有価証券報告書-第44期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/30 11:45
【資料】
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【項目】
86項目

研究開発活動

当社の研究開発活動には、発明研究と基礎研究開発、製品化のための応用研究開発及び既存製品のための改良研究開発があり、主に技術開発課(平成26年3月31日現在11名)と白州技術センター(平成26年3月31日現在6名)が連携して担当しております。
当期における研究開発費の総額は101,463千円であります。なお、当社は社内研究が主であり、担当者が複数の案件に携わっているため、研究開発内容別の費用算出が困難であり、記載を省略しております。
なお、研究開発内容別の研究目的、主要課題及び研究成果については次のとおりであります。
(1)縦葺屋根の研究開発
太陽電池設置を目的とした縦葺屋根の研究開発が終了し、販売を開始しました。この縦葺屋根は専用フレーム等を要せず太陽電池を直接のせられるため設置コストの軽減を図ることができます。また、嵌合式金属屋根材は積雪地域において、すが漏れ等の雪の影響を受けることが多々ありましたが、この縦葺き屋根は新たに特殊な嵌合方法を採用することで積雪によるすが漏れが起こりにくい構造となりましたので、積雪地域での販売バリエーションの拡大につながりました。
(2)金属外壁の研究開発
金属製外壁材の研究開発に着手しました。金属製外壁材は断熱材を接着した一体構造とすることで簡単に断熱性の高い外壁が完成します。また金属製のため軽量であるとともに、断熱材と一体化したことにより施工効率の大幅な向上が見込まれます。
(3)軒先システムの研究開発
軒先システムの研究開発に着手しました。これまで軒先の意匠については納まりが優先されてきたために設計者側の意向を反映することが困難でした。これは時間的制約により納まりの細部にまで設計者と施工者との間の打合せができないことが要因でした。そこで、設計者の意向に沿った納め方を共同で時間をかけて検討する仕組みを作り上げることで、これまでにない自由な発想を実現することが可能となると考え、基本モデルならびにバリエーションの検討を行っております。
(4)太陽電池設置部材の研究開発
太陽電池設置部材の研究開発を継続し、製品の改良を行いました。従来は屋根仕様ごとに専用部品を製作しておりましたが、これまで培った開発経験から複数の屋根仕様を兼用できる新たな製品を開発しました。また、材質を見直し軽量化を同時に行った結果、設置対象となる屋根への負担が大幅に軽減されました。
さらに、横葺屋根用の太陽電池設置金具の研究開発に着手しました。既に施工された横葺屋根への太陽電池の取り付けには屋根材に穴を開けて下地構造に金具を固定する方法しかありませんでしたが、今回穴を開けずに金具を固定する方法を開発したことで、より安全に太陽電池を取り付けることができるようになります。
(5)太陽電池モジュールの研究開発
高効率セルを用いた両面受光太陽電池の研究開発を継続して実施しております。これまでの表面だけの発電では太陽光の入射角度によって発電効率が大きく影響を受けていましたが、太陽電池の裏面空間を利用してセルの両面で立体的な発電を行うことが可能になったことで、太陽光を効率よく吸収できるようになり発電効率が大幅に向上しております。
(6)金属屋根の性能に関する研究開発
本年度は防耐火構造の大臣認定を5件取得しました。これらの高い性能評価を得ることで他社との差別化が図られ、市場競争力の向上につながります。