有価証券報告書-第130期(2025/04/01-2026/03/31)
(3)人的資本
①人的資本戦略に関する基本方針等
イ 基本的な考え方(経営戦略との関係)
当社グループは、エネルギー・インフラおよび通信・コンポーネンツを中核事業としつつ、新規事業の展開を進めることで、社会課題の解決と企業価値向上を両立するポートフォリオ経営を推進しております。その基盤には、長年培ってきた技術力、ものづくりの精神と現場力、堅実な財務運営があり、これに加えて近年はROICを軸とした資本効率の向上と成長の両立を重視した経営へ転換しております。本経営戦略の実現に向けて「成長事業」「キャッシュ・カウ事業」「新規事業」といった事業ポートフォリオを明確化し、それぞれの特性に応じて資源配分およびキャッシュフロー管理を行っております。このような考えのもと、人的資本戦略は経営戦略と一体で設計し、その実行力を中長期的に支える基盤として位置付けております。
ロ 人的資本戦略の基本方針
当社グループは、以下の4つを人的資本戦略の柱として施策を推進しております。
(ⅰ)事業ポートフォリオに連動した人材ポートフォリオの構築
事業ポートフォリオに対応し、成長事業である「電力インフラ事業」や「半導体事業」、「通信(海外)事業」に必要な人材のスキル・人数を明確化し、現状との差分について教育・配置転換・採用等でギャップを解消してまいります。また、社内公募等による自律的キャリア形成の促進や、海外トレーニー制度の導入、グローバル対応人材の採用を通じて、事業成長を支える人材基盤の強化を図っております。
(ⅱ)事業戦略に適合したリーダー人材の育成
事業ポートフォリオ・ポジションに応じて求められるリーダー像が異なることを踏まえ、必要な資質を定義し、計画的に人材を育成しております。選抜研修による段階的育成や、経営人材候補の発掘・育成により、事業戦略を牽引するリーダー層を強化し、持続的成長を支える体制を構築しております。
(ⅲ)ものづくりの高度化を支える現場力の強化
当社グループの競争力の源泉であるものづくりやサービスを支える現場人材について、採用・育成・定着を重要課題と位置付けております。主な取り組みとして、2022年に設立した「モノづくり人財開発センター」による技能教育の高度化や、「施工人財開発センター」における工事部門の人材の育成、さらに現場人材の定着に向けて勤務制度や報酬体系を見直し、現場力の強化と事業拡大の基盤構築を図っております。
(ⅳ)AI・IoTを活用した業務変革人材の育成
デジタル技術を活用した業務改革を競争力の中核と位置付け、DX人材の育成を推進しております。2021年に「デジタルイノベーション推進室」を設立し、業務改革に役立つデジタル技術の普及と業務改革人材の育成を行うとともに、製造現場への浸透のために、2024年に「2035ファクトリーPJ」を立ち上げ、工場の自動化・省力化を推進しております。
ハ グループ人事基盤の強化
当社グループの中期経営計画において、人的資本戦略の実効性を高めるため、グループ人事基盤の強化を重要施策と位置付けております。具体的には、2026年1月からグループ人事制度統合に向けたプロジェクトを開始し、2028年4月に向けて主要グループ会社の人事制度を統合することを計画しております。グループのガバナンスを強化し、グループ内における人材の流動化を実現することで、グループ人材の最大活用による全員戦力化を狙っております。
②人的資本戦略を実行するための人事戦略
前述の人的資本戦略の基本方針のもと、2026年4月に人事担当役員を委員長とする「人事戦略委員会」を設置し、社長をはじめ経営戦略・事業戦略担当役員が参画し、人的資本に関する重要テーマを経営レベルで定期的に協議する体制づくりを行いました。また、実務レベルではワーキンググループを設置し、事業ポートフォリオと人材ポートフォリオの連動を図りながら、必要人材の確保・育成や適材配置を進めるための実行力を高めております。
イ グローバル人材の確保
中期経営計画で掲げるグローバル事業の強化や海外市場の開拓を進めるため、海外業務経験の豊富な即戦力人材の採用を拡充しております。これにあたり特定スキルを持つ即戦力人材、高度専門人材などのジョブ型雇用制度の整備を行いました。また、将来的に海外展開を担う人材の育成に向けて、2026年1月から「海外トレーニー制度」を再開いたしました。若手社員をグローバル人材として計画的に育成して海外事業展開に資するとともに、自律的キャリア形成の促進もねらいとしております。
ロ 人材育成・能力開発
国内および海外グループ会社を含めた全社的な価値創造・KAIZEN活動である「VQ(Value Quest)活動」を通じて社員の主体性・挑戦意欲を引き出し、挑戦する風土の醸成を図っております。また、人材育成については中期経営計画「Transformation for Growth SWCC 2030」に資する教育体系を整備し、自律的に課題解決する「強い個」を育成し、キャリア自立を促進しております。
ハ 自律的学習による専門性の深化
教育投資を拡充し、社員一人当たりの年間学習時間を増加させることで専門性やスキルの強化を促し、人的資本の質の向上を図っております。2025年度の社員一人当たりの年間研修時間は、自律型学習時間の区分を設けることで2024年度の平均23時間から47時間へと増加し、前倒しで目標を達成することができました。2026年度には年間40時間(会社主催25時間、自律的学習15時間)以上の学習時間確保を引き続き目標として設定しながら、研修や学習の質の向上を図ってまいります。また、組織として部門単位の学習活動を管理項目に追加することで運用体制を強化しております。
ニ 製造現場の変革と生産性向上
労働人口の減少という構造変化に対応するため、省人化・自動化によりシニア・女性社員など多様な人材も活躍できる製造現場への変革を進めております。現場の隅々まで全員がデジタル端末を業務活用できる環境整備や、DX活用による業務効率化を推進し、生産性の向上を実現することを目指しております。このため、DX化を推進する現場の監督者向け教育を拡充するとともに、モノづくり人財開発センターによるSPS共育キャラバンにて全拠点を回り、技能職教育の強化を図っております。
ホ 多様な人材活用の推進(DE&I)
当社グループではダイバーシティをイノベーション創出の源泉と考え、DE&Iを推進しております。多様な価値観・経験を組織運営に反映させることで、事業環境の変化に柔軟に対応し、持続的成長の基盤を構築しております。2021年度に発足したダイバーシティ推進プロジェクト(旧女性活躍推進プロジェクト)を2026年4月から正式組織とし、グループ会社メンバーも増やして体制を強化いたしました。近年は男性の育児休業取得促進やアンコンシャス・バイアスの理解浸透に注力しており、多様性を尊重する組織文化の浸透を図っております。
ヘ エンゲージメント向上の取り組み
人的資本戦略の実行力を高める基盤としてエンゲージメント向上を最重要課題として捉え、役員報酬の評価項目に加えております。従前は社員満足度向上に重点を置いた調査を実施しておりましたが、企業価値向上につなげるために会社への貢献意欲を測定することの重要性を認識し、2024年度に調査会社を変更いたしました。2025年度は前年度結果との比較分析を行い、特に「SWCCパーパスの共有・浸透」、「変革や挑戦をおそれないマインドセットへの転換」を重点課題として設定いたしました。これにより経営と現場の対話を強化するとともに、グループ横断施策として「施設環境の改善」「職場ごとの個別課題の改善」に取り組みました。エンゲージメントについては経営戦略との連動を重視し、詳細な定量データを活用して継続的に改善施策を実施し、企業価値の向上につなげております。
ト 健康経営の推進
健康経営を経営戦略の一環と位置付け、2023年4月にSWCCグループ「健康経営宣言」を策定し、社員の心身の健康保持増進を通じた生産性向上に取り組んでおります。グループ各社・各拠点および健康保険組合と連携し、衛生分科会による継続的な推進・フォローを実施しております。2025年度の主な取り組みは以下のとおりです。
・健康教育や保健師・産業医による支援の実施
・敷地内全面禁煙化や禁煙外来補助による受動喫煙防止
・安全性や快適性向上を目的とした事業所ユニフォームの刷新
①人的資本戦略に関する基本方針等
イ 基本的な考え方(経営戦略との関係)
当社グループは、エネルギー・インフラおよび通信・コンポーネンツを中核事業としつつ、新規事業の展開を進めることで、社会課題の解決と企業価値向上を両立するポートフォリオ経営を推進しております。その基盤には、長年培ってきた技術力、ものづくりの精神と現場力、堅実な財務運営があり、これに加えて近年はROICを軸とした資本効率の向上と成長の両立を重視した経営へ転換しております。本経営戦略の実現に向けて「成長事業」「キャッシュ・カウ事業」「新規事業」といった事業ポートフォリオを明確化し、それぞれの特性に応じて資源配分およびキャッシュフロー管理を行っております。このような考えのもと、人的資本戦略は経営戦略と一体で設計し、その実行力を中長期的に支える基盤として位置付けております。
ロ 人的資本戦略の基本方針
当社グループは、以下の4つを人的資本戦略の柱として施策を推進しております。
(ⅰ)事業ポートフォリオに連動した人材ポートフォリオの構築
事業ポートフォリオに対応し、成長事業である「電力インフラ事業」や「半導体事業」、「通信(海外)事業」に必要な人材のスキル・人数を明確化し、現状との差分について教育・配置転換・採用等でギャップを解消してまいります。また、社内公募等による自律的キャリア形成の促進や、海外トレーニー制度の導入、グローバル対応人材の採用を通じて、事業成長を支える人材基盤の強化を図っております。
(ⅱ)事業戦略に適合したリーダー人材の育成
事業ポートフォリオ・ポジションに応じて求められるリーダー像が異なることを踏まえ、必要な資質を定義し、計画的に人材を育成しております。選抜研修による段階的育成や、経営人材候補の発掘・育成により、事業戦略を牽引するリーダー層を強化し、持続的成長を支える体制を構築しております。
(ⅲ)ものづくりの高度化を支える現場力の強化
当社グループの競争力の源泉であるものづくりやサービスを支える現場人材について、採用・育成・定着を重要課題と位置付けております。主な取り組みとして、2022年に設立した「モノづくり人財開発センター」による技能教育の高度化や、「施工人財開発センター」における工事部門の人材の育成、さらに現場人材の定着に向けて勤務制度や報酬体系を見直し、現場力の強化と事業拡大の基盤構築を図っております。
(ⅳ)AI・IoTを活用した業務変革人材の育成
デジタル技術を活用した業務改革を競争力の中核と位置付け、DX人材の育成を推進しております。2021年に「デジタルイノベーション推進室」を設立し、業務改革に役立つデジタル技術の普及と業務改革人材の育成を行うとともに、製造現場への浸透のために、2024年に「2035ファクトリーPJ」を立ち上げ、工場の自動化・省力化を推進しております。
ハ グループ人事基盤の強化
当社グループの中期経営計画において、人的資本戦略の実効性を高めるため、グループ人事基盤の強化を重要施策と位置付けております。具体的には、2026年1月からグループ人事制度統合に向けたプロジェクトを開始し、2028年4月に向けて主要グループ会社の人事制度を統合することを計画しております。グループのガバナンスを強化し、グループ内における人材の流動化を実現することで、グループ人材の最大活用による全員戦力化を狙っております。
②人的資本戦略を実行するための人事戦略
前述の人的資本戦略の基本方針のもと、2026年4月に人事担当役員を委員長とする「人事戦略委員会」を設置し、社長をはじめ経営戦略・事業戦略担当役員が参画し、人的資本に関する重要テーマを経営レベルで定期的に協議する体制づくりを行いました。また、実務レベルではワーキンググループを設置し、事業ポートフォリオと人材ポートフォリオの連動を図りながら、必要人材の確保・育成や適材配置を進めるための実行力を高めております。
イ グローバル人材の確保
中期経営計画で掲げるグローバル事業の強化や海外市場の開拓を進めるため、海外業務経験の豊富な即戦力人材の採用を拡充しております。これにあたり特定スキルを持つ即戦力人材、高度専門人材などのジョブ型雇用制度の整備を行いました。また、将来的に海外展開を担う人材の育成に向けて、2026年1月から「海外トレーニー制度」を再開いたしました。若手社員をグローバル人材として計画的に育成して海外事業展開に資するとともに、自律的キャリア形成の促進もねらいとしております。
ロ 人材育成・能力開発
国内および海外グループ会社を含めた全社的な価値創造・KAIZEN活動である「VQ(Value Quest)活動」を通じて社員の主体性・挑戦意欲を引き出し、挑戦する風土の醸成を図っております。また、人材育成については中期経営計画「Transformation for Growth SWCC 2030」に資する教育体系を整備し、自律的に課題解決する「強い個」を育成し、キャリア自立を促進しております。
| カテゴリ | テーマ | 施策 |
| 育成 | 外部からの刺激を受け、挑戦するためのマインドセットの実施 | ・サクセッションプラン(選抜型研修) ・異業種交流研修 ・各種セミナー・階層別研修 |
| 場の提供 | 多様な人材のアイデアを実現する場の提供 | ・社長直轄プロジェクト ・SWCCグループ社内ベンチャー制度 ・VQ発表会(技術発表会・KAIZEN発表会) ・各種eラーニング等の提供 ・社員相互理解の促進(自己紹介サイト設置) |
| 時間 | 新たな価値創造に取り組む時間の確保 | ・シェアードサービス化の推進 ・SPS活動(改善・全体最適) ・どこでもワーク(テレワーク推進他) |
| 自律性 | キャリア自立の促進、新たな価値創造や事業継承に向けた活躍推進 | ・ジョブチャレンジ制度、社内公募制度の拡充 ・副業制度の導入、適用範囲の拡大 ・資格報奨金制度の対象拡大、支給拡充 ・拠点間コミュニケーション研修 ・シニア、エルダー社員活躍の処遇改善 |
ハ 自律的学習による専門性の深化
教育投資を拡充し、社員一人当たりの年間学習時間を増加させることで専門性やスキルの強化を促し、人的資本の質の向上を図っております。2025年度の社員一人当たりの年間研修時間は、自律型学習時間の区分を設けることで2024年度の平均23時間から47時間へと増加し、前倒しで目標を達成することができました。2026年度には年間40時間(会社主催25時間、自律的学習15時間)以上の学習時間確保を引き続き目標として設定しながら、研修や学習の質の向上を図ってまいります。また、組織として部門単位の学習活動を管理項目に追加することで運用体制を強化しております。
ニ 製造現場の変革と生産性向上
労働人口の減少という構造変化に対応するため、省人化・自動化によりシニア・女性社員など多様な人材も活躍できる製造現場への変革を進めております。現場の隅々まで全員がデジタル端末を業務活用できる環境整備や、DX活用による業務効率化を推進し、生産性の向上を実現することを目指しております。このため、DX化を推進する現場の監督者向け教育を拡充するとともに、モノづくり人財開発センターによるSPS共育キャラバンにて全拠点を回り、技能職教育の強化を図っております。
ホ 多様な人材活用の推進(DE&I)
当社グループではダイバーシティをイノベーション創出の源泉と考え、DE&Iを推進しております。多様な価値観・経験を組織運営に反映させることで、事業環境の変化に柔軟に対応し、持続的成長の基盤を構築しております。2021年度に発足したダイバーシティ推進プロジェクト(旧女性活躍推進プロジェクト)を2026年4月から正式組織とし、グループ会社メンバーも増やして体制を強化いたしました。近年は男性の育児休業取得促進やアンコンシャス・バイアスの理解浸透に注力しており、多様性を尊重する組織文化の浸透を図っております。
ヘ エンゲージメント向上の取り組み
人的資本戦略の実行力を高める基盤としてエンゲージメント向上を最重要課題として捉え、役員報酬の評価項目に加えております。従前は社員満足度向上に重点を置いた調査を実施しておりましたが、企業価値向上につなげるために会社への貢献意欲を測定することの重要性を認識し、2024年度に調査会社を変更いたしました。2025年度は前年度結果との比較分析を行い、特に「SWCCパーパスの共有・浸透」、「変革や挑戦をおそれないマインドセットへの転換」を重点課題として設定いたしました。これにより経営と現場の対話を強化するとともに、グループ横断施策として「施設環境の改善」「職場ごとの個別課題の改善」に取り組みました。エンゲージメントについては経営戦略との連動を重視し、詳細な定量データを活用して継続的に改善施策を実施し、企業価値の向上につなげております。
ト 健康経営の推進
健康経営を経営戦略の一環と位置付け、2023年4月にSWCCグループ「健康経営宣言」を策定し、社員の心身の健康保持増進を通じた生産性向上に取り組んでおります。グループ各社・各拠点および健康保険組合と連携し、衛生分科会による継続的な推進・フォローを実施しております。2025年度の主な取り組みは以下のとおりです。
・健康教育や保健師・産業医による支援の実施
・敷地内全面禁煙化や禁煙外来補助による受動喫煙防止
・安全性や快適性向上を目的とした事業所ユニフォームの刷新