有価証券報告書-第110期(2025/01/01-2025/12/31)

【提出】
2026/03/24 15:31
【資料】
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【項目】
187項目
② 戦略
当社グループはこれまで、事業活動と生態系との関係性を明確にするため、製品プロセスや土地利用などと生態系との関係を一覧できる「ダイフクと生物多様性の関係性マップ」を作成し、生物多様性に配慮した活動を行ってきました。TNFD提言に基づく開示にあたっては、同マップを前提に、TNFDが提示するLEAPアプローチ※に沿って、自然関連のリスク及び機会の特定・評価を行いました。
※LEAPアプローチ:LEAP(Locate, Evaluate, Assess, Prepareの頭文字)と呼ばれる自然関連のリスクと機会の管理のための統合評価プロセス
<ダイフクと生物多様性の関係性マップ>
1) スコープの設定(Scoping)
当社事業のバリューチェーンを整理した上で、対象範囲を当社及び国内グループ会社としました。バリューチェーン上流については、当社にとっての重要度と自然への依存・影響の観点で主要なサプライヤーと原材料を選定し、対象範囲としました。主要な原材料は、高リスク天然一次産品※、鉱物に関する規制、責任ある鉱物調達の対象鉱物を考慮し鉄、アルミニウム、銅を選定しました。
※高リスク天然一次産品:SBTs for Natureによって生産が自然に重大なマイナスのインパクトを及ぼすとされている商品又は製品
<バリューチェーン図>
2) 優先地域の特定(Locate)
優先地域の特定方法
優先地域は、事業上の重要性(事業と自然の関連性)と、自然面での重要性(生態学的に要注意と考えられる地域)の双方から特定しました。
事業における重要性の観点では、Scopingにて設定した国内グループ会社及び主要サプライヤーについて分析を行い、当社グループの主要事業活動(製造)で、自然への依存・影響が比較的大きい生産拠点を対象としました。
また、原材料(鉄、アルミニウム、銅)の採掘・加工地は、世界の埋蔵量や日本の貿易状況等から主要な採掘国及び鉱山、加工国を推定し、対象としました。
これらの生産拠点・原材料採掘・加工地における自然面での重要性を把握するため、WWF Risk Filter※1、 Global Forest Watch map※2及び事例収集により評価を行いました。評価は、TNFDが提唱する「生態系の完全性の低下」「生物多様性の重要性の高さ」「生態系の完全性の高さ」「水リスクの高さ」「生態系サービス提供の重要性」を要件としました。
※1 WWF Risk Filter:企業の生物多様性リスク及び水リスクを評価するツール
※2 Global Forest Watch map:森林破壊、土地利用などのマップを提供するツール
優先地域の特定結果
評価の結果、下表のとおり、当社グループの国内生産拠点のうち、「ダイフク滋賀事業所」と「ダイフク・マニュファクチャリング・テクノロジー本社」は、水リスク(洪水、水質)が高いことから優先地域として特定しました。両拠点の位置は下図のとおりです。
そのほか、サプライヤーの生産拠点及び原材料(鉄、アルミニウム、銅)の採掘・加工地についても、いずれかの要件で重要度が高いため、優先地域として特定しました。原材料の採掘・加工地は、チリ、ペルー、 ブラジル、メキシコ、南アフリカ、コンゴ民主共和国、ギニア、アラブ首長国連邦、ナイジェリア、カタール、中国、韓国、台湾、タイ、インド、インドネシア、マレーシア、オーストラリア、ニュージーランド、 アメリカ、カナダ、スウェーデン、オーストリア、ドイツと推定しています。

※Very High、High、Medium、Low、Very Lowの5段階で評価

出典:Made with Natural Earth.
3) 依存及び影響の評価(Evaluate)
当社事業のバリューチェーン各工程における自然への依存及び影響についてENCORE※を用いて評価し、ヒートマップに整理しました。
その結果、バリューチェーン各工程で自然への依存及び影響があり、特に、原材料(鉄、アルミニウム、銅)の採掘における依存及び影響が大きいことが分かりました。具体的には、以下のとおりです。
※ENCORE:事業活動が自然にどのように依存し、自然に影響を与えるかを把握するツールです。詳細は、以下URLをご参照ください。
ENCORE
https://www.encorenature.org/en
<依存>·水関連の機能(水の供給、水質の浄化、流量の調整)
·自然災害への防災(植物による風水害の緩和(例えば、防風林など))
·気候調整の機能(植物による降雨調節、地球規模の気候調節機能)
<影響>·淡水域/海域における開発
·非生物資源(鉱物)の採取
·温室効果ガスの排出
·大気・土壌・水質の汚染
·廃棄物(鉱さい)の発生
·騒音等の攪乱
当社グループの製造、移設工事・点検・修理においては、自然への依存度は高くない一方で、製造工程で発生する有害物質による土壌・水質汚染の影響は大きくなっています。
<自然への依存のヒートマップ>
<自然への影響のヒートマップ>
4) リスク及び機会の評価(Assess)
上記3) Evaluateで依存・影響が大きいと評価した内容を「自然要因ドライバー」として整理し、そこから当社グループで将来的に想定される自然関連リスク及び機会を洗い出しました。
リスク及び機会は、上記2) Locateの結果を踏まえつつ、当社グループの事業への影響度を定性・定量の両面から評価し、「リスク発現・機会実現までの期間」「リスク発現・機会実現の可能性」「財務影響度」の軸で整理しました。各リスク及び機会については、適切に対策していきます。
「期間」「可能性」「影響度」の定義は以下のとおりです。
期間短期中期長期
3年未満3~10年10年以上
可能性
やや不確実中間やや確実
影響度
売上高60億円未満60~600億円600億円以上
利益・コスト6億円未満6~60億円60億円以上

<当社及び国内グループ会社におけるリスク・機会>
分類自然要因ドライバー主なリスク・
機会
期間可能性影響度リスク・機会への
主な対応
移行
リスク
政策規制(原材料の採掘・加工)
海底利用、鉱物資源採取、大気・水・土壌汚染、廃棄物、騒音等の規制強化
自然関連の規制強化による調達コストの増加中期~
長期
① サプライチェーンでの環境負荷低減
評判(原材料の採掘・加工)
海底利用、鉱物資源採取、大気・水・土壌汚染、廃棄物、騒音等による悪影響
鉱物資源の採取・加工に伴う悪影響による評判悪化中期~
長期
政策規制(当社製造)
大気・水・土壌汚染の規制強化
自然関連の規制強化による運営コストの増加中期~
長期
② 環境汚染防止の強化
政策規制・市場(当社製造、製品使用)
環境負荷の低減に関する規制
環境負荷低減に対する市場要請の高まり
環境負荷の少ない製品開発・設計の対応遅れによる売上の減少中期~
長期
③ マテリアルハンドリングシステムの環境価値と社会価値の追求
④ 有害物質関連規制への対応


分類自然要因ドライバー主なリスク・
機会
期間可能性影響度リスク・機会への
主な対応
物理
リスク
急性・慢性(原材料の採掘・加工)
水不足(干ばつ)、風水害の増加・激甚化
水不足、風水害による原材料調達コストの増加中期~
長期
① サプライチェーンでの環境負荷低減
機会資源効率市場(原材料の採掘・加工)
鉱物資源の減少、循環型社会への移行
バージン原材料の削減による調達の持続可能性の向上長期⑤ 省資源に対応した製品設計
資源効率(当社製造)
資源効率の向上(水使用量、廃棄物発生量、エネルギー使用量等の削減)
資源効率化等による運営コストの減少長期⑥ 水使用量、廃棄物発生量、エネルギー使用量等の削減
評判(バリューチェーン全体)
自然関連の取り組み評価の厳格化、情報開示要請の高まり
自然関連の取り組みや情報開示によるESG評価や評判向上中期~
長期
③ マテリアルハンドリングシステムの環境価値と社会価値の追求
⑦ 自然保全活動の推進、イニシアティブへの参画
⑧ 自然関連の情報開示の充実化

なお、自然関連のリスク・機会を洗い出し、評価するにあたっては、気候関連のリスク・機会と同様、移行リスク及び機会は1.5~2℃シナリオ、物理リスクは3~4℃シナリオにおける世界を想定しています。
「自然関連のリスク・機会への主な対応(Prepare)」の詳細は、以下URLをご参照ください。
生物多様性保全
https://www.daifuku.com/jp/sustainability/environment/biodiversity/
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