有価証券報告書-第72期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/28 9:21
【資料】
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【項目】
114項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の各種経済政策の効果もあって、雇用、所得環境の改善が続き、緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、世界経済は、中国に景気の持ち直しの傾向があるものの、米国新政権の政策変更の影響、英国のEU離脱問題、欧州の地政学リスクなどを要因とし、依然として不透明な状況が続いております。
当社グループに関連する経営環境につきましては、設備投資は持ち直しの動きがみられ、公共投資は底堅い動きとなっております。一方、新設住宅着工件数は、マイナス金利導入後の住宅ローン金利低下を受けて上期は急回復しましたが、下期においては持家および分譲住宅は横ばいとなりました。
このような状況のなか、当社グループの売上高は、主原材料である銅の価格が前年同期比で12%程下落したことによる売価の下落、大口案件の減少、子会社であるMITSUBOSHI THAI CO.,LTD.の解散等により前連結会計年度を下回りました。
営業利益につきましては、原材料価格の低下および購入方法の多様化、新規取引先の開拓、生産性向上による原価低減、販管費の低減等により全セグメントで黒字となり、前連結会計年度を上回りました。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、上期において大きく発生していた為替差損も10月以降の円安傾向で減少し、日銀の金利政策等により支払利息も減少したこと等により前連結会計年度を上回りました。
その結果、当連結会計年度における売上高は8,762百万円(前年同期比7.1%減)、営業利益は505百万円(前年同期比99.4%増)、経常利益は483百万円(前年同期比120.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は358百万円(前年同期比206.4%増)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
[電線]
電線事業につきましては、当事業の主要な市場である建設・電販向けの売上は、公共事業・設備投資の持ち直しがみられるものの、銅価格が前連結会計年度よりも大幅にダウンしている影響で前年同期比減少基調で推移し、売上高は5,741百万円(前年同期比9.3%減)と減少しました。
利益面につきましては、コスト削減の取り組みによる原価低減と海外子会社からの輸入製品での円高による為替の影響をうけてセグメント利益は348百万円(前年同期比38.6%増)と大幅な増加となりました。
[ポリマテック]
ポリマテック事業につきましては、当事業に関係の深い新設住宅着工件数が増加しているなか、既存顧客先への拡販および新規得意先開拓に注力しましたが、子会社であるMITSUBOSHI THAI CO.,LTD.の解散の影響から全体の売上高は2,405百万円(前年同期比1.0%減)となりました。
利益面につきましては、生産性の改善や材料ロスの低減・コスト削減に取り組んだ結果、セグメント利益は105百万円(前年同期比314.7%増)と大幅な増加となりました。
[電熱線]
電熱線事業につきましては、新興国経済の減速の影響を受け、当事業の主要な市場である白物家電機器向けヒーター用途および海外向け受注が減少しました。白物家電用途以外の分野および海外市場での新規開拓にも注力いたしましたが、ニッケル価格変動に起因する販売価格の下落の影響等もあり売上高は615百万円(前年同期比8.6%減)となりました。
利益面につきましては、効率性を追求した生産体制への移行による固定費の削減に取り組んだ結果、セグメント利益は51百万円(前年同期セグメント損失23百万円)と黒字に転換いたしました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、税金等調整前当期純利益489百万円を計上しましたが、たな卸資産の減少、仕入債務の増加、売上債権の増加、長期・短期借入金の返済による支出等による減少を総合し、当連結会計年度末には1,362百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローでは、766百万円の獲得(前連結会計年度は442百万円の獲得)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益489百万円(前連結会計年度は税金等調整前当期純利益95百万円)やたな卸資産の減少135百万円(前連結会計年度は396百万円の減少)、減価償却費139百万円(前連結会計年度は145百万円)と、売上債権の増加85百万円(前連結会計年度は22百万円の減少)があったことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローでは、51百万円の使用(前連結会計年度は128百万円の使用)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出64百万円(前連結会計年度は173百万円の支出)によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローでは800百万円の使用(前連結会計年度は84百万円の使用)となりました。これは、主に長期借入金の純減額675百万円(前連結会計年度は純増額234百万円)と短期借入金の純減額60百万円(前連結会計年度は純減額261百万円)によるものであります。