有価証券報告書-第97期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
文中における将来に関する事項は、当期末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
タツタ電線グループは、グループの経営理念・企業行動規範に基づき、社会の持続的な発展がグループの持続的成長の大前提であるとの認識のもと、社会に役立つ製品・サービスを提供するとともに事業活動のあらゆる段階で環境負荷の低減を図ることにより、環境・社会・経済面の企業価値を高めてまいります。
この経営理念を実現すべく、当社グループは2017年から2025年までの9年間における当社の事業運営のあり方について、グループの有するコアコンピタンスや今後の社会の課題やニーズ、トレンドを踏まえ、コアビジネスである電線・ケーブル事業および電子材料事業の今後の目指すべき方向・ありたい姿(ビジネスモデル)を定めた長期事業戦略である「2025長期ビジョン」を策定いたしました。
また、当社は社会に役立つ製品・サービスを提供し事業拡大を目指すとともに、当社グループが事業活動を行う中で社会や環境に与える負荷を低減することを重要課題と認識しております。特に、地球環境の保護は世界的な課題であり当社グループも社会の一員として積極的な役割を果たしてまいりたいと考えております。このために、CO2排出量を2040年までに実質ゼロ化することを目標に掲げるとともに、省資源・省エネルギー、リサイクルなどにも精力的に取り組んでまいります。
当社グループは、これらの活動を通じてより良い社会の実現とその持続的な発展に貢献してまいります。
(2)中長期的な会社の経営戦略
長期ビジョンでは、既に当社が相当以上の競争力を有する事業の更なる強化に加え、社会的ニーズが今後高まると予想されたIoTやロボット、車載機器、医療機器向けなどのフロンティアに対して当社グループが集中して取り組み、事業の拡大と事業ポートフォリオを変革していくことを目指しており、これはSDGsにおいて取り組むべき課題や新型コロナウイルス感染症問題で顕在化した社会の課題への対応にも貢献できるものと考えております。
当社の有する各事業の成長段階・競争力等に応じ「利益追求事業」「成長追求事業」「中長期育成事業」の3つのグループに分けて事業展開を進めております。
9年間を第1期(2017~2019年度)、第2期(2020~2022年度)、第3期(2023~2025年度)に分けたロードマップは次のとおりです。
(3) 対処すべき課題
① 2025長期ビジョン第2期(2020-22年度)
2025長期ビジョン第1期にあたる2017年度から2019年度において、課題である事業基盤の整備については、利益追求事業では概ね計画どおりに進捗しましたが、中長期育成事業、成長追求事業では需要低迷の影響等により進捗に遅れが生じました。
2025長期ビジョン第2期では、初年度の2020年度は、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績の状況」に記載のとおり、米中対立問題の継続に加え新型コロナウイルス感染症問題が世界的に大きな影響を及ぼす中、機能性フィルム事業では携帯通信デバイス向け需要拡大とユーザーのBCP対応による在庫積み増しの一時的要因もあり2019年度を上回る販売量を確保したものの、インフラ電線事業においては景気後退による需要減少、ユーザーの投資抑制により収益は悪化しました。また、成長追求事業においては営業活動の停滞・ユーザーでの評価・認定作業の遅れ等により厳しい状況が続きました。
2021年度以降につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響はなお予断を許さないものの、ワクチンの普及等により景気は段階的に改善し2022年度中には2019年度レベルまで回復すると見込んでおります。こうした中、引き続き新型コロナウイルス感染拡大防止対策を徹底し、従業員・社会の安全を確保するとともにお客様への供給責任を果たしてまいります。そのうえで、5Gやカーボンニュートラルの進展に伴う事業機会を着実にとらえ、インフラ電線事業については2019年度レベルへの早期回復に努めるとともに需要回復が進みつつある機器用電線事業では販売量の回復をいち早く達成することに注力してまいります。機能性フィルム事業については引き続き高シェアと販売量を確保し5G等の顧客ニーズに沿った製品の開発・提供に注力してまいります。加えて成長追求事業については、戦略製品の上市と販売拡大に鋭意取り組んでまいります。
当社の提供する製品・サービスは、IoT、AI、5G通信の進展、医療の高度化等に伴い必要とされるものであり、需要は拡大するとの中長期的な見方に変更はありません。2021-22年度につきましては、次の基本方針等に基づき、長期ビジョン目標の達成に向けて全力を傾注してまいります。
② サスティナビリティ推進
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)会社の経営の基本方針」に記載しましたとおり、社会の持続的な発展が当社グループの持続的成長の大前提であるとの認識のもと、社会的課題やステイクホルダーの要請・期待などを勘案し、次のとおりマテリアリティ、具体的取組事項、KPIを設定しております。当社グループは、これらの活動を通じてより良い社会の実現とその持続的な発展に貢献してまいります。
③ DX推進
当社グループは、新型コロナウイルス感染症の拡大により社会の変化と事業活動への様々な影響とが生じるなか、デジタル・トランスフォーメーションを推進することで事業機会の拡大を図ることを方針として、(ⅰ)BCP体制の強化、(ⅱ)営業スタイルの革新 、(ⅲ)業務スタイルの革新 、(ⅳ)製造効率・品質の革新、(ⅴ)組織・人材の革新、の5つを重要テーマとして、失敗を恐れず変化を奨励し、迅速かつ積極的に対応を進めています。デジタル化の流れは今後も変わらずむしろ加速していくと考えており、築いてきたDXの基盤のもとこれからも環境整備と課題対応を進め、ビジネススタイル・ビジネスモデルの変革、そして新たな付加価値の創造へとつなげてまいります。
(1)会社の経営の基本方針
タツタ電線グループは、グループの経営理念・企業行動規範に基づき、社会の持続的な発展がグループの持続的成長の大前提であるとの認識のもと、社会に役立つ製品・サービスを提供するとともに事業活動のあらゆる段階で環境負荷の低減を図ることにより、環境・社会・経済面の企業価値を高めてまいります。
この経営理念を実現すべく、当社グループは2017年から2025年までの9年間における当社の事業運営のあり方について、グループの有するコアコンピタンスや今後の社会の課題やニーズ、トレンドを踏まえ、コアビジネスである電線・ケーブル事業および電子材料事業の今後の目指すべき方向・ありたい姿(ビジネスモデル)を定めた長期事業戦略である「2025長期ビジョン」を策定いたしました。
また、当社は社会に役立つ製品・サービスを提供し事業拡大を目指すとともに、当社グループが事業活動を行う中で社会や環境に与える負荷を低減することを重要課題と認識しております。特に、地球環境の保護は世界的な課題であり当社グループも社会の一員として積極的な役割を果たしてまいりたいと考えております。このために、CO2排出量を2040年までに実質ゼロ化することを目標に掲げるとともに、省資源・省エネルギー、リサイクルなどにも精力的に取り組んでまいります。
当社グループは、これらの活動を通じてより良い社会の実現とその持続的な発展に貢献してまいります。
| 経営理念 |
| タツタ電線グループは、 ①電線・ケーブル事業及び電子材料事業をコア事業とし、次代を担う事業の開発にも継続的かつ積極的に取り組み、活力・スピード感に溢れ、公正かつ透明性の高い連結経営を推進することにより持続的に成長し、中長期的な企業価値を向上させるとともに、 ②地球環境問題に配慮しつつ、顧客ニーズにマッチした特長ある製品・サービスを提供することにより、持続的な社会の発展に貢献する。 |
| 企業行動規範 |
| タツタ電線グループは、 1 創意工夫を凝らし、不屈の精神をもって社会・顧客の求める技術・製品を開発し、有用で安全な優れた製品・サービスを提供します。 2 地球環境の保全が人類共通の最重要課題の一つであり、経営の基本であることを認識し、事業活動のあらゆる面において環境と人との調和を目指します。 3 従業員の人格・個性を尊重し、安全で働きやすい多様性に富んだ職場環境を確保します。4 株主、取引先、地域社会等の社外における関係者との間で、健全で良好な関係を築きます。5 国内外の法令及び社内規程を遵守し、社会規範や倫理に則って公正な企業活動を行います。6 企業活動に関する情報を適切かつ公正に開示して、経営の透明性を高めます。 |
(2)中長期的な会社の経営戦略
長期ビジョンでは、既に当社が相当以上の競争力を有する事業の更なる強化に加え、社会的ニーズが今後高まると予想されたIoTやロボット、車載機器、医療機器向けなどのフロンティアに対して当社グループが集中して取り組み、事業の拡大と事業ポートフォリオを変革していくことを目指しており、これはSDGsにおいて取り組むべき課題や新型コロナウイルス感染症問題で顕在化した社会の課題への対応にも貢献できるものと考えております。
| [2025長期ビジョン] 2025年度には、売上高1,000億円・営業利益100億円を達成することを目標とし、電線・電子材料関連のフロンティアを開拓して、独創的な先端部品・素材を供給するニッチトップのサプライヤーとなることを目指します。 そのために、特に市場の拡大が期待される機能性ペースト分野および医療機器部材分野においては積極的に投資を実行して成長を追求し、その他の既存事業分野においては効率化投資の推進、高機能製品へのシフト等により回収利益の最大化を追求することを基本とします。 |
当社の有する各事業の成長段階・競争力等に応じ「利益追求事業」「成長追求事業」「中長期育成事業」の3つのグループに分けて事業展開を進めております。
| 利益追求 事業 | [電線・ケーブル事業] 通信電線事業 機器用電線事業(国内) [電子材料事業] 機能性フィルム事業 ファインワイヤ事業 [その他事業] センサー事業 環境分析事業 | 効率化投資・製品改良投資の推進、高機能製品へのシフト等により、回収利益の最大化を追求する。 |
| 成長追求 事業 | [電子材料事業] 機能性ペースト事業 [その他事業] 医療機器部材事業 | 積極的に開発投資、増産投資等を実行して、規模の拡大、利益の拡大を追求する。 |
| 中長期育成 事業 | [電線・ケーブル事業] 機器用電線事業(海外) | 当面事業基盤整備に注力し、基盤整備の確認後、増産投資を実行して、将来的に規模の拡大、利益の拡大を追求する。 |
9年間を第1期(2017~2019年度)、第2期(2020~2022年度)、第3期(2023~2025年度)に分けたロードマップは次のとおりです。
| 期間 | 主要課題 | 目標営業利益 |
| 第1期 (2017~2019) | 基盤整備期間 利益追求事業: 効率改善・コスト削減 成長追求事業: 試作販売開始 中長期育成事業:拡販(競争力構築) | 19年度 50億円 |
| 第2期 (2020~2022) | 新製品量産化期間 利益追求事業: 効率改善・コスト削減 成長追求事業: 量産販売開始 中長期育成事業:増産体制整備 | 22年度 70億円 |
| 第3期 (2023~2025) | 新製品増産・収益貢献期間 利益追求事業: 効率改善・コスト削減 成長追求事業: 増産・拡販 中長期育成事業:増産・拡販 | 25年度 100億円 |
(3) 対処すべき課題
① 2025長期ビジョン第2期(2020-22年度)
2025長期ビジョン第1期にあたる2017年度から2019年度において、課題である事業基盤の整備については、利益追求事業では概ね計画どおりに進捗しましたが、中長期育成事業、成長追求事業では需要低迷の影響等により進捗に遅れが生じました。
2025長期ビジョン第2期では、初年度の2020年度は、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績の状況」に記載のとおり、米中対立問題の継続に加え新型コロナウイルス感染症問題が世界的に大きな影響を及ぼす中、機能性フィルム事業では携帯通信デバイス向け需要拡大とユーザーのBCP対応による在庫積み増しの一時的要因もあり2019年度を上回る販売量を確保したものの、インフラ電線事業においては景気後退による需要減少、ユーザーの投資抑制により収益は悪化しました。また、成長追求事業においては営業活動の停滞・ユーザーでの評価・認定作業の遅れ等により厳しい状況が続きました。
2021年度以降につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響はなお予断を許さないものの、ワクチンの普及等により景気は段階的に改善し2022年度中には2019年度レベルまで回復すると見込んでおります。こうした中、引き続き新型コロナウイルス感染拡大防止対策を徹底し、従業員・社会の安全を確保するとともにお客様への供給責任を果たしてまいります。そのうえで、5Gやカーボンニュートラルの進展に伴う事業機会を着実にとらえ、インフラ電線事業については2019年度レベルへの早期回復に努めるとともに需要回復が進みつつある機器用電線事業では販売量の回復をいち早く達成することに注力してまいります。機能性フィルム事業については引き続き高シェアと販売量を確保し5G等の顧客ニーズに沿った製品の開発・提供に注力してまいります。加えて成長追求事業については、戦略製品の上市と販売拡大に鋭意取り組んでまいります。
当社の提供する製品・サービスは、IoT、AI、5G通信の進展、医療の高度化等に伴い必要とされるものであり、需要は拡大するとの中長期的な見方に変更はありません。2021-22年度につきましては、次の基本方針等に基づき、長期ビジョン目標の達成に向けて全力を傾注してまいります。
| 2021-22年度の基本方針 | |
| 共通 | 1)新型コロナウイルス感染拡大防止対策を徹底し従業員・社会の安全を確保するとともにお客様への供給責任を果たす。 2)DX化により業務・生産性の革新、ビジネスモデルの変革を推進する。 3)5G、カーボンニュートラル等の社会の変化・課題を事業機会につなげる。 4)スタートアップとの協業、M&A等による事業拡大を推進する。 |
| 利益追求事業 | 既存シェアの維持拡大、品種構成の改善、生産効率アップ、周辺分野への事業展開とそのための営業力強化 等 |
| 成長追求事業 | 新製品の開発・上市、スタートアップ等外部との協業推進 等 |
| 中長期育成事業 | 販売量拡大、営業体制整備、コスト競争力強化 等 |
| 2021-22年度の課題 | |
| 電線・ケーブル 事業 | ◆通信電線事業<利益追求事業>高マージン製品の増販、コスト競争力強化 ◆機器用電線事業(国内) <利益追求事業>顧客ニーズに沿った製品・サービスの提供、成長期待市場への展開 ◆機器用電線事業(海外)<中長期育成事業>販売チャネルの多層化、製品の対象市場の拡大、生産基盤拡充 |
| 電子材料 事業 | ◆機能性フィルム事業<利益追求事業>シェア維持、高機能製品の開発・投入、効率生産体制追求、周辺の新分野への展開 ◆ファインワイヤ事業<利益追求事業>メモリ向け銀線、車載向け銅線の拡販 ◆機能性ペースト事業<成長追求事業>第1期開発製品群の早期量産・量販化、新製品の開発推進 |
| その他 事業 | ◆センサー事業<利益追求事業>顧客との連携深化による顧客ニーズに沿った製品・サービスの提供、国内外新規顧客開拓 ◆環境分析事業<利益追求事業>分析サービス拡充、コスト競争力強化 ◆医療機器部材事業<成長追求事業>新規製品群の早期量産・量販化 |
② サスティナビリティ推進
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)会社の経営の基本方針」に記載しましたとおり、社会の持続的な発展が当社グループの持続的成長の大前提であるとの認識のもと、社会的課題やステイクホルダーの要請・期待などを勘案し、次のとおりマテリアリティ、具体的取組事項、KPIを設定しております。当社グループは、これらの活動を通じてより良い社会の実現とその持続的な発展に貢献してまいります。
| マテリアリティ | KPI | |
| 環境 | ◆地球環境保全(気候変動対応を含む) への貢献 | ・環境配慮型製品・サービスの開発 ・省資源・省エネルギー投資の促進 ・CO2排出量 2040年ネットゼロ 等 |
| 社会 | ◆社会に役立つ先端的かつ高品質な製品・サービスの提供 ◆安全で働きがいのある職場の実現 ◆人権の尊重 ◆地域社会との共存共栄 | ・社会課題の解決に貢献する製品・サービスの開発 ・重大災害ゼロ、休業災害ゼロ ・障がい者雇用率の維持・向上 2.3%以上 ・女性従業員の採用割合25%以上 ・女性管理職比率 2025年度末 10%以上 ・地域コミュニティとの対話の継続 等 |
| ガバナンス | ◆コーポレートガバナンスの徹底 | ・全社的マネジメントシステムの着実な運用 ・コンプライアンス研修受講推進 等 |
③ DX推進
当社グループは、新型コロナウイルス感染症の拡大により社会の変化と事業活動への様々な影響とが生じるなか、デジタル・トランスフォーメーションを推進することで事業機会の拡大を図ることを方針として、(ⅰ)BCP体制の強化、(ⅱ)営業スタイルの革新 、(ⅲ)業務スタイルの革新 、(ⅳ)製造効率・品質の革新、(ⅴ)組織・人材の革新、の5つを重要テーマとして、失敗を恐れず変化を奨励し、迅速かつ積極的に対応を進めています。デジタル化の流れは今後も変わらずむしろ加速していくと考えており、築いてきたDXの基盤のもとこれからも環境整備と課題対応を進め、ビジネススタイル・ビジネスモデルの変革、そして新たな付加価値の創造へとつなげてまいります。