有価証券報告書-第55期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/28 14:31
【資料】
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【項目】
114項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中における将来に関する事項は、本書提出日(平成28年6月28日)において当社グループが判断したものであります。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。連結財務諸表の作成では、期末日における資産、負債並びに会計期間における収益及び費用に影響を与えるような見積りや仮定を必要とします。結果として、このような見積りと実績が異なる場合があります。当社経営陣は、特に以下の重要な会計方針の適用における見積りや仮定は連結財務諸表に重要な影響を与えると考えております。
① 収益の認識
当社グループの主力製品であるCNC旋盤の売上高は、主として、検収を基準としております。
② 貸倒引当金
当社グループは、顧客の支払不能時に発生する損失見積り額について、貸倒引当金を計上しております。仮に顧客の支払能力が低下した場合には、その回収可能性を勘案し、追加引当を計上する可能性があります。
③ 製品保証引当金
当社グループは、製品販売後における無償での補修費用について、過去の実績に基づく所要額を計上しております。製品の出荷におきましては、品質管理システムに基づく検査等を実施しておりますが、実際の製品不良、修理費用が見積りと異なる場合は、見積り所要額の修正を必要とし、追加引当を計上する可能性があります。
④ たな卸資産
当社グループは、たな卸資産につき、収益性の低下が認められた場合には一定の基準に基づき、評価損を計上しております。実際の市場状況により収益性の低下が増大すると認められた場合には、追加の評価損を計上する可能性があります。
⑤ 投資有価証券
当社グループの保有する投資有価証券には、価格変動のある公開会社の株式と非公開会社の株式及び関係会社の株式が含まれております。当社グループはこれらに関わる価格・価値の下落が一時的でないと判断した場合には、下落した額を評価損として計上いたします。
将来、市場動向が悪化した場合又は投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失が発生又は価格・価値に回収不可能が生じた場合、評価損を計上する可能性があります。
⑥ 繰延税金資産
当社グループが計上している繰延税金資産は、回収可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当額を計上しております。評価性引当額の必要性については、将来の課税所得等により検討いたしますが、当社グループが現在計上している繰延税金資産の全部又は一部の回収が不可能であると判断した場合、その年度において繰延税金資産の調整額を費用として計上します。同様に、当社グループが現在計上している以上の繰延税金資産の回収が可能であると判断した場合、その年度において繰延税金資産の調整により利益を増加させることとなります。
⑦ 退職給付に係る負債
当社グループは、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出された退職給付費用及び債務を計上しております。退職給付費用及び債務の将来の変動要因としては、従業員数の変動や、数理計算上の前提条件(割引率、期待収益率等)の変動によるものがあります。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、将来期間において認識される費用及び債務に影響を及ぼします。
(2) 当連結会計年度の経営成績
① 業績概要
当連結会計年度における業績につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1) 業績」に記載のとおりであります。
② 売上高
当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べ8億4百万円(前年同期比4.5%増)増加し、188億22百万円となりました。
セグメント別では、工作機械事業は前連結会計年度に比べ6億46百万円増加し、170億45百万円、IT関連製造装置事業は前連結会計年度に比べ47百万円減少し、7億63百万円、自動車部品加工事業は前連結会計年度に比べ2億5百万円増加し、10億14百万円となりました。
③ 売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価は、前連結会計年度に比べ2億80百万円増加し、138億29百万円となりました。これは売上高の増加に伴うものであり、これにより売上高に対する比率は73.5%となりました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ1億37百万円増加し、32億51百万円となりました。これは主に人件費の増加によるものであり、売上高に対する比率は17.3%となりました。
また、研究開発費は前連結会計年度に比べ39百万円減少の1億47百万円となり、売上高に対する比率は0.8%となりました。開発部門は研究開発費の効率化をはかりながら、各部門と緊密な連携を取り、当社グループの戦略製品開発や技術開発を行っております。
④ 営業損益
営業利益は、工作機械事業の売上高の増加により、前連結会計年度に比べ3億86百万円増加し、17億41百万円となりました。
セグメント別では、工作機械事業は前連結会計年度に比べ3億94百万円増加の17億70百万円の営業利益、IT関連製造装置事業は前連結会計年度に比べ8百万円増加の3百万円の営業利益、自動車部品加工事業は前連結会計年度に比べ9百万円減少の26百万円の営業損失となりました。
⑤ 営業外損益
営業外収益は、前連結会計年度に比べ42百万円減少し、84百万円となりました。これは主に持分法による投資利益が減少したことによるものです。
営業外費用は、前連結会計年度に比べ7百万円増加し、28百万円となりました。これは主に持分法による投資損失の増加によるものです。
⑥ 経常損益
経常利益は、営業利益の増加により、前連結会計年度に比べ3億37百万円増加し、17億96百万円となりました。
⑦ 特別損益
特別利益は、0百万円と前連結会計年度に比べ4百万円の減少となりました。これは主に前連結会計年度において固定資産売却益を計上したことによるものです。
特別損失は、5百万円と前連結会計年度に比べ5百万円の増加となりました。これは主に当連結会計年度において賃貸資産に係る減損損失を計上したことによるものです。
⑧ 親会社株主に帰属する当期純損益
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ2億88百万円増加し、12億25百万円となりました。また、1株当たり当期純利益金額は、111.51円となりました。
(3) 資本の財源及び資金の流動性
① 資金調達と流動性
当社グループは、営業活動から得たキャッシュや、金融機関からの借入等により資金調達を行っております。また、資金調達に際しては、低コストかつ中長期にわたる安定的な資金の確保を重視して取り組んでおります。当連結会計年度末の現金及び預金の総額は34億27百万円、また借入金は短期、長期あわせて13億71百万円であります。当社グループは、取引先金融機関との現在の健全かつ緊密な関係を維持していくことで、当社グループが将来必要とする運転資金及び設備資金を調達することが可能であると考えております。
② 資産及び負債・純資産
当連結会計年度末の総資産は203億23百万円で前連結会計年度末に比べ7億48百万円の増加となりました。
区分別にみますと、流動資産は137億25百万円となり、前連結会計年度末に比べて5億53百万円増加しました。その主な要因としては、現金及び預金が4億48百万円減少したものの、受取手形及び売掛金が3億52百万円、電子記録債権が5億25百万円増加したことによるものです。
固定資産は65億97百万円となり、前連結会計年度末に比べて1億95百万円増加しました。その主な要因としては、建設仮勘定が2億98百万円増加したことによるものです。
次に当連結会計年度末の負債は83億14百万円で前連結会計年度末に比べて43百万円の増加となりました。
区分別にみますと、流動負債は66億90百万円となり、前連結会計年度末に比べて1億31百万円増加しました。その主な要因としては、支払手形及び買掛金が17億6百万円減少したものの、電子記録債務が17億47百万円、流動負債のその他(未払金等)が1億47百万円増加したことによるものです。
固定負債は16億23百万円となり、前連結会計年度末に比べて87百万円減少しました。その主な要因としては、退職給付に係る負債が2億69百万円増加したものの、長期借入金が2億18百万円、繰延税金負債が1億11百万円減少したことによるものです。
当連結会計年度末の純資産は120億8百万円で前連結会計年度末に比べて7億5百万円の増加となりました。その主な要因としては、退職給付に係る調整累計額が2億27百万円減少したものの、利益剰余金が10億49百万円増加したことによるもので、自己資本比率は59.0%となりました。
③ キャッシュ・フロー情報
当連結会計年度におけるキャッシュ・フロー情報につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。