- #1 サステナビリティに関する考え方及び取組(連結)
ブラザーグループは社会の発展と地球の未来に貢献するため、解決すべき重要な社会課題の一つとしてCO₂排出削減をマテリアリティに特定し、サステナビリティ目標としてCO₂排出削減目標を設定しています。2020年2月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同を表明しました。
このTCFD提言に基づき、プリンティング・アンド・ソリューションズ事業、マシナリー事業、パーソナル・アンド・ホーム事業及び新規事業について、気候変動が事業に及ぼすリスクと機会を分析し、関連する情報を2021年度に開示しました。今後は分析対象とする事業範囲を拡大し、情報開示の充足に努めるとともに、脱炭素社会の形成に貢献するため、より一層の気候変動対策を推進していきます。
①ガバナンス
2024/06/26 10:36- #2 事業等のリスク
項 目 | リスクの内容・可能性・時期・影響の程度 | 対応策 |
13.M&A(減損リスク) | 当社グループは産業用領域のさらなる拡大・新規事業の創出・育成等に向けて、M&Aも含めた成長投資を加速する方針を掲げております。M&Aなどの実施においては、事業の統合に当初想定以上の負荷がかかることや投資時点において想定した通りに投資先が事業を展開できないこと等により、予想された通りの投資効果が得られないリスクがあります。当社グループは、2024年3月31日現在の連結財務諸表上、のれんを52,955百万円(総資産の5.9%)計上しており、そのうち、2015年に買収したドミノ事業に関連するのれんが52,489百万円を占めております。上記のリスクが顕在化し将来キャッシュ・フローの見積りが変動した場合、また、将来の金利水準や長期的な市場成長率などの変動が生じた場合、これらののれんや有形固定資産、無形資産等の減損損失が生じ、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。なお、当連結会計年度において、ドミノ事業ののれんの一部について減損損失28,216百万円を計上いたしました。英ポンド高の進行による利益へのマイナス影響や、金利上昇を受けた割引率の上昇に加え、デジタル印刷機市場における成長が想定より遅れていることを受けて今後の事業計画を慎重に見直したことによるものです。 | 当社グループは、中期戦略「CS B2024」において、産業用領域の飛躍に向けて「ドミノ事業の成長加速」を重点戦略に掲げ、デジタル印刷分野の新製品投入やコーディング&マーキング分野の顧客基盤強化に取り組んでおります。また、のれんにつきましては少なくとも年に1回、減損の兆候の有無にかかわらず、将来得られるキャッシュ・フロー見積りと、帳簿価額を比較して、のれんの資産価値を確認しており、適正な評価額で計上しております。 |
14.為替変動リスク | 当社グループは、海外での製造・販売比率が高く、外貨建取引に係る為替変動リスクが定常的に発生しております。2024年3月期の実績ベースで試算した場合、対ユーロで円高になると、1円当たり、年間約8億円の利益の減少要因となります。また、対米ドルで円安になると、1円当たり、年間約3億円の利益の減少要因となります。また、中国・東南アジアなど、主要な製造拠点の所在地域の通貨が上昇した場合、製造・調達コストを押し上げる要因になるなど、中長期的な為替レートの変動が、経営成績等に一定の影響を及ぼすことが想定されます。海外子会社の保有する現地通貨建ての資産(負債を控除した純額)は、各現地通貨に対して円高になると、円換算後の金額が目減りします。これは直ちに連結損益には影響しませんが、その他の包括利益が減少し、純資産を押し下げる要因となります。 | リスク低減のため、外貨建取引における受取と支払のリンク率向上を図る一方で、短期的には為替予約取引を行うなど、リスクを効率的に管理し、回避するよう努めております。 |
2024/06/26 10:36- #3 従業員の状況(連結)
(1)連結会社の状況
| 2024年3月31日現在 |
プリンティング・アンド・ソリューションズ | 26,553 | [1,148] |
マシナリー | 1,854 | [247] |
ドミノ | 3,365 | [136] |
(注)1.従業員数には、パートタイマー、期間従業員等を含んでおります。
2.臨時従業員数(主に派遣社員)は、[ ]内に当連結会計年度の平均人員を外数で記載しております。
2024/06/26 10:36- #4 株式の保有状況(連結)
内容
当社は、良好な取引関係の構築が当社の中長期的な企業価値の向上に資すると認められる上場企業の株式を保有します。具体的には、当社の事業におきまして部品仕入取引、マシナリー事業における製品販売取引、保険・運輸取引等の良好な取引関係の構築や事業関係の開拓、また、インフラ系や投資育成を目的とする当社本社地である名古屋地区の優良非上場会社、並びに将来の事業開拓やシナジーを探るために国内外のベンチャー系の企業に投資をしております。
コーポレートガバナンスコードの(原則1-4 政策保有株式)の趣旨に鑑み、当社の取締役会におきまして個別の政策保有株式の保有の適否を毎年検証し、保有の意義が乏しい銘柄について縮減を進める方針としております。具体的には、個別の銘柄ごとに保有目的・配当利回り・時価、その他の便益やリスクを総合的に検証し、保有意義が乏しい銘柄は縮減する方針であります。
2024/06/26 10:36- #5 注記事項-その他の収益及びその他の費用、連結財務諸表(IFRS)(連結)
その他の費用の内訳は以下の通りであります。
| 前連結会計年度(自 2022年4月1日至 2023年3月31日) | | 当連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日) |
固定資産除売却損 | 837 | | 706 |
減損損失 | 11,063 | | 28,325 |
純損益を通じて公正価値で測定する金融商品の公正価値の純変動 | | | |
2024/06/26 10:36- #6 注記事項-のれん及び無形資産、連結財務諸表(IFRS)(連結)
(注)ソフトウェアの「その他」には、仮勘定振替が含まれております。
償却累計額及び減損損失累計額
2024/06/26 10:36- #7 注記事項-セグメント情報、連結財務諸表(IFRS)(連結)
製品及びサービスごとの外部顧客に対する売上収益は以下の通りであります。
| 前連結会計年度(自 2022年4月1日至 2023年3月31日) | | 当連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日) |
プリンティング・アンド・ソリューションズ合計 | 496,726 | | 514,942 |
マシナリー | | | |
産業機器 | 61,296 | | 43,079 |
(4)地域に関する情報
売上収益及び非流動資産の地域別内訳は以下の通りであります。
2024/06/26 10:36- #8 注記事項-報告企業、連結財務諸表(IFRS)(連結)
ブラザー工業株式会社(以下、「当社」)は日本に所在する株式会社であります。当社の連結財務諸表は、当社及びその子会社(以下、「当社グループ」)、並びに当社の関連会社に対する持分により構成されております。
当社グループが営む主な事業は、プリンティング・アンド・ソリューションズ事業、マシナリー事業、ドミノ事業、ニッセイ事業、パーソナル・アンド・ホーム事業、ネットワーク・アンド・コンテンツ事業及びその他事業の7事業であります。詳細については注記「6.セグメント情報」に記載しております。
2024/06/26 10:36- #9 注記事項-投資不動産、連結財務諸表(IFRS)(連結)
減価償却累計額及び減損損失累計額
2024/06/26 10:36- #10 注記事項-有形固定資産、連結財務諸表(IFRS)(連結)
(注) 建設仮勘定から各科目への振替は、「その他」に含まれております。
減価償却累計額及び減損損失累計額
2024/06/26 10:36- #11 注記事項-減損損失、連結財務諸表(IFRS)(連結)
16.非金融資産の減損
減損損失を認識した資産の種類別内訳は、以下の通りであります。
減損損失は、連結損益計算書の「その他の費用」に計上しております。
2024/06/26 10:36- #12 注記事項-重要性がある会計方針、連結財務諸表(IFRS)(連結)
当社グループは、のれんを取得日時点で測定した取得対価、非支配持分の金額、及び取得企業が以前に保有していた被取得企業の資本持分の公正価値の合計額から、取得日時点における識別可能な取得資産及び引受負債の純認識額を控除した額として測定しております。
また、のれんは取得原価から減損損失累計額を控除した帳簿価額にて計上しており、償却は行わず、少なくとも年1回、又は減損の兆候が存在する場合にはその都度減損テストを実施しております。のれんの減損損失は連結損益計算書において純損益として「その他の費用」に含めて計上しており、その後ののれんの減損損失の戻入れは、行っておりません。
② 開発費の資産化
2024/06/26 10:36- #13 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(連結)
「事業ポートフォリオの変革」と、「持続可能な未来に向けた経営基盤の変革」を実現するため、総額1,500億円の先行投資枠を設定しています。この投資枠を活用して、「事業ポートフォリオの変革」に向けては、産業用領域やインクジェット技術に関わる各種の機能、拠点の強化、M&A等の戦略投資を行っていきます。また、「持続可能な未来に向けた経営基盤の変革」に向けては、環境への取り組みやサプライチェーンの強靭化などを進めています。
テーマ | 内容 | 金額 |
事業ポートフォリオの変革 | ・産業用領域の飛躍に向けて・プリンティング領域の変容に向けて | ・産業用領域の販売・サービス拠点増強・マシナリー・FA領域の生産能力強化・インクジェット開発・生産拠点拡張 | 500億円 |
・未来の事業ポートフォリオに向けて | ・M&A等の戦略投資枠 | 300億円 |
未来に向けた先行投資の進捗は以下の通りです。
テーマ | 詳細 | スケジュール | 総投資額(2023年度以外の投資含む) |
インドに産業機器事業の新工場を建設 | ・産業用領域の飛躍に向けて、工作機械の生産工場をインド南部のベンガルール市近郊に建設・今後成長が期待されるインド市場のお客様に、より短納期で製品をお届けできる体制を構築 | 2024年9月完成予定 | 約25億円 |
ニッセイの新工場棟完成 | ・マシナリー・FA領域の生産能力強化のため、ニッセイの工場敷地内(愛知県安城市)へ新工場棟を建設・FA・ロボット向けの売上拡大に向け、歯車の生産能力を確保 | 2024年3月完成 | 約16億円 |
当社港工場に新倉庫の建設を決定 | ・産業用領域でのビジネス拡大に伴う製品や部品の保管需要の増加に対応するため、港工場(愛知県名古屋市)の敷地内へ新倉庫を建設・BCP対策として、床面を高くすることで津波のリスクに対応 | 2024年7月着工予定2026年1月完成予定 | 約45億円 |
・株主還元
2024/06/26 10:36- #14 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(連結)
このような状況の中、当連結会計年度における当社グループの連結業績は、P&S事業では、通信・プリンティング機器本体の販売が減少したものの、消耗品の販売増や為替のプラス影響により増収となりました。マシナリー事業では、産業機器、工業用ミシンともに市況低迷の影響を受け、大幅な減収となりました。ドミノ事業では、景気減速の影響を受けたものの、為替のプラス影響に加え消耗品が堅調に推移し、増収となりました。ニッセイ事業では、設備投資需要の低迷により、減収となりました。P&H事業では、米州を中心とした市況の低迷により、減収となりました。N&C事業では、カラオケ店舗への客足の回復に伴い増収となりました。
これらの結果、売上収益は、前期比0.9%の増収となる822,930百万円となりました。事業セグメント利益は、販促費及び販管費が増加したものの、物流コストの減少や価格対応の効果に為替のプラス影響が加わり、前期比25.1%の大幅な増益となる75,579百万円となりました。営業利益は、ドミノ事業におけるのれんの一部の減損損失を計上したことなどにより、前期比10.1%の減益となる49,792百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は、前期比19.0%の減益となる31,645百万円となりました。
*平均為替レート(連結)は次の通りであります。
2024/06/26 10:36- #15 製品及びサービスに関する情報(IFRS)(連結)
製品及びサービスごとの外部顧客に対する売上収益は以下の通りであります。
| 前連結会計年度(自 2022年4月1日至 2023年3月31日) | | 当連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日) |
プリンティング・アンド・ソリューションズ合計 | 496,726 | | 514,942 |
マシナリー | | | |
産業機器 | 61,296 | | 43,079 |
2024/06/26 10:36- #16 設備の新設、除却等の計画(連結)
(1)重要な設備の新設
セグメントの名称 | 2025年3月期計画金額(百万円) | 設備等の主な内容・目的 | 資金調達方法 |
プリンティング・アンド・ソリューションズ | 27,800 | プリンター・複合機、電子文具、スキャナー関連の生産設備 | 自己資金又は借入金 |
マシナリー | 4,800 | 工作機械、工業用ミシン、ガーメントプリンター関連の生産設備 | 自己資金又は借入金 |
ドミノ | 4,900 | 産業用プリンティング機器関連の生産設備 | 自己資金又は借入金 |
(2)重要な設備の除却等
経常的な設備の更新のための除却・売却を除き、重要な設備の除却・売却の計画はありません。
2024/06/26 10:36- #17 設備投資等の概要
なお、設備投資額には有形固定資産のほか、無形資産への投資が含まれております。
セグメントの名称 | 設備投資額(百万円) | 主要な内容 |
プリンティング・アンド・ソリューションズ | 25,381 | 通信・プリンティング機器等の生産設備 |
マシナリー | 3,057 | 工作機械、工業用ミシン、ガーメントプリンター関連の生産設備 |
ドミノ | 3,685 | 産業用プリンティング機器関連の生産設備 |
当連結会計年度において、生産能力に重要な影響を及ぼす設備の除却、売却はありません。
2024/06/26 10:36- #18 連結キャッシュ・フロー計算書(IFRS)(連結)
⑤【連結キャッシュ・フロー計算書】
| | | | (単位:百万円) |
減価償却費及び償却費 | | 42,575 | | 47,537 |
減損損失 | | 11,063 | | 28,325 |
金融収益及び金融費用(△は益) | | △1,323 | | △2,440 |
2024/06/26 10:36