有価証券報告書-第62期(2025/04/01-2026/03/31)
(4) 戦略
① マテリアリティの特定
日立建機グループでは、2021年にSDGsやESGといった社会課題の視点と、自社の企業価値の向上および毀損につながる外部環境の視点の両面からマテリアリティの見直しを実施しました。中長期的なリスクと機会を検討して、事業におけるインパクトが大きいと考えられる4つのテーマを抽出し、社内外のステークホルダーと議論を重ね、執行役会で承認を受け、取締役会で報告の上、特定しています。さらにマテリアリティごとにKPI(重要業績評価指標)を設定し、達成に向けたアクションプランの遂行を含め、サステナビリティ・ガバナンス体制のもとで進捗管理を行い、着実な遂行をめざしています。
本マテリアリティは、外部環境の変化等を踏まえ、今後も随時見直しを行っていきます。
4つのマテリアリティに基づき、サステナビリティ課題に対応する「環境戦略」「技術戦略」「人財戦略」について報告します。


② 環境戦略
―カーボンニュートラル実現に向けて―
日立建機グループは、2050年までにバリューチェーン全体を通じての温室効果ガス実質排出量ゼロをめざし、製品開発および生産工程の両面でこのゴールに向けたロードマップを策定し、CO₂排出量の削減に取り組んでいます。
製品においては、CO₂を排出しない環境配慮製品をお客さまや社会に提供するための指標として、2019年に「2℃シナリオ」でSBT認証を取得、2025年11月にはさらに厳しい基準である「1.5℃シナリオ」にてSBT認証を更新取得しました。基準年を2018年とし、2030年度までに、製品や購入品製造時のCO2排出量(Scope3)を30%削減することを目標に掲げて活動しています。この目標達成に向けて、コンパクトからマイニングの超大型機まで全製品レンジの開発を進め、燃費低減に加えて電動化建機のラインアップ拡充、水素燃料製品の技術的実現性の見極め、さらにはお客さまの使用段階でのCO₂排出量の削減を実現するソリューションの提供を進めています(図1)。
また、工場の生産工程・オフィスからのCO2排出量(Scope1,2)を51%削減する目標を設定し、推進しています。CO₂排出量の削減手段には省エネ、再生可能エネルギーへの転換(設備投資による自家発電、再生可能エネルギー電力導入)、電化、燃料転換等があります(図2)。
こうしたサプライチェーン全体でのカーボンニュートラル実現に向けた取り組みは、2023年度から2025年度まで日本国内で活動した「GXリーグ※1」の考えに合致するものであり、日立建機は2023年5月に「GXリーグ」へ参画しました。2026年6月には、この活動を移行した新たな枠組み「GX フューチャー・コンソーシアム」における「GX フューチャー・リーグ」※2に参画することにより当社の取り組みを促進するとともに、参画企業や団体と協働し、経済社会システム全体の変革に貢献していきます。
※1 GX(グリーントランスフォーメーション)リーグ:経済産業省主導で立ち上げられた、2050年カーボンニュートラルに向けて「産・学・官・金」が連携し、経済社会システム全体の変革に取り組む協働の場。
※2 GXフューチャー・リーグ:GX等に関する「需要創出」「ルールメイキング」「ルールの発信」「ルールの浸透」を行うことを目的に官・民ともに様々なテーマでのWGを実施する場。


―TCFD提言への対応―
2020年7月に全社コーポレート部門と事業部門の部門長およびキーマンによる社内タスクフォースを設立し、同年10月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明しました。毎年、社内タスクフォースによる1.5℃と4℃を想定したシナリオ分析のアップデート、気候変動リスクの発生可能性や財務的影響について評価を行っています。TCFDフレームワーク*に基づき、気候変動がもたらすリスクと機会および対応する戦略についての開示を行い、持続可能な事業展開をめざして、本提言に沿った推進強化に努めています。

* TCFDフレームワーク …TCFD提言の取り組みの詳細については、「日立建機グループ統合報告書2025」P71-73を参照ください。
―サーキュラーエコノミーへの取り組み―
日立建機グループは、開発設計を起点にゼロ・エミッションを実現する建設機械の普及に取り組むと同時に、部品・サービス、再生、レンタル、中古車といったバリューチェーン事業を通じて、廃棄量をさまざまな角度から減らす取り組みを行っています。そのために、バリューチェーン全体にわたる4つのR(Reuse・Reduce・Recycle・Renewable)の活動をグループ全体で推進しています。バリューチェーン事業の拡大を図ると同時に、再生部品のさらなる普及、リサイクル材使用の増加によりサーキュラーエコノミーを事業の一環として実践することにより、廃棄物の削減、投入資源の抑制を実現し、最終的にはCO₂排出量の削減にも貢献しています。
③ 技術戦略
日立建機では、2035年に向けてあるべき姿を描き、その実現に向けて現在250を超える研究開発テーマを推進しています。顧客提供価値を実現するための重要技術を、コア技術、基盤技術として体系化し、先行テーマについても、コア技術、基盤技術にDX・AIを掛け合わせることで、実用化に向けた検討を進めていきます。
また、コア技術、基盤技術のうち、社内で研究・開発を進めるもの、外部連携によって技術の確立を実現するもののオープンクローズ戦略も策定していきます。これらのコア技術を組み合わせることにより、顧客や社会に提供する価値を実現し、業界トップの製品、ソリューションを創生していきます。

―デジタル人財の育成―
急速な技術革新への対応やこれに対応した経営戦略の実行のため、デジタル人財の育成とリテラシーの向上に取り組んでいます。この取り組みでは、まずデジタル人財の基礎となる目標をやり抜くスキルとマインドを習得するために「自己変革プログラム」を実施し、受講者は全世界のグループ会社で6,800名を超えました。
並行して国内では、2022年度からデジタルリテラシーに関する研修をリーダー対象に実施し、2024年度以降は階層別研修に組み込むことで全社員に広げ、受講者数は1,398名(25年度末迄)となりました。さらに2024年度からは、これらのプログラムに加え、全部門共通で必要とされるデジタル専門スキルをもった人財の育成を促進するため、プロジェクトマネージャとデータサイエンティストを育成するプログラムを開始し、認定資格であるPMP®(プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル)の合格者が18名(25年度末迄)、CAPM®(Certified Associate in Project Management)の合格者が9名(25年度末迄)、DS検定(データサイエンティスト検定™リテラシーレベル)の合格者は20名(25年度末迄)を輩出しています。
④ 人財戦略
人財戦略については、「第4「提出会社の状況」5「従業員の状況等」(1)人財戦略に関する基本方針等」をご参照ください。
① マテリアリティの特定
日立建機グループでは、2021年にSDGsやESGといった社会課題の視点と、自社の企業価値の向上および毀損につながる外部環境の視点の両面からマテリアリティの見直しを実施しました。中長期的なリスクと機会を検討して、事業におけるインパクトが大きいと考えられる4つのテーマを抽出し、社内外のステークホルダーと議論を重ね、執行役会で承認を受け、取締役会で報告の上、特定しています。さらにマテリアリティごとにKPI(重要業績評価指標)を設定し、達成に向けたアクションプランの遂行を含め、サステナビリティ・ガバナンス体制のもとで進捗管理を行い、着実な遂行をめざしています。
本マテリアリティは、外部環境の変化等を踏まえ、今後も随時見直しを行っていきます。
4つのマテリアリティに基づき、サステナビリティ課題に対応する「環境戦略」「技術戦略」「人財戦略」について報告します。


② 環境戦略
―カーボンニュートラル実現に向けて―
日立建機グループは、2050年までにバリューチェーン全体を通じての温室効果ガス実質排出量ゼロをめざし、製品開発および生産工程の両面でこのゴールに向けたロードマップを策定し、CO₂排出量の削減に取り組んでいます。
製品においては、CO₂を排出しない環境配慮製品をお客さまや社会に提供するための指標として、2019年に「2℃シナリオ」でSBT認証を取得、2025年11月にはさらに厳しい基準である「1.5℃シナリオ」にてSBT認証を更新取得しました。基準年を2018年とし、2030年度までに、製品や購入品製造時のCO2排出量(Scope3)を30%削減することを目標に掲げて活動しています。この目標達成に向けて、コンパクトからマイニングの超大型機まで全製品レンジの開発を進め、燃費低減に加えて電動化建機のラインアップ拡充、水素燃料製品の技術的実現性の見極め、さらにはお客さまの使用段階でのCO₂排出量の削減を実現するソリューションの提供を進めています(図1)。
また、工場の生産工程・オフィスからのCO2排出量(Scope1,2)を51%削減する目標を設定し、推進しています。CO₂排出量の削減手段には省エネ、再生可能エネルギーへの転換(設備投資による自家発電、再生可能エネルギー電力導入)、電化、燃料転換等があります(図2)。
こうしたサプライチェーン全体でのカーボンニュートラル実現に向けた取り組みは、2023年度から2025年度まで日本国内で活動した「GXリーグ※1」の考えに合致するものであり、日立建機は2023年5月に「GXリーグ」へ参画しました。2026年6月には、この活動を移行した新たな枠組み「GX フューチャー・コンソーシアム」における「GX フューチャー・リーグ」※2に参画することにより当社の取り組みを促進するとともに、参画企業や団体と協働し、経済社会システム全体の変革に貢献していきます。
※1 GX(グリーントランスフォーメーション)リーグ:経済産業省主導で立ち上げられた、2050年カーボンニュートラルに向けて「産・学・官・金」が連携し、経済社会システム全体の変革に取り組む協働の場。
※2 GXフューチャー・リーグ:GX等に関する「需要創出」「ルールメイキング」「ルールの発信」「ルールの浸透」を行うことを目的に官・民ともに様々なテーマでのWGを実施する場。


―TCFD提言への対応―
2020年7月に全社コーポレート部門と事業部門の部門長およびキーマンによる社内タスクフォースを設立し、同年10月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明しました。毎年、社内タスクフォースによる1.5℃と4℃を想定したシナリオ分析のアップデート、気候変動リスクの発生可能性や財務的影響について評価を行っています。TCFDフレームワーク*に基づき、気候変動がもたらすリスクと機会および対応する戦略についての開示を行い、持続可能な事業展開をめざして、本提言に沿った推進強化に努めています。

* TCFDフレームワーク …TCFD提言の取り組みの詳細については、「日立建機グループ統合報告書2025」P71-73を参照ください。
―サーキュラーエコノミーへの取り組み―
日立建機グループは、開発設計を起点にゼロ・エミッションを実現する建設機械の普及に取り組むと同時に、部品・サービス、再生、レンタル、中古車といったバリューチェーン事業を通じて、廃棄量をさまざまな角度から減らす取り組みを行っています。そのために、バリューチェーン全体にわたる4つのR(Reuse・Reduce・Recycle・Renewable)の活動をグループ全体で推進しています。バリューチェーン事業の拡大を図ると同時に、再生部品のさらなる普及、リサイクル材使用の増加によりサーキュラーエコノミーを事業の一環として実践することにより、廃棄物の削減、投入資源の抑制を実現し、最終的にはCO₂排出量の削減にも貢献しています。
③ 技術戦略
日立建機では、2035年に向けてあるべき姿を描き、その実現に向けて現在250を超える研究開発テーマを推進しています。顧客提供価値を実現するための重要技術を、コア技術、基盤技術として体系化し、先行テーマについても、コア技術、基盤技術にDX・AIを掛け合わせることで、実用化に向けた検討を進めていきます。
また、コア技術、基盤技術のうち、社内で研究・開発を進めるもの、外部連携によって技術の確立を実現するもののオープンクローズ戦略も策定していきます。これらのコア技術を組み合わせることにより、顧客や社会に提供する価値を実現し、業界トップの製品、ソリューションを創生していきます。

―デジタル人財の育成―
急速な技術革新への対応やこれに対応した経営戦略の実行のため、デジタル人財の育成とリテラシーの向上に取り組んでいます。この取り組みでは、まずデジタル人財の基礎となる目標をやり抜くスキルとマインドを習得するために「自己変革プログラム」を実施し、受講者は全世界のグループ会社で6,800名を超えました。
並行して国内では、2022年度からデジタルリテラシーに関する研修をリーダー対象に実施し、2024年度以降は階層別研修に組み込むことで全社員に広げ、受講者数は1,398名(25年度末迄)となりました。さらに2024年度からは、これらのプログラムに加え、全部門共通で必要とされるデジタル専門スキルをもった人財の育成を促進するため、プロジェクトマネージャとデータサイエンティストを育成するプログラムを開始し、認定資格であるPMP®(プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル)の合格者が18名(25年度末迄)、CAPM®(Certified Associate in Project Management)の合格者が9名(25年度末迄)、DS検定(データサイエンティスト検定™リテラシーレベル)の合格者は20名(25年度末迄)を輩出しています。
④ 人財戦略
人財戦略については、「第4「提出会社の状況」5「従業員の状況等」(1)人財戦略に関する基本方針等」をご参照ください。