有価証券報告書-第82期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/29 12:00
【資料】
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【項目】
132項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度における国内経済は、個人消費の持ち直しや住宅着工戸数の増加もあり、緩やかながら回復基調となりましたが、非住宅分野の建築市場は力強さを欠く状況で推移しました。海外(1月~12月)においては、米国経済は、住宅市場と消費者支出が牽引し底堅く推移し、年末には新政権の期待感から金融・為替市場が好転するなど総じて緩やかながら拡大が続きました。欧州経済は、個人消費、設備投資が堅調で全体的に回復基調となりましたが、英国のEU離脱問題、米国大統領選挙の結果が懸念材料となり、先行きに不透明感が強まりました。
このような環境下、当社グループは、今年度から長期経営ビジョン「三和グローバルビジョン2020」第二次3ヵ年計画をスタートさせ、「グローバル・メジャー」としての競争力を強化するため、グループ一丸となり取り組んでおります。国内においては、非住宅建材市場が停滞する環境下、既存事業の強化、多品種化による更なる成長、連携による事業強化・拡大、防火設備の新しい検査・報告制度への対応に注力しました。米国では、基幹事業の強化及び成長、川下事業戦略に注力し、シェア拡大に努めました。欧州では、耐火ドアの全欧州への拡販、セクショナルガレージドアのシェア拡大を推進するとともにノルスード社(フランス)を買収し、産業用ドア事業の強化を図りました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は、国内事業の減収と円高の進行により、前連結会計年度に比べ3.2%減の353,922百万円となりました。利益面では、営業利益は、前連結会計年度に比べ1.6%減の26,440百万円、経常利益は、前連結会計年度に比べ3.4%減の25,278百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ16.7%増の17,070百万円となりました。
セグメントの業績は以下のとおりであります。
①日本
売上高は、多品種化の推進により間仕切が堅調、メンテサービス事業も増収となりましたが、オフィス・店舗などの非住宅用が伸びず、重量シャッター、ビルマンションドア等の基幹商品が減収となったことから、前連結会計年度に比べ2.8%減の196,455百万円となりました。利益に関しましては、数量減の影響が大きく、コストアップの抑制に努めましたが、前連結会計年度に比べ11.2%減の20,141百万円のセグメント利益となりました。
②北米
売上高は、主力のドア事業が増収となり、自動ドア事業、施工・サービス事業も好調に推移し、外貨ベースでは4.3%増となりましたが、円高の影響により、前連結会計年度に比べ5.7%減の103,725百万円となりました。利益に関しましては、増収効果に加え、材料費低減等により、前連結会計年度に比べ25.2%増の7,267百万円のセグメント利益となりました。
③欧州
売上高は、ヒンジドアは新製品が好調で大幅な増収、ガレージドアは市場の回復により増収、産業用ドアもノルスード社の連結効果もあり、大幅増収となり、外貨ベースでは11.0%増となりましたが、円高の影響により、前連結会計年度に比べ0.2%増の53,385百万円となりました。利益に関しましては、増収効果でコストアップを吸収し、前連結会計年度に比べ17.8%増の1,850百万円のセグメント利益となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ14,774百万円増加し56,290百万円となりました。当連結会計年度における区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、主に税金等調整前当期純利益が増加したことにより23,670百万円の資金増加(前連結会計年度は24,378百万円の資金増加)となりました。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、主に固定資産の取得により8,006百万円の資金減少(前連結会計年度は15,641百万円の資金減少)となりました。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、主に借入金の返済により838百万円の資金減少(前連結会計年度は25,702百万円の資金減少)となりました。