有価証券報告書-第162期(2025/04/01-2026/03/31)
③戦略
(リスクと機会)
当社グループは、創業以来受け継がれてきた「匠の技」を有する技術者に依存しており、これらの技術者を確保・育成することは、経営戦略の達成に向けて不可欠な要素となっております。業界では少子高齢化の進行に伴う人手不足が深刻化しており、熟練技術者の退職や若手人材の不足が進行することで、担い手不足や技能伝承の停滞が生じるリスクがあります。これらは、橋梁の保全事業、システム建築事業、エンジニアリング事業のうち土木関連事業における品質確保、工期遵守、受注余力等に直接的な影響を及ぼす可能性があります。
また、デジタル化を推進する上で必要となるデジタル人材が不足すると生産性向上や省人化の取り組みが計画通り進まず、結果として事業効率の低下や競争力の毀損につながるおそれがあります。さらに、働き方の多様化が進む中で離職率が上昇した場合、技術力の蓄積や組織の維持に悪影響が生じるリスクがあります。
このような状況において、女性の活躍推進や外国人材の受け入れ体制が十分に整備されていない場合、多様な人材の確保・参入が進まず、人材確保の選択肢が限定されてしまいます。また、従業員のエンゲージメントが低下すると確保した人材が定着せず、担い手不足や技術伝承の停滞といったリスクがさらに増大する可能性があります。
一方で、これらのリスクに対して適切な人材確保・定着を実現することは、当社グループで受け継がれてきた「匠の技」を伝承し、品質・安全性・生産性等の向上や新たな領域への挑戦を可能とするものであり、事業の成長に大きな機会をもたらします。橋梁の保全事業、システム建築事業、エンジニアリング事業のうち土木関連事業では、インフラ老朽化対応、物流施設需要の拡大、地下河川構造物・洋上風力発電設備などの新領域の拡大と言った社会的要請が高まる中、当社グループが培ってきた専門技術と現場力を、適切な人材確保・人材育成を通じて継承することは、これらの市場機会を捉えるための重要な基盤となります。
また、当社が推進するデジタル化は、技術者の生産性向上や効率化を通じて、人的資本の価値を一層高める機会となっています。橋梁保全事業では、ICT計測・スマートコミュニケーション活用等により、少人数でも短時間で高品質な施工管理が可能となり、受注余力の拡大や品質向上につながります。システム建築事業では、設計から施工までを一貫して管理するデジタルプラットフォームの活用による短納期の実現や顧客情報システム活用による戦略営業強化を促進します。エンジニアリング事業の土木領域においても、高度解析技術やデジタル制作技術の活用により、地下構造物や土木鋼構造物への対応力が強化され、新規市場への参入機会が拡大します。
さらに、グループ全体のデジタル化を推進することは、技術力の向上を図るだけでなく、そこで生まれた技術・サービスを新たなデジタルビジネスへ展開する機会にもつながります。
また、離職率の上昇や人材確保の難易度が高まる中で従業員エンゲージメントを高め、多様な人材が活躍できる環境を整備することは、女性の活躍推進や外国人材の受け入れ態勢強化を通じて、担い手の裾野を広げるだけでなく、多様な視点や技術を取り込むことでイノベ―ジョン向上にも寄与する重要な機会となります。これにより、人的資本の質・量の両面での強化が進み、持続的な事業成長に向けた競争力の向上が期待されます。
(人材戦略)
当社では、目指すべき姿の実現に向けて、「人材育成方針」および「社内環境整備方針」を制定し、それぞれの取り組みをモニタリングしながら着実な実行を推進してまいります。
<人材育成方針>当社は、サステナビリティの基本方針として「良質な製品をつくり、守り、次世代につなぐことで社会の発展に貢献すること」を掲げており、企業運営において最も大切なのは「人」と位置づけております。そのうえで、会社の持続的な成長と企業価値の向上を実現させるには、多様かつ高度化するニーズに対応できる幅広い経験とスキルを蓄積した人材の育成が極めて重要と考えています。そこで、高い専門性を身につけるため、多様な従業員一人ひとりが継続的に成長できるように中長期的な観点で育成することを人材育成の方針としております。
<社内環境整備方針>当社のように「モノづくり」を展開する会社においては、働く人の安全・安心の確保は持続的な企業活動において重要な課題です。また、高い安全意識の積み重ねにより心理的・身体的な安心感が醸成され、部門を越えて協力しやすい企業風土をつくることも重要です。そうした風土が品質の高い建造物の建設につながり、社会に対して安全・安心を届けることにも波及すると考えています。そのため、働く人の安全と心身の健康を守り、人権を尊重し、差別のない健全な職場環境を確保することを社内環境整備の方針としております。
経営戦略と連動した人員配置を実現するため、人材流動化を促進し、適材適所の配置と良質な人材確保を目指しております。その取り組みとして、若手技術者の早期育成を目的とした体系的な研修やスキル向上のための資格取得支援、タレントマネジメントシステムを活用したスキルや経験の可視化、計画的なローテーション制度等を導入し、幅広い視野と総合的な技術力を備えた人材の育成を図ると共に、退職者が再び活躍できるジョブリターン制度の整備、年齢構成のフラット化と高齢者の活用を進めることで、熟練技術者の知見を組織に蓄積しつつ、技術伝承の強化を図っております。また、熟練技術者の退職や若手人材の不足が進行することによる人手不足によって生じる、担い手不足や技能伝承の停滞リスクに対応する取り組みとして、デジタル技術を活用した省人化・効率化を促進しております。デジタル化を担う人材の確保・育成を強化するため、社員へのアセスメントおよびeラーニングによるITリテラシー教育を行い、アセスメント結果に基づき素養を備えた人材への専門教育や、各事業におけるデジタルリーダーの選抜・育成を行っております。
事業別の人材戦略として、橋梁事業では、老朽化インフラの保全需要の高まりに対応するため、保全分野に強みを持つ技術者の育成を進めるとともに、異工種に対応できる多能工的技術者の育成を強化しております。
システム建築事業では、顧客課題を的確に把握し価値提案を行う提案型人材の育成を進めるとともに、マーケティング~営業~設計~生産~現場~アフターサービスまで一貫した、顧客データを中心としたデジタル管理体制構築を担う人材の育成を進めております。
エンジニアリング事業では、地下河川構造物・洋上風力発電設備などの新規分野への対応力を高めるため、専門技術者の育成・確保を進めています。
また、多様な人材が活躍できる環境整備も重要な柱と位置付けております。女性技術者の活躍推進や外国人材の受け入れ態勢の整備を進めることで、担い手の裾野を広げるとともに、多様な視点や技術を取り込み、従業員のエンゲージメントを高めることで組織のイノベーション力向上につなげていきます。
さらに、高い安全意識の積み重ねにより心理的・身体的な安心感を醸成し、より一層、部門を越えて協力しやすい企業風土を形成するために、継続的な安全面での改善活動や各種ハラスメント研修の実施、長時間労働の是正、ワークライフバランス施策の充実を図り、エンゲージメントレーティングの向上につなげていきます。
当社グループは、「匠の技」とデジタル化、多様な人材の活躍を組み合わせた人材戦略を推進し、良質で安全な社会インフラの整備等を通じて社会に貢献して参ります。
(リスクと機会)
当社グループは、創業以来受け継がれてきた「匠の技」を有する技術者に依存しており、これらの技術者を確保・育成することは、経営戦略の達成に向けて不可欠な要素となっております。業界では少子高齢化の進行に伴う人手不足が深刻化しており、熟練技術者の退職や若手人材の不足が進行することで、担い手不足や技能伝承の停滞が生じるリスクがあります。これらは、橋梁の保全事業、システム建築事業、エンジニアリング事業のうち土木関連事業における品質確保、工期遵守、受注余力等に直接的な影響を及ぼす可能性があります。
また、デジタル化を推進する上で必要となるデジタル人材が不足すると生産性向上や省人化の取り組みが計画通り進まず、結果として事業効率の低下や競争力の毀損につながるおそれがあります。さらに、働き方の多様化が進む中で離職率が上昇した場合、技術力の蓄積や組織の維持に悪影響が生じるリスクがあります。
このような状況において、女性の活躍推進や外国人材の受け入れ体制が十分に整備されていない場合、多様な人材の確保・参入が進まず、人材確保の選択肢が限定されてしまいます。また、従業員のエンゲージメントが低下すると確保した人材が定着せず、担い手不足や技術伝承の停滞といったリスクがさらに増大する可能性があります。
一方で、これらのリスクに対して適切な人材確保・定着を実現することは、当社グループで受け継がれてきた「匠の技」を伝承し、品質・安全性・生産性等の向上や新たな領域への挑戦を可能とするものであり、事業の成長に大きな機会をもたらします。橋梁の保全事業、システム建築事業、エンジニアリング事業のうち土木関連事業では、インフラ老朽化対応、物流施設需要の拡大、地下河川構造物・洋上風力発電設備などの新領域の拡大と言った社会的要請が高まる中、当社グループが培ってきた専門技術と現場力を、適切な人材確保・人材育成を通じて継承することは、これらの市場機会を捉えるための重要な基盤となります。
また、当社が推進するデジタル化は、技術者の生産性向上や効率化を通じて、人的資本の価値を一層高める機会となっています。橋梁保全事業では、ICT計測・スマートコミュニケーション活用等により、少人数でも短時間で高品質な施工管理が可能となり、受注余力の拡大や品質向上につながります。システム建築事業では、設計から施工までを一貫して管理するデジタルプラットフォームの活用による短納期の実現や顧客情報システム活用による戦略営業強化を促進します。エンジニアリング事業の土木領域においても、高度解析技術やデジタル制作技術の活用により、地下構造物や土木鋼構造物への対応力が強化され、新規市場への参入機会が拡大します。
さらに、グループ全体のデジタル化を推進することは、技術力の向上を図るだけでなく、そこで生まれた技術・サービスを新たなデジタルビジネスへ展開する機会にもつながります。
また、離職率の上昇や人材確保の難易度が高まる中で従業員エンゲージメントを高め、多様な人材が活躍できる環境を整備することは、女性の活躍推進や外国人材の受け入れ態勢強化を通じて、担い手の裾野を広げるだけでなく、多様な視点や技術を取り込むことでイノベ―ジョン向上にも寄与する重要な機会となります。これにより、人的資本の質・量の両面での強化が進み、持続的な事業成長に向けた競争力の向上が期待されます。
(人材戦略)
当社では、目指すべき姿の実現に向けて、「人材育成方針」および「社内環境整備方針」を制定し、それぞれの取り組みをモニタリングしながら着実な実行を推進してまいります。
<人材育成方針>当社は、サステナビリティの基本方針として「良質な製品をつくり、守り、次世代につなぐことで社会の発展に貢献すること」を掲げており、企業運営において最も大切なのは「人」と位置づけております。そのうえで、会社の持続的な成長と企業価値の向上を実現させるには、多様かつ高度化するニーズに対応できる幅広い経験とスキルを蓄積した人材の育成が極めて重要と考えています。そこで、高い専門性を身につけるため、多様な従業員一人ひとりが継続的に成長できるように中長期的な観点で育成することを人材育成の方針としております。
<社内環境整備方針>当社のように「モノづくり」を展開する会社においては、働く人の安全・安心の確保は持続的な企業活動において重要な課題です。また、高い安全意識の積み重ねにより心理的・身体的な安心感が醸成され、部門を越えて協力しやすい企業風土をつくることも重要です。そうした風土が品質の高い建造物の建設につながり、社会に対して安全・安心を届けることにも波及すると考えています。そのため、働く人の安全と心身の健康を守り、人権を尊重し、差別のない健全な職場環境を確保することを社内環境整備の方針としております。
経営戦略と連動した人員配置を実現するため、人材流動化を促進し、適材適所の配置と良質な人材確保を目指しております。その取り組みとして、若手技術者の早期育成を目的とした体系的な研修やスキル向上のための資格取得支援、タレントマネジメントシステムを活用したスキルや経験の可視化、計画的なローテーション制度等を導入し、幅広い視野と総合的な技術力を備えた人材の育成を図ると共に、退職者が再び活躍できるジョブリターン制度の整備、年齢構成のフラット化と高齢者の活用を進めることで、熟練技術者の知見を組織に蓄積しつつ、技術伝承の強化を図っております。また、熟練技術者の退職や若手人材の不足が進行することによる人手不足によって生じる、担い手不足や技能伝承の停滞リスクに対応する取り組みとして、デジタル技術を活用した省人化・効率化を促進しております。デジタル化を担う人材の確保・育成を強化するため、社員へのアセスメントおよびeラーニングによるITリテラシー教育を行い、アセスメント結果に基づき素養を備えた人材への専門教育や、各事業におけるデジタルリーダーの選抜・育成を行っております。
事業別の人材戦略として、橋梁事業では、老朽化インフラの保全需要の高まりに対応するため、保全分野に強みを持つ技術者の育成を進めるとともに、異工種に対応できる多能工的技術者の育成を強化しております。
システム建築事業では、顧客課題を的確に把握し価値提案を行う提案型人材の育成を進めるとともに、マーケティング~営業~設計~生産~現場~アフターサービスまで一貫した、顧客データを中心としたデジタル管理体制構築を担う人材の育成を進めております。
エンジニアリング事業では、地下河川構造物・洋上風力発電設備などの新規分野への対応力を高めるため、専門技術者の育成・確保を進めています。
また、多様な人材が活躍できる環境整備も重要な柱と位置付けております。女性技術者の活躍推進や外国人材の受け入れ態勢の整備を進めることで、担い手の裾野を広げるとともに、多様な視点や技術を取り込み、従業員のエンゲージメントを高めることで組織のイノベーション力向上につなげていきます。
さらに、高い安全意識の積み重ねにより心理的・身体的な安心感を醸成し、より一層、部門を越えて協力しやすい企業風土を形成するために、継続的な安全面での改善活動や各種ハラスメント研修の実施、長時間労働の是正、ワークライフバランス施策の充実を図り、エンゲージメントレーティングの向上につなげていきます。
当社グループは、「匠の技」とデジタル化、多様な人材の活躍を組み合わせた人材戦略を推進し、良質で安全な社会インフラの整備等を通じて社会に貢献して参ります。