での高品質鋼材製造を可能にするGX対応技術、データサイエンス・ロボティクス等のDX技術等が融合した製造実力は、同社固有の競争力の源泉です。なお、内需の減少という事業環境の変化に対応するため、高炉休止による生産効率の維持・向上を実行し、常に国内最適生産体制を構築してまいります。具体的には、現在の粗鋼生産能力2,600万トン(高炉7基体制、仙台製造所電気炉を除く)に対し、2027年度の粗鋼生産能力を2,100万トン程度へスリム化します。また2028年度には西日本製鉄所(倉敷地区)で革新電気炉を稼働させ、高炉5基+革新電気炉1基体制とします。
○ニーズへの対応力と安定したお客様基盤(鉄鋼事業・商社事業)
長年のお取引による数多くのお客様との双方向のコミュニケーションにより、お客様との信頼関係を構築してきました。お客様との綿密なニーズの摺り合わせや、開発初期段階からの協働等の取り組みを通じて新たな価値を創造し、お客様の課題解決に貢献してきました。結果として、他社が容易に入り込むことができない堅固なお客様基盤を構築しています。
○JFEグループのグローバル鋼材サプライチェーンマネジメント網(商社事業)
JFEスチール㈱と戦略的に連携を取りながら日本、中国、北米、豪州、インド、欧州でグローバル展開する鋼材サプライチェーンマネジメントを構築しています。日本で製造されるJFEスチール材のみならず、鉄鋼事業の海外製造拠点やJFEグループのアライアンス先で製造される鋼材も含めたJFEブランドを、世界各地に製造拠点を展開するお客様へ良質なサービスとともに提供しています。またお客様のニーズに合わせ、スリット等の切断加工製品や、環境規制・省エネを背景に拡大しているモーターコアや高効率変圧器用トランスコア等の鋼材加工部品をグローバルに提供できる体制を整えています。
○JFEグループの中核商社としての機能(商社事業)
変化が激しいグローバル市場においてお客様のニーズを先取りし、中核商社としてJFEグループの全体最適を考えながらトレードビジネスや事業を展開し、お客様への価値貢献を最大化しています。こうした他社にはないグループ全体最適を追求する商社事業モデルを通じ、グローバル市場におけるグループ全体の競争優位性を維持拡大していきます。
(エンジニアリング事業)
エンジニアリング事業は、JFEエンジニアリング㈱を中核として、ガス・石油・水道パイプライン、再生可能エネルギー発電設備、都市ごみ焼却炉、水処理システム、橋梁・港湾構造物等、人々が生活する上で不可欠となるインフラの構築等を行っており、それらのEPC(設計・調達・建設)、O&M(運転・維持管理)に加え、リサイクル・発電事業等の事業運営を展開しています。
また数多くの国内支店・営業所、海外現地法人・海外支店を有することでグローバルかつきめ細かな販売ネットワークを構築しており、長年にわたり、官公庁や、大手電力会社・ガス会社等様々な民間企業のお客様へ高度な技術・サービスを提供しています。
エンジニアリング事業の競争力の源泉は、時代の変化に対応する先進かつ多種多彩な商品・サービスや、高度なプロジェクト遂行能力、ものづくりのノウハウを強みにした事業運営に至るまでの幅広い事業展開を基礎としています。
○高度な基盤技術、多種多彩な商品技術
造船事業がベースの加工・組立技術と鉄鋼事業がベースの素材・燃焼技術を融合・進化させた高度な技術力を強みとして、エネルギー・環境や橋梁等幅広い分野で事業を展開してきました。
とりわけ、世界的な課題となっている地球温暖化に対しても、次世代エネルギーの創出や、高効率発電プラントによるCO2排出量の抑制等、課題解決に向けた技術を数多く保有しており、これらの技術に基づいた新たなビジネスモデルの企画・立案・推進に積極的に取り組んでいます。
○豊富な実績と多様な人材によるプロジェクト遂行能力
エネルギー・環境や橋梁等様々な分野で、設計から引き渡しまで、お客様のニーズに即した高機能・高品質な施設を数多く建設してきました。また、国内最大級の鋼構造物製作工場をはじめとする生産拠点を有しており、高品質・低コストでの製品供給を可能としています。更に、アジア諸国を中心とした海外拠点にグローバルエンジニアリング体制を構築し、一段と競争力を強化しています。
○ものづくりのノウハウを強みにした事業運営
環境・上下水等のプラントを中心として、長きに亘りオペレーション・メンテナンスのノウハウを培い、公共サービス分野で数多くの官民連携事業を手掛けています。また、自らが建設したプラントで、リサイクル事業や再生可能エネルギー発電事業を行い、循環型社会、持続可能な社会の構築に取り組んできました。こうした、ものづくりや運営ノウハウを強みにした官民連携事業やエネルギーサービス事業等の運営型事業領域を更に拡大していきます。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
2025年5月、当社は、「JFEグループの目指す姿」に向かっていくために、「JFEビジョン2035」および「第8次中期経営計画」(対象:2025~2027年度)を策定しました。同中期経営計画を完遂し、更なる成長へつなげてまいります。

<成長戦略に基づいたスリムで強靭な国内体制>JFEスチール㈱における粗鋼生産能力2,600万トン(高炉7基体制※)に対し、高炉休止により2027年度粗鋼生産能力2,100万トン程度へとスリム化を実施します。2028年度には倉敷地区で高品質・高機能鋼材を製造可能な高効率・大型電気炉(革新電気炉)を稼働させ、高炉5基+革新電気炉1基体制とします。
※仙台製造所電気炉を除く

<高付加価値品比率拡大>JFEスチール㈱の技術力を活かした高性能電磁鋼板や自動車用ハイテン、洋上風力用厚板、新エネルギー対応厚板、シームレスパイプ等の製品拡販(輸出汎用品から置換)により、製品トン当たりの利益向上を図ります。
足元の市場環境は盛り上がりに欠ける分野はあるものの、中長期的には堅調な需要を見込んでいます。なお、2025年度実績値は、2026年9月末発行予定のサステナビリティ報告書にて開示予定です。


<海外成長地域でのインサイダー型事業拡大による成長>鉄鋼事業では、海外戦略の3つの柱と整合する現地パートナーへの技術供与・資金拠出を通じて、インサイダー型事業を展開してきました。従来からの海外事業投資による事業成長に加えて、成長分野・地域への積極的な投資により、海外事業収益2,000億円を目指していきます。

〇東日本・西日本製鉄所に次ぐ、JFE第3の一貫製鉄所をインドにて運営
インドの戦略的アライアンスパートナーであるJSWスチール社との間で、2026年3月30日にインド・オディシャ州の一貫製鉄所の合弁事業化を完了し、2026年6月下旬に2回目の出資を予定しています。成長著しいインド市場での需要を早期に取り込み、技術力と運営力の融合により高付加価値化・生産性向上を推進します。本事業を第3の一貫製鉄所と位置付け、海外事業収益拡大と長期ビジョン達成を目指します。

<洋上風力発電事業向けモノパイル受注>JFEエンジニアリング㈱は、2025年12月に「秋田県男鹿市、潟上市および秋田市沖における洋上風力発電事業」向け案件を初受注、2026年2月に笠岡モノパイル製作所で製造開始しました。
これからも再生可能エネルギーの普及拡大の切り札とされる洋上風力発電事業で、国内サプライチェーンの一翼を担い、カーボンニュートラル社会の早期実現に向けて貢献してまいります。
JFEグループは、これまで蓄積してきた製造技術とエンジニアリング力を結集し、素材提供から運転保守(O&M)までグループのシナジーを活かし、洋上風力事業を展開しています。

<環境的持続性に向けた取り組み>JFEグループでは、「気候変動問題(カーボンニュートラル)」を中心に、「循環経済への移行(サーキュラーエコノミー)」、「生物多様性の保全・自然再興(ネイチャーポジティブ)」にも積極的に取り組み、JFEグループ全体で、地球環境・社会に大きく貢献してまいります。なお、環境関連の2025年度実績値は、2026年9月末発行予定のサステナビリティ報告書にて開示予定です。

<人財戦略>JFEグループは経営戦略と連動した人財戦略のもと、人的資本への積極投資を通じて人材の能力や活力を最大限に引き出すことで、経営戦略の実現を目指していきます。

<企業価値向上に向けた取り組み>当社は、株価を重要な経営指標の一つとして認識しており、現状当社のPBR(株価純資産倍率)が1倍を大きく下回っていることを重要な課題として認識しております。株主資本コストを上回るROE(自己資本利益率、2027年度目標 少なくとも10%)を安定的に実現し、市場からの信頼性を向上させていくことで、企業価値を向上させ、資本市場の評価を高めてまいります。

<中期主要財務目標・収益目標および業績概要>

<ガバナンスの強化>当社は、経営の意思決定の迅速化、取締役会における経営方針や戦略に関する議論の充実、および更なる取締役会の監督機能の強化等を目的として、2025年6月25日開催の定時株主総会終結の時をもって監査等委員会設置会社に移行いたしました。これに伴い、当社取締役会は、グループ経営の目指す姿について議論をした上で、意思決定の迅速化や戦略的議論の充実等を目的として、取締役会の付議基準およびその運営を見直しました。
引き続き、積極的な取り組みを行うことで、取締役会の実効性を更に高め、JFEグループの企業価値の向上を図ってまいります。
<コンプライアンス>JFEエンジニアリング㈱は、同社が 2017年6月および 2020年6月に沖縄県竹富町と契約した海底送水管更新工事に関して、入札談合等関与行為防止法違反および公契約関係競売入札妨害罪により同社元社員が有罪判決を受けたことから、建設業法に基づき、2025年5月に国土交通省より全国における水道施設工事業に関する営業のうち公共工事に係るものについて、60日間の営業停止命令を受けました。本事案を厳粛かつ真摯に受け止め、再発防止策を引き続き実行することにより、早期の信頼回復に努めてまいります。
2026年4月1日付で、当社および事業会社にCCO(最高コンプライアンス責任者)を設置するとともに、コンプライアンスの徹底に関する当社の方針をより明確にし、確実に実施することを目的に「コンプライアンスに関するグループ基本方針」を定めました。
JFEグループは、社会との信頼関係の基本である、コンプライアンスの徹底、環境課題への取り組み、安全の確立について、グループをあげて真摯な努力を継続してまいります。
(注)上記(4) の記載には、2026年5月8日の決算発表時点の将来に関する前提・見通し・計画に基づく予測や目標が含まれております。

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