(1)業績
当連結会計年度における世界経済は、全体として緩やかな回復基調が続きました。中国は成長が以前より減速したものの、輸出が持ち直し、個人消費も比較的堅調に推移しました。また、米国では雇用環境の改善などを背景に個人消費が堅調に推移し、景気は回復傾向をたどりました。欧州経済においてはまだ弱さが残るものの、主要国ドイツにおいて持ち直しの動きが見られました。
一方、国内経済は消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動がありましたが、年度後半には企業収益に改善の動きがみられるなど、緩やかな回復基調が続きました。
このような経済環境のもと、当社グループにおいては、お客様の信頼と期待を獲得するため、社員一人一人が自分の責任を果たし、品質、スピード、実行にこだわり、グローバルな競争の中で、さまざまなお客様の問題を解決し、お客様からありがとうと感謝される体制作りに取り組んでまいりました。
販売面では、当社グループの主な市場である工作機械、産業機械、建設機械市場におきましては、国内需要が堅調に推移し、前年同期の売上高を上回る結果となりました。また、半導体・液晶製造装置関連市場におきましても、下期から設備投資の拡大に伴い、当社グループへの引き合い・受注量が順調に回復したため、売上高が伸び、前年同期の売上高を上回りました。
その結果、当連結会計年度の売上高は111億53百万円(前年同期比3.3%増)となり、営業利益は18億9百万円(同5.2%増)、経常利益は17億46百万円(同2.2%増)、当期純利益は10億22百万円(同2.4%減)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
当社は製品構成から以下4事業所を報告セグメントとしております。
(静岡事業所)
半導体及び液晶製造装置関連市場向けのクリーンなバルブ、配管ユニット等を生産しておりますが、第2四半期まで半導体及び液晶製造装置関連の需要が伸びず、売上高は19億15百万円(前年同期比10.0%減)、セグメント利益は3億70百万円(同35.5%減)となりました。
(岐阜事業所)
一般産業の油空圧配管用の継手、バルブ等を生産しており、重点市場である産業機械・工作機械市場向けは、需要が回復してきたため、売上高は44億14百万円(前年同期比3.8%増)、セグメント利益は16億55百万円(同7.3%減)となりました。
(山形事業所)
半導体及び液晶製造装置関連、さらに分析・各種計装及び食品・パワープラント・化学市場に向けての継手、バルブ等を生産しておりますが、半導体及び液晶製造装置関連の需要が伸び、売上高は36億45百万円(前年同期比5.2%増)、セグメント利益は12億18百万円(同9.1%増)となりました。
(IPEC岐阜事業所)
流体別・用途別に最適な配管システムを提供することを目標にロング継手、カセット生産、配管設計・施工を行っておりますが、建設機械向けの需要が持ち直したため、売上高は12億70百万円(前年同期比4.1%増)、セグメント利益は2億30百万円(同13.2%減)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローで13億34百万円のプラス、投資活動によるキャッシュ・フローで8億79百万円のマイナス、財務活動によるキャッシュ・フローで6億33百万
円のマイナスとなりました。この結果、現金及び現金同等物は前連結会計年度末より1億79百万円減少しました。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は13億34百万円(前年同期は97百万円)でありました。
この増加の主な要因は、税金等調整前当期純利益17億18百万円の計上、減価償却費2億57百万円、売上債権の増加による2億82百万円の減少、棚卸資産の増加による39百万円の減少、仕入債務の増加による80百万円増加、法人税等の支払額6億91百万円によるものであります。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動の結果使用した資金は8億79百万円(前年同期比35.4%増)でありました。こ
の増加の主な要因は、投資有価証券の取得による支出が5億65百万円、子会社の株式の取得および出資金による支出が64百万円、固定資産の取得による支出が2億15百万円であったことによります。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動の結果使用した資金は6億33百万円(前年同期比19.8%減)でありました。この減少の主な要因は、長期借入金の返済による支出3億48百万円、社債の償還による支出50百万円、配当金の支払いによる支出2億35百万円であります。