有価証券報告書-第81期(2022/04/01-2023/03/31)
3.重要な会計方針
(1)連結の基礎
連結財務諸表は、当社及び当社が直接的又は間接的に支配する子会社から構成されています。当社が投資先への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ、投資先に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合、その投資先を支配していると判断しています。当社がパワーを有しているか否かは、議決権の保有状況に加え、現時点で行使可能な潜在的議決権等を考慮して決定しています。子会社については、当社が支配を獲得した日を取得日とし、その日より当社が支配を喪失する日までを連結しています。
子会社が適用する会計方針が当社の適用する会計方針と異なる場合、必要に応じて当該子会社の財務諸表の調整を行っています。また、子会社の決算日が当社の決算日と異なる場合、連結決算日現在で実施した仮決算に基づく子会社の財務数値を用いています。
当社グループ内の債権債務残高及び取引、並びに当社グループ内取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しています。
子会社の包括利益については、非支配持分が負の残高となる場合であっても、親会社の所有者と非支配持分に帰属させています。
支配が継続している子会社に対する当社の所有持分の変動は、資本取引として会計処理しています。支配の喪失から生じた利得及び損失は、「受取対価の公正価値及び残存持分の公正価値の合計」と「子会社の資産(のれんを含む)、負債及び非支配持分の従前の帳簿価額」との差額として算定され、純損益として認識しています。
(2)関連会社に対する投資
関連会社とは、当社グループが重要な影響力を有している企業をいいます。当社グループが投資先の議決権の20%以上を直接的に又は間接的に保有している場合、重要な影響力がないことを明確に証明できない限り、当社グループはその企業に対する重要な影響力を有していると判断しています。
関連会社への投資については、持分法によって処理しています。持分法では、投資額は取得原価で当初認識し、その後、関連会社の純資産に対する当社及び子会社の持分の取得後の変動に応じて投資額を変動させています。関連会社の損失が、当該会社に対する投資持分を超過する場合、実質的に当該会社に対する正味投資の一部を構成する長期投資を零まで減損し、当社及び子会社が当該会社に対して法的債務若しくは推定的債務を負担する、又は当該会社に代わって支払を行う場合を除き、それ以上の損失は認識していません。重要な内部取引に係る利益は、関連会社に対する持分比率に応じて消去しています。
当社及び子会社は、投資先が関連会社に該当した時点から持分法を適用しています。関連会社に対する投資額の取得対価が、取得日に認識した資産、負債及び偶発負債の正味の公正価値に対する持分を超える金額は、のれんとして認識し、投資の帳簿価額に含めています。
投資を処分し、重要な影響力を喪失した場合には、当社及び子会社は、残存持分を処分日の公正価値で測定し、IFRS第9号「金融商品」に従って金融資産として会計処理しています。残存持分の従前の帳簿価額と公正価値との差額は、当該投資の処分損益として計上しています。関連会社が以前にその他の包括利益に認識していた金額は、関連する資産又は負債を直接処分した場合の処理に準じて会計処理を行っています。
なお、関連会社の会計方針が当社の適用する会計方針と異なる場合、当社の会計方針と整合させるための修正を行っています。また、関連会社の決算日が当社の決算日と異なる場合、連結決算日時点で実施した仮決算に基づく関連会社の財務数値を用いています。
(3)企業結合
企業結合は、取得法を用いて会計処理しています。
取得対価は、被取得企業の支配と交換に譲渡した資産、引き受けた負債及び当社が発行する資本性金融商品の取得日の公正価値の合計として測定されます。取得対価、被取得企業に対する非支配持分の金額及び取得企業が以前に保有していた被取得企業の持分の公正価値の合計金額が識別可能な資産及び負債の公正価値(以下の項目を除く)の純額を超過する場合、連結財政状態計算書においてのれんとして認識しています。反対に下回る場合、直ちに連結純損益計算書において利得として認識しています。
識別可能な資産及び負債のうち、公正価値で測定していない項目は次のとおりです。
・繰延税金資産又は繰延税金負債
・従業員給付契約に関連する資産又は負債
・「被取得企業の株式に基づく報酬契約」又は「被取得企業の株式に基づく報酬制度を当社グループの制度に置き換えるために発行された当社グループの株式に基づく報酬契約」に関する負債又は資本性金融商品
・IFRS第5号「売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業」に従って売却目的に分類される資産又は処分グループ
段階的に達成される企業結合の場合、当社が以前保有していた被取得企業の持分は支配獲得日の公正価値で再測定し、発生した利得又は損失は純損益として認識しています。
企業結合が生じた連結会計年度の末日までに企業結合の当初の会計処理が完了していない場合、暫定的な金額で会計処理を行い、取得日から1年以内の測定期間において、暫定的な金額の修正を行います。
非支配持分を公正価値又は被取得企業の識別可能な純資産に対する非支配持分相当額のいずれで測定するかについては、企業結合ごとに選択しています。
企業結合に関連して発生した取得関連コストは、発生時に費用処理しています。
支配獲得後の非支配持分の追加取得については、資本取引として会計処理し、当該取引からのれんは認識していません。
共通支配下における企業結合取引、すなわち、全ての結合企業又は結合事業が最終的に企業結合の前後で同じ当事者によって支配され、その支配が一時的なものではない企業結合取引については、従前の帳簿価額に基づき会計処理しています。
(4)外貨換算
① 外貨建取引
外貨建取引は、取引日における為替レートにより当社グループ各社の機能通貨に換算しています。外貨建の貨幣性資産及び負債は、連結会計年度末日の為替レートにより機能通貨に換算しています。取得原価に基づいて測定されている非貨幣性項目は、取引日の為替レートを用いて換算しています。
当該換算及び決済により生じる換算差額は、純損益として認識しています。ただし、その他の包括利益を通じて測定される金融資産及びキャッシュ・フロー・ヘッジから生じる換算差額については、その他の包括利益として認識しています。
② 在外営業活動体
在外営業活動体の資産及び負債(取得により発生したのれん及び公正価値の調整を含む)は、連結会計年度末日の為替レートにより円貨に換算しています。収益及び費用は、為替レートが著しく変動している場合を除き、期中の平均レートにより円貨に換算しています。これらの換算差額はその他の包括利益として認識し、在外営業活動体を処分し支配を喪失した場合、当該営業活動体に関連する換算差額の累計額を処分した期の純損益として認識しています。
③ 超インフレの調整
超インフレ経済下の在外営業活動体の業績及び財政状態は、インフレーションの影響を反映させており、収益及び費用は連結会計年度末日の為替レートにより円貨に換算しています。
(5)金融商品
① 金融資産
(ⅰ) 当初認識及び測定
当社グループは、金融資産を、当初認識時において、償却原価で測定する金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産、又は純損益を通じて公正価値で測定する金融資産のいずれかに分類しています。
全ての金融資産は、取引約定日において当初認識を行い、公正価値で測定していますが、純損益を通じて公正価値で測定するものではない金融資産の場合、公正価値に取引コストを加算した金額で測定しています。
(ⅱ) 事後測定
(a) 償却原価で測定する金融資産
次の条件がともに満たされる金融資産を償却原価で測定する金融資産に分類しています。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする事業モデルの中で資産が保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
当初認識後は実効金利法に基づく償却原価で測定しています。
(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
次の条件がともに満たされる金融資産をその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
・契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方によって目的が達成される事業モデルの中で資産が保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な変動をその他の包括利益として認識しています。その他の包括利益として認識した金額は、認識を中止した場合、その累計額を利益剰余金に振り替えています。
(c) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品
償却原価で測定する金融資産又はその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類されず、純損益を通じて公正価値で測定することとされた金融資産のうち、売買目的ではない資本性金融商品への投資については、当初認識時に、その公正価値の事後的な変動をその他の包括利益に表示するという取消不能な選択を行うことが認められており、当社グループでは金融商品ごとに当該指定を行っています。
当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な変動をその他の包括利益として認識しています。その他の包括利益として認識した金額は、認識を中止した場合、その累積額を利益剰余金に振り替えており、純損益には振り替えていません。なお、配当については純損益として認識しています。
(d) 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
上記以外の金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産は、当初認識時に公正価値で測定し、その取得に直接起因する取引コストは、発生時に純損益として認識しています。また、当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な変動を純損益として認識しています。
(ⅲ) 認識の中止
金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅する、又は当社グループが金融資産を譲渡し、当該金融資産の所有のリスクと経済価値のほとんど全てを移転する場合にのみ、金融資産の認識を中止します。当社グループがリスクと経済価値のほとんど全てを移転しないが保持もせず、譲渡された資産を支配し続ける場合、当社グループは、資産に対する留保持分及び関連して支払う可能性がある負債を認識しています。
② 金融資産の減損
当社グループは、金融資産の減損の認識にあたって、毎連結会計年度末日に償却原価で測定する金融資産又は金融資産グループに当初認識時からの信用リスクの著しい増加があるかどうかを評価しています。信用リスクが著しく増加しているか否かは、当初認識以降の債務不履行の発生リスクの変化に基づいて判断しており、債務不履行の発生リスクに変化があるかどうかを評価するにあたっては、以下を考慮しています。
・金融資産の外部信用格付の著しい変化
・内部信用格付の格下げ
・借手の経営成績の悪化
・期日経過の情報
ただし、支払遅延及び支払延期要請があった場合でも、その原因が一時的な資金需要によるものであり、債務不履行のリスクが低く、近い将来に契約上のキャッシュ・フローの義務を履行するための強い能力を有していることが外部信用格付等の客観的データに基づいて判断された場合には、信用リスクの著しい増大とは判定していません。
一方、支払遅延及び支払延期要請の原因が一時的な資金需要によるものではなく、債務者の重大な財政的困難等に起因するものであり、延期後債権の回収可能性が特に懸念されるものであると判断した場合、信用減損が発生しているものと判定しています。
なお、営業債権及びその他の債権等について、全部又は一部について回収ができず、又は回収が極めて困難であると判断した場合、債務不履行とみなしています。
予想信用損失は、契約に基づいて当社グループが受け取るべき契約上のキャッシュ・フローと、当社グループが受け取ると見込んでいるキャッシュ・フローとの差額の現在価値です。金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増加している場合、当該資産に係る貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定し、著しく増加していない場合、12か月の予想信用損失に等しい金額で測定しています。
なお、上記に関わらず、重大な金融要素を含んでいない営業債権及びその他の債権、契約資産については、貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しています。
主として営業債権及びその他の債権については、多数の取引先より構成されているため、リスクの特徴が類似するものごとにグルーピングした上で、過去の貸倒実績率等を考慮して集合的に予想信用損失を測定しています。著しい景気変動等の影響を受ける場合、過去の貸倒実績に基づく引当率を補正し、現在及び将来の経済状況の予測を反映させています。
信用減損した金融資産について、信用調査の結果、その全部又は一部を回収するという合理的な予想を有しておらず、直接償却することが適切と判断された場合、直接償却を行っています。
③ 金融負債
(ⅰ) 当初認識及び測定
当社グループは、金融負債を、当初認識時において、純損益を通じて公正価値で測定する金融負債と償却原価で測定する金融負債とに分類しています。
全ての金融負債は公正価値で当初測定していますが、償却原価で測定する金融負債については、取引コスト控除後の公正価値で測定しています。
(ⅱ) 事後測定
金融負債の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しています。
(a) 純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債は、売買目的保有の金融負債及び当初認識時に純損益を通じて公正価値で測定すると指定した金融負債を含んでいます。
(b) 償却原価で測定する金融負債
償却原価で測定する金融負債は、当初認識後、実効金利法による償却原価で測定しています。実効金利法による償却及び認識が中止された場合の利得及び損失は、純損益として認識しています。
(ⅲ) 認識の中止
金融負債が消滅した時、すなわち、契約中に特定された債務が免責、取消し、又は失効となった時に、金融負債の認識を中止します。
④ 複合金融商品
複合金融商品の負債部分は、当初認識時において、資本への転換オプションがない類似の負債の公正価値で測定しています。資本部分は、当初認識時において、当該金融商品全体の公正価値から負債部分の公正価値を控除した金額で測定しています。直接取引コストは負債部分と資本部分の当初の帳簿価額の比率に応じて配分しています。
当初認識後は、複合金融商品の負債部分は実効金利法を用いた償却原価により測定しています。複合金融商品の資本部分については、当初認識後の再測定は行っていません。
負債部分に関する利息は、金融費用として純損益で認識しています。転換時には、負債部分は資本に振り替え、利得及び損失は認識していません。
⑤ デリバティブ(ヘッジ会計を含む)
為替リスク、金利リスク及び商品価格の変動リスクをそれぞれヘッジするために、為替予約、金利スワップ、金利通貨スワップ及び商品スワップのデリバティブを利用しています。なお、デリバティブ取引はリスクヘッジ目的での利用に限定し、投機目的のものはありません。これらのデリバティブは、契約が締結された時点の公正価値で当初測定され、その後も公正価値で再測定しています。
ヘッジ会計の要件を満たすデリバティブをヘッジ手段として指定し、キャッシュ・フロー・ヘッジを適用しています。キャッシュ・フロー・ヘッジは、キャッシュ・フローの変動可能性に対するエクスポージャーのうち、認識されている資産又は負債に関連する特定のリスク又は可能性の非常に高い予定取引に起因し、かつ、純損益に影響しうるものに対するヘッジです。
ヘッジ開始時に、ヘッジ会計を適用しようとするヘッジ関係並びにヘッジを実施するにあたってのリスク管理目的及び戦略について、公式に指定及び文書化を行っています。当該文書は、具体的なヘッジ手段、ヘッジ対象、ヘッジされるリスクの性質及びヘッジ関係の有効性の評価方法等を含んでいます。これらのヘッジは、ヘッジ対象とヘッジ手段との間に経済的関係があること、信用リスクの影響が経済的関係から生じる価値変動に著しく優越するものではないこと、ヘッジ関係のヘッジ比率が実際にヘッジしているヘッジ対象及びヘッジ手段の数量から生じる比率と同じであることが見込まれますが、ヘッジ関係が将来に向けて有効であるかどうかを判定するために継続的に評価しています。
また、リスク管理目的は変更していないものの、ヘッジ手段とヘッジ対象の経済的関係に変化が生じたため、ヘッジ比率に関するヘッジの有効性の要求に合致しなくなった場合、適格要件を再び満たすように、ヘッジ比率を調整しています。ヘッジ比率の調整後もなお、ヘッジ関係が適格要件を満たさなくなった場合、当該要件を満たさなくなった部分についてヘッジ会計を中止しています。
ヘッジ手段に係る利得又は損失のうち有効部分は、その他の包括利益として認識し、非有効部分は直ちに連結純損益計算書において純損益として認識しています。
その他の包括利益に計上されたヘッジ手段に係る金額は、ヘッジ対象である取引が損益に影響を与える時点で純損益に振り替えています。ヘッジ対象が非金融資産又は非金融負債の認識を生じさせるものである場合、その他の包括利益として認識されている金額は、非金融資産又は非金融負債の当初の帳簿価額の修正として処理しています。
ヘッジされた将来キャッシュ・フローの発生がもはや見込まれない場合、従来その他の包括利益を通じて資本として認識していた累積損益を純損益に振り替えています。ヘッジされた将来キャッシュ・フローの発生がまだ見込まれる場合、従来その他の包括利益を通じて資本として認識されていた金額は、当該将来キャッシュ・フローが発生するまで引き続き資本に計上しています。
なお、ヘッジ会計が適用されていないデリバティブは公正価値で認識し、公正価値変動額は連結純損益計算書において純損益として認識しています。
⑥ 金融商品の相殺
金融資産と金融負債は、認識している金額を相殺する法的に強制可能な権利を現在有しており、かつ純額で決済するか又は資産の実現と負債の決済を同時に実行する意図を有している場合にのみ相殺し、連結財政状態計算書において純額で計上しています。
(6)現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない、取得日から3か月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されています。
(7)棚卸資産
棚卸資産の取得原価には、購入原価、加工費及び棚卸資産が現在の場所や状態に至るまでに発生したその他の原価を含んでいます。
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い金額で測定し、取得原価の算定にあたっては、主として加重平均法を使用しています。正味実現可能価額は、通常の事業過程における予想売価から、完成に要する見積原価及び販売に要する見積コストを控除して算定しています。
連結財政状態計算書に計上される棚卸資産の帳簿価額は、定期的に見直しを行っています。長期にわたり滞留している場合、又は当社グループが販売によって原価の全て若しくは一部を回収できる見込みがない場合、棚卸資産の帳簿価額を見積正味実現可能価額まで減額しています。
(8)有形固定資産
有形固定資産の測定においては、原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しています。取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、解体、除去及び原状回復費用、並びに資産計上の要件を満たす借入コストを含めています。
土地等の償却を行わない資産を除き、有形固定資産は、各構成要素の見積耐用年数にわたって定額法で減価償却を行っています。有形固定資産の主な見積耐用年数は、次のとおりです。
なお、減価償却方法、見積耐用年数及び残存価額は、毎連結会計年度末日に見直しを行い、変更があった場合、会計上の見積りの変更として、見積りを変更した連結会計年度及び将来の連結会計年度に向かって適用しています。
処分時又は継続した資産の使用から将来の経済的便益が期待できなくなった時点で、有形固定資産の認識を中止しています。有形固定資産の認識の中止から生じる利得又は損失は、処分対価と帳簿価額との差額として算定され、純損益として認識しています。
(9)のれん及びその他の無形資産
① のれん
企業結合から生じたのれんは、取得原価から減損損失累計額を控除した価額で表示しています。
のれんの償却は行わず、資金生成単位(又はそのグループ)に配分し、少なくとも年に1回(主として1月1日)及び減損の兆候がある場合には都度、減損テストを実施しています。のれんの減損損失は純損失として認識され、その後の戻し入れは行っていません。のれんは、関連する資金生成単位(又はそのグループ)の処分時に認識を中止し、処分される事業の帳簿価額に含めて純損益として認識しています。
なお、のれんの当初の認識時点における測定は、「(3)企業結合」に記載しています。
② その他の無形資産
無形資産の認識後の測定方法として、原価モデルを採用しています。無形資産は取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しています。
(ⅰ)個別取得した無形資産
当初認識時に取得原価で測定しています。
(ⅱ)企業結合により取得した無形資産
取得日の公正価値で測定しています。
(ⅲ)自己創設無形資産
当社グループ内部で発生した研究開発費は、次の資産計上の要件の全てを満たす開発活動に対する支出を除き、発生時に費用として認識しています。
・使用又は売却できるように無形資産を完成させることの技術上の実行可能性
・無形資産を完成させ、さらにそれを使用又は売却するという意図
・無形資産を使用又は売却できる能力
・無形資産が蓋然性の高い将来の経済的便益を創出する方法
・無形資産の開発を完成させ、さらにそれを使用又は売却するために必要となる適切な技術上、財務上及びその他の資源の利用可能性
・開発期間中の無形資産に起因する支出を信頼性をもって測定できる能力
耐用年数を確定できる無形資産は、それぞれの見積耐用年数にわたって定額法で償却しています。耐用年数を確定できる無形資産の主な見積耐用年数は、次のとおりです。
商標権のうち事業期間が確定していないものは、事業が継続する限り基本的に存続するため、将来の経済的便益が期待される期間について予見可能な限度がないと判断し、耐用年数を確定できない無形資産に分類しています。
耐用年数を確定できない無形資産又は未だ使用可能でない無形資産は償却を行わず、少なくとも年に1回及び減損の兆候がある場合には都度、減損テストを実施しています。
なお、償却方法、見積耐用年数及び残存価額は、毎連結会計年度末日に見直しを行い、変更があった場合、会計上の見積りの変更として、見積りを変更した連結会計年度及び将来の連結会計年度に向かって適用しています。
(10)リース(借手リース)
リース開始日に、リース期間が12か月以内の短期リース及び原資産が少額であるリース以外のリース構成部分について、使用権資産及びリース負債を認識しています。また、使用権資産はリース負債の当初測定額に前払リース料等を調整した取得原価で、リース負債は同日現在で支払われていないリース料の現在価値で測定しています。
リース期間は、リースの解約不能期間に、リースを延長するオプションの対象期間(当社グループが当該オプションを行使することが合理的に確実である場合)、リースを解約するオプションの対象期間(当社グループが当該オプションを行使しないことが合理的に確実である場合)を加えたものとして決定しています。
リース開始日後において、使用権資産は、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で測定しています。使用権資産を減価償却する際には、国際会計基準第16号「有形固定資産」の減価償却の要求事項を適用しています。また、減損しているかどうかを判定し、識別された減損損失を会計処理する際には、国際会計基準第36号「資産の減損」を適用しています。使用権資産の減価償却は、原資産の所有権がリース期間の終了時までに当社グループに移転する場合、開始日から原資産の耐用年数の終了時まで、それ以外の場合、開始日から使用権資産の耐用年数の終了時、又はリース期間の終了時のいずれか早い方までにわたって、実施しています。
契約の開始日後において、リース負債は、次のとおり測定しています。
・リース負債に係る金利を反映するように帳簿価額を増額
・支払われたリース料を反映するように帳簿価額を減額
・リース料の変動又はリースの条件変更を反映するか、又は改訂後の実質上の固定リース料を反映するように帳簿価額を再測定
借手は、短期リース又は原資産が少額であるリースに関連したリース料を、定額法で費用認識しています。
(11)投資不動産
投資不動産は、賃貸収益若しくは資本増価、又はその両方を目的として保有する不動産です。
投資不動産の測定においては、有形固定資産に準じて原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しています。
投資不動産は、有形固定資産の建物及び構築物に準じた見積耐用年数にわたって定額法により減価償却を行っています。
なお、減価償却方法、見積耐用年数及び残存価額は、毎連結会計年度末日に見直しを行い、変更があった場合、会計上の見積りの変更として、見積りを変更した連結会計年度及び将来の連結会計年度に向かって適用しています。
(12)非金融資産の減損
有形固定資産、のれん及びその他の無形資産等の非金融資産について、毎連結会計年度末日に各資産に対して減損の兆候の有無を判断しています。減損の兆候が存在する場合、減損テストを実施しています。ただし、のれん及び耐用年数を確定できない無形資産については、減損の兆候の有無に関わらず、少なくとも年に1回減損テストを実施しています。なお、のれん及び耐用年数を確定できない無形資産に関する減損テストの基準日は、主として1月1日としています。個別にテストできない資産は、他の資産又は資産グループのキャッシュ・インフローから概ね独立したキャッシュ・インフローを生み出す最小の資産グループ(資金生成単位)に統合し、その属する資金生成単位(又はそのグループ)ごとに減損テストを実施しています。のれんの減損テストを実施する際には、のれんが配分される資金生成単位(又はそのグループ)は、当該のれんを内部報告目的で管理している最小単位であり、かつ事業セグメントよりも大きくならないように配分しています。なお、持分法適用会社に対する投資の帳簿価額の一部を構成するのれんは別個に認識されておらず、個別に減損テストを実施していませんが、持分法適用会社に対する投資の総額を単一の資産として減損の兆候を判定し、減損テストを実施しています。
個別資産又は資金生成単位(又はそのグループ)の回収可能価額は、個別資産又は資金生成単位(又はそのグループ)の処分コスト控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方の金額で測定しています。個別資産又は資金生成単位(又はそのグループ)の帳簿価額が回収可能価額を超える場合、その資産について減損損失を認識し、回収可能価額まで評価減しています。使用価値の算定における見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間価値に関する現在の市場評価及び当該資産に固有のリスク等を反映した税引前割引率を使用して、現在価値まで割り引いています。
のれん以外の資産に関しては、過年度に認識された減損損失について、毎連結会計年度末日において、減損認識時の回収可能価額の算定に使用した想定事項に変更が生じた場合等、減損損失の減少又は消滅の可能性を示す兆候が存在しているかどうかについて評価を行っています。そのような兆候が存在する場合、当該資産又は資金生成単位(又はそのグループ)の回収可能価額の見積りを行い、その回収可能価額が、資産又は資金生成単位(又はそのグループ)の帳簿価額を超える場合、算定した回収可能価額と過年度で減損損失が認識されていなかったと仮定した場合の減価償却控除後の帳簿価額とのいずれか低い方を上限として減損損失を戻し入れることとしています。のれんについて認識した減損損失は、戻し入れを行いません。
(13)売却目的で保有する資産及び非継続事業
継続的な使用ではなく、売却により回収が見込まれる資産又は資産グループのうち、売却計画の実行を確約しており、1年以内に売却する可能性が高く、かつ現在の状態で即時に売却可能なものを、売却目的で保有する資産又は処分グループに分類しています。売却目的保有に分類された資産又は処分グループは、帳簿価額と売却コスト控除後の公正価値のうち、いずれか低い方の金額で測定し、売却目的保有に分類された有形固定資産及び無形資産、並びに処分グループに含まれる有形固定資産及び無形資産は、減価償却又は償却を行いません。
非継続事業は、既に処分されたか又は売却目的保有に分類された企業の構成要素が含まれ、当社グループの一つの事業若しくは地域を構成し、又は、その一つの事業若しくは地域の処分の計画がある場合に認識しています。
(14)従業員給付
① 確定給付制度
当社及び一部の連結子会社の従業員を対象に、確定給付型の制度として、主に国債等の市場の利回りに応じて給付額が変動するキャッシュバランス制度及び退職一時金制度を設けています。
確定給付制度債務の現在価値並びに関連する当期勤務費用及び過去勤務費用は、予測単位積増方式に基づき、制度ごとに算定しています。割引率は、制度ごとの将来の給付支払見込日までの期間を基に割引期間を設定し、当該割引期間に対応した連結会計年度末日時点の優良社債の市場利回りに基づき設定しています。退職給付に係る負債(資産)の純額は、確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値(必要な場合には、資産上限額の影響を考慮する)を控除して算定しています。
退職給付に係る負債(資産)の純額の再測定はその他の包括利益で認識し、発生した期において直ちに利益剰余金に振り替えています。再測定は、数理計算上の差異、並びに純利息費用に含まれる部分を除く、制度資産に係る収益及び資産上限額の影響の変動で構成されます。また、勤務費用及び純利息費用は発生した期に純損益として認識しています。
② 確定拠出制度
当社及び一部の連結子会社は、確定拠出年金制度を設けています。確定拠出年金は、雇用主が一定額の掛金を定期的に従業員の個人口座に拠出し、その拠出額以上の支払については法的又は推定的債務を負わない退職後給付制度となっています。このため、従業員が勤務を提供した期間に応じて、確定拠出年金への拠出額を費用として処理しています。
③ 短期従業員給付
短期従業員給付については、割引計算は行わず、関連するサービスが提供された時点で費用として処理しています。
賞与及び有給休暇費用については、従業員から過年度及び当連結会計年度に提供されたサービスの対価として支払うべき現在の法的又は推定的債務を負っており、かつその金額を信頼性をもって見積ることができる場合、それらの制度に基づいて支払われる将来給付額を負債として処理しています。
④ その他の長期従業員給付
退職後給付以外の長期従業員給付に対する債務は、従業員が過年度及び当連結会計年度において提供したサービスの対価として獲得した将来給付額を負債として処理しています。
⑤ 解雇給付
解雇給付については、当社グループが通常の退職日前に従業員の雇用を終了する場合、又は従業員が給付と引き換えに自発的に退職する場合、解雇給付を支給します。当社グループは、当社グループが当該給付の申し出を撤回できなくなった時、又は当社グループが解雇給付の支払を伴うリストラクチャリングに係るコストを認識した時のいずれか早い方の日に解雇給付を費用として認識しています。
(15)株式に基づく報酬
当社グループは、株式報酬制度として、持分決済型の株式報酬制度及び現金決済型の株式報酬制度を導入しています。
① 持分決済型の株式報酬制度
ストック・オプション制度及び譲渡制限付株式報酬制度を採用しています。ストック・オプションは、付与日における公正価値で見積り、権利確定期間にわたって費用として連結純損益計算書に計上し、対応する金額を資本として連結財政状態計算書に計上しています。譲渡制限付株式報酬は、付与日における付与した当社普通株式の公正価値を参照し、権利確定期間を基礎とする一定の期間にわたって費用として連結純損益計算書に計上し、対応する金額を資本として連結財政状態計算書に計上しています。
② 現金決済型の株式報酬制度
支払額の公正価値を負債として認識し、負債が決済されるまで、当該負債の公正価値の変動を純損益として認識しています。
(16)引当金
過去の事象の結果として現在の債務(法的債務又は推定的債務)を有しており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が必要となる可能性が高く、かつ当該債務の金額について信頼できる見積りが可能である場合、引当金を認識しています。
引当金は、連結会計年度末日における債務に関するリスク及び不確実性を考慮に入れた、現在の債務の決済のために必要な支出(将来キャッシュ・フロー)の最善の見積りにより計上しています。引当金の貨幣の時間価値が重要な場合、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間価値及び当該負債に特有のリスクを反映した税引前割引率を用いて現在価値に割り引いています。
資産除去債務については、原状回復費用及び資産を使用した結果生じる支出に関して引当金を認識するとともに、当該資産の取得原価に加算しています。将来の見積費用及び適用された割引率は毎連結会計年度見直され、修正が必要と判断された場合、当該資産の帳簿価額に加算又は控除し、会計上の見積りの変更として処理しています。
生産拠点の供給能力の最適化を目的とした工場再編に伴い、工場の操業停止の方針を決定及び周知しているため、操業停止に伴う有形固定資産の解体撤去費用等の合理的な見積額を工場再編損失引当金として計上しています。
(17)偶発債務
連結会計年度末日において発生可能性のある債務を有しているが、「(16)引当金」に記載している引当金の認識要件を満たさないものについては、偶発債務として注記しています。
(18)資本
① 普通株式
普通株式は、資本に分類しています。普通株式の発行に直接関連して発生したコストは、資本から控除しています。
② 自己株式
自己株式を取得した場合には、取得に直接関連して発生したコストを含めた支払対価を資本から控除しています。自己株式を処分した場合には、受取対価と自己株式の帳簿価額との差額を資本として処理しています。
(19)配当金
当社の株主に対する配当は、中間配当及び期末配当のいずれも取締役会により承認された日の属する期間の負債として認識しています。
(20)収益
当社グループは、IFRS第9号「金融商品」に基づく利息及び配当収益等を除き、次の5ステップアプローチに基づき収益を認識しています。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における別個の履行義務に配分する。
ステップ5:企業が履行義務の充足時に(又は充足するにつれて)収益を認識する。
① 商品及び製品の販売
当社グループは、ウォーターテクノロジー事業及びハウジングテクノロジー事業において、直接の顧客である販売店及び代理店に対して商品及び製品を販売しています。当該販売取引については、原則として顧客に商品及び製品が着荷した時点で顧客が支配を獲得し履行義務が充足されると判断しており、着荷時点において収益を計上しています。また、一部の商品及び製品においては販売時に据付作業を伴う場合もあります。当該据付作業については、原則として据付が完了した時点で顧客が支配を獲得し履行義務が充足されると判断しており、完了時点において収益を計上しています。なお、商品及び製品の納入と据付作業とは別個の履行義務として取り扱い、主に予想コストにマージンを加算するアプローチで独立販売価格を見積り、当該独立販売価格に基づき、取引価格をそれぞれの履行義務に配分しています。これらの履行義務に関する支払は、商品及び製品の納入又は据付作業の完了後、短期のうちに受領しており、重大な金融要素は含んでいません。なお、顧客から前受金の支払を受ける場合、契約負債が計上されます。
② 工事契約
当社グループは、主にハウジングテクノロジー事業において、長期の工事契約を締結しています。当該工事契約については、据え付ける製品の原価や作業に係る労務費の発生が顧客の支配する資産の増価と比例すると判断しており、当該工事契約に関連した収益を、連結会計年度末日現在の進捗度に応じて認識しています。進捗度は、工事契約の見積総原価に対し、実施した工事に対してその時点までに発生した工事契約原価の割合で算定しています。一方、工事契約の成果を合理的に測定できない場合、発生した工事契約原価のうち回収される可能性が高い範囲でのみ収益を認識し、工事契約原価を発生した期間に費用として処理しています。なお、発生する可能性が高いと予想される損失は、直ちに費用として処理しています。また、工事契約金額が適時に確定しない場合、契約金額が確定するまでは変動対価として得意先との交渉状況から最も可能性の高い金額を見積り、変動対価に関する不確実性がその後に解消される際に認識した収益の累計額の重大な戻し入れが生じない可能性が非常に高い範囲でのみ収益を認識しています。工事代金については、原則として月次で出来高請求し、短期のうちに受領しており、重大な金融要素は含んでいません。
進捗度に応じて認識した収益と顧客の支払との関係に応じて、契約資産又は契約負債が計上されます。契約資産は、連結会計年度末日における進行中の工事契約について、顧客が対価を支払うか支払期限が到来する前に収益認識(認識した損失控除後)を行った場合、受け取る対価に対する権利のうち、債権として計上すべき金額を除いた金額をもって計上しています。一方、契約負債は、履行義務を充足する前に顧客から受け取った又は支払期限が到来した金額が収益認識額(認識した損失控除後)を超える場合、当該超過額をもって計上しています。契約資産及び契約負債の金額は、契約ごとに算定しています。
③ その他
当社グループは、ハウジングテクノロジー事業において、住宅ソリューション事業や不動産事業に関連した住宅フランチャイズチェーン展開、不動産売買等の様々な役務の提供を行っています。住宅フランチャイズチェーン展開について、当社グループは加盟店に対し、主に資材を直接一括購入し納入する義務を負っています。加盟店が資材を検収した時点で加盟店が支配を獲得し履行義務が充足されると判断しており、検収時点において収益計上しています。なお、当該履行義務に関する支払は、加盟店が資材を検収後、短期のうちに受領しています。また、不動産売買については、買主に物件を引き渡した時点で買主が支配を獲得し履行義務が充足されると判断しており、物件引渡時点において収益計上しています。なお、当該履行義務に関する支払は、短期に受領しています。
(21)金融収益及び金融費用
金融収益は、受取利息、受取配当金、金融資産の評価益及び為替差益等から構成されています。受取利息は約定の利率又は実効金利法に基づき発生時に認識し、受取配当金は配当を受領する株主の権利が確定した時点で認識しています。
金融費用は、主として償却原価で測定する金融負債に対する支払利息、金融資産の評価損及び為替差損等から構成されています。支払利息は、実効金利法に基づき発生時に認識しています。
(22)政府補助金
政府補助金は、補助金交付のための付帯条件を満たし、かつ補助金を受領するという合理的な保証が得られた時に公正価値で認識しています。
資産に関する政府補助金は、当該補助金の金額を資産の取得原価から控除し、償却資産の耐用年数にわたって、減価償却費の減額として純損益に認識しています。
(23)借入コスト
意図した使用又は販売が可能となるまでに相当の期間を必要とするような資産に関して、その資産の取得、建設又は製造に直接起因する借入コストは、当該資産の取得原価の一部として資産化しています。その他の借入コストは、発生した期間に費用として認識しています。
(24)法人所得税
法人所得税費用は、当期税金費用と繰延税金費用の合計として表示しています。これらは、その他の包括利益又は資本で直接認識する項目から生じる場合、及び企業結合から生じる場合を除き、純損益として認識しています。
当期税金費用は、税務当局に対する納付又は税務当局からの還付が予想される金額で測定しています。税額の算定に使用する税率及び税法は、連結会計年度末日までに制定又は実質的に制定されたものです。繰延税金費用は、連結会計年度末日における資産及び負債の税務基準額と会計上の帳簿価額との間の一時差異に基づいて測定しています。なお、当社及び当社の日本国内における100%子会社は、前連結会計年度においては、当社を連結納税親会社とする連結納税制度を適用し、当連結会計年度においては、グループ通算制度を適用しています。
繰延税金資産は、将来減算一時差異及び繰越欠損金等について、それらを回収できる課税所得が生じると見込まれる範囲において認識し、繰延税金負債は、原則として、将来加算一時差異について認識しています。なお、次の一時差異に対しては、繰延税金資産又は負債を認識していません。
・のれんの当初認識から生じる場合
・企業結合でない取引で、かつ取引時に会計上の利益にも課税所得(欠損金)にも影響を与えない取引における資産又は負債の当初認識から生じる場合
・子会社及び関連会社に対する投資に係る将来減算一時差異に関しては、予測可能な将来に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合、又は当該一時差異の使用対象となる課税所得が稼得される可能性が低い場合
・子会社及び関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異に関しては、一時差異の解消の時点をコントロールすることができ、予測可能な将来に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合
繰延税金資産及び負債は、連結会計年度末日までに制定又は実質的に制定されている税率に基づいて、当該資産が実現される又は負債が決済される期間の税率を見積り、測定しています。
繰延税金資産及び負債は、当期税金資産及び負債を相殺する法律上強制力のある権利を有しており、かつ、法人所得税が同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合、又は異なる納税主体に課されているもののこれらの納税主体が当期税金資産及び負債を純額ベースで決済することを意図している場合、若しくはこれら税金資産及び負債が同時に実現する予定である場合、相殺しています。
なお、当社グループは、経済協力開発機構が公表した第2の柱モデルルールを導入するために制定又は実質的に制定された税法から生じる法人所得税に係る繰延税金資産及び繰延税金負債に関して、2023年5月23日に公表されたIAS第12号の改訂における認識及び開示に対する例外規定を遡及適用しています。
(25)1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の普通株主に帰属する当期損益を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して計算しています。希薄化後1株当たり当期利益は、希薄化効果を有する全ての潜在株式の影響を調整して計算しています。
(1)連結の基礎
連結財務諸表は、当社及び当社が直接的又は間接的に支配する子会社から構成されています。当社が投資先への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ、投資先に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合、その投資先を支配していると判断しています。当社がパワーを有しているか否かは、議決権の保有状況に加え、現時点で行使可能な潜在的議決権等を考慮して決定しています。子会社については、当社が支配を獲得した日を取得日とし、その日より当社が支配を喪失する日までを連結しています。
子会社が適用する会計方針が当社の適用する会計方針と異なる場合、必要に応じて当該子会社の財務諸表の調整を行っています。また、子会社の決算日が当社の決算日と異なる場合、連結決算日現在で実施した仮決算に基づく子会社の財務数値を用いています。
当社グループ内の債権債務残高及び取引、並びに当社グループ内取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しています。
子会社の包括利益については、非支配持分が負の残高となる場合であっても、親会社の所有者と非支配持分に帰属させています。
支配が継続している子会社に対する当社の所有持分の変動は、資本取引として会計処理しています。支配の喪失から生じた利得及び損失は、「受取対価の公正価値及び残存持分の公正価値の合計」と「子会社の資産(のれんを含む)、負債及び非支配持分の従前の帳簿価額」との差額として算定され、純損益として認識しています。
(2)関連会社に対する投資
関連会社とは、当社グループが重要な影響力を有している企業をいいます。当社グループが投資先の議決権の20%以上を直接的に又は間接的に保有している場合、重要な影響力がないことを明確に証明できない限り、当社グループはその企業に対する重要な影響力を有していると判断しています。
関連会社への投資については、持分法によって処理しています。持分法では、投資額は取得原価で当初認識し、その後、関連会社の純資産に対する当社及び子会社の持分の取得後の変動に応じて投資額を変動させています。関連会社の損失が、当該会社に対する投資持分を超過する場合、実質的に当該会社に対する正味投資の一部を構成する長期投資を零まで減損し、当社及び子会社が当該会社に対して法的債務若しくは推定的債務を負担する、又は当該会社に代わって支払を行う場合を除き、それ以上の損失は認識していません。重要な内部取引に係る利益は、関連会社に対する持分比率に応じて消去しています。
当社及び子会社は、投資先が関連会社に該当した時点から持分法を適用しています。関連会社に対する投資額の取得対価が、取得日に認識した資産、負債及び偶発負債の正味の公正価値に対する持分を超える金額は、のれんとして認識し、投資の帳簿価額に含めています。
投資を処分し、重要な影響力を喪失した場合には、当社及び子会社は、残存持分を処分日の公正価値で測定し、IFRS第9号「金融商品」に従って金融資産として会計処理しています。残存持分の従前の帳簿価額と公正価値との差額は、当該投資の処分損益として計上しています。関連会社が以前にその他の包括利益に認識していた金額は、関連する資産又は負債を直接処分した場合の処理に準じて会計処理を行っています。
なお、関連会社の会計方針が当社の適用する会計方針と異なる場合、当社の会計方針と整合させるための修正を行っています。また、関連会社の決算日が当社の決算日と異なる場合、連結決算日時点で実施した仮決算に基づく関連会社の財務数値を用いています。
(3)企業結合
企業結合は、取得法を用いて会計処理しています。
取得対価は、被取得企業の支配と交換に譲渡した資産、引き受けた負債及び当社が発行する資本性金融商品の取得日の公正価値の合計として測定されます。取得対価、被取得企業に対する非支配持分の金額及び取得企業が以前に保有していた被取得企業の持分の公正価値の合計金額が識別可能な資産及び負債の公正価値(以下の項目を除く)の純額を超過する場合、連結財政状態計算書においてのれんとして認識しています。反対に下回る場合、直ちに連結純損益計算書において利得として認識しています。
識別可能な資産及び負債のうち、公正価値で測定していない項目は次のとおりです。
・繰延税金資産又は繰延税金負債
・従業員給付契約に関連する資産又は負債
・「被取得企業の株式に基づく報酬契約」又は「被取得企業の株式に基づく報酬制度を当社グループの制度に置き換えるために発行された当社グループの株式に基づく報酬契約」に関する負債又は資本性金融商品
・IFRS第5号「売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業」に従って売却目的に分類される資産又は処分グループ
段階的に達成される企業結合の場合、当社が以前保有していた被取得企業の持分は支配獲得日の公正価値で再測定し、発生した利得又は損失は純損益として認識しています。
企業結合が生じた連結会計年度の末日までに企業結合の当初の会計処理が完了していない場合、暫定的な金額で会計処理を行い、取得日から1年以内の測定期間において、暫定的な金額の修正を行います。
非支配持分を公正価値又は被取得企業の識別可能な純資産に対する非支配持分相当額のいずれで測定するかについては、企業結合ごとに選択しています。
企業結合に関連して発生した取得関連コストは、発生時に費用処理しています。
支配獲得後の非支配持分の追加取得については、資本取引として会計処理し、当該取引からのれんは認識していません。
共通支配下における企業結合取引、すなわち、全ての結合企業又は結合事業が最終的に企業結合の前後で同じ当事者によって支配され、その支配が一時的なものではない企業結合取引については、従前の帳簿価額に基づき会計処理しています。
(4)外貨換算
① 外貨建取引
外貨建取引は、取引日における為替レートにより当社グループ各社の機能通貨に換算しています。外貨建の貨幣性資産及び負債は、連結会計年度末日の為替レートにより機能通貨に換算しています。取得原価に基づいて測定されている非貨幣性項目は、取引日の為替レートを用いて換算しています。
当該換算及び決済により生じる換算差額は、純損益として認識しています。ただし、その他の包括利益を通じて測定される金融資産及びキャッシュ・フロー・ヘッジから生じる換算差額については、その他の包括利益として認識しています。
② 在外営業活動体
在外営業活動体の資産及び負債(取得により発生したのれん及び公正価値の調整を含む)は、連結会計年度末日の為替レートにより円貨に換算しています。収益及び費用は、為替レートが著しく変動している場合を除き、期中の平均レートにより円貨に換算しています。これらの換算差額はその他の包括利益として認識し、在外営業活動体を処分し支配を喪失した場合、当該営業活動体に関連する換算差額の累計額を処分した期の純損益として認識しています。
③ 超インフレの調整
超インフレ経済下の在外営業活動体の業績及び財政状態は、インフレーションの影響を反映させており、収益及び費用は連結会計年度末日の為替レートにより円貨に換算しています。
(5)金融商品
① 金融資産
(ⅰ) 当初認識及び測定
当社グループは、金融資産を、当初認識時において、償却原価で測定する金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産、又は純損益を通じて公正価値で測定する金融資産のいずれかに分類しています。
全ての金融資産は、取引約定日において当初認識を行い、公正価値で測定していますが、純損益を通じて公正価値で測定するものではない金融資産の場合、公正価値に取引コストを加算した金額で測定しています。
(ⅱ) 事後測定
(a) 償却原価で測定する金融資産
次の条件がともに満たされる金融資産を償却原価で測定する金融資産に分類しています。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする事業モデルの中で資産が保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
当初認識後は実効金利法に基づく償却原価で測定しています。
(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
次の条件がともに満たされる金融資産をその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
・契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方によって目的が達成される事業モデルの中で資産が保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な変動をその他の包括利益として認識しています。その他の包括利益として認識した金額は、認識を中止した場合、その累計額を利益剰余金に振り替えています。
(c) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品
償却原価で測定する金融資産又はその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類されず、純損益を通じて公正価値で測定することとされた金融資産のうち、売買目的ではない資本性金融商品への投資については、当初認識時に、その公正価値の事後的な変動をその他の包括利益に表示するという取消不能な選択を行うことが認められており、当社グループでは金融商品ごとに当該指定を行っています。
当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な変動をその他の包括利益として認識しています。その他の包括利益として認識した金額は、認識を中止した場合、その累積額を利益剰余金に振り替えており、純損益には振り替えていません。なお、配当については純損益として認識しています。
(d) 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
上記以外の金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産は、当初認識時に公正価値で測定し、その取得に直接起因する取引コストは、発生時に純損益として認識しています。また、当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な変動を純損益として認識しています。
(ⅲ) 認識の中止
金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅する、又は当社グループが金融資産を譲渡し、当該金融資産の所有のリスクと経済価値のほとんど全てを移転する場合にのみ、金融資産の認識を中止します。当社グループがリスクと経済価値のほとんど全てを移転しないが保持もせず、譲渡された資産を支配し続ける場合、当社グループは、資産に対する留保持分及び関連して支払う可能性がある負債を認識しています。
② 金融資産の減損
当社グループは、金融資産の減損の認識にあたって、毎連結会計年度末日に償却原価で測定する金融資産又は金融資産グループに当初認識時からの信用リスクの著しい増加があるかどうかを評価しています。信用リスクが著しく増加しているか否かは、当初認識以降の債務不履行の発生リスクの変化に基づいて判断しており、債務不履行の発生リスクに変化があるかどうかを評価するにあたっては、以下を考慮しています。
・金融資産の外部信用格付の著しい変化
・内部信用格付の格下げ
・借手の経営成績の悪化
・期日経過の情報
ただし、支払遅延及び支払延期要請があった場合でも、その原因が一時的な資金需要によるものであり、債務不履行のリスクが低く、近い将来に契約上のキャッシュ・フローの義務を履行するための強い能力を有していることが外部信用格付等の客観的データに基づいて判断された場合には、信用リスクの著しい増大とは判定していません。
一方、支払遅延及び支払延期要請の原因が一時的な資金需要によるものではなく、債務者の重大な財政的困難等に起因するものであり、延期後債権の回収可能性が特に懸念されるものであると判断した場合、信用減損が発生しているものと判定しています。
なお、営業債権及びその他の債権等について、全部又は一部について回収ができず、又は回収が極めて困難であると判断した場合、債務不履行とみなしています。
予想信用損失は、契約に基づいて当社グループが受け取るべき契約上のキャッシュ・フローと、当社グループが受け取ると見込んでいるキャッシュ・フローとの差額の現在価値です。金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増加している場合、当該資産に係る貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定し、著しく増加していない場合、12か月の予想信用損失に等しい金額で測定しています。
なお、上記に関わらず、重大な金融要素を含んでいない営業債権及びその他の債権、契約資産については、貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しています。
主として営業債権及びその他の債権については、多数の取引先より構成されているため、リスクの特徴が類似するものごとにグルーピングした上で、過去の貸倒実績率等を考慮して集合的に予想信用損失を測定しています。著しい景気変動等の影響を受ける場合、過去の貸倒実績に基づく引当率を補正し、現在及び将来の経済状況の予測を反映させています。
信用減損した金融資産について、信用調査の結果、その全部又は一部を回収するという合理的な予想を有しておらず、直接償却することが適切と判断された場合、直接償却を行っています。
③ 金融負債
(ⅰ) 当初認識及び測定
当社グループは、金融負債を、当初認識時において、純損益を通じて公正価値で測定する金融負債と償却原価で測定する金融負債とに分類しています。
全ての金融負債は公正価値で当初測定していますが、償却原価で測定する金融負債については、取引コスト控除後の公正価値で測定しています。
(ⅱ) 事後測定
金融負債の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しています。
(a) 純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債は、売買目的保有の金融負債及び当初認識時に純損益を通じて公正価値で測定すると指定した金融負債を含んでいます。
(b) 償却原価で測定する金融負債
償却原価で測定する金融負債は、当初認識後、実効金利法による償却原価で測定しています。実効金利法による償却及び認識が中止された場合の利得及び損失は、純損益として認識しています。
(ⅲ) 認識の中止
金融負債が消滅した時、すなわち、契約中に特定された債務が免責、取消し、又は失効となった時に、金融負債の認識を中止します。
④ 複合金融商品
複合金融商品の負債部分は、当初認識時において、資本への転換オプションがない類似の負債の公正価値で測定しています。資本部分は、当初認識時において、当該金融商品全体の公正価値から負債部分の公正価値を控除した金額で測定しています。直接取引コストは負債部分と資本部分の当初の帳簿価額の比率に応じて配分しています。
当初認識後は、複合金融商品の負債部分は実効金利法を用いた償却原価により測定しています。複合金融商品の資本部分については、当初認識後の再測定は行っていません。
負債部分に関する利息は、金融費用として純損益で認識しています。転換時には、負債部分は資本に振り替え、利得及び損失は認識していません。
⑤ デリバティブ(ヘッジ会計を含む)
為替リスク、金利リスク及び商品価格の変動リスクをそれぞれヘッジするために、為替予約、金利スワップ、金利通貨スワップ及び商品スワップのデリバティブを利用しています。なお、デリバティブ取引はリスクヘッジ目的での利用に限定し、投機目的のものはありません。これらのデリバティブは、契約が締結された時点の公正価値で当初測定され、その後も公正価値で再測定しています。
ヘッジ会計の要件を満たすデリバティブをヘッジ手段として指定し、キャッシュ・フロー・ヘッジを適用しています。キャッシュ・フロー・ヘッジは、キャッシュ・フローの変動可能性に対するエクスポージャーのうち、認識されている資産又は負債に関連する特定のリスク又は可能性の非常に高い予定取引に起因し、かつ、純損益に影響しうるものに対するヘッジです。
ヘッジ開始時に、ヘッジ会計を適用しようとするヘッジ関係並びにヘッジを実施するにあたってのリスク管理目的及び戦略について、公式に指定及び文書化を行っています。当該文書は、具体的なヘッジ手段、ヘッジ対象、ヘッジされるリスクの性質及びヘッジ関係の有効性の評価方法等を含んでいます。これらのヘッジは、ヘッジ対象とヘッジ手段との間に経済的関係があること、信用リスクの影響が経済的関係から生じる価値変動に著しく優越するものではないこと、ヘッジ関係のヘッジ比率が実際にヘッジしているヘッジ対象及びヘッジ手段の数量から生じる比率と同じであることが見込まれますが、ヘッジ関係が将来に向けて有効であるかどうかを判定するために継続的に評価しています。
また、リスク管理目的は変更していないものの、ヘッジ手段とヘッジ対象の経済的関係に変化が生じたため、ヘッジ比率に関するヘッジの有効性の要求に合致しなくなった場合、適格要件を再び満たすように、ヘッジ比率を調整しています。ヘッジ比率の調整後もなお、ヘッジ関係が適格要件を満たさなくなった場合、当該要件を満たさなくなった部分についてヘッジ会計を中止しています。
ヘッジ手段に係る利得又は損失のうち有効部分は、その他の包括利益として認識し、非有効部分は直ちに連結純損益計算書において純損益として認識しています。
その他の包括利益に計上されたヘッジ手段に係る金額は、ヘッジ対象である取引が損益に影響を与える時点で純損益に振り替えています。ヘッジ対象が非金融資産又は非金融負債の認識を生じさせるものである場合、その他の包括利益として認識されている金額は、非金融資産又は非金融負債の当初の帳簿価額の修正として処理しています。
ヘッジされた将来キャッシュ・フローの発生がもはや見込まれない場合、従来その他の包括利益を通じて資本として認識していた累積損益を純損益に振り替えています。ヘッジされた将来キャッシュ・フローの発生がまだ見込まれる場合、従来その他の包括利益を通じて資本として認識されていた金額は、当該将来キャッシュ・フローが発生するまで引き続き資本に計上しています。
なお、ヘッジ会計が適用されていないデリバティブは公正価値で認識し、公正価値変動額は連結純損益計算書において純損益として認識しています。
⑥ 金融商品の相殺
金融資産と金融負債は、認識している金額を相殺する法的に強制可能な権利を現在有しており、かつ純額で決済するか又は資産の実現と負債の決済を同時に実行する意図を有している場合にのみ相殺し、連結財政状態計算書において純額で計上しています。
(6)現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない、取得日から3か月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されています。
(7)棚卸資産
棚卸資産の取得原価には、購入原価、加工費及び棚卸資産が現在の場所や状態に至るまでに発生したその他の原価を含んでいます。
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い金額で測定し、取得原価の算定にあたっては、主として加重平均法を使用しています。正味実現可能価額は、通常の事業過程における予想売価から、完成に要する見積原価及び販売に要する見積コストを控除して算定しています。
連結財政状態計算書に計上される棚卸資産の帳簿価額は、定期的に見直しを行っています。長期にわたり滞留している場合、又は当社グループが販売によって原価の全て若しくは一部を回収できる見込みがない場合、棚卸資産の帳簿価額を見積正味実現可能価額まで減額しています。
(8)有形固定資産
有形固定資産の測定においては、原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しています。取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、解体、除去及び原状回復費用、並びに資産計上の要件を満たす借入コストを含めています。
土地等の償却を行わない資産を除き、有形固定資産は、各構成要素の見積耐用年数にわたって定額法で減価償却を行っています。有形固定資産の主な見積耐用年数は、次のとおりです。
| ・建物及び構築物 | :8~50年 |
| ・機械装置及び運搬具 | :7~12年 |
| ・工具、器具及び備品 | :2~20年 |
なお、減価償却方法、見積耐用年数及び残存価額は、毎連結会計年度末日に見直しを行い、変更があった場合、会計上の見積りの変更として、見積りを変更した連結会計年度及び将来の連結会計年度に向かって適用しています。
処分時又は継続した資産の使用から将来の経済的便益が期待できなくなった時点で、有形固定資産の認識を中止しています。有形固定資産の認識の中止から生じる利得又は損失は、処分対価と帳簿価額との差額として算定され、純損益として認識しています。
(9)のれん及びその他の無形資産
① のれん
企業結合から生じたのれんは、取得原価から減損損失累計額を控除した価額で表示しています。
のれんの償却は行わず、資金生成単位(又はそのグループ)に配分し、少なくとも年に1回(主として1月1日)及び減損の兆候がある場合には都度、減損テストを実施しています。のれんの減損損失は純損失として認識され、その後の戻し入れは行っていません。のれんは、関連する資金生成単位(又はそのグループ)の処分時に認識を中止し、処分される事業の帳簿価額に含めて純損益として認識しています。
なお、のれんの当初の認識時点における測定は、「(3)企業結合」に記載しています。
② その他の無形資産
無形資産の認識後の測定方法として、原価モデルを採用しています。無形資産は取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しています。
(ⅰ)個別取得した無形資産
当初認識時に取得原価で測定しています。
(ⅱ)企業結合により取得した無形資産
取得日の公正価値で測定しています。
(ⅲ)自己創設無形資産
当社グループ内部で発生した研究開発費は、次の資産計上の要件の全てを満たす開発活動に対する支出を除き、発生時に費用として認識しています。
・使用又は売却できるように無形資産を完成させることの技術上の実行可能性
・無形資産を完成させ、さらにそれを使用又は売却するという意図
・無形資産を使用又は売却できる能力
・無形資産が蓋然性の高い将来の経済的便益を創出する方法
・無形資産の開発を完成させ、さらにそれを使用又は売却するために必要となる適切な技術上、財務上及びその他の資源の利用可能性
・開発期間中の無形資産に起因する支出を信頼性をもって測定できる能力
耐用年数を確定できる無形資産は、それぞれの見積耐用年数にわたって定額法で償却しています。耐用年数を確定できる無形資産の主な見積耐用年数は、次のとおりです。
| ・ソフトウェア | :5年 |
| ・顧客関連資産 | :13~30年 |
| ・商標権 | :5~20年 |
| ・技術資産 | :6~10年 |
商標権のうち事業期間が確定していないものは、事業が継続する限り基本的に存続するため、将来の経済的便益が期待される期間について予見可能な限度がないと判断し、耐用年数を確定できない無形資産に分類しています。
耐用年数を確定できない無形資産又は未だ使用可能でない無形資産は償却を行わず、少なくとも年に1回及び減損の兆候がある場合には都度、減損テストを実施しています。
なお、償却方法、見積耐用年数及び残存価額は、毎連結会計年度末日に見直しを行い、変更があった場合、会計上の見積りの変更として、見積りを変更した連結会計年度及び将来の連結会計年度に向かって適用しています。
(10)リース(借手リース)
リース開始日に、リース期間が12か月以内の短期リース及び原資産が少額であるリース以外のリース構成部分について、使用権資産及びリース負債を認識しています。また、使用権資産はリース負債の当初測定額に前払リース料等を調整した取得原価で、リース負債は同日現在で支払われていないリース料の現在価値で測定しています。
リース期間は、リースの解約不能期間に、リースを延長するオプションの対象期間(当社グループが当該オプションを行使することが合理的に確実である場合)、リースを解約するオプションの対象期間(当社グループが当該オプションを行使しないことが合理的に確実である場合)を加えたものとして決定しています。
リース開始日後において、使用権資産は、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で測定しています。使用権資産を減価償却する際には、国際会計基準第16号「有形固定資産」の減価償却の要求事項を適用しています。また、減損しているかどうかを判定し、識別された減損損失を会計処理する際には、国際会計基準第36号「資産の減損」を適用しています。使用権資産の減価償却は、原資産の所有権がリース期間の終了時までに当社グループに移転する場合、開始日から原資産の耐用年数の終了時まで、それ以外の場合、開始日から使用権資産の耐用年数の終了時、又はリース期間の終了時のいずれか早い方までにわたって、実施しています。
契約の開始日後において、リース負債は、次のとおり測定しています。
・リース負債に係る金利を反映するように帳簿価額を増額
・支払われたリース料を反映するように帳簿価額を減額
・リース料の変動又はリースの条件変更を反映するか、又は改訂後の実質上の固定リース料を反映するように帳簿価額を再測定
借手は、短期リース又は原資産が少額であるリースに関連したリース料を、定額法で費用認識しています。
(11)投資不動産
投資不動産は、賃貸収益若しくは資本増価、又はその両方を目的として保有する不動産です。
投資不動産の測定においては、有形固定資産に準じて原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しています。
投資不動産は、有形固定資産の建物及び構築物に準じた見積耐用年数にわたって定額法により減価償却を行っています。
なお、減価償却方法、見積耐用年数及び残存価額は、毎連結会計年度末日に見直しを行い、変更があった場合、会計上の見積りの変更として、見積りを変更した連結会計年度及び将来の連結会計年度に向かって適用しています。
(12)非金融資産の減損
有形固定資産、のれん及びその他の無形資産等の非金融資産について、毎連結会計年度末日に各資産に対して減損の兆候の有無を判断しています。減損の兆候が存在する場合、減損テストを実施しています。ただし、のれん及び耐用年数を確定できない無形資産については、減損の兆候の有無に関わらず、少なくとも年に1回減損テストを実施しています。なお、のれん及び耐用年数を確定できない無形資産に関する減損テストの基準日は、主として1月1日としています。個別にテストできない資産は、他の資産又は資産グループのキャッシュ・インフローから概ね独立したキャッシュ・インフローを生み出す最小の資産グループ(資金生成単位)に統合し、その属する資金生成単位(又はそのグループ)ごとに減損テストを実施しています。のれんの減損テストを実施する際には、のれんが配分される資金生成単位(又はそのグループ)は、当該のれんを内部報告目的で管理している最小単位であり、かつ事業セグメントよりも大きくならないように配分しています。なお、持分法適用会社に対する投資の帳簿価額の一部を構成するのれんは別個に認識されておらず、個別に減損テストを実施していませんが、持分法適用会社に対する投資の総額を単一の資産として減損の兆候を判定し、減損テストを実施しています。
個別資産又は資金生成単位(又はそのグループ)の回収可能価額は、個別資産又は資金生成単位(又はそのグループ)の処分コスト控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方の金額で測定しています。個別資産又は資金生成単位(又はそのグループ)の帳簿価額が回収可能価額を超える場合、その資産について減損損失を認識し、回収可能価額まで評価減しています。使用価値の算定における見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間価値に関する現在の市場評価及び当該資産に固有のリスク等を反映した税引前割引率を使用して、現在価値まで割り引いています。
のれん以外の資産に関しては、過年度に認識された減損損失について、毎連結会計年度末日において、減損認識時の回収可能価額の算定に使用した想定事項に変更が生じた場合等、減損損失の減少又は消滅の可能性を示す兆候が存在しているかどうかについて評価を行っています。そのような兆候が存在する場合、当該資産又は資金生成単位(又はそのグループ)の回収可能価額の見積りを行い、その回収可能価額が、資産又は資金生成単位(又はそのグループ)の帳簿価額を超える場合、算定した回収可能価額と過年度で減損損失が認識されていなかったと仮定した場合の減価償却控除後の帳簿価額とのいずれか低い方を上限として減損損失を戻し入れることとしています。のれんについて認識した減損損失は、戻し入れを行いません。
(13)売却目的で保有する資産及び非継続事業
継続的な使用ではなく、売却により回収が見込まれる資産又は資産グループのうち、売却計画の実行を確約しており、1年以内に売却する可能性が高く、かつ現在の状態で即時に売却可能なものを、売却目的で保有する資産又は処分グループに分類しています。売却目的保有に分類された資産又は処分グループは、帳簿価額と売却コスト控除後の公正価値のうち、いずれか低い方の金額で測定し、売却目的保有に分類された有形固定資産及び無形資産、並びに処分グループに含まれる有形固定資産及び無形資産は、減価償却又は償却を行いません。
非継続事業は、既に処分されたか又は売却目的保有に分類された企業の構成要素が含まれ、当社グループの一つの事業若しくは地域を構成し、又は、その一つの事業若しくは地域の処分の計画がある場合に認識しています。
(14)従業員給付
① 確定給付制度
当社及び一部の連結子会社の従業員を対象に、確定給付型の制度として、主に国債等の市場の利回りに応じて給付額が変動するキャッシュバランス制度及び退職一時金制度を設けています。
確定給付制度債務の現在価値並びに関連する当期勤務費用及び過去勤務費用は、予測単位積増方式に基づき、制度ごとに算定しています。割引率は、制度ごとの将来の給付支払見込日までの期間を基に割引期間を設定し、当該割引期間に対応した連結会計年度末日時点の優良社債の市場利回りに基づき設定しています。退職給付に係る負債(資産)の純額は、確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値(必要な場合には、資産上限額の影響を考慮する)を控除して算定しています。
退職給付に係る負債(資産)の純額の再測定はその他の包括利益で認識し、発生した期において直ちに利益剰余金に振り替えています。再測定は、数理計算上の差異、並びに純利息費用に含まれる部分を除く、制度資産に係る収益及び資産上限額の影響の変動で構成されます。また、勤務費用及び純利息費用は発生した期に純損益として認識しています。
② 確定拠出制度
当社及び一部の連結子会社は、確定拠出年金制度を設けています。確定拠出年金は、雇用主が一定額の掛金を定期的に従業員の個人口座に拠出し、その拠出額以上の支払については法的又は推定的債務を負わない退職後給付制度となっています。このため、従業員が勤務を提供した期間に応じて、確定拠出年金への拠出額を費用として処理しています。
③ 短期従業員給付
短期従業員給付については、割引計算は行わず、関連するサービスが提供された時点で費用として処理しています。
賞与及び有給休暇費用については、従業員から過年度及び当連結会計年度に提供されたサービスの対価として支払うべき現在の法的又は推定的債務を負っており、かつその金額を信頼性をもって見積ることができる場合、それらの制度に基づいて支払われる将来給付額を負債として処理しています。
④ その他の長期従業員給付
退職後給付以外の長期従業員給付に対する債務は、従業員が過年度及び当連結会計年度において提供したサービスの対価として獲得した将来給付額を負債として処理しています。
⑤ 解雇給付
解雇給付については、当社グループが通常の退職日前に従業員の雇用を終了する場合、又は従業員が給付と引き換えに自発的に退職する場合、解雇給付を支給します。当社グループは、当社グループが当該給付の申し出を撤回できなくなった時、又は当社グループが解雇給付の支払を伴うリストラクチャリングに係るコストを認識した時のいずれか早い方の日に解雇給付を費用として認識しています。
(15)株式に基づく報酬
当社グループは、株式報酬制度として、持分決済型の株式報酬制度及び現金決済型の株式報酬制度を導入しています。
① 持分決済型の株式報酬制度
ストック・オプション制度及び譲渡制限付株式報酬制度を採用しています。ストック・オプションは、付与日における公正価値で見積り、権利確定期間にわたって費用として連結純損益計算書に計上し、対応する金額を資本として連結財政状態計算書に計上しています。譲渡制限付株式報酬は、付与日における付与した当社普通株式の公正価値を参照し、権利確定期間を基礎とする一定の期間にわたって費用として連結純損益計算書に計上し、対応する金額を資本として連結財政状態計算書に計上しています。
② 現金決済型の株式報酬制度
支払額の公正価値を負債として認識し、負債が決済されるまで、当該負債の公正価値の変動を純損益として認識しています。
(16)引当金
過去の事象の結果として現在の債務(法的債務又は推定的債務)を有しており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が必要となる可能性が高く、かつ当該債務の金額について信頼できる見積りが可能である場合、引当金を認識しています。
引当金は、連結会計年度末日における債務に関するリスク及び不確実性を考慮に入れた、現在の債務の決済のために必要な支出(将来キャッシュ・フロー)の最善の見積りにより計上しています。引当金の貨幣の時間価値が重要な場合、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間価値及び当該負債に特有のリスクを反映した税引前割引率を用いて現在価値に割り引いています。
資産除去債務については、原状回復費用及び資産を使用した結果生じる支出に関して引当金を認識するとともに、当該資産の取得原価に加算しています。将来の見積費用及び適用された割引率は毎連結会計年度見直され、修正が必要と判断された場合、当該資産の帳簿価額に加算又は控除し、会計上の見積りの変更として処理しています。
生産拠点の供給能力の最適化を目的とした工場再編に伴い、工場の操業停止の方針を決定及び周知しているため、操業停止に伴う有形固定資産の解体撤去費用等の合理的な見積額を工場再編損失引当金として計上しています。
(17)偶発債務
連結会計年度末日において発生可能性のある債務を有しているが、「(16)引当金」に記載している引当金の認識要件を満たさないものについては、偶発債務として注記しています。
(18)資本
① 普通株式
普通株式は、資本に分類しています。普通株式の発行に直接関連して発生したコストは、資本から控除しています。
② 自己株式
自己株式を取得した場合には、取得に直接関連して発生したコストを含めた支払対価を資本から控除しています。自己株式を処分した場合には、受取対価と自己株式の帳簿価額との差額を資本として処理しています。
(19)配当金
当社の株主に対する配当は、中間配当及び期末配当のいずれも取締役会により承認された日の属する期間の負債として認識しています。
(20)収益
当社グループは、IFRS第9号「金融商品」に基づく利息及び配当収益等を除き、次の5ステップアプローチに基づき収益を認識しています。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における別個の履行義務に配分する。
ステップ5:企業が履行義務の充足時に(又は充足するにつれて)収益を認識する。
① 商品及び製品の販売
当社グループは、ウォーターテクノロジー事業及びハウジングテクノロジー事業において、直接の顧客である販売店及び代理店に対して商品及び製品を販売しています。当該販売取引については、原則として顧客に商品及び製品が着荷した時点で顧客が支配を獲得し履行義務が充足されると判断しており、着荷時点において収益を計上しています。また、一部の商品及び製品においては販売時に据付作業を伴う場合もあります。当該据付作業については、原則として据付が完了した時点で顧客が支配を獲得し履行義務が充足されると判断しており、完了時点において収益を計上しています。なお、商品及び製品の納入と据付作業とは別個の履行義務として取り扱い、主に予想コストにマージンを加算するアプローチで独立販売価格を見積り、当該独立販売価格に基づき、取引価格をそれぞれの履行義務に配分しています。これらの履行義務に関する支払は、商品及び製品の納入又は据付作業の完了後、短期のうちに受領しており、重大な金融要素は含んでいません。なお、顧客から前受金の支払を受ける場合、契約負債が計上されます。
② 工事契約
当社グループは、主にハウジングテクノロジー事業において、長期の工事契約を締結しています。当該工事契約については、据え付ける製品の原価や作業に係る労務費の発生が顧客の支配する資産の増価と比例すると判断しており、当該工事契約に関連した収益を、連結会計年度末日現在の進捗度に応じて認識しています。進捗度は、工事契約の見積総原価に対し、実施した工事に対してその時点までに発生した工事契約原価の割合で算定しています。一方、工事契約の成果を合理的に測定できない場合、発生した工事契約原価のうち回収される可能性が高い範囲でのみ収益を認識し、工事契約原価を発生した期間に費用として処理しています。なお、発生する可能性が高いと予想される損失は、直ちに費用として処理しています。また、工事契約金額が適時に確定しない場合、契約金額が確定するまでは変動対価として得意先との交渉状況から最も可能性の高い金額を見積り、変動対価に関する不確実性がその後に解消される際に認識した収益の累計額の重大な戻し入れが生じない可能性が非常に高い範囲でのみ収益を認識しています。工事代金については、原則として月次で出来高請求し、短期のうちに受領しており、重大な金融要素は含んでいません。
進捗度に応じて認識した収益と顧客の支払との関係に応じて、契約資産又は契約負債が計上されます。契約資産は、連結会計年度末日における進行中の工事契約について、顧客が対価を支払うか支払期限が到来する前に収益認識(認識した損失控除後)を行った場合、受け取る対価に対する権利のうち、債権として計上すべき金額を除いた金額をもって計上しています。一方、契約負債は、履行義務を充足する前に顧客から受け取った又は支払期限が到来した金額が収益認識額(認識した損失控除後)を超える場合、当該超過額をもって計上しています。契約資産及び契約負債の金額は、契約ごとに算定しています。
③ その他
当社グループは、ハウジングテクノロジー事業において、住宅ソリューション事業や不動産事業に関連した住宅フランチャイズチェーン展開、不動産売買等の様々な役務の提供を行っています。住宅フランチャイズチェーン展開について、当社グループは加盟店に対し、主に資材を直接一括購入し納入する義務を負っています。加盟店が資材を検収した時点で加盟店が支配を獲得し履行義務が充足されると判断しており、検収時点において収益計上しています。なお、当該履行義務に関する支払は、加盟店が資材を検収後、短期のうちに受領しています。また、不動産売買については、買主に物件を引き渡した時点で買主が支配を獲得し履行義務が充足されると判断しており、物件引渡時点において収益計上しています。なお、当該履行義務に関する支払は、短期に受領しています。
(21)金融収益及び金融費用
金融収益は、受取利息、受取配当金、金融資産の評価益及び為替差益等から構成されています。受取利息は約定の利率又は実効金利法に基づき発生時に認識し、受取配当金は配当を受領する株主の権利が確定した時点で認識しています。
金融費用は、主として償却原価で測定する金融負債に対する支払利息、金融資産の評価損及び為替差損等から構成されています。支払利息は、実効金利法に基づき発生時に認識しています。
(22)政府補助金
政府補助金は、補助金交付のための付帯条件を満たし、かつ補助金を受領するという合理的な保証が得られた時に公正価値で認識しています。
資産に関する政府補助金は、当該補助金の金額を資産の取得原価から控除し、償却資産の耐用年数にわたって、減価償却費の減額として純損益に認識しています。
(23)借入コスト
意図した使用又は販売が可能となるまでに相当の期間を必要とするような資産に関して、その資産の取得、建設又は製造に直接起因する借入コストは、当該資産の取得原価の一部として資産化しています。その他の借入コストは、発生した期間に費用として認識しています。
(24)法人所得税
法人所得税費用は、当期税金費用と繰延税金費用の合計として表示しています。これらは、その他の包括利益又は資本で直接認識する項目から生じる場合、及び企業結合から生じる場合を除き、純損益として認識しています。
当期税金費用は、税務当局に対する納付又は税務当局からの還付が予想される金額で測定しています。税額の算定に使用する税率及び税法は、連結会計年度末日までに制定又は実質的に制定されたものです。繰延税金費用は、連結会計年度末日における資産及び負債の税務基準額と会計上の帳簿価額との間の一時差異に基づいて測定しています。なお、当社及び当社の日本国内における100%子会社は、前連結会計年度においては、当社を連結納税親会社とする連結納税制度を適用し、当連結会計年度においては、グループ通算制度を適用しています。
繰延税金資産は、将来減算一時差異及び繰越欠損金等について、それらを回収できる課税所得が生じると見込まれる範囲において認識し、繰延税金負債は、原則として、将来加算一時差異について認識しています。なお、次の一時差異に対しては、繰延税金資産又は負債を認識していません。
・のれんの当初認識から生じる場合
・企業結合でない取引で、かつ取引時に会計上の利益にも課税所得(欠損金)にも影響を与えない取引における資産又は負債の当初認識から生じる場合
・子会社及び関連会社に対する投資に係る将来減算一時差異に関しては、予測可能な将来に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合、又は当該一時差異の使用対象となる課税所得が稼得される可能性が低い場合
・子会社及び関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異に関しては、一時差異の解消の時点をコントロールすることができ、予測可能な将来に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合
繰延税金資産及び負債は、連結会計年度末日までに制定又は実質的に制定されている税率に基づいて、当該資産が実現される又は負債が決済される期間の税率を見積り、測定しています。
繰延税金資産及び負債は、当期税金資産及び負債を相殺する法律上強制力のある権利を有しており、かつ、法人所得税が同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合、又は異なる納税主体に課されているもののこれらの納税主体が当期税金資産及び負債を純額ベースで決済することを意図している場合、若しくはこれら税金資産及び負債が同時に実現する予定である場合、相殺しています。
なお、当社グループは、経済協力開発機構が公表した第2の柱モデルルールを導入するために制定又は実質的に制定された税法から生じる法人所得税に係る繰延税金資産及び繰延税金負債に関して、2023年5月23日に公表されたIAS第12号の改訂における認識及び開示に対する例外規定を遡及適用しています。
(25)1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の普通株主に帰属する当期損益を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して計算しています。希薄化後1株当たり当期利益は、希薄化効果を有する全ての潜在株式の影響を調整して計算しています。