有価証券報告書-第39期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/26 11:31
【資料】
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【項目】
161項目

事業等のリスク

当社グループの経営成績、財務状況および株価等に影響を及ぼす可能性のあるリスクうち、外部環境・内部環境それぞれにおいて、経営方針・経営戦略を実施していく上で重要度の高いものは以下のものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年6月26日)現在において当社グループが判断したものであります。
外部環境に起因するリスク
①建設投資減少に関するリスク
当社グループの売上高の6割が、土木を中心とした国内建設市場向けへの販売等によるものであります。中期経営計画の期間中においては、国土強靭化・インフラ耐震化を進めていくために公共投資予算が割り当てられるとみておりますが、長期的には公共投資は漸減傾向となることが予想されます。また、財政健全化等を目的として公共投資が急減する場合や景気後退による民間の設備投資が縮小する可能性があります。度重なる台風災害や地震による災害の影響の激甚化が見られる状況下、これらのリスクが急激に顕在化する可能性は低いとみておりますが、コロナウイルス感染防止対策費の財政圧迫により政府の一時的な政策の優先順位の変更等がないとは言えません。これらは当社グループの業績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。
リスクの影響を軽減する方策:新しい収益の柱となる事業の構築、製品種類の分散化、海外展開
②原材料高騰に関するリスク
当社グループの主力製品群は、製造原価の約7割は原材料費となっております。その中でも鉄や鉄を素材とするPC鋼線・線材等市況により大きく価格が変動するものを多く使用しております。
今後、原材料が急騰した場合には、原材料費の上昇により当社の業績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。
リスクの影響を軽減する方策:販売価格への適正な反映、調達ルートの多様化
③災害に関するリスク
当社グループの製造拠点は全国に点在しております。また、主力のケーブル製品においては製造拠点が山口工場だけとなっております。近年頻発しています集中豪雨や今後発生が想定されています南海トラフ地震等の災害発生が考えられ、いずれかの工場が被災した場合には、操業に支障が生じ、当社グループの業績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。
リスクの影響を軽減する方策:拠点の分散化、BCPの更新
④海外事業展開に関するリスク
中期経営計画2020~2022では、海外建材市場を積極的に開拓していくことを計画しております。特にベトナムではこれまでもエンジニアリング事業を展開してきましたが、建材市場の開拓にも注力していきます。また長期的にはベトナム以外のアジア市場向けの販売拡大にも注力していきます。海外展開においては、言語、地理的要因、法制度・税制度等各種規制、当局の監督、政情、商慣習の違い等の様々な潜在的リスクが存在します。これらのリスクに対処できない場合、当社グループの業績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。
リスクの影響を軽減する方策:情報収集機能の強化、海外管理体系の整備
内部環境に起因するリスク
①新規事業投資に関するリスク
長期的な公共投資予算の削減に対応すべく、これまでも新規事業の研究開発に積極的に投資してきました。中期経営計画2020~2022においても、新しい価値の創造に積極的に投資していく計画になっております。当社グループの期待する成果が得られない場合、又は想定しなかった重大な問題が生じた場合等には当社グループの業績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。
リスクを軽減する方策:事業化のステージに応じた投資効率の点検
リスクの影響を軽減する方策:財務的なリスクバッファーとしての自己資本の充実
②人材の確保に関するリスク
当社グループの持続的成長は、土木建築等に係る専門性の高い知識・技術に基づく人材の確保・育成に大きく影響されます。こうした人材の確保・育成が想定通りに進まない場合は当社グループの業績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。
リスクを軽減する方策:人材採用力の強化、働き甲斐の向上(会社と従業員の成長同期感向上)
③仕入製品の減少に関するリスク
当社グループでは、販売する製品付属品の一部を外注業者にて製造しております。外注業者への発注量の管理や財務状況は常時管理しておりますが、これら外注先において信用不安や後継者不足による倒産・廃業が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
リスクを軽減する方策:発注数量の安定化、外注先数の増強
[新型コロナウイルス感染症の影響]
上記[外部環境に起因するリスク]に記載のリスクについて、新型コロナウイルス感染症の拡大によりそれぞれのリスクが顕在化する可能性が高まることも考えられますが、現時点では工事の一時中断等の影響に留まっており、年度の期間損益に多少の影響があっても、中期経営計画の戦略や目標とする指標の水準を修正する状況ではないと見ております。
新型コロナウイルス感染症の当社グループの業績及び財務状況等への影響については、現時点で合理的に予測することは困難であるため、今後の業績予想を含め将来に係る事項には織り込まれておりません。今後の状況を注視し、今までのリモートワーク等新型コロナウイルス感染防止対策以外の事業活動に係る対応策が必要になった場合は、遅延なく対応策を実施していき、必要な開示は速やかに行います。