有価証券報告書-第57期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/29 13:11
【資料】
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【項目】
112項目

業績等の概要

(1) 企業集団の業績
当連結会計年度における我が国経済は、政府による経済政策などを背景に緩やかな回復基調が続きました。一方で中国経済を初めとした新興国経済の減速、英国のEU離脱および米国新政権の政策への懸念など、依然として景気の先行きは不透明な状況で推移いたしました。
当社の主要な販売先である造船・海運業界につきましては、昨年の世界の新造船竣工量は6,620万2千総トンと前年比で2.1%の減少にとどまったものの、新造船受注量については1,796万6千総トンと前年比で76.7%の大幅な減少となりました。一部の海運指標に回復の兆しが見られるものの、依然として船腹過剰な状態は続いており、新造船の需要が回復するにはしばらく時間がかかるものと思われます。
このような企業環境下、中期経営計画(2015年4月1日~2019年3月31日)2年目となる当連結会計年度において、「既存事業の確立と拡大」、「周辺事業拡大による成長」、および「100周年を見据えた企業発展への取組み」の目標に沿って、積極的な事業展開を進めてまいりました。
「既存事業の確立と拡大」につきましては、機関販売を確固たるものにするべく、新大型機関「DE-33」の開発を行い、昨年5月に市場投入しております。また、大型機関に対応した姫路新工場につきましては、2018年内稼働に向け着々と準備を進めております。さらに、円高や厳しい事業環境に耐え得るコスト体質の確立のため、各種プロジェクトを立ち上げ、推進しております。その中の一つである『生産改革プロジェクト』では作業標準化、リードタイム短縮および原価低減を目指した活動を進めており、その効果も着々と出始めております。
「周辺事業拡大による成長」につきましては、周辺事業領域への積極的な進出・拡大を進めるべく、環境対応機器の品揃えや提案力を強化しております。その結果、2016年1月より施行したNOx規制に対応したSCR(選択触媒還元法脱硝装置)の受注は好調に推移しております。また、自社開発の尿素水生成装置や米国BELCO社とのアライアンスによる、2020年より施行のSOx規制に対応した船舶用スクラバーの販売などを推進し、環境対応技術を持ったエンジンメーカーとして業界内でのプレゼンスを向上してまいります。
「100周年を見据えた企業発展への取組み」につきましては、①株主価値向上による成長基盤の確立、および②事業ポートフォリオの再構築を進めております。その一環として、コーポレートガバナンスの強化とステークホルダーとの対話の充実を図っております。また、今後も配当性向の向上を含む株主還元も意識しつつ、長期的な成長を目指した経営を行ってまいります。
以上の結果、当連結会計年度の連結売上高は58,934百万円(前期比3.4%増)となり、営業利益は3,498百万円(前期比36.3%減)、経常利益は3,441百万円(前期比36.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,319百万円(前期比35.5%減)となりました。
当社および連結グループのセグメント別の業績は次のとおりであります。
<内燃機関部門>イ)舶用機関関連
主力の発電用補機関を中心に販売台数が減少した一方で大型エンジン販売が増加しましたが、エンジンの採算性悪化、メンテナンス関連の低迷および円高などの影響により、売上高は46,393百万円(前期比5.1%増)、セグメント利益は4,933百万円(前期比33.6%減)となりました。
ロ)陸用機関関連
機関売上は減少したものの、メンテナンス関連が増加したことなどにより、売上高は9,014百万円(前期比13.9%減)、セグメント利益は714百万円(前期比26.7%増)となりました。
従いまして、当部門の売上高は部品販売、メンテナンス工事も含めて55,408百万円(前期比1.5%増)、セグメント利益は5,648百万円(前期比29.4%減)となりました。
<その他の部門>イ)産業機器関連
アルミホイール部門に関しましては、軽自動車税の税率変更により新車の生産販売が減少したことから売上高、セグメント利益とも減少となりました。
ロ)不動産賃貸関連
不動産賃貸関連に関しましては、売上高、セグメント利益とも微増となりました。
ハ)売電関連
売電関連に関しましては、売上高、セグメント利益とも微増となりました。
ニ)精密部品関連
日本ノッズル精機株式会社を連結子会社とし、新たに精密部品関連が加わりました。
従いまして、当部門の売上高は3,525百万円(前期比46.0%増)、セグメント利益は462百万円(前期比6.4%増)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の増減は、営業活動によるキャッシュ・フローは4,974百万円の増加、投資活動によるキャッシュ・フローは3,725百万円の減少、財務活動によるキャッシュ・フローは1,661百万円の増加となりました。結果として、資金は2,836百万円の増加(前連結会計年度は1,434百万円の減少)となりました。
・営業活動によるキャッシュ・フロー
舶用内燃機関を中心とした売上の計上により、税金等調整前当期純利益3,440百万円を確保し、減価償却費計上(2,489百万円の増加)、売上債権の減少(1,504百万円の増加)がありましたが、法人税等の支払額(1,607百万円の減少)等により、営業活動によるキャッシュ・フローは4,974百万円の増加(前連結会計年度は3,437百万円の増加)となりました。
・投資活動によるキャッシュ・フロー
設備投資や新工場建設用地の整備等を行ったことから有形固定資産の取得による支出が3,575百万円ありました。これにより投資活動によるキャッシュ・フローは3,725百万円の減少(前連結会計年度は3,256百万円の減少)となりました。
・財務活動によるキャッシュ・フロー
長期借入れによる収入が6,250百万円ありましたが、長期借入金の返済による支出が3,291百万円、短期借入金の減少による支出が460百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出が357百万円ありました。これにより財務活動によるキャッシュ・フローは1,661百万円の増加(前連結会計年度は1,510百万円の減少)となりました。
(注) 本報告書の記載金額については、消費税等は含まれておりません。