有価証券報告書-第84期(2025/04/01-2026/03/31)
本項に記載した将来や想定に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
(1) 経営方針及び経営環境
私たちを取り巻く世界や日々の暮らしは変化を続けています。しかし、より豊かで快適な住まいで暮らしたいという人びとの願いは、いつの時代も変わりません。
LIXILのPurpose(存在意義)は、持続的な成長に向けて、よりアジャイルで起業家精神にあふれた企業になるための取り組みを続け、意思決定を行う際に指針となるものです。従業員は、当社における価値創造の原動力であり、LIXIL Behaviors(3つの行動)を日々の業務の中で実践することで存在意義の実現につなげています。
上記のPurposeのもと、当社グループは、人びとの住まいの夢を実現するために、先進的な技術と製品を開発、提供しています。
水の可能性を広げるシャワーや水栓、料理の創作意欲を高めるキッチン。清潔さと快適さを兼ね備えたトイレ。家の中と外の世界をつなぐドアや窓。空間に彩りを添える内装や外装。長い一日の疲れを癒すお風呂。住まいをより豊かで快適にするのは、実は意外とシンプルなことです。
当社は、2011年に国内の主要な建材・設備機器メーカー5社が統合して誕生しました。以後、GROHE、American Standardといった世界的ブランドを傘下に収め、日本のものづくりの伝統を礎に、世界をリードする技術やイノベーションで、日々の暮らしの課題を解決する高品質な製品をグローバルで幅広く提供しています。
現在、当社グループは、世界150カ国以上で約48,000人の従業員を擁するグローバル企業となり、毎日10億人以上の人びとに当社グループの製品をご愛用いただいています。今後も生活者視点に立ち、考え抜いた、意味のある製品デザインにこだわり、世界中のあらゆる人びとのより豊かで快適な住まいと暮らしの実現に向けて、さらなる可能性を追求し、責任ある事業成長を推進していきます。
この数年間、当社グループを取り巻く事業環境は大きく変化しています。地政学的リスクの高まり、インフレーション、住宅に対するニーズの多様化、サプライチェーンの分断などさまざまな課題に直面しながらも、さらに強い組織へと変革を推進してきました。経営の基本的方向性を示したLIXIL Playbookに基づき、持続的な成長の実現に向けて、着実に前進しています。
直近においても、グローバル市場は地政学的リスクの高まりや供給網の分断、コモディティ市場の急激な変動など不透明な状況が続いています。このような環境のなか、当連結会計年度を持続的に収益力を備えた企業へと成長するための転換点として位置づけ、米国事業のターンアラウンド、GROHEブランドの成長、日本におけるリフォーム事業の強化及び差別化商品開発の加速を優先的に取り組むべき注力点として掲げ対応を進めてきました。この結果、収益性の向上、外部環境の変化に強い組織づくり、機動性の強化といった取り組みが大きく進展し、事業基盤はより強固なものになってきました。今後も、外部環境の変動を変革を加速させる機会として捉え、新たな成長ステージを切り拓いていきます。
海外では、成熟市場における事業効率化と収益性向上、及び成長市場における積極的な需要取り込みを軸に、地域特性に応じた施策を展開しています。欧州や米国などの成熟市場では、インフレーションの長期化や金利の高止まりの影響を受け、住宅市場の回復が当初の想定よりも遅れていますが、外部環境の変化に強い組織づくりに向けて、財務面、事業展開の両面における施策を前倒しで実行してきました。欧州全体では景気回復の動きは鈍いものの、GROHEのブランド力の強化により、ハイエンドのカテゴリーでシェア拡大しています。米国では、浴槽事業のAmerican Bath Groupへの完全移管が完了したことにより、人員配置や販売戦略の最適化による成果が出始めています。また、成長著しい中東・インドでは大幅な売上成長を達成しており、今後も需要の継続的な拡大が期待できる中、地域の特性やニーズに的確に対応すべく事業運営体制の強化を継続していきます。
日本国内では、住宅市場は、想定を大きく上回るスピードで変化しています。新設住宅着工件数は、住宅関連の法改正の影響に加え、主要な建築資材における供給制約、さらに世界的なインフレに伴う建築コストの高騰が重なったことで、前年比12.9%減と大きく落ち込みました。このような厳しい事業環境においても、中長期的に取り組んできたリフォーム事業へのシフトや、高収益な事業構造への転換の成果が顕在化しています。また、昨今の光熱費の高騰や環境意識の高まりを背景に、高性能な窓・ドアや節水型水まわり製品は、日々の生活コストを抑制するための不可欠な選択肢の一つという意識が浸透してきています。当社は高断熱・省エネなどの高付加価値製品へリソースを集中させ、変化する消費者のニーズに応える製品展開を強化しています。
このように、構造改革の推進とイノベーションによる差別化に取り組んできたことで、売上収益、事業利益ともに前年同期比で増収増益と業績を改善させることができました。対処すべき課題はなお残っているものの、中長期的な財務目標の達成に向けた道筋を着実に進むことができていると考えています。
中長期的な見通しとして、グローバル全体の市場環境を見ると、地域ごとの違いはあるものの、共通して二つの大きな構造的な変化が起きています。一つ目は住宅需要そのものの変化、二つ目はサステナビリティや省エネへの取り組みの加速です。こうした構造的な変化に加え、地政学的リスクや物流の混乱、コストの高騰といった外部環境の変化は今後も続き、原材料の調達や物流、エネルギー価格など中東情勢の動向についても、引き続き注視が必要となります。しかしながら、住宅市場を取り巻く環境に変化があったとしても、長期的な住宅需要のトレンドそのものが変わるものではなく、住宅購入意欲の低下、プロジェクトの遅れやインフレ圧力は、一時的に住宅投資の足を引っ張る要因にはなりますが、住まいへの需要は底堅く存在しています。海外事業については、成長のけん引役となっているGROHEを中核としつつ、当社が強みを発揮できる領域を見極め、それぞれの市場の特性に応じて各グローバルブランドを機動的に展開していくことで、成長機会を確実に獲得していきます。日本事業においては、リフォーム事業へのシフトの効果に加え、収益性の高い事業構造への転換を引き続き進めていきます。
また、こうした変化の激しい事業環境において最も重要なのは、「LIXILの製品を買うこと自体に価値がある」と感じて頂けるような差別化された製品を生み出し続けることです。リサイクル素材を活用した「PremiAL」や「レビア」といった製品は、LIXILの循環型のビジネスを代表するものとして評価を高めてきており、これらを通じてブランド力の向上や、リフォーム需要の拡大につなげていきます。
なお、当社は持続可能な成長と価値創造を実現していくための長期目標として、事業利益率10%、ROIC10%を掲げ、事業戦略を着実に実行していくことで達成を目指していきます。
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社は、すべての事業の軸となるPurpose(存在意義)達成の道筋として、2021年3月期に経営の基本的方向性を示すLIXIL Playbookを策定し、取り組むべき優先課題を設定しました。Purposeを追求し、当社グループの特長をさらなる強みへと進化させ、持続的な成長の実現につなげていくロードマップを明確化したものです。先行きが不透明で将来の予測がしにくい事業環境においても、目指すべき方向を明確に示すことで、従業員が一丸となって優先課題に注力することができています。(なお、策定日以降の事業環境の変化に対応させるため、2023年に優先課題の一部改訂を実施しています。)

[LIXIL Playbookにおける5つの優先課題]
① インフレーションとサプライチェーンにおける課題への対応
資材や物流費の高騰による影響を踏まえ、販売価格の最適化や、素材の変更によるコストダウンとコスト安定の両立を図るとともに、付加価値の高い差別化製品へのシフトにより収益性改善を進めます。また、グローバルサプライチェーンが寸断されるリスクに備え、調達先の冗長化や生産のプラットフォーム化といった従来からの施策に加え、地域内における調達、生産体制への移行を進めていきます。
② 日本事業の最適化と新たな事業成長の追求
日本事業の収益性と機動力を高めるための施策を継続し、従来は水回り製品が中心であったリフォーム商材を窓や壁といった断熱改修にまで広げることで、拡大するリフォーム需要の取込みを強化します。さらに、全ての製品群に関して環境配慮型の製品を導入し、差別化につなげていきます。
③ ウォーターテクノロジー事業における海外事業の成長促進
付加価値の高い製品の販売拡大、販売チャネルの多角化、戦略的なブランド・ポートフォリオの構築といった施策を通じて、コモディティビジネスからの脱却を図り、海外市場の成長を着実に取り込むための基盤を強化します。
④ 環境戦略の事業戦略への統合
当社グループの環境戦略は、「気候変動対策を通じた緩和と適応」「水の持続可能性を追求」「資源の循環利用を促進」という3つの重点領域を設定しています。環境戦略を事業戦略に統合し、各領域における中期目標の実現に向けて取組みを強化しており、持続的成長と地球環境や社会へのインパクトの拡大を目指します。
⑤ 新たなコア事業の創出
将来の成長に向けて、インパクトのある新しい技術、製品、ビジネスモデルの創造を通じて、新たな収益の柱になるようなコア事業の確立を目指しリソースを投入していきます。
LIXIL Playbookで掲げた優先課題に沿って、複雑化していた組織の簡素化、基幹事業への注力、サプライチェーンの強化といった取り組みは順調に進捗し、外部変化への対応力を着実に強化してきたという実感があります。しかしながら、海外事業を中心に、取り組むべき課題はまだ残されています。引き続き構造改革を推進し、外部環境に対する組織の弾力性を高めていきます。
事業環境は引き続き厳しい状況が続きますが、縮小が見込まれる国内市場の売上比率の高さ、資本効率の改善、利益率の低下といった課題は、企業努力で対処可能な課題であり、経営者として克服に努めていきます。最終的には、私たちの提供する商品すべてが、社会・環境にインパクトを創出し、それらの商品を迅速かつ効率的に、低コストで生み出していくことができる、強靭な事業基盤の構築を目指します。
中長期で目指すのは、「LIXILから商品を買うこと自体が、世の中にとって良い」と認知される、そういう世界を創ることであり、その中核を担うのが、社会・環境にインパクトを生み出す商品群です。2030年には、売上の半分以上をこれらの商品群が占める姿を目指します。LIXIL Playbookの優先課題に沿ってこうした取り組みを中長期的に進めていくことで、目標とする事業利益率10%、ROIC10%は達成できると確信を強めています。
長期的に、「世界中の誰もが願う、豊かで快適な住まい」を実現する企業になるための絵は描けています。今はまず、将来の利益成長につなげる準備期間として、しっかりと足固めを行いながら、新たな暮らしの可能性を広げるイノベーションの創出に注力し、競争力の強化を図ります。事業活動を通じて社会・環境課題の解決に貢献することは、企業として果たすべき役割です。こうした活動は社会全体に利益をもたらすだけでなく、当社グループの事業の持続可能性を高める上でも、非常に重要です。今後も全社一丸となり、次世代へとつなぐ住まいと暮らしの向上に取り組んでまいります。
(1) 経営方針及び経営環境
私たちを取り巻く世界や日々の暮らしは変化を続けています。しかし、より豊かで快適な住まいで暮らしたいという人びとの願いは、いつの時代も変わりません。
LIXILのPurpose(存在意義)は、持続的な成長に向けて、よりアジャイルで起業家精神にあふれた企業になるための取り組みを続け、意思決定を行う際に指針となるものです。従業員は、当社における価値創造の原動力であり、LIXIL Behaviors(3つの行動)を日々の業務の中で実践することで存在意義の実現につなげています。
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上記のPurposeのもと、当社グループは、人びとの住まいの夢を実現するために、先進的な技術と製品を開発、提供しています。
水の可能性を広げるシャワーや水栓、料理の創作意欲を高めるキッチン。清潔さと快適さを兼ね備えたトイレ。家の中と外の世界をつなぐドアや窓。空間に彩りを添える内装や外装。長い一日の疲れを癒すお風呂。住まいをより豊かで快適にするのは、実は意外とシンプルなことです。
当社は、2011年に国内の主要な建材・設備機器メーカー5社が統合して誕生しました。以後、GROHE、American Standardといった世界的ブランドを傘下に収め、日本のものづくりの伝統を礎に、世界をリードする技術やイノベーションで、日々の暮らしの課題を解決する高品質な製品をグローバルで幅広く提供しています。
現在、当社グループは、世界150カ国以上で約48,000人の従業員を擁するグローバル企業となり、毎日10億人以上の人びとに当社グループの製品をご愛用いただいています。今後も生活者視点に立ち、考え抜いた、意味のある製品デザインにこだわり、世界中のあらゆる人びとのより豊かで快適な住まいと暮らしの実現に向けて、さらなる可能性を追求し、責任ある事業成長を推進していきます。
この数年間、当社グループを取り巻く事業環境は大きく変化しています。地政学的リスクの高まり、インフレーション、住宅に対するニーズの多様化、サプライチェーンの分断などさまざまな課題に直面しながらも、さらに強い組織へと変革を推進してきました。経営の基本的方向性を示したLIXIL Playbookに基づき、持続的な成長の実現に向けて、着実に前進しています。
直近においても、グローバル市場は地政学的リスクの高まりや供給網の分断、コモディティ市場の急激な変動など不透明な状況が続いています。このような環境のなか、当連結会計年度を持続的に収益力を備えた企業へと成長するための転換点として位置づけ、米国事業のターンアラウンド、GROHEブランドの成長、日本におけるリフォーム事業の強化及び差別化商品開発の加速を優先的に取り組むべき注力点として掲げ対応を進めてきました。この結果、収益性の向上、外部環境の変化に強い組織づくり、機動性の強化といった取り組みが大きく進展し、事業基盤はより強固なものになってきました。今後も、外部環境の変動を変革を加速させる機会として捉え、新たな成長ステージを切り拓いていきます。
海外では、成熟市場における事業効率化と収益性向上、及び成長市場における積極的な需要取り込みを軸に、地域特性に応じた施策を展開しています。欧州や米国などの成熟市場では、インフレーションの長期化や金利の高止まりの影響を受け、住宅市場の回復が当初の想定よりも遅れていますが、外部環境の変化に強い組織づくりに向けて、財務面、事業展開の両面における施策を前倒しで実行してきました。欧州全体では景気回復の動きは鈍いものの、GROHEのブランド力の強化により、ハイエンドのカテゴリーでシェア拡大しています。米国では、浴槽事業のAmerican Bath Groupへの完全移管が完了したことにより、人員配置や販売戦略の最適化による成果が出始めています。また、成長著しい中東・インドでは大幅な売上成長を達成しており、今後も需要の継続的な拡大が期待できる中、地域の特性やニーズに的確に対応すべく事業運営体制の強化を継続していきます。
日本国内では、住宅市場は、想定を大きく上回るスピードで変化しています。新設住宅着工件数は、住宅関連の法改正の影響に加え、主要な建築資材における供給制約、さらに世界的なインフレに伴う建築コストの高騰が重なったことで、前年比12.9%減と大きく落ち込みました。このような厳しい事業環境においても、中長期的に取り組んできたリフォーム事業へのシフトや、高収益な事業構造への転換の成果が顕在化しています。また、昨今の光熱費の高騰や環境意識の高まりを背景に、高性能な窓・ドアや節水型水まわり製品は、日々の生活コストを抑制するための不可欠な選択肢の一つという意識が浸透してきています。当社は高断熱・省エネなどの高付加価値製品へリソースを集中させ、変化する消費者のニーズに応える製品展開を強化しています。
このように、構造改革の推進とイノベーションによる差別化に取り組んできたことで、売上収益、事業利益ともに前年同期比で増収増益と業績を改善させることができました。対処すべき課題はなお残っているものの、中長期的な財務目標の達成に向けた道筋を着実に進むことができていると考えています。
中長期的な見通しとして、グローバル全体の市場環境を見ると、地域ごとの違いはあるものの、共通して二つの大きな構造的な変化が起きています。一つ目は住宅需要そのものの変化、二つ目はサステナビリティや省エネへの取り組みの加速です。こうした構造的な変化に加え、地政学的リスクや物流の混乱、コストの高騰といった外部環境の変化は今後も続き、原材料の調達や物流、エネルギー価格など中東情勢の動向についても、引き続き注視が必要となります。しかしながら、住宅市場を取り巻く環境に変化があったとしても、長期的な住宅需要のトレンドそのものが変わるものではなく、住宅購入意欲の低下、プロジェクトの遅れやインフレ圧力は、一時的に住宅投資の足を引っ張る要因にはなりますが、住まいへの需要は底堅く存在しています。海外事業については、成長のけん引役となっているGROHEを中核としつつ、当社が強みを発揮できる領域を見極め、それぞれの市場の特性に応じて各グローバルブランドを機動的に展開していくことで、成長機会を確実に獲得していきます。日本事業においては、リフォーム事業へのシフトの効果に加え、収益性の高い事業構造への転換を引き続き進めていきます。
また、こうした変化の激しい事業環境において最も重要なのは、「LIXILの製品を買うこと自体に価値がある」と感じて頂けるような差別化された製品を生み出し続けることです。リサイクル素材を活用した「PremiAL」や「レビア」といった製品は、LIXILの循環型のビジネスを代表するものとして評価を高めてきており、これらを通じてブランド力の向上や、リフォーム需要の拡大につなげていきます。
なお、当社は持続可能な成長と価値創造を実現していくための長期目標として、事業利益率10%、ROIC10%を掲げ、事業戦略を着実に実行していくことで達成を目指していきます。
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社は、すべての事業の軸となるPurpose(存在意義)達成の道筋として、2021年3月期に経営の基本的方向性を示すLIXIL Playbookを策定し、取り組むべき優先課題を設定しました。Purposeを追求し、当社グループの特長をさらなる強みへと進化させ、持続的な成長の実現につなげていくロードマップを明確化したものです。先行きが不透明で将来の予測がしにくい事業環境においても、目指すべき方向を明確に示すことで、従業員が一丸となって優先課題に注力することができています。(なお、策定日以降の事業環境の変化に対応させるため、2023年に優先課題の一部改訂を実施しています。)

[LIXIL Playbookにおける5つの優先課題]
① インフレーションとサプライチェーンにおける課題への対応
資材や物流費の高騰による影響を踏まえ、販売価格の最適化や、素材の変更によるコストダウンとコスト安定の両立を図るとともに、付加価値の高い差別化製品へのシフトにより収益性改善を進めます。また、グローバルサプライチェーンが寸断されるリスクに備え、調達先の冗長化や生産のプラットフォーム化といった従来からの施策に加え、地域内における調達、生産体制への移行を進めていきます。
② 日本事業の最適化と新たな事業成長の追求
日本事業の収益性と機動力を高めるための施策を継続し、従来は水回り製品が中心であったリフォーム商材を窓や壁といった断熱改修にまで広げることで、拡大するリフォーム需要の取込みを強化します。さらに、全ての製品群に関して環境配慮型の製品を導入し、差別化につなげていきます。
③ ウォーターテクノロジー事業における海外事業の成長促進
付加価値の高い製品の販売拡大、販売チャネルの多角化、戦略的なブランド・ポートフォリオの構築といった施策を通じて、コモディティビジネスからの脱却を図り、海外市場の成長を着実に取り込むための基盤を強化します。
④ 環境戦略の事業戦略への統合
当社グループの環境戦略は、「気候変動対策を通じた緩和と適応」「水の持続可能性を追求」「資源の循環利用を促進」という3つの重点領域を設定しています。環境戦略を事業戦略に統合し、各領域における中期目標の実現に向けて取組みを強化しており、持続的成長と地球環境や社会へのインパクトの拡大を目指します。
⑤ 新たなコア事業の創出
将来の成長に向けて、インパクトのある新しい技術、製品、ビジネスモデルの創造を通じて、新たな収益の柱になるようなコア事業の確立を目指しリソースを投入していきます。
LIXIL Playbookで掲げた優先課題に沿って、複雑化していた組織の簡素化、基幹事業への注力、サプライチェーンの強化といった取り組みは順調に進捗し、外部変化への対応力を着実に強化してきたという実感があります。しかしながら、海外事業を中心に、取り組むべき課題はまだ残されています。引き続き構造改革を推進し、外部環境に対する組織の弾力性を高めていきます。
事業環境は引き続き厳しい状況が続きますが、縮小が見込まれる国内市場の売上比率の高さ、資本効率の改善、利益率の低下といった課題は、企業努力で対処可能な課題であり、経営者として克服に努めていきます。最終的には、私たちの提供する商品すべてが、社会・環境にインパクトを創出し、それらの商品を迅速かつ効率的に、低コストで生み出していくことができる、強靭な事業基盤の構築を目指します。
中長期で目指すのは、「LIXILから商品を買うこと自体が、世の中にとって良い」と認知される、そういう世界を創ることであり、その中核を担うのが、社会・環境にインパクトを生み出す商品群です。2030年には、売上の半分以上をこれらの商品群が占める姿を目指します。LIXIL Playbookの優先課題に沿ってこうした取り組みを中長期的に進めていくことで、目標とする事業利益率10%、ROIC10%は達成できると確信を強めています。
長期的に、「世界中の誰もが願う、豊かで快適な住まい」を実現する企業になるための絵は描けています。今はまず、将来の利益成長につなげる準備期間として、しっかりと足固めを行いながら、新たな暮らしの可能性を広げるイノベーションの創出に注力し、競争力の強化を図ります。事業活動を通じて社会・環境課題の解決に貢献することは、企業として果たすべき役割です。こうした活動は社会全体に利益をもたらすだけでなく、当社グループの事業の持続可能性を高める上でも、非常に重要です。今後も全社一丸となり、次世代へとつなぐ住まいと暮らしの向上に取り組んでまいります。

