有価証券報告書-第45期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)
文中における将来の事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)が判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、最高の製品を提供し、お客様の「ものづくり」をサポートすることによって、社会の発展に貢献することを基本方針としており、社名の由来である「創造(SO)」「実行(DI)」「苦労、克服(C,K)」の理念の下、お客様と共に困難な問題を解決することによって、お客様に信頼して頂くことが企業の継続的発展のために最も重要なことと考えております。
当社グループは、現在までその中で培った貴重な経験を集約して、新たな技術・製品を開発することにより、多くのビジネスチャンスを見つけてまいりました。
今後におきましてもこの企業理念を守り、技術的優位性が高く、お客様に資する製品の開発に努め、収益力の強化につながるよう、グループ全社を挙げて取り組んでまいります。
(2)目標とする経営指標
当社は、中長期的な株主の皆様への利益還元と、財務体質の強化を重視しており、その前提となる経営指標は、連結経常利益率とD/Eレシオを採用しております。当連結会計年度においては、連結経常利益率3.5%、D/Eレシオ0.74倍となりました。連結経常利益率につきましては、10%以上及びD/Eレシオ0.5倍以下の経営数値目標の達成に向けて、引き続き財務バランスを意識した経営に取り組んでまいります。
(注)D/Eレシオの算出方法:有利子負債(無利息の転換社債型新株予約権付社債についても対象)÷ 株主資本
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社グループの事業領域は、放電加工機、マシニングセンタ、金属3Dプリンタ、射出成形機、食品機械、これら当社製の機械装置を使用して精密な金型や成形品を製造する事業及びセラミックス部材、リニアモータなど当社グループの製品を製造するために開発した技術を使用した応用機器の外部販売など、「ものづくり」に関係する多岐に渡るビジネスを展開しております。
当社グループでは「未来を創る」をコンセプトとして、お客様の「ものづくり」のお手伝いをする中で培ったコア技術を応用することによりお客様が必要とされる生産財を一貫して提供できる体制を整えること、組織の再編を通じて経営資源の最適化を図ることにより、収益力の一層の強化を図っております。また、持続可能な成長を実現するため中長期計画を策定し、経営基盤の強化に努めております。
当社は、2019年2月に公表した設立50周年を迎える2026年をターゲットに策定したソディックグループ長期経営計画「Next Stage 2026 ~Toward Further Growth~」の達成に向け取り組んでおります。「創造」「実行」「苦労・克服」の精神を基に、自社技術をさらに向上し、新たな製品群への応用開発を進め、ものづくりを通して持続可能な社会に貢献することを経営方針とし事業の拡大を目指します。現在の収益の大半を占める放電加工機だけでなく、精密マシニングセンタ、金属3Dプリンタ、軽金属射出成形機、包装米飯製造装置など今後の成長を牽引する製品群の育成により事業ポートフォリオを変革し、安定した収益基盤の構築を目指してまいります。
定量目標としては、2026年12月期までに、売上高1,250億円、営業利益170億円を展望しております。
各事業の具体的施策は以下の通りです。
<工作機械事業>当社のメインの事業である工作機械事業においては、放電加工機に次ぐ製品群、金属3Dプリンタ、精密マシニングセンタを育成し、事業領域の拡大を図っていく方針です。
当社のコア製品である放電加工機は、次世代自動車、5G(第5世代インターネット通信)、自動化対応など技術革新への対応を進め、世界シェア・収益性向上を引き続き推進するほか、成長市場であるインドやメキシコ、また日本、中国に比べてシェアの低い欧米でのシェアアップを図ります。
金属3Dプリンタは、金型及び部品加工におけるアプリケーション、加工ノウハウ、金属粉末の拡充を進めるとともに、レーザーや制御技術などのコア技術の内製化を進め、コスト競争力の向上を進めてまいります。
精密マシニングセンタは、製品ラインナップの強化及び販売体制の強化により、高付加価値加工ニーズを取り込んでまいります。
生産体制においても、2018年に竣工したマルチファクトリー(石川県加賀市)をマザー工場として自動化対応や生産効率向上を進め、セル生産システムを海外工場にも横展開することで市場動向の変化や需要の波に柔軟に対応できる生産体制を構築してまいります。
<産業機械事業>産業機械事業においては、当社独自のV-LINE®の製品競争力を活かし、高精密射出成形機のリーディングカンパニーとしての地位確立を目指します。
まず、海外売上高比率70%以上を目指すべく、欧州市場への参入や今後成長が期待されているインドなど新興国市場での販売を強化致します。市場ニーズの高い全電動射出成形機「MSシリーズ」のラインナップ拡充によるボリュームゾーンでの販売強化を目指すほか、中国・アジアを中心とした営業人員の拡充及びスキル向上など営業体制の整備を進めてまいります。
軽金属射出成形機についても、自動車の軽量化などを背景に需要の増加が期待できるため、アルミニウムやマグネシウム射出成形機のラインナップ拡充、安定成形、メンテナンス性の向上を進めております。
また、自動生産システム「ICF-V」やIoT・AIを活用した予防保全・状態管理等のソリューション力を強化致します。
<食品機械事業>食品機械事業においては、海外販売・海外生産体制を強化し、グローバルな食品機械メーカーを目指してまいります。
中華圏及びアジア地域では、中間所得層の増加や物流インフラの高度化に伴い、冷凍麺やチルド麺、包装米飯などの高付加価値製品の需要拡大が期待できます。日本での実績を活かし、大手食品メーカーをターゲットに新規及び更新需要の開拓を進めてまいります。
また、製麺機、包装米飯製造装置に次ぐ製品群の育成を進めます。拡大が見込まれる中食市場向けの製品や自動化、省人化ニーズに応える製品群など、今後の市場ニーズに合った製品ラインナップを拡充してまいります。
生産体制についても中国での生産拡大など現地生産・現地販売の体制を早急に整えてまいります。
<その他>精密金型・精密成形事業においては、金属3Dプリンタで造形した金型及びその専用射出成形機を活用したプラスチック部品の自動生産システムのより一層の強化により、収益性を高めます。さらに、これらの活動を金属3Dプリンタの成功事例として、お客様に周知して頂くことで、金属3Dプリンタの普及にも貢献できると考えています。
セラミックス部品については、有機EL向けの製品開発を進めるなど高付加価値分野への販売拡大を目指します。
全社的には、経営基盤の強化として、コーポレートガバナンス体制強化に向けた取締役会の実効性向上、監督機能の強化、多様性の向上を推進するほか、人事面では採用強化、人事制度の見直し、人材育成、働きやすい職場環境作りなど、働き方改革を推進してまいります。また、事業管理体制の見直しにより、需要動向や市場変化に強い生産・販売体制を構築してまいります。
また、資本政策としては、まず財務の健全性の目標である、D/Eレシオ0.5倍以下、ネットキャッシュプラス、自己資本比率55%を確保し、安定した財務基盤の構築を目指します。その後、成長投資や株主還元等、バランスのとれた資本配分を行います。株主還元としては、より業績連動を加味した株主還元を実施するべく、DOE2.0%以上を保持しつつ、配当性向30%を目途に段階的に引き上げてまいります。
当社グループでは、引き続き、製品の設計から金型や部品の加工、成形を含むものづくりの川上から川下まであらゆる工程をトータルでサポートし、お客様の課題解決に最適なソリューションを提供できるよう取り組んでまいります。
(4)経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループのメイン事業である工作機械及び産業機械事業の業績は、製造業の設備投資動向に依るところが大きく、景気変動の影響を強く受けます。これに対し、当社グループでは、景気による影響が比較的少ない食品機械事業などの事業を拡充するほか、要素技術事業で新たな顧客を獲得し、景気変動リスクの低減を図ってまいります。さらに、研究開発の成果等によって新しい事業を興し、リスク分散を図り、安定した事業ポートフォリオの構築を図ってまいります。
また、当社グループはグローバルに事業を展開しており、海外売上高比率は6割を超えております。特に中国市場における売上高は4割弱を占めるなど、中国市場への依存度が高まっており、当該地域における予期せぬ法律・規制の変更、政治体制・経済政策の変化、テロ・戦争・自然災害・感染症の発生などにより当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。その他の地域につきましては、高いマーケットシェアを獲得している日本・中国・アジア地域に比べ、今後シェア拡大が見込める欧米地域では、テックセンターを活用した販売体制及び顧客サポートの強化を進めます。また、成長が期待できるインドなど新興成長国でも販売拠点の整備などを推進し、中国市場への依存度を低減し、地域別売上高比率の最適化を目指してまいります。
さらに近年、地震のような自然災害、火災、大規模なシステム障害などにより事業継続が困難になる事象が相次いでおります。当社グループでは、そのような危機に直面した場合でも、被害を最小限に抑え、事業継続を確実にするため、事業継続計画を策定し運用しています。生産能力の分散化を図るなど災害に強い生産体制の再検討・再構築を図ってまいります。また、地球温暖化など急激な環境変化を背景に、持続可能な社会に貢献する事業活動の重要性が高まっております。当社グループは、次世代自動車や車両の軽量化など環境負荷低減の取組みにも積極的に関与し、地球環境に配慮したものづくりを通し、サスティナブルな社会に寄与する事業展開を推進してまいります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
<景気変動の影響について>工作機械・産業機械業界の業績は、製造業の設備投資の動向に左右されやすいと言われております。当社グループが、今後成長を継続していくためには、世界各地のマーケットの状況を的確に把握し、その市場にあった製品群を投入することにより、各地域の景気動向に左右されにくい製品構成にする必要があります。また、製品開発においても、不断の研究開発の結果として、常に最先端技術を応用した新製品を市場に投入することにより、より幅広い顧客層を獲得し、安定した収益構造の構築を目指します。さらに、景気変動の影響が比較的少ない食品機械事業を展開するほか、要素技術事業でも新たな顧客を獲得するなど、景気変動リスクの低減への対応を継続してまいります。
<新市場への対応について>当社グループは、成長市場である東南アジア・中国市場において、他社に先駆けて生産・開発・販売拠点の拡充を進めてきた結果、これらの地域では日本同様の高いマーケットシェアを確保しております。これら成長市場での営業活動を継続するとともに、成長が期待できるインドなどの新興成長国における販売子会社の設立や代理店へのサポートの強化などを進めるなど今後も各市場の動向を注視し、適切な対応を継続してまいります。
<アフタービジネスの強化について>当社グループでは、安定的な収益の確保とお客様の生産性向上への貢献を通した顧客満足度の向上を目指すべく、従来のアフターサービスからAIやIoTを活用した総合ソリューションの提供への転換を図っております。「機械販売」「サプライ品・消耗品販売」「ノウハウ提供」の三位一体で、お客様の課題解決に向けたソリューションを提供し、アフタービジネスでの収益を強化してまいります。
<原価低減について>製造面では、設計の見直しや更なる重要部材の調達コスト削減を推進するとともに、たな卸資産の適正化や生産工程の再検討、市場環境に柔軟に対応できる国際的な調達ルートの確立など、各事業において収益力強化のため原価低減に向けた取り組みを行っています。特に産業機械事業は、競合他社との価格競争の激化など薄利となりやすい事業環境となっており、部材の調達方法の見直しや自動化、省人化の積極的な推進により稼働率を向上させ、原価低減を進めてまいります。
<強固な財務体質の構築について>2020年12月末現在で当社グループの有利子負債は、413億85百万円となっております(無利息の転換社債型新株予約権付社債についても対象としております。)。当連結会計年度はD/Eレシオは0.74倍、連結経常利益率は3.5%となりました。連結経常利益率10%以上及びD/Eレシオ0.5倍以下の経営数値目標達成に向けて、引き続き財務バランスを意識した経営に取り組んでまいります。今後も有利子負債の圧縮を含め様々な施策を行い、株主の皆様に対して継続した利益還元を可能にする強固な財務体質を早期に確立いたします。
当社グループは、CSR(企業の社会的責任)を社是「創造」「実行」「苦労・克服」の精神に基づき、お客様の「ものづくり」をサポートすることによって、社会の発展に貢献することと位置付けております。当連結会計年度においては、当社金属3Dプリンタ技術や射出成形技術を駆使し、新型コロナウイルス感染症予防に有用なフェイスシールド用フレーム「Face Tech」を開発し、社会貢献活動の一環として、医療関係・各種公共機関・スポーツ関連の施設や団体などに寄贈・供給しました。
また、当社では社会的要請の変化を踏まえ、ESG(環境・社会・企業統治)の視点でCSRを見直し、2017年に代表取締役社長を委員長とする「CSR推進委員会」を設置しており、今後も体系的にコンプライアンス、社会貢献、人材育成、品質管理、環境など重要なテーマを中心に、ESGに対する取り組みをより一層強化してまいります。
<デジタルトランスフォーメーションの推進>近年、データとデジタル技術(クラウド、AI、IoT等)を活用し、業務や企業運営のモデル自体を変革することで競争上の優位性の確立や生産性の向上を推進する「デジタルトランスフォーメーション」(以下、DX)が急速に進展しております。
当社グループにおきましても、DXを働き方改革のほか、事業戦略においても活用していきます。働き方改革においては、リモートワークの環境整備やRPA等のITツールの活用による業務効率化、WEB展示会やリモートツール等による営業活動を展開しています。さらに、DXの需要の高まりは当社においては事業拡大の好機と捉え、積極的な研究開発投資を行い、ITを活用したソリューションSodick IoTのサービスメニューを拡充してまいりました。今後もIoTやAI技術を駆使し、機械保守の高度化・迅速化や、お客様の生産性向上を目的としたサービスの提供を目指してまいります。
<新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応>当社グループは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に対し、2020年1月下旬に対策本部を立ち上げ、お客様、取引先様、従業員の安全を最優先とし、従業員へ一人ひとりが行うことができる感染予防対策の徹底並びに在宅ワークや時差出勤の活用等を推進し、感染拡大を防ぐ取り組みを行っています。また、対面での営業活動が難しいなか、Web展示会やリモートツール等を活用した営業活動及びサービス体制の強化を推進するとともに、金属3Dプリンタ技術を用いてフェイスシールド用フレームを開発し、医療関係や各種公共機関等に供給するなど、Withコロナ時代の持続的な成長に向けた取り組みを推進しております。また収束後の、経済活動拡大に向けた準備を行っております。
<長期経営計画「Next Stage 2026」の達成に向けて>当社グループでは、2019年2月に、設立50周年を迎える2026年をターゲットとした長期経営計画「Next Stage 2026~Toward Further Growth~」を策定しました。自動車産業の変革、IoT・AI技術の進化、5Gの普及、新興国におけるものづくりの高度化をはじめ、当社を取り巻く国際的な環境の変化に柔軟に対応しながら、持続的な成長をめざすためのビジョンであり、各事業において計画達成に向けた様々な施策を実施しております。しかしながら、長期計画策定時には想像もしなかった米中貿易摩擦や新型コロナウイルスの世界的流行等の発生により、経済情勢や市場環境は著しく変化しているほか、今後の経営環境にも不透明さが残る状況が継続しております。一方、ものづくりの現場ではCASEやMaaSへの対応をはじめとした自動車産業の変革や、AIやIoTの進展、5Gの普及に向けた設備投資の動きが継続し、高精度機需要が高まることも期待されております。このような状況を踏まえ、必要に応じて長期経営計画の見直しを検討してまいります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、最高の製品を提供し、お客様の「ものづくり」をサポートすることによって、社会の発展に貢献することを基本方針としており、社名の由来である「創造(SO)」「実行(DI)」「苦労、克服(C,K)」の理念の下、お客様と共に困難な問題を解決することによって、お客様に信頼して頂くことが企業の継続的発展のために最も重要なことと考えております。
当社グループは、現在までその中で培った貴重な経験を集約して、新たな技術・製品を開発することにより、多くのビジネスチャンスを見つけてまいりました。
今後におきましてもこの企業理念を守り、技術的優位性が高く、お客様に資する製品の開発に努め、収益力の強化につながるよう、グループ全社を挙げて取り組んでまいります。
(2)目標とする経営指標
当社は、中長期的な株主の皆様への利益還元と、財務体質の強化を重視しており、その前提となる経営指標は、連結経常利益率とD/Eレシオを採用しております。当連結会計年度においては、連結経常利益率3.5%、D/Eレシオ0.74倍となりました。連結経常利益率につきましては、10%以上及びD/Eレシオ0.5倍以下の経営数値目標の達成に向けて、引き続き財務バランスを意識した経営に取り組んでまいります。
| 区 分 | 数値目標 |
| 連結経常利益率 | 10%以上 |
| D/Eレシオ | 0.5倍以下 |
(注)D/Eレシオの算出方法:有利子負債(無利息の転換社債型新株予約権付社債についても対象)÷ 株主資本
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社グループの事業領域は、放電加工機、マシニングセンタ、金属3Dプリンタ、射出成形機、食品機械、これら当社製の機械装置を使用して精密な金型や成形品を製造する事業及びセラミックス部材、リニアモータなど当社グループの製品を製造するために開発した技術を使用した応用機器の外部販売など、「ものづくり」に関係する多岐に渡るビジネスを展開しております。
当社グループでは「未来を創る」をコンセプトとして、お客様の「ものづくり」のお手伝いをする中で培ったコア技術を応用することによりお客様が必要とされる生産財を一貫して提供できる体制を整えること、組織の再編を通じて経営資源の最適化を図ることにより、収益力の一層の強化を図っております。また、持続可能な成長を実現するため中長期計画を策定し、経営基盤の強化に努めております。
当社は、2019年2月に公表した設立50周年を迎える2026年をターゲットに策定したソディックグループ長期経営計画「Next Stage 2026 ~Toward Further Growth~」の達成に向け取り組んでおります。「創造」「実行」「苦労・克服」の精神を基に、自社技術をさらに向上し、新たな製品群への応用開発を進め、ものづくりを通して持続可能な社会に貢献することを経営方針とし事業の拡大を目指します。現在の収益の大半を占める放電加工機だけでなく、精密マシニングセンタ、金属3Dプリンタ、軽金属射出成形機、包装米飯製造装置など今後の成長を牽引する製品群の育成により事業ポートフォリオを変革し、安定した収益基盤の構築を目指してまいります。
定量目標としては、2026年12月期までに、売上高1,250億円、営業利益170億円を展望しております。
各事業の具体的施策は以下の通りです。
<工作機械事業>当社のメインの事業である工作機械事業においては、放電加工機に次ぐ製品群、金属3Dプリンタ、精密マシニングセンタを育成し、事業領域の拡大を図っていく方針です。
当社のコア製品である放電加工機は、次世代自動車、5G(第5世代インターネット通信)、自動化対応など技術革新への対応を進め、世界シェア・収益性向上を引き続き推進するほか、成長市場であるインドやメキシコ、また日本、中国に比べてシェアの低い欧米でのシェアアップを図ります。
金属3Dプリンタは、金型及び部品加工におけるアプリケーション、加工ノウハウ、金属粉末の拡充を進めるとともに、レーザーや制御技術などのコア技術の内製化を進め、コスト競争力の向上を進めてまいります。
精密マシニングセンタは、製品ラインナップの強化及び販売体制の強化により、高付加価値加工ニーズを取り込んでまいります。
生産体制においても、2018年に竣工したマルチファクトリー(石川県加賀市)をマザー工場として自動化対応や生産効率向上を進め、セル生産システムを海外工場にも横展開することで市場動向の変化や需要の波に柔軟に対応できる生産体制を構築してまいります。
<産業機械事業>産業機械事業においては、当社独自のV-LINE®の製品競争力を活かし、高精密射出成形機のリーディングカンパニーとしての地位確立を目指します。
まず、海外売上高比率70%以上を目指すべく、欧州市場への参入や今後成長が期待されているインドなど新興国市場での販売を強化致します。市場ニーズの高い全電動射出成形機「MSシリーズ」のラインナップ拡充によるボリュームゾーンでの販売強化を目指すほか、中国・アジアを中心とした営業人員の拡充及びスキル向上など営業体制の整備を進めてまいります。
軽金属射出成形機についても、自動車の軽量化などを背景に需要の増加が期待できるため、アルミニウムやマグネシウム射出成形機のラインナップ拡充、安定成形、メンテナンス性の向上を進めております。
また、自動生産システム「ICF-V」やIoT・AIを活用した予防保全・状態管理等のソリューション力を強化致します。
<食品機械事業>食品機械事業においては、海外販売・海外生産体制を強化し、グローバルな食品機械メーカーを目指してまいります。
中華圏及びアジア地域では、中間所得層の増加や物流インフラの高度化に伴い、冷凍麺やチルド麺、包装米飯などの高付加価値製品の需要拡大が期待できます。日本での実績を活かし、大手食品メーカーをターゲットに新規及び更新需要の開拓を進めてまいります。
また、製麺機、包装米飯製造装置に次ぐ製品群の育成を進めます。拡大が見込まれる中食市場向けの製品や自動化、省人化ニーズに応える製品群など、今後の市場ニーズに合った製品ラインナップを拡充してまいります。
生産体制についても中国での生産拡大など現地生産・現地販売の体制を早急に整えてまいります。
<その他>精密金型・精密成形事業においては、金属3Dプリンタで造形した金型及びその専用射出成形機を活用したプラスチック部品の自動生産システムのより一層の強化により、収益性を高めます。さらに、これらの活動を金属3Dプリンタの成功事例として、お客様に周知して頂くことで、金属3Dプリンタの普及にも貢献できると考えています。
セラミックス部品については、有機EL向けの製品開発を進めるなど高付加価値分野への販売拡大を目指します。
全社的には、経営基盤の強化として、コーポレートガバナンス体制強化に向けた取締役会の実効性向上、監督機能の強化、多様性の向上を推進するほか、人事面では採用強化、人事制度の見直し、人材育成、働きやすい職場環境作りなど、働き方改革を推進してまいります。また、事業管理体制の見直しにより、需要動向や市場変化に強い生産・販売体制を構築してまいります。
また、資本政策としては、まず財務の健全性の目標である、D/Eレシオ0.5倍以下、ネットキャッシュプラス、自己資本比率55%を確保し、安定した財務基盤の構築を目指します。その後、成長投資や株主還元等、バランスのとれた資本配分を行います。株主還元としては、より業績連動を加味した株主還元を実施するべく、DOE2.0%以上を保持しつつ、配当性向30%を目途に段階的に引き上げてまいります。
当社グループでは、引き続き、製品の設計から金型や部品の加工、成形を含むものづくりの川上から川下まであらゆる工程をトータルでサポートし、お客様の課題解決に最適なソリューションを提供できるよう取り組んでまいります。
(4)経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループのメイン事業である工作機械及び産業機械事業の業績は、製造業の設備投資動向に依るところが大きく、景気変動の影響を強く受けます。これに対し、当社グループでは、景気による影響が比較的少ない食品機械事業などの事業を拡充するほか、要素技術事業で新たな顧客を獲得し、景気変動リスクの低減を図ってまいります。さらに、研究開発の成果等によって新しい事業を興し、リスク分散を図り、安定した事業ポートフォリオの構築を図ってまいります。
また、当社グループはグローバルに事業を展開しており、海外売上高比率は6割を超えております。特に中国市場における売上高は4割弱を占めるなど、中国市場への依存度が高まっており、当該地域における予期せぬ法律・規制の変更、政治体制・経済政策の変化、テロ・戦争・自然災害・感染症の発生などにより当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。その他の地域につきましては、高いマーケットシェアを獲得している日本・中国・アジア地域に比べ、今後シェア拡大が見込める欧米地域では、テックセンターを活用した販売体制及び顧客サポートの強化を進めます。また、成長が期待できるインドなど新興成長国でも販売拠点の整備などを推進し、中国市場への依存度を低減し、地域別売上高比率の最適化を目指してまいります。
さらに近年、地震のような自然災害、火災、大規模なシステム障害などにより事業継続が困難になる事象が相次いでおります。当社グループでは、そのような危機に直面した場合でも、被害を最小限に抑え、事業継続を確実にするため、事業継続計画を策定し運用しています。生産能力の分散化を図るなど災害に強い生産体制の再検討・再構築を図ってまいります。また、地球温暖化など急激な環境変化を背景に、持続可能な社会に貢献する事業活動の重要性が高まっております。当社グループは、次世代自動車や車両の軽量化など環境負荷低減の取組みにも積極的に関与し、地球環境に配慮したものづくりを通し、サスティナブルな社会に寄与する事業展開を推進してまいります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
<景気変動の影響について>工作機械・産業機械業界の業績は、製造業の設備投資の動向に左右されやすいと言われております。当社グループが、今後成長を継続していくためには、世界各地のマーケットの状況を的確に把握し、その市場にあった製品群を投入することにより、各地域の景気動向に左右されにくい製品構成にする必要があります。また、製品開発においても、不断の研究開発の結果として、常に最先端技術を応用した新製品を市場に投入することにより、より幅広い顧客層を獲得し、安定した収益構造の構築を目指します。さらに、景気変動の影響が比較的少ない食品機械事業を展開するほか、要素技術事業でも新たな顧客を獲得するなど、景気変動リスクの低減への対応を継続してまいります。
<新市場への対応について>当社グループは、成長市場である東南アジア・中国市場において、他社に先駆けて生産・開発・販売拠点の拡充を進めてきた結果、これらの地域では日本同様の高いマーケットシェアを確保しております。これら成長市場での営業活動を継続するとともに、成長が期待できるインドなどの新興成長国における販売子会社の設立や代理店へのサポートの強化などを進めるなど今後も各市場の動向を注視し、適切な対応を継続してまいります。
<アフタービジネスの強化について>当社グループでは、安定的な収益の確保とお客様の生産性向上への貢献を通した顧客満足度の向上を目指すべく、従来のアフターサービスからAIやIoTを活用した総合ソリューションの提供への転換を図っております。「機械販売」「サプライ品・消耗品販売」「ノウハウ提供」の三位一体で、お客様の課題解決に向けたソリューションを提供し、アフタービジネスでの収益を強化してまいります。
<原価低減について>製造面では、設計の見直しや更なる重要部材の調達コスト削減を推進するとともに、たな卸資産の適正化や生産工程の再検討、市場環境に柔軟に対応できる国際的な調達ルートの確立など、各事業において収益力強化のため原価低減に向けた取り組みを行っています。特に産業機械事業は、競合他社との価格競争の激化など薄利となりやすい事業環境となっており、部材の調達方法の見直しや自動化、省人化の積極的な推進により稼働率を向上させ、原価低減を進めてまいります。
<強固な財務体質の構築について>2020年12月末現在で当社グループの有利子負債は、413億85百万円となっております(無利息の転換社債型新株予約権付社債についても対象としております。)。当連結会計年度はD/Eレシオは0.74倍、連結経常利益率は3.5%となりました。連結経常利益率10%以上及びD/Eレシオ0.5倍以下の経営数値目標達成に向けて、引き続き財務バランスを意識した経営に取り組んでまいります。今後も有利子負債の圧縮を含め様々な施策を行い、株主の皆様に対して継続した利益還元を可能にする強固な財務体質を早期に確立いたします。
また、当社では社会的要請の変化を踏まえ、ESG(環境・社会・企業統治)の視点でCSRを見直し、2017年に代表取締役社長を委員長とする「CSR推進委員会」を設置しており、今後も体系的にコンプライアンス、社会貢献、人材育成、品質管理、環境など重要なテーマを中心に、ESGに対する取り組みをより一層強化してまいります。
<デジタルトランスフォーメーションの推進>近年、データとデジタル技術(クラウド、AI、IoT等)を活用し、業務や企業運営のモデル自体を変革することで競争上の優位性の確立や生産性の向上を推進する「デジタルトランスフォーメーション」(以下、DX)が急速に進展しております。
当社グループにおきましても、DXを働き方改革のほか、事業戦略においても活用していきます。働き方改革においては、リモートワークの環境整備やRPA等のITツールの活用による業務効率化、WEB展示会やリモートツール等による営業活動を展開しています。さらに、DXの需要の高まりは当社においては事業拡大の好機と捉え、積極的な研究開発投資を行い、ITを活用したソリューションSodick IoTのサービスメニューを拡充してまいりました。今後もIoTやAI技術を駆使し、機械保守の高度化・迅速化や、お客様の生産性向上を目的としたサービスの提供を目指してまいります。
<新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応>当社グループは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に対し、2020年1月下旬に対策本部を立ち上げ、お客様、取引先様、従業員の安全を最優先とし、従業員へ一人ひとりが行うことができる感染予防対策の徹底並びに在宅ワークや時差出勤の活用等を推進し、感染拡大を防ぐ取り組みを行っています。また、対面での営業活動が難しいなか、Web展示会やリモートツール等を活用した営業活動及びサービス体制の強化を推進するとともに、金属3Dプリンタ技術を用いてフェイスシールド用フレームを開発し、医療関係や各種公共機関等に供給するなど、Withコロナ時代の持続的な成長に向けた取り組みを推進しております。また収束後の、経済活動拡大に向けた準備を行っております。
<長期経営計画「Next Stage 2026」の達成に向けて>当社グループでは、2019年2月に、設立50周年を迎える2026年をターゲットとした長期経営計画「Next Stage 2026~Toward Further Growth~」を策定しました。自動車産業の変革、IoT・AI技術の進化、5Gの普及、新興国におけるものづくりの高度化をはじめ、当社を取り巻く国際的な環境の変化に柔軟に対応しながら、持続的な成長をめざすためのビジョンであり、各事業において計画達成に向けた様々な施策を実施しております。しかしながら、長期計画策定時には想像もしなかった米中貿易摩擦や新型コロナウイルスの世界的流行等の発生により、経済情勢や市場環境は著しく変化しているほか、今後の経営環境にも不透明さが残る状況が継続しております。一方、ものづくりの現場ではCASEやMaaSへの対応をはじめとした自動車産業の変革や、AIやIoTの進展、5Gの普及に向けた設備投資の動きが継続し、高精度機需要が高まることも期待されております。このような状況を踏まえ、必要に応じて長期経営計画の見直しを検討してまいります。