有価証券報告書-第76期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/24 15:45
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160項目

有報資料

(1)会社の経営の基本方針
当社は、電力、通信、信号、放送、鉄道関連の架線金物を主として製造販売しております。昭和25年設立以来、経済的かつ信頼度の高い製品を供給し、電力、通信をはじめとした幅広いインフラ構築の一翼を担い、社会に貢献することを経営の基本理念としております。
当社グループは、この基本理念に基づき人材育成を図り、顧客のニーズに合致した製品を開発する為の技術を培い、生産設備を充実させるとともに、全国を網羅する供給、販売サービス体制を確立して、顧客からの信頼を得てまいりました。
現在わが国では、カーボンニュートラルの実現、国土強靭化、スマートシティの実現など次世代を見据えた取り組みが進められております。当社は、これらの社会的要請を踏まえ、私たちの生活の礎となる電力、通信、交通など幅広い社会インフラ構築に貢献すべく、更なる開発および生産技術に一層磨きをかけ、より信頼性の高い製品の提供に全力で取り組んでまいります。加えて、従来の架線金物事業に留まらず、新分野・新需要に対応した研究を着実に推進し、新規マーケットおよび新規ビジネスの開拓を積極的に進め、事業領域の拡大を通じて、持続的な成長を実現し、企業価値の一層の向上を図ってまいります。
また、環境問題への取り組みとして、人と環境にやさしいものづくりを実現するため、GHG削減活動を強化し、持続可能で豊かな社会の実現を目指す社会的な責任を果たすため、ESGを原動力とした取り組みを進めてまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、株主への安定配当、継続的な収益の確保及び資本の効率的運用を図ることを重要な経営指標と位置付けております。
また、CAPMにより推定した株主資本コストが最も重視すべき資本コストであると判断しており、その値は7%以上と認識しております。そのため、ROE(自己資本利益率)を目標とする経営指標として設定し、株主資本コストを上回るROEを目指しております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、経営の基本方針を真摯に貫き、顧客および社会からの信頼の上に成り立つイワブチブランドを次世代へ確実につなぐため、2020年に10年後のありたい姿を描いて「VISION2030~新たな価値づくりへの挑戦~」を策定し、2021年度から経営戦略を展開しております。
① VISION2030の基本的な考え方
当社グループの中長期戦略は、既存事業の競争力強化と、将来の成長につながる新たな需要領域の開拓を同時に進めるものです。その柱とする成長戦略は、「新たなものづくり」と「新たな価値づくり」です。
「新たなものづくり」とは、既存事業である架線金物事業を基盤とし、同事業を「ジョイント事業」と位置付け、グループの強みであるジョイントパーツの開発・設計・生産の更なる深掘りを進めるとともに、従来の品質水準を維持・向上させながら、生産プロセスの改善や柔軟性の高いものづくりを通じて、競争力のある生産体制を構築する取り組みです。
一方、「新たな価値づくり」とは、これまでの「モノとモノ」を物理的につなぐ価値提供から一歩進め、「モノとヒト」や「ヒトとヒト」をつなぐ新たな価値を生み出す取り組みです。この事業を「コネクト事業」と位置付け、広く顧客ニーズに対応したサービス事業の展開を通じて、次世代のインフラ構築に貢献することを念頭に、当社グループの技術や知見、ネットワークを活かしながら、顧客や社会が直面する多様な課題に対応した新たな価値や事業機会を創出する取り組みです。
② VISION2030 Phase1
当社グループは、2021年度から2025年度までの前半5か年を成長戦略の基盤構築フェーズ「Phase1」とし、展開してまいりました。
具体的には、開発・研究基盤の再構築を通じて既存事業の競争力強化を図るとともに、新たな需要領域の探索に取り組みました。この一環として、研究部門である「NEXT研究室」を新設し、外部機関や顧客との連携も含めた研究体制を整備することで、中長期的な視点での研究・探索活動を推進してきました。
また、新たなセグメントの確立を見据えた事業探索として、戦略立案および事業の企画・推進機能を担う「営業企画部」を新設し、新規事業やサービス領域の事業化に向け取り組みました。
あわせて、これらを支える業務改善・プロセス改革および組織基盤の強化として、生産や業務に関するデータを活用した改善活動を進めるとともに、組織力の強化や人材育成にも注力してきました。これらの取り組みにより、開発人材の育成や設計・解析技術の高度化など、既存事業を支える基盤は着実に強化されるとともに、新たな価値創出に向けた検討の土台が整いました。
一方で、新規事業の具体的な事業化や、生産プロセス改善、人材育成の面では引き続き課題も残ることから、Phase1が進行する中で、成長戦略を資本コストや株価を意識した経営の実現とより強く結び付ける必要性が高まり、2024年度からは、グループの資本収益性に一層重点を置いた「Phase1 2.0」を展開し、KPIマネジメントを通じて、施策の進捗や成果を可視化するとともに、推進体制の明確化・強化を図りました。
その結果、2022年3月期のROE 2.3%に対し、2026年3月期は4.1%となりました。
③ VISION2030 Phase2
VISION2030 Phase2では、2026年度から2030年度までを対象として、資本効率のさらなる向上と持続的な成長をより重視した経営を進めます。
Phase2では、次の三つを基本方針として掲げ、事業運営に取り組みます。
・次世代の成長エンジンとなる新たな事業セグメントの創出
既存事業で培ってきた技術や顧客基盤、社内外のネットワークを活かしながら、将来の柱となる事業の育成に向け、新たな価値創出に取り組みます。
・QCD競争力を基軸とした生産体制の構築
品質・原価・納期の各面におけるパフォーマンスを高めるため、品質意識の向上や不適合低減に向けた予防活動を進めるとともに、原価改善を意識した生産性向上施策、ならびに工場更新や設備投資を含めた生産基盤の強化を図ります。
・新たな価値創造を支える人的資本戦略の推進およびデジタル基盤の整備
採用や教育体系の整備を通じた人材育成に取り組むとともに、管理会計を含む経営管理機能の高度化や、AIの活用を含めた業務プロセス改革を進め、全体最適を実現する経営基盤の構築を図ります。
これらの基本方針は、KGI・KPI体系やロードマップに落とし込み、各本部の重点テーマおよび全社横断的なプロジェクトとして具体化し、計画的に実行していきます。
また、Phase2期間においては、維持・更新投資を継続しつつ、生産基盤強化や工場更新等の成長投資を計画的に進めるとともに、外部連携やM&A等も含め、将来の成長に資する機会について柔軟に検討していく考えです。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は、以下の事項になります。
① 人材育成
顧客とのゆるぎない信頼関係を構築し、顧客満足度の向上と、新規マーケット、新規ビジネスの開拓に繋げるため、何事にもチャレンジし、自らの付加価値を高め、個性を生かせる人材教育を実施してまいります。
また、製造業として技術の継承を確実に実施すると共に新たな技術への挑戦にも全力で取り組んでまいります。
② 競争力強化並びに迅速な対応の徹底
当社グループにおける販売、生産、管理というそれぞれの側面において、競争力強化のための施策を推進してまいります。特に、市場環境や顧客ニーズの変化を的確に捉えた営業機能の拡充を通じて、新分野における需要開拓や持続的な成長基盤の構築を目指すとともに、柔軟かつ迅速な対応を徹底してまいります。
③ 真摯に取組む姿勢
当社グループを取り巻くすべてのことに真摯に向き合い、品質向上や顧客満足度向上を更に目指し、幅広いインフラ構築の一端を担う企業として社会貢献に取り組んでまいります。また、企業として社会的責任を果たすべく、ESGを根幹に据えた企業経営を進めてまいります。

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