有価証券報告書-第37期(2023/09/01-2024/08/31)

【提出】
2024/11/25 12:07
【資料】
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【項目】
114項目
(3)サステナビリティに関する「戦略」と「指標と目標」
①戦略
当社は、半導体・FPDなどの先端産業を支える精密加工技術を基盤に顧客の厳しい要求に応える高度な技術力と安定した供給力を強みとしています。2030年に向けた長期ビジョンの実現と中期事業計画「Innovation2026」の達成に向けて、経営戦略及び財務目標と連動したサステナビリティ戦略を展開しています。
特に人材は当社の技術力と供給力を支える最重要の経営資源であり、優秀な技術者の育成・確保や製造人材のスキル向上を戦略的に進めています。これらの人的資本への投資を通じて、持続的な成長と企業価値の向上を目指しています。
a.人的資本経営への取り組み
<人材育成方針>当社は人材に対する施策を最重要課題と位置付けております。
安定した事業継続のため、採用の強化と定着率の向上が不可欠であり、これらを達成するため、人材部門及び人材戦略委員会を設立し、組織体制の整備や施策の実施に取り組んでおります。
1.プログラマー育成の推進
主要な製造技術者に対し、オペレーションだけでなく、プログラマーとしての教育を行うことで量産品の試作やボリュームのある単品物についても短納期対応を可能としており、プログラマーの割合が多いことが当社の強みとなっております。
優秀なプログラマーの育成が競争優位性を高める重要な要素であると認識し、2030年8月期に100名まで増員することを目標としております。
2.多様化の推進
当社は、性別や国籍、障がいの有無にかかわらず、多様な個人のポテンシャルを最大限に引き出すことが将来の事業強化に繋がるとの考えから、全社での取り組みを強化しております。女性社外取締役を委員長とするESG委員会にて具体的な課題や対策の議論を行っており、すべての従業員が平等に活躍することができ、多様なキャリアの形成を可能とする環境の整備に取り組んでまいります。
3.マネジメント人材の育成
当社の持続的な成長を支えるためには、優れたマネジメントスキルを持つ人材の育成が不可欠であると認識しております。次世代リーダーの育成とマネジメント層の充実を目的として、実務を通じた育成を基礎に、階層別教育プログラムを整備し、コミュニケーションやチームビルディングに必要なスキルの構築に取り組んでまいります。
<社内環境整備方針>当社は人の持つ技術力や営業力が最も重要な強みであるため、強みを持つ人材の安定化と育成が重要な課題となっております。中長期的な企業価値向上へむけて、社員それぞれの個性を活かし、誰もが活躍し、成長できる職場環境の整備に取り組んでまいります。
1.仕事と育児・介護の両立
仕事と育児・介護の両立を可能にする制度の充実を図り、育児や介護などのライフイベントに柔軟に対応できる職場環境づくりに取り組んでまいります。
2.働きやすさの改善
当社では女性会議等を通じて、ESG委員主導による働きやすさの改善活動を実行しています。今後従業員エンゲージメントサーベイの実施を予定しており、更なる社内環境整備の実現のために、現状や課題を把握し、働きやすさと仕事に対する充実感や満足感の向上に取り組んでまいります。
また、社員の健康維持と増進を目的とした社員食堂を設置予定としております。この社員食堂では食事のなかで従業員同士の会話が生まれ、人との距離を近づけることによる心の安定も期待しています。
[試作力強化による中長期的な収益力向上]
上記の人材育成方針に基づき、特に当社の競争力の源泉となる試作力の強化を重点的に進めています。
当社の中期事業計画「Innovation2026」達成に向けて、試作力の強化が重要な戦略となります。当社の受注プロセスにおいて、試作品の製造は最初の重要なステップとなります。プログラマーがお客様の図面・要求を基に製造方法を確立し試作品を製造、承認を経て本受注に繋がります。品質を担保しながら短納期で試作対応できる体制を構築することで、顧客満足度の向上と将来の安定的な収益基盤の確立を目指します。
プログラマーには高度な技術力と経験が必要なため、長期的な人材育成が不可欠です。当社では2030年の目指す姿の実現に向け、次の2つの試作力強化策を実行しています。
1.プログラマー育成プロジェクトによる教育体制の確立と人員増強
2.生産体制の最適化(高スキル人材の試作専任化、複数製品の同時開発に対応したチーム編成)
b.気候変動対応
当社は製造過程において、大量の電力を消費しています。また、主要顧客である半導体業界においても、気候変動対応は重要な経営課題となっています。このような事業環境に加え、社会の一員として持続可能な地球環境への貢献も重要な責務と認識しており、当社は気候変動課題を重要な経営課題として位置付け、2040年のネットゼロ実現を目指しています。
気候関連のリスク及び機会
分類リスク・機会当社への影響対応策
移行
リスク
政策・法規制リスク・炭素税導入による製造コスト上昇
・環境関連の情報開示義務の厳格化
・自社発電比率の向上(2028年27%以上、2040年50%以上)
・環境情報開示体制の整備
市場リスク・半導体業界全体のネットゼロ化による環境基準の厳格化
・顧客企業のサプライチェーン全体での環境負荷低減要求
・エネルギーコストの上昇
・製造プロセスの環境負荷低減
・サプライチェーン全体での排出量削減
・自社発電比率の向上(2028年27%以上、2040年50%以上)
技術リスク・低炭素技術への移行による既存設備の陳腐化
・競合他社の環境技術革新による競争力低下
・省エネ設備への計画的な更新
・AIやIoTを活用した製造プロセスの最適化
評判リスク・環境対応の遅れによる企業評価の低下
・ステークホルダーからの評価低下
・環境情報の積極的な開示
・環境目標の設定と進捗管理
・ステークホルダーとの対話強化
物理
リスク
急性リスク・台風・豪雨による設備被害や操業停止
・サプライチェーンの寸断
・事業継続計画(BCP)の強化
・設備補強
・機動的な生産システムの構築
・サプライチェーンの多様化
慢性リスク・平均気温上昇による冷却需要の増加
・従業員の健康への影響と生産性低下
・高効率の空調システムの導入
・作業環境の改善
機会資源効率・エネルギー効率の高い製造プロセス導入によるコスト削減・空調及びポンプの高効率化
・生産プロセスの効率化
エネルギー減・再生可能エネルギーの導入による環境負荷低減
・エネルギーコストの安定化
・2028年までに自社発電再エネ比率27%以上
・2040年までに50%以上を目指す
市場・環境考慮による競争優位性の確保
・顧客からの評価向上
・サプライチェーン全体でのGHG排出削減の取り組み
・顧客の環境要求への早期対応
レジリエンス・気候変動対応による事業継続性の向上
・サプライチェーンの多様化・強靭化による調達リスク低減
・事業継続計画(BCP)の強化
・サプライチェーンの多様化

気候変動関連のリスクと機会への対応
当社は、2040年までのネットゼロ達成に向けて、以下の段階的な取り組みを継続して実施してまいります。
2024年8月期
・取締役会でのGHG削減計画の審議
・排出量削減計画の見直しと具体的施策の策定
2028年8月期までの取り組み
・全事業所への太陽光発電・蓄電池の前倒し導入(投資総額6.4億円)
・太陽光パネル設置容量3,400kW以上の達成
・蓄電池容量2,500kWhの整備
・自社発電比率27%以上の実現
2040年に向けた長期戦略
・再生可能エネルギーへの継続的投資
・自社発電再エネ比率50%以上の達成
・サプライチェーン全体でのGHG排出削減施策の展開

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