有価証券報告書-第49期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/28 15:00
【資料】
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【項目】
119項目

研究開発活動

当社の研究開発活動には、発明研究と基礎研究開発、製品化のための応用研究開発及び既存製品のための改良研究開発があり、主に開発室(平成31年3月31日現在5名)と白州技術センター(平成31年3月31日現在8名)が連携して担当しております。
当期における研究開発費の総額は100,987千円であります。なお、当社は社内研究が主であり、担当者が複数の案件に携わっているため、研究開発内容別の費用算出が困難であり、記載を省略しております。
なお、研究開発内容別の研究目的、主要課題及び研究成果については次のとおりであります。
(1)新型断熱横葺屋根(元旦スプリングルーフ800-D/ダンツキルーフ240-D)の開発
中型・大型物件に適した、高い断熱性能を持つ横葺屋根の研究開発を行いました。
当社既存製品である高強度・高性能の元旦スプリングルーフ800に機能性の優れた断熱材を組み合わせました。その断熱材が下地の不陸に対する緩衝材の役割を果たすため、既存屋根の上からかぶせて屋根改修を行うカバー工法で改修を行っても、既存屋根の不陸や段差を原因とする歪みが新設屋根に現れにくい特徴があります。また、施工の部材点数が少ないため、施工が効率的です。これらのメリットにより、歪みが出やすい中型・大型物件の屋根改修にも、手間と費用を抑えたカバー工法を採用しやすくなるため、競争力向上と販売拡大につながることが期待できます。
(2)大型雨といの研究開発
中型・大型建築物件に適した、シャープな軒先の意匠性と、雪に強く落ち葉が入らない機能性をを持つ軒といの研究開発を行いました。
雨といに当社独自開発の落ち葉除けカバーを取り付けることで、屋根と一体化した意匠で美しい外観だけでなく、落ち葉等がとい内部へ侵入せず、詰まりを防ぐことでメンテナンスを軽減できます。雨といを保持する金物も、雨といを内部から支える構造とし、外から見えない様に工夫をし、意匠にもこだわりました。また、建物面積に応じたとい幅でのオーダーメイドが可能で設計のニーズに対応できます。
この製品は、一般的な軒といを避けた意匠にこだわる建築物の一部として使用するだけではなく、当社製品を起点とした建物の設計も可能であり、設計段階からの競争力も高めることが期待できます。
(3)他社メーカー製折板屋根向け太陽電池設置金具の開発
他社メーカーの嵌合(かんごう)式折板に太陽電池を設置できる金具のラインナップの拡充を行いました。
従来より販売する当社太陽電池の設置金具は、材質がアルミ製で耐食に優れ、ビスによる穴あけをせずに屋根材に固定が可能あることから施工も容易で、太陽電池設置業者等に好評いただいておりました。そこで今回、他社が一般に販売を行う嵌合式折板屋根に対応する設置金具を開発を行いました。これによって、より幅広い既存屋根に当社製品を活用できる機会が広がり販売拡大につながります。
(4)金属屋根の性能に関する研究開発
本年度は防耐火構造の国土交通大臣認定を2件取得しました。当社製品の性能の証明だけでなく、新たな構造で認定を取得したことで、耐火認定が必要である建築物にも採用可能となり、市場競争力を高める効果が期待できます。