有価証券報告書-第161期(2025/04/01-2026/03/31)
有報資料
当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります
(1)経営方針
当社は、100年を超える経験と知識をもとにさらなる発展を求めて、事業分野の制約をはずし、根幹のモットーは継承しながら社会課題の解決を第一に認識し、その解決に尽力する結果として、お客様の満足度を向上させ、経済価値を高めることを基本の理念としております。この理念のもとに、GHGフリーの技術開発、CMR(鋳物・金属機械加工)事業の拡大、新規事業の研究開発等を力強く進めてまいります。そのスローガンは「鉄と工(たくみ)の創造力で掴むWIN-NOVATION(WIN+INNOVATION)」と設定しております。
(2)経営戦略等
昨年4月より、3ヵ年の中期経営計画「Go for it ! やってみなはれ ! !」をスタートさせております。本計画では、最終年度の目標として、売上高150億円、売上高営業利益率8%、ROE6%の達成を掲げておりましたが、直近の業績動向を踏まえ、売上高185億円、売上高営業利益率8%、ROE7.4%へ見直し、持続的な成長と企業価値の向上に取り組んでおります。
また、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けて、事業収益力の強化と資本効率の改善を重要な経営課題と位置づけております。こうした考えのもと、2025年から2030年までの5年間で総額40億円の投資計画方針を打ち出しており、成長分野への投資と収益基盤の強化を進めてまいります。あわせて、これらの取り組みや成果について、ステークホルダーに分かりやすく情報提供を行い、企業価値の向上に努めております。
このような方針のもと、外部環境の変化を適切に捉えながら、当社の強みを活かした事業活動を推進し、中長期的な成長と安定的な株主価値の向上に向けた取り組みを進めてまいります。
なお、経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、業績予想として公表しております、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益があります。公表数値の達成に向けた経営計画に基づき、各種重点課題の着実な推進を図っております。
(3)経営環境
当期におけるわが国経済は、企業業績・所得環境の改善に向けた動きが見られる一方で、世界経済については、中東情勢の緊迫化に伴う原油価格の上昇や供給リスクに加え、為替市場の変動、金利上昇などの影響を受け、事業環境は依然として先行き不透明な状況が続いております。
海運業界では外航海運を中心に、既に3~4年先まで受注が確定している案件も見られ、一定の安定感が維持されております。一方で、当社の主力市場である内航海運業界においては、引き続き船価の上昇が続いておりますが、運航コストや用船料の改善が徐々に進んでいることから、代替建造に向けた動きは着実に進展しております。また、造船業界では、人手不足の影響を背景に建造能力の拡大が難しい状況が続いております。そのため、多くの船主が自社船隊の更新を目的として早期の船舶発注に動いており、その結果、造船所によっては5~6年先まで建造予約が埋まる状況も見受けられます。なお、海外向けの案件については、タンカー船を中心に引き合いが継続しており、一定の需要が維持されております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
①営業活動
国内および海外の海運市場では、鋼材価格の高止まりを背景に船価の上昇が継続しております。一方、造船能力の制約等から建造隻数の大幅な増加は見込みにくい状況にあります。このような中、老齢船の増加を背景に、多くの船主が代替建造に向けた船舶発注や建造予約を進めており、当社としては、引き合い案件一件一件に丁寧に取り組み、着実な受注獲得につなげてまいります。
国内市場においては、主機関販売を中心に、鋼材価格の上昇等に伴うコスト増加を踏まえた適正価格での販売に注力しております。船価上昇に伴い慎重姿勢が見られる局面もありますが、現状の資材価格水準を踏まえ、過去からの累積コストアップが適切に転嫁されるよう対応を進めております。また、GHG排出削減バージョンの低速4サイクル機関の販売拡大や、機関監視システムの機能向上などを通じて、製品の付加価値向上にも取り組んでおります。加えて、内航船分野における主機関のトップシェアを堅持するとともに、部品販売についても、お客様との関係強化を図りながら、きめ細かなサービス活動および部品営業の充実を進めてまいります。海外市場においては、主機関および周辺機器の販売に加え、周辺サポート(据え付け、運転、メンテナンス、機関モニタリング等)を含めた事業展開を行っております。国内内航船市場への依存リスクを低減するため、進出市場の拡大を進めており、東南アジア・東アジアを中心に、代理店およびサービス部門、営業部門が一体となった同行営業や提案活動を強化してまいります。拡大する中国市場の開拓に加え、ベトナムにおいても、当社独自の技術セミナーを開催するなど、技術力や製品理解の向上を通じた営業活動にも取り組んでおります。
②生産活動
生産面においては、CMR事業について、エンジン事業に続く第2の事業の柱と位置付け、鋳造技術を駆使した各種鋳物製作サービス・当社独自の大物部品の精密加工技術を活用した加工サービス・お客様の要望のレトロフィットも含む設備修理サービスを基軸として事業を展開しております。あわせて、CMR案件のニーズを見極めながら専用製造ライン構築の検討も続けてまいります。また、新生産管理システムの稼働により、生産指示に関する業務のIT化を進め、生産現場と間接部門の連携強化を図ることで業務効率の改善に取り組んでおります。更なる事業拡大に向け、複合加工機の導入等による製品加工品目の拡充や、生産効率・事務効率の向上、工場環境の改善などに取り組み、生産基盤全体の強化を進めてまいります。喫緊の課題である資材価格の高騰に対応するため、サプライチェーンの拡大に注力するとともに、内製化が困難な部材については、これまで進めてきた海外調達も含めた購買施策を強化してまいります。
③新製品の開発・販売
商品開発面においては、引き続き低速4サイクル機関の更なる高効率化に取り組み、最高水準の熱効率を目指した開発を進めております。国内の内航船向けにおいて初搭載となったメタノール燃料エンジンについては、顧客ニーズに応えるためデュアルフューエルエンジンとしての開発に着手し、商品ラインナップの充実を図ってまいります。また、GHG削減を目的としたアンモニアおよび水素燃焼技術の確立を目指し、低速4サイクルガスエンジンの気体燃焼技術の活用、コモンレール式燃料噴射技術の確立に注力してまいります。
加えて、お客様に安全・安心を提供する高度船舶安全管理システムおよび機関モニタリングシステム「HANASYS 5」は市場投入後の展開を進めており、発展形の「HANASYS 5EX」についてもハードウェアとソフトウェアの両面から機能強化を図っております。
新規事業への取り組みとしては、起業家精神を持った人材育成と連動させた社内ベンチャーの位置付けのもと、新事業・新商品の創出を目指す「F-WINGプロジェクト」を推進しております。本プロジェクトでは、鋳物関連分野における市場調査や実験販売に加え、AI技術の応用に向けた取り組みにも着手し、新事業の具現化に向けた検討を進めております。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります
(1)経営方針
当社は、100年を超える経験と知識をもとにさらなる発展を求めて、事業分野の制約をはずし、根幹のモットーは継承しながら社会課題の解決を第一に認識し、その解決に尽力する結果として、お客様の満足度を向上させ、経済価値を高めることを基本の理念としております。この理念のもとに、GHGフリーの技術開発、CMR(鋳物・金属機械加工)事業の拡大、新規事業の研究開発等を力強く進めてまいります。そのスローガンは「鉄と工(たくみ)の創造力で掴むWIN-NOVATION(WIN+INNOVATION)」と設定しております。
(2)経営戦略等
昨年4月より、3ヵ年の中期経営計画「Go for it ! やってみなはれ ! !」をスタートさせております。本計画では、最終年度の目標として、売上高150億円、売上高営業利益率8%、ROE6%の達成を掲げておりましたが、直近の業績動向を踏まえ、売上高185億円、売上高営業利益率8%、ROE7.4%へ見直し、持続的な成長と企業価値の向上に取り組んでおります。
また、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けて、事業収益力の強化と資本効率の改善を重要な経営課題と位置づけております。こうした考えのもと、2025年から2030年までの5年間で総額40億円の投資計画方針を打ち出しており、成長分野への投資と収益基盤の強化を進めてまいります。あわせて、これらの取り組みや成果について、ステークホルダーに分かりやすく情報提供を行い、企業価値の向上に努めております。
このような方針のもと、外部環境の変化を適切に捉えながら、当社の強みを活かした事業活動を推進し、中長期的な成長と安定的な株主価値の向上に向けた取り組みを進めてまいります。
なお、経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、業績予想として公表しております、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益があります。公表数値の達成に向けた経営計画に基づき、各種重点課題の着実な推進を図っております。
(3)経営環境
当期におけるわが国経済は、企業業績・所得環境の改善に向けた動きが見られる一方で、世界経済については、中東情勢の緊迫化に伴う原油価格の上昇や供給リスクに加え、為替市場の変動、金利上昇などの影響を受け、事業環境は依然として先行き不透明な状況が続いております。
海運業界では外航海運を中心に、既に3~4年先まで受注が確定している案件も見られ、一定の安定感が維持されております。一方で、当社の主力市場である内航海運業界においては、引き続き船価の上昇が続いておりますが、運航コストや用船料の改善が徐々に進んでいることから、代替建造に向けた動きは着実に進展しております。また、造船業界では、人手不足の影響を背景に建造能力の拡大が難しい状況が続いております。そのため、多くの船主が自社船隊の更新を目的として早期の船舶発注に動いており、その結果、造船所によっては5~6年先まで建造予約が埋まる状況も見受けられます。なお、海外向けの案件については、タンカー船を中心に引き合いが継続しており、一定の需要が維持されております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
①営業活動
国内および海外の海運市場では、鋼材価格の高止まりを背景に船価の上昇が継続しております。一方、造船能力の制約等から建造隻数の大幅な増加は見込みにくい状況にあります。このような中、老齢船の増加を背景に、多くの船主が代替建造に向けた船舶発注や建造予約を進めており、当社としては、引き合い案件一件一件に丁寧に取り組み、着実な受注獲得につなげてまいります。
国内市場においては、主機関販売を中心に、鋼材価格の上昇等に伴うコスト増加を踏まえた適正価格での販売に注力しております。船価上昇に伴い慎重姿勢が見られる局面もありますが、現状の資材価格水準を踏まえ、過去からの累積コストアップが適切に転嫁されるよう対応を進めております。また、GHG排出削減バージョンの低速4サイクル機関の販売拡大や、機関監視システムの機能向上などを通じて、製品の付加価値向上にも取り組んでおります。加えて、内航船分野における主機関のトップシェアを堅持するとともに、部品販売についても、お客様との関係強化を図りながら、きめ細かなサービス活動および部品営業の充実を進めてまいります。海外市場においては、主機関および周辺機器の販売に加え、周辺サポート(据え付け、運転、メンテナンス、機関モニタリング等)を含めた事業展開を行っております。国内内航船市場への依存リスクを低減するため、進出市場の拡大を進めており、東南アジア・東アジアを中心に、代理店およびサービス部門、営業部門が一体となった同行営業や提案活動を強化してまいります。拡大する中国市場の開拓に加え、ベトナムにおいても、当社独自の技術セミナーを開催するなど、技術力や製品理解の向上を通じた営業活動にも取り組んでおります。
②生産活動
生産面においては、CMR事業について、エンジン事業に続く第2の事業の柱と位置付け、鋳造技術を駆使した各種鋳物製作サービス・当社独自の大物部品の精密加工技術を活用した加工サービス・お客様の要望のレトロフィットも含む設備修理サービスを基軸として事業を展開しております。あわせて、CMR案件のニーズを見極めながら専用製造ライン構築の検討も続けてまいります。また、新生産管理システムの稼働により、生産指示に関する業務のIT化を進め、生産現場と間接部門の連携強化を図ることで業務効率の改善に取り組んでおります。更なる事業拡大に向け、複合加工機の導入等による製品加工品目の拡充や、生産効率・事務効率の向上、工場環境の改善などに取り組み、生産基盤全体の強化を進めてまいります。喫緊の課題である資材価格の高騰に対応するため、サプライチェーンの拡大に注力するとともに、内製化が困難な部材については、これまで進めてきた海外調達も含めた購買施策を強化してまいります。
③新製品の開発・販売
商品開発面においては、引き続き低速4サイクル機関の更なる高効率化に取り組み、最高水準の熱効率を目指した開発を進めております。国内の内航船向けにおいて初搭載となったメタノール燃料エンジンについては、顧客ニーズに応えるためデュアルフューエルエンジンとしての開発に着手し、商品ラインナップの充実を図ってまいります。また、GHG削減を目的としたアンモニアおよび水素燃焼技術の確立を目指し、低速4サイクルガスエンジンの気体燃焼技術の活用、コモンレール式燃料噴射技術の確立に注力してまいります。
加えて、お客様に安全・安心を提供する高度船舶安全管理システムおよび機関モニタリングシステム「HANASYS 5」は市場投入後の展開を進めており、発展形の「HANASYS 5EX」についてもハードウェアとソフトウェアの両面から機能強化を図っております。
新規事業への取り組みとしては、起業家精神を持った人材育成と連動させた社内ベンチャーの位置付けのもと、新事業・新商品の創出を目指す「F-WINGプロジェクト」を推進しております。本プロジェクトでは、鋳物関連分野における市場調査や実験販売に加え、AI技術の応用に向けた取り組みにも着手し、新事業の具現化に向けた検討を進めております。