四半期報告書-第124期第2四半期(平成27年7月1日-平成27年9月30日)

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2015/11/13 14:05
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財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は次の通りです。なお、文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。
また、第1四半期連結累計期間より、「企業結合に関する会計基準」(企業結合会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「四半期純利益」を「親会社株主に帰属する四半期純利益」としております。
(1)業績の状況
当第2四半期連結累計期間における世界経済は、米国においては、新興国景気の減速やドル高を背景に、輸出の伸び悩みが続いているものの、雇用の着実な改善を背景に個人消費は底堅く推移しており、景気は回復基調が持続しております。欧州においても、サービス業を中心とした企業部門の回復に加え、個人消費の緩やかな回復もあり、景気は改善が続いております。一方、中国をはじめとする新興国経済は、通貨安や原油安の影響もあり、急激に景況感が悪化するなど、景気減速に対する懸念が高まっております。日本においては、中国経済の減速などを背景に、景気の先行きに対する不透明感が高まっているものの、消費者マインドの改善などによる個人消費の持ち直しなどもあり、景気は緩やかな回復が持続しております。
このような状況の中、当社グループの連結業績は、景気減速の影響を受け、中国において通信・プリンティング機器や産業機器の需要が弱含んだものの、新興国向けのインクジェット複合機や、通信カラオケ機器などの新製品の投入効果に加え、主に米ドルに対する為替のプラス影響や、第1四半期連結会計期間末よりDomino Printing Sciences plc(以下「ドミノ社」という。)を連結子会社化した効果もあり、売上高は前年同期比14.3%増の371,066百万円となりました。営業利益は、ドミノ社の株式取得等に係る費用を計上したことに加え、プリンティング・アンド・ソリューションズ事業において、過去に発売した一部の製品において、印刷に不具合が生じるケースが確認されたことから、今後発生が見込まれる補修費用等を製品保証引当金として追加計上したことなどもあり、前年同期比16.9%減の24,910百万円となりました。経常利益は、主に営業利益が減益となったことにより、前年同期比8.9%減の25,182百万円となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、上記要因に加え、前年に計上した賃貸用不動産の売却に伴う特別利益がなくなったことなどにより、前年同期比で大幅減益となる、13,359百万円となりました。
なお、ドミノ社については、平成27年6月30日をみなし取得日としているため、当第2四半期連結累計期間の四半期連結損益計算書に同社及びその子会社の平成27年7月1日から平成27年9月30日までの業績が含まれております。
*当第2四半期連結累計期間における平均為替レート(連結)は次の通りです。
米ドル : 121.50円 ユーロ : 134.60円
*前第2四半期連結累計期間における平均為替レート(連結)は次の通りです。
米ドル : 103.51円 ユーロ : 139.07円
セグメント別の業績は、次の通りであります。
1) プリンティング・アンド・ソリューションズ事業
売上高 236,009百万円(前年同期比+8.3%)
○通信・プリンティング機器 208,739百万円(前年同期比+8.1%)
製品本体の販売は、一部の地域での一時的な在庫調整や、新興国における需要の低迷などの影響により、想定を下回ったものの、各地域とも消耗品の販売が堅調に推移したことに加え、主に米ドルに対する為替のプラス影響もあり、全体では増収となりました。
○電子文具 27,270百万円(前年同期比+10.7%)
アジアの一部地域で一時的な在庫調整があったものの、主に欧米で需要が堅調に推移したことに加え、米ドルに対する為替のプラス影響もあり、全体では増収となりました。
営業利益 15,680百万円(前年同期比△25.6%)
売上は増収となったものの、主にユーロに対する為替のマイナス影響があったことに加え、製品保証引当金の追加計上の影響などもあり、減益となりました。
2) パーソナル・アンド・ホーム事業
売上高 25,220百万円(前年同期比+15.4%)
景気後退が続くロシアでの売上減の影響により、欧州の売上が弱かったものの、米州・アジア地域が好調に推移したことや、為替のプラス影響もあり、大幅な増収となりました。
営業利益 2,585百万円(前年同期比+30.2%)
増収に伴い、増益となりました。
3) マシナリー・アンド・ソリューション事業
売上高 49,342百万円(前年同期比+5.2%)
○工業用ミシン 15,217百万円(前年同期比+17.0%)
景気減速を受けアジア地域全般で需要が伸び悩んだ面はあるものの、本縫いミシンの新モデルの投入効果などにより中国の売上が大きく回復したことや、欧米においてガーメントプリンターが堅調に推移したことに加え、為替のプラス影響もあり、増収となりました。
○産業機器 34,125百万円(前年同期比+0.7%)
第1四半期はIT関連顧客向けの販売が好調に推移したものの、第2四半期以降、中国の景気減速懸念の影響などで受注が減少した影響により、ほぼ前年並みの水準となりました。
営業利益 7,916百万円(前年同期比+5.2%)
工業用ミシンの増収効果に加え、為替のプラス影響もあり、増益となりました。
4) ネットワーク・アンド・コンテンツ事業
売上高 27,131百万円(前年同期比+20.4%)
3年ぶりとなる通信カラオケ機器の新モデルを発売した効果に加え、㈱テイチクエンタテインメント及び㈱テイチクミュージックを連結子会社化したこともあり、増収となりました。
営業損失 706百万円(前年同期 営業損失 1,641百万円)
営業損失とはなりましたが、研究開発費等の減少により、損益が改善しました。
5) 工業用部品事業
売上高 9,052百万円(前年同期比+5.1%)
アジアの一部地域における商流変更の影響などにより、増収となりました。
営業利益 377百万円(前年同期比+89.4%)
増収効果に加え、減価償却費の減少などにより、増益となりました。
6) ドミノ事業
売上高 16,824百万円
営業利益 172百万円
平成27年7月1日以降に計上されるドミノ社に関連する損益を、ドミノ事業セグメントとして開示しております。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローでは、前年同四半期連結累計期間より10,903百万円少ない12,209百万円の現金及び現金同等物(以下「資金」)が得られました。これは、税金等調整前四半期純利益の減少などがあったためです。投資活動によるキャッシュ・フローでは、前年同四半期連結累計期間は2,343百万円の資金が得られたのに対し、198,534百万円の資金を支出しました。これは、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出などがあったためです。財務活動によるキャッシュ・フローでは、前年同四半期連結累計期間は15,644百万円の資金を支出したのに対し、158,626百万円の資金を得られました。これは長期借入れによる収入の増加などがあったためです。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は、次の通りです。
1)営業活動によるキャッシュ・フロー
税金等調整前四半期純利益は26,268百万円で、減価償却費14,391百万円など、非資金損益の調整の他、たな卸資産の増加11,719百万円などによる資金減少があり、法人税等の支払17,988百万円などを差し引いた結果、12,209百万円の資金の増加となりました。
2)投資活動によるキャッシュ・フロー
連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出186,071百万円、有形固定資産の取得による支出13,510百万円、無形固定資産の取得による支出3,581百万円などにより、198,534百万円の資金の減少となりました。
3)財務活動によるキャッシュ・フロー
長期借入れによる収入109,520百万円、短期借入金の増加52,758百万円などにより、158,626百万円の資金の増加となりました。
これらの活動の結果、当第2四半期連結会計期間末の資金残高は、前連結会計年度末に比べ27,070百万円減少し、77,662百万円となりました。また、前年同四半期連結会計期間末に比べ8,365百万円減少しました。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当社は、平成27年6月11日付で英国の産業用プリンティング企業であるドミノ社を買収いたしました。これに伴い、「事業上及び財務上の対処すべき課題」を以下へ変更しております。
当社グループは、グループのさらなる成長にむけた中長期ビジョン「Global Vision 21」を平成14年度に策定し、ブラザーグループが目指す3つの項目を以下の通り掲げております。
・「グローバルマインドで優れた価値を提供する高収益体質の企業」になる
・ 独自の技術開発に注力し「傑出した固有技術によってたつモノ創り企業」を実現する
・「“At your side.”な企業文化」を定着させる
この「Global Vision 21」実現のための第1段階である「CS B2005」(平成16年3月期-平成18年3月期)では、「高収益の継続と将来への技術投資の両立」を目標に、通信・プリンティング機器など既存事業での収益の最大化を目指し、安定的な収益構造の実現によって財務体質を大幅に改善いたしました。また、プリンティングを軸とした要素技術開発の強化、新規事業への種まきといった将来への技術投資を行ってまいりました。
「CS B2008」(平成19年3月期-平成20年3月期)では、「成長のドライブ」を目標に、プリンティング事業を牽引役とした売上成長を続ける中、カラーレーザーエンジン搭載モデルの自社開発を行い世界中での販売を始める一方、ノンコア事業の整理を進めてまいりました。また、さらなる成長と事業基盤の構築を進めるために、研究開発、設備投資を積極的に行ってまいりました。
平成20年4月にスタートした「CS B2012」(平成21年3月期-平成25年3月期)では、「Global Vision 21の実現」にむけて、既存事業の伸張と新規事業を中心とする飛躍的拡大により、平成24年度での売上高1兆円、営業利益1,000億円の達成をチャレンジ目標として掲げました。しかしながら平成20年秋以降の急速かつ急激な景気後退や、大幅な円高の進行などにより、当社グループを取り巻く経済環境が激変したため、平成24年度を最終年度とした「Global Vision 21」の目標到達までの期間を延長いたしました。そのうえで、平成21年度から22年度の2年間は、利益とキャッシュの確保に軸足をおき、次なるチャンスに備えてまいりました。また、経済好転期には再び成長軌道に乗るべく、グローバルに経営基盤をさらに強化するとともに、将来の成長にむけた研究開発投資、アライアンスやM&Aについても検討を進めてまいりました。
このような厳しい事業環境を経て、当社グループは、全ての事業において成長の機会が芽生えていると認識し、「成長への再挑戦」をテーマに、平成24年3月期を初年度とする新中期戦略、「CS B2015」(平成24年3月期-平成28年3月期)を策定いたしました。
この「CS B2015」では、全ての事業において成長戦略を推進し、事業拡大を目指すことを目標とし、最終年度である平成28年3月期の業績目標は、売上高7,500億円、営業利益580億円といたしました。中長期ビジョン「Global Vision 21」の達成を目指し、再び成長戦略にチャレンジしてまいります。
事業分野別では、プリンティング・アンド・ソリューションズ事業において、「グローバルに成長戦略を推進し、各カテゴリーにおいてトップクラスのポジションを築く」ことを目標とし、「ビジネスセグメント」と「新興国」をキーワードに、事業の拡大を図っていきます。ビジネスセグメントにおいては、お客様のニーズにあった商品を開発・展開することにより、当社グループの強みであるSOHO/SMB市場におけるポジションを維持・拡大させながら、コーポレート向け市場の事業拡大も目指してまいります。また、新興国においては、販売体制の強化をさらに進めるとともに、モノクロレーザーを中心に各地域のニーズにあった商品を投入し販売拡大を図ります。
家庭用ミシンのパーソナル・アンド・ホーム事業では、競争力の高い商品群の投入や、当社グループが強みをもつ職業用刺しゅうミシン領域での事業拡大により、事業の安定成長と高い収益性の確保を図ります。
工業用ミシンと産業機器のマシナリー・アンド・ソリューション事業では、差別化された商品開発や成長市場向けの商品力を強化するとともに、中国を中心とした新興国における事業成長を支える製造・販売の機能を強化し、事業拡大を図ります。
ネットワーク・アンド・コンテンツ事業においては、通信カラオケ事業における収益の最大化を図り、通信カラオケの顧客基盤、技術基盤を活用した新サービス・新規事業の育成と拡大に注力してまいります。
工業用部品事業においては、連結子会社の株式会社ニッセイの強みである小型減速機のグローバル展開の加速や、歯車事業の収益向上などを通じ、事業の拡大を図ります。
新規事業については、スキャナーやWEB会議システムなどを通じて「ドキュメント活用分野」と「遠隔コラボレーション分野」の育成と拡大に注力し、新たな顧客価値の創出に取り組んでまいります。
また、当社が今後とも更なる成長を続けるためには、既存事業の強化に加え、更なる事業基盤の拡張が不可欠であることから、中期戦略「CS B2015」では、M&Aの積極的な活用も重要な戦略の一つとし、当社の強みが活かせる領域での事業基盤を中心に、投資機会を慎重に探ってきました。その中で、特に産業用プリンティングの領域が当社にとって有望な事業分野であると位置づけ、平成27年6月に、英国の産業用プリンティング企業であるドミノ社を買収いたしました。
ドミノ社は、インクジェット、レーザー、サーマル・トランスファーの技術を用い、ペットボトルや食品の包装に、賞味期限、ロット番号などを印字するコーディング・マーキングと呼ばれる分野およびラベルなどの商品パッケージへのデジタル印刷の分野で世界的に事業を展開している企業です。ドミノ社の印刷機器及び付随するシステムは、飲料・食品会社や製薬会社その他産業の製造・包装現場で使用されるものであり、産業用のニーズに応えるものです。ドミノ社は、コーディング・マーキング分野においては世界でも有数の企業であるとともに、デジタル印刷の分野において独自のインクジェット技術等を用いながら事業成長を目指しています。一方当社は、SOHO等のオフィスや家庭向けのプリンター・複合機を中心に、プリンティング事業を展開してまいりました。今後は当社がこれまでに培ってきた様々な印字技術や、グローバルな開発・製造・販売体制を活用し、ドミノ社のグローバルなビジネス展開を加速させるとともに、新たな顧客価値の創出に取り組んでまいります。
なお、文中に記載されている将来に関する事項は、その作成時点での予想や一定の前提に基づいており、その達成及び将来の業績を保証するものではありません。
また、当社は会社の支配に関する方針について以下の通り定めております。
会社の支配に関する基本方針
1) 基本的な考え方
当社グループは、その売上高の80%以上を海外市場で上げており、44の国と地域に生産拠点や販売・サービス拠点を有し、連結ベースでの従業員も3万名を超えております(平成27年3月現在)。当社の企業価値は、当社グループが事業を行っているこれらの国・地域におけるビジネスパートナーとの信頼関係や従業員のモラルに大きく依存しております。
また、当社グループは、企画・開発・設計・製造・販売・サービスなどのあらゆる場面で、お客様を第一に考える「“At your side.”な企業文化」を定着させ、世界各国のお客様から、「信頼できるブランド」と評価いただけるよう、事業活動を行っております。その実現のため、独自のマネジメントシステムである「Brother Value Chain Management(ブラザー・バリュー・チェーン・マネジメント)」を経営の中核として構築し、常に改善することによって、お客様の求める価値を迅速に提供してまいります。
このような状況において、特定株主グループ(注1)の議決権割合(注2)を20%以上とすることを目的とする当社株券等(注3)の買付行為、または結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為(いずれについても、あらかじめ当社取締役会が同意したものを除き、また市場取引、公開買付け等の具体的な買付方法の如何を問いません。以下、かかる買付行為を「大規模買付行為」といい、かかる買付行為を行う者を「大規模買付者」といいます。)を受け入れるかどうかは、当社経営陣による経営方針およびその推進と比較して、最終的には、当社株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると考えますが、当社株主の皆様が、大規模買付行為の当否について適切な判断を行うためには、当社取締役会を通じ、当該大規模買付行為の内容、当該大規模買付行為が当社企業価値に与える影響、当該大規模買付行為に代わる提案の有無等について、当社株主の皆様に必要十分な情報が提供される必要があると考えます。
注1:特定株主グループとは、
(ⅰ)当社の株券等(金融商品取引法第27条の23第1項に規定する株券等をいいます。)の保有者(同法第27条の23第3項に基づき保有者に含まれる者を含みます。以下同じとします。)およびその共同保有者(同法第27条の23第5項に規定する共同保有者をいい、同条第6項に基づき共同保有者とみなされる者を含みます。以下同じとします。)
または、
(ii)当社の株券等(同法第27条の2第1項に規定する株券等をいいます。)の買付け等(同法第27条の2第1項に規定する買付け等をいい、取引所金融商品市場において行われるものを含みます。)を行う者およびその特別関係者(同法第27条の2第7項に規定する特別関係者をいいます。以下同じとします。)
を意味します。法令の改正等が行われた場合には、上記に相当する実質をもつ内容として適宜調整されるものとします。
注2:議決権割合とは、
(ⅰ)特定株主グループが、注1の(i)記載の場合は、当該保有者の株券等保有割合(金融商品取引法第27条の23第4項に規定する株券等保有割合をいいます。この場合においては、当該保有者の共同保有者の保有株券等の数(同項に規定する保有株券等の数をいいます。)も計算上考慮されるものとします。)
または、
(ii)特定株主グループが、注1の(ii)記載の場合は、当該大規模買付者および当該特別関係者の株券等所有割合(同法第27条の2第8項に規定する株券等所有割合をいいます。)の合計
をいいます。
各議決権割合の算出にあたっては、総議決権の数(同法第27条の2第8項に規定するものをいいます。)および発行済株式の総数(同法第27条の23第4項に規定するものをいいます。)は、有価証券報告書、四半期報告書および自己株券買付状況報告書のうち直近に提出されたものを参照することができるものとします。法令の改正等が行われた場合には、上記に相当する実質をもつ内容として適宜調整されるものとします。
注3:株券等とは、金融商品取引法第27条の23第1項に規定する株券等を意味します。法令の改正等が行われた場合には、上記に相当する実質をもつ内容として適宜調整されるものとします。
2) 当社株式の大規模買付行為への対応方針
当社取締役会は、このような基本的な考え方に立ち、平成21年6月23日開催の第117回定時株主総会にて株主の皆様のご承認をいただいたうえで、当社株式の大規模買付行為への対応方針を導入し、平成24年6月26日開催の第120回定時株主総会にて株主の皆様のご承認をいただいたうえで、所要の修正を行い更新し、平成27年6月23日開催の第123回定時株主総会にて株主の皆様のご承認をいただき、所要の変更を行ったうえで、継続いたしました(以下、変更後の当社株式の大規模買付行為への対応方針を「本対応方針」といいます。)。本対応方針は、大規模買付行為についての情報の収集と代替案提示の機会の確保を目的として当社株式の大規模買付行為に関するルール(以下、「大規模買付ルール」といいます。)を設定し、大規模買付者に対しては大規模買付ルールの順守を求めることとし、大規模買付者が大規模買付ルールを順守しない場合には、当社取締役会として一定の対抗措置を講じる方針です。
3) 大規模買付ルールの内容
当社取締役会は、大規模買付行為が以下に定める大規模買付ルールに従って行われることにより、当該大規模買付行為についての情報収集と代替案提示の機会が確保され、ひいては当社株主共同の利益に合致すると考えます。この大規模買付ルールとは、(イ)大規模買付者は、大規模買付行為に先立ち当社取締役会に対して十分な情報を提供しなければならず、(ロ)当社取締役会が当該情報を検討するために必要である一定の評価期間が経過した後にのみ、大規模買付者は大規模買付行為を開始することができるというものです。具体的には以下のとおりです。
① 意向表明書の提出
大規模買付者が大規模買付行為を行おうとする場合には、まず当社宛に、大規模買付ルールに定められた手続きを順守する旨を約束した書面(以下、「意向表明書」といいます。)をご提出いただくこととします。意向表明書には、大規模買付者の名称、住所、設立準拠法、代表者の氏名、国内連絡先および提案する大規模買付行為の概要を示していただきます。
② 情報の提供
次に、大規模買付者には、当社取締役会に対して、当社株主の皆様の判断および取締役会による意見形成(代替案の提示を含みます。)のために必要十分な情報(以下、「大規模買付情報」といいます。)を提供していただきます。その項目は以下の内容を含みますが、当社取締役会は、独立諮問委員会に諮問のうえ、その助言・勧告を最大限尊重し、大規模買付者から当初提供していただくべき大規模買付情報のリストを作成いたします。
1. 大規模買付者およびそのグループの概要
2. 大規模買付行為の目的および内容
3. 買付対価の算定根拠および買付資金の裏付け
4. 大規模買付行為完了後に意図する当社経営方針および事業計画
大規模買付者から大規模買付情報を提供していただくため、当社は、①の意向表明書の受領後5営業日以内に、大規模買付者から当初提供していただくべき大規模買付情報のリストを大規模買付者に交付します。なお、当初提供していただいた情報だけでは大規模買付情報として不足していると合理的に考えられる場合には、当社取締役会は、当社取締役会が意向表明書を受領した日から60日を経過するまでの間(以下、「情報提供要請期間」といいます。)において、独立諮問委員会に諮問のうえ、その助言・勧告を最大限尊重し、追加的に情報提供をしていただくことがあります。当社取締役会に提供された大規模買付情報は、当社株主の皆様の判断のために必要であると認められる場合には、適切と判断する時点で、その全部または一部を開示します。
③ 取締役会による検討期間
大規模買付者は、取締役会評価期間が経過するまでの間は、大規模買付行為を開始することはできません。
すなわち、当社取締役会は、大規模買付行為の評価等の難易度に応じ、大規模買付情報の提供が完了した旨を証する書面を当社取締役会が大規模買付者に交付した日もしくは情報提供要請期間が満了した日から起算して、最大60日間(対価を現金(円貨)のみとする公開買付けによる当社全株式の買付の場合)または最大90日間(その他の大規模買付行為の場合)を取締役会による評価、検討、交渉、意見形成、代替案立案のための期間(以下、「取締役会評価期間」といいます。)として与えられるべきものと考えます。取締役会評価期間中、当社取締役会は、提供された大規模買付情報を十分に評価・検討し、独立諮問委員会へ諮問のうえ、その助言・勧告を最大限尊重し、取締役会としての意見をとりまとめ、開示します。また、必要に応じ、大規模買付者との間で大規模買付行為に関する条件改善について交渉すること、当社取締役会として当社株主の皆様へ代替案を提示することもあります。
当社取締役会による検討もしくは交渉の結果、大規模買付行為が当社企業価値ひいては株主共同の利益を最大化させるものであると当社取締役会が判断をした場合には、速やかに取締役会評価期間を終了させ、その旨を開示いたします。
4) 独立諮問委員会
大規模買付ルールに係る当社取締役会の運用の適正性を確保し、大規模買付行為が行われる際に当社取締役会が行う判断の公正性、透明性をより一層担保するために独立諮問委員会を設置します。
大規模買付ルールでは、後述の 5)において、対抗措置発動にかかる事項を定めておりますが、このような対抗措置を発動する場合など、大規模買付ルールの運用に関する当社取締役会の重要な判断にあたっては、原則として独立諮問委員会に諮問を行うこととし、当社取締役会はその助言・勧告を最大限尊重するものといたします。独立諮問委員会の詳細は後記のとおりです。なお、独立諮問委員会の詳細については、当社取締役会が行う判断の公正性、透明性をより一層担保するという趣旨に合致する合理的な範囲内で、取締役会の決議により、変更され得るものとします。
5) 大規模買付行為が実施された場合の対応
大規模買付者によって大規模買付ルールが順守されない場合には、当社取締役会は、独立諮問委員会へ諮問のうえ、その助言・勧告を最大限尊重し、当社企業価値ひいては株主共同の利益の保護を目的として、新株予約権の無償割当てを行い、大規模買付行為に対抗することがあります。
具体的対抗措置として新株予約権の無償割当てを行う場合には、議決権割合が一定割合以上の特定株主グループに属する者に新株予約権の行使を認めない旨の条件または当社が新株予約権の一部を取得する場合に、特定株主グループに属する者以外の新株予約権者が所有する新株予約権のみを取得することができる旨を定めた取得条項を付するなど、大規模買付ルールを順守しない者への対抗措置としての効果を勘案した条件等を設けることがあります。
大規模買付ルールが順守されている場合、当社取締役会は、大規模買付行為が当社企業価値ひいては株主共同の利益に回復し難い損害をもたらすことが明らかでない限り、株主の皆様の意思に基づくことなく当社取締役会の判断のみで大規模買付行為を阻止しようとすることはありません。
当社取締役会は、当社企業価値ひいては株主共同の利益に回復し難い損害をもたらすことが明らかな場合として、以下の①から⑤までに掲げられる行為が意図されている場合を想定しております。
①株式を買い占め、その株式について当社に対して高値で買取りを要求する行為
②当社を一時的に支配して、当社の重要な資産等を廉価に取得する等当社の犠牲のもとに大規模買付者の利益を実現する経営を行うような行為
③当社の資産を大規模買付者やそのグループ会社等の債務の担保や弁済原資として流用する行為
④当社の経営を一時的に支配して当社の事業に当面関係していない高額資産等を処分させ、その処分利益をもって一時的な高配当をさせるか、一時的高配当による株価の急上昇の機会を狙って高値で株式を売り抜ける行為
⑤強圧的二段階買付(最初の買付で全株式の買付を勧誘することなく、二段階目の買付条件を株主に対して不利に設定し、あるいは明確にしないで、公開買付等の株式売買を行うことをいいます。)等株主の皆様に株式の売却を事実上強要するおそれのある買付である場合
対抗措置の発動については、弁護士、財務アドバイザーなどの外部専門家の助言を求め、また社外取締役や監査役の意見も十分尊重し、独立諮問委員会へ諮問のうえ、その助言・勧告を最大限尊重したうえで、当社取締役会で決定し、適時適切な開示を行います。
上記の対抗措置を発動するに際し、当社取締役会が当社株主共同の利益の観点から株主の皆様の意見を確認させていただくことが適切であると判断した場合には、株主総会を開催することといたします。当社取締役会が株主総会を開催することを決定した場合には、その時点で株主総会を開催する旨および開催理由の開示を行います。
なお、当社取締役会は、対抗措置の発動を決定した後、大規模買付者が大規模買付行為の撤回または変更を行うなどの理由により対抗措置の発動が適切でないと判断した場合には、弁護士、財務アドバイザーなどの外部専門家の助言を求め、また社外取締役や監査役の意見も十分尊重し、独立諮問委員会へ諮問のうえ、その助言・勧告を最大限尊重したうえで、対抗措置の発動の停止または変更を行うことがあります。この場合、当社取締役会はその旨を速やかに開示いたします。
6) 株主・投資家に与える影響等
① 大規模買付ルールが株主・投資家に与える影響等
大規模買付ルールは、当社株主の皆様が大規模買付行為に応じるか否かを判断するために必要な情報や、現に当社の経営を担っている当社取締役会の意見を提供し、さらには、当社株主の皆様が代替案の提示を受ける機会を保証することを目的としています。これにより、当社株主の皆様は、十分な情報のもとで、大規模買付行為に応じるか否かについて適切な判断をすることが可能となり、そのことが当社株主共同の利益の保護につながるものと考えます。したがいまして、大規模買付ルールの設定は、当社株主および投資家の皆様が適切な投資判断を行う前提として適切なものであり、当社株主および投資家の皆様の利益に資するものであると考えております。
なお、上記 5)において述べたとおり、大規模買付者が大規模買付ルールを順守するか否かにより大規模買付行為に対する当社の対応方針が異なりますので、当社株主および投資家の皆様におかれましては、大規模買付者の動向にご注意くださるようお願いいたします。
② 対抗措置発動時に株主・投資家に与える影響等
大規模買付者が大規模買付ルールを順守しなかった場合には、当社取締役会は、当社企業価値ひいては株主共同の利益を守ることを目的として、独立諮問委員会へ諮問のうえ、その助言・勧告を最大限尊重し、対抗措置をとることがあります。この場合に想定される当該対抗措置の仕組上、当社株主の皆様(大規模買付ルールに違反した大規模買付者を除きます。) において、新株予約権の無償割当ておよびそれに引き続く株式の交付により、その保有する当社の株式1株当たりの価値の希釈化は生じるものの、保有する当社の株式全体の価値の希釈化は生じないことから、法的権利または経済的側面において格別の損失を被るような事態が生じることは想定しておりません。ただし、当社取締役会が新株予約権の無償割当ての決議をした場合であっても、大規模買付者が大規模買付行為を撤回した等の事情により、無償割当ての中止、または新株予約権の行使期間開始日前日までに当社が当社株式を交付することなく無償での新株予約権の取得を行うことがあります。この場合、1株当たりの当社株式の価値の希釈化は生じないことから、1株当たりの当社株式の価値の希釈化が生じることを前提として当社株式の売買を行った投資家の皆様は、株価の変動により不測の損害を被る可能性があります。当社取締役会が具体的対抗措置をとることを決定した場合には、法令および金融商品取引所規則に従って適時適切な開示を行います。
なお、対抗措置として行われる新株予約権の無償割当てにつきましては、当社取締役会が別途定める割当て期日における最終の株主名簿に記載または記録された株主の皆様に新株予約権が割当てられますので、新株予約権を取得するためには、新株予約権の割当て期日までに振替手続を完了していただく必要があります。かかる手続きの詳細につきましては、実際に新株予約権の無償割当てを実施することになった際に、法令に基づき別途お知らせいたします。
また、新株予約権の無償割当てを行う場合には、当社取締役会が定める日をもって特定株主グループに属する者以外の株主の皆様が有する新株予約権を当社が取得し、これと引換えに当社株式を交付する場合があります。この場合には、特定株主グループに属する者以外の株主の皆様は当社が取得の手続きをとることにより、新株予約権の行使のための金銭を払い込むことなく、当社による取得の対価として、新株予約権の目的となる当社株式を受領することになります。なお、取得の対象となる株主の皆様には、別途ご自身が特定株主グループに属する者でないこと等を確認する当社所定の書式による書面や、振替株式を記録するための口座の情報をご提出いただくことがあります。
7) 本対応方針の発効日および有効期限
本対応方針は、平成27年6月23日開催の当社株主総会後に最初に開催された当社取締役会の決議をもって同日より発効し、有効期限は、平成30年に開催される当社定時株主総会後に最初に開催される取締役会の終了時点までとします。
なお、本対応方針の有効期間中であっても、関係法令の整備等を踏まえ、当社企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上の観点から本対応方針を随時見直し、取締役会の決議により、必要に応じて本対応方針を廃止し、または変更する場合がございます。ただし、株主総会において株主の皆様からいただいたご承認の趣旨に反する本対応方針の変更は行わないこととし、また、本対応方針の廃止または変更については、当社取締役会は、独立諮問委員会に諮問のうえ、その助言・勧告を最大限尊重して、行うこととします。
また、株主総会において本対応方針を廃止する旨の決議が行われた場合には、本対応方針は廃止されます。
当社は、本対応方針が廃止され、または変更された場合には、当該廃止または変更の事実および(変更の場合には)変更内容その他当社取締役会が適切と認める事項について、情報開示を速やかに行います。
8) 本対応方針の合理性についての当社取締役会の判断
1.本対応方針が当社の基本的な考え方に沿うものであること
本対応方針は、大規模買付行為がなされた際に、当該大規模買付行為に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や時間を確保すること、または株主の皆様のために大規模買付者と交渉を行うこと等を可能とすることで、当社企業価値ひいては株主共同の利益を確保するためのものであり、当社の基本的な考え方(前記 1))に沿うものです。
2.本対応方針が当社株主共同の利益を損なうものではなく、また、当社役員の地位の維持を目的とするものではないこと
当社取締役会は以下の理由から、本対応方針が当社株主共同の利益を損なうものではなく当社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
① 株主意思を反映するものであること
本対応方針は、当社株主総会において株主の皆様のご承認を得て、その株主総会終了後の当社取締役会の決議をもって発効しております。また、本対応方針の有効期間の満了前であっても、株主総会において本対応方針を廃止する旨の決議が行われた場合には、本対応方針はその時点で廃止されることになり、株主の皆様のご意向が反映されます。
② 独立性のある社外者の助言・勧告の尊重
当社は、本対応方針の運用の適正性を確保し、大規模買付行為が行われた際に当社取締役会が行う判断の公正性、透明性をより一層担保するために独立諮問委員会を設置いたします。当該独立諮問委員会は、諮問を受けた事項について審議・決議し、その決議内容に基づいて当社取締役会に対し助言または勧告し、当社取締役会は、当該助言・勧告を最大限尊重します。
③「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」を踏まえた設計
本対応方針は、平成17年5月27日付の経済産業省・法務省の「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則)を充足し、かつ平成20年6月30日付の企業価値研究会の「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」を踏まえて設計されています。
④ 廃止が困難なものでないこと
本対応方針は、当社の株主総会において選任された取締役により構成される取締役会によって廃止することが可能です。また、当社取締役の任期は1年であることから、大規模買付者が自己の指名する取締役を株主総会で選任し、かかる取締役で構成される取締役会により、特に長期の期間を要することなく本対応方針の廃止が可能です。
(独立諮問委員会の詳細)
1.構成員
独立諮問委員会の委員は、当社の業務執行者から独立している者で、員数は3名以上とし、実績ある会社経営者、投資銀行業務に精通する者、企業・経済活動に精通する者、弁護士、公認会計士もしくは会社法等を主たる研究対象とする研究者またはこれらに準ずる者の中から、当社取締役会が選任します。
独立諮問委員会の委員の任期は、選任後1年内に終了する事業年度に関する定時株主総会後、最初に開催される取締役会終了時までとします。再任は妨げません。また、当社取締役会が指定する善管注意義務条項等を含む契約を当社と締結します。
ただし、当社取締役会の決議により別段の定めをした場合はこの限りではありません。
なお、取締役会において本対応方針を廃止する旨の決議をした場合、独立諮問委員会委員の任期は本対応方針の廃止と同時に終了します。
2.決議要件
独立諮問委員会の決議は、原則として、独立諮問委員会委員のうち3分の2以上が出席し、その過半数をもってこれを行います。ただし、やむを得ない事由があるときは、独立諮問委員会委員の過半数が出席し、その過半数をもってこれを行うことができます。
3.決定事項その他
独立諮問委員会は、当社取締役会の諮問がある場合には、これに応じ、主として以下の各号に記載された事項について精査、検討、審議等のうえ決定し、その決定の内容をその理由を付して当社取締役会に対して助言・勧告します。当社取締役会は、この独立諮問委員会の勧告を最大限尊重して、会社法上の機関としての決議を行います。なお、独立諮問委員会の各委員および当社各取締役は、こうした決定にあたっては、専ら当社企業価値ひいては株主共同の利益に資するか否かの観点からこれを行うことを要し、自己または当社の経営陣の個人的利益を図ることを目的としません。
① 大規模買付者が当社取締役会に提供すべき情報の範囲
② 大規模買付者が大規模買付ルールを順守したか否か
③ 大規模買付行為が当社企業価値ひいては株主共同の利益に回復し難い損害をもたらすものであるか否か
④ 対抗措置の発動の可否、およびその内容の妥当性
⑤ その他当社取締役会が諮問した事項
また、独立諮問委員会は、適切な判断を確保するために、上記判断に際して必要かつ十分な情報収集に努めるものとし、合理的な範囲内における当社の費用で、独立した第三者(ファイナンシャル・アドバイザー、公認会計士、弁護士、コンサルタントその他の専門家を含む。)の助言を得ること等ができます。
また、当社の取締役、監査役、従業員その他の独立諮問委員会が必要と認める者の出席を要求し、独立諮問委員会が求める事項に関する説明を求めることができます。
なお、独立諮問委員会は、当社取締役会の諮問がある場合のほか、定期的に委員会を開催し、中期経営計画の進捗状況をはじめ、当社の経営状況について、当社取締役その他独立諮問委員会が必要と認める者から報告を受けるものとします。
(4)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費は、22,249百万円であります。
なお、ドミノ社及びその子会社を連結の範囲に含めたことに伴い、当第2四半期連結累計期間より、「ドミノ事業」に係る研究開発活動が加わっております。
(5)従業員数
当第2四半期連結累計期間において、ドミノ社を買収し、同社及びその子会社を連結の範囲に含めたことなどに伴い、「ドミノ事業」等において、当社グループの従業員数は、3,150名増加しました。
その結果、当第2四半期連結会計期間末の当社グループの従業員数は38,138名となりました。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは、現在及び将来の事業活動のために適切な水準の流動性維持及び、柔軟で効率的な資金の確保を財務活動の重要な方針としております。この方針に従って、当社グループは、グループ会社が保有する資金をグループ内で効率よく活用するキャッシュマネジメントシステムを構築し運用しております。また、手元流動性の補完として複数の金融機関とコミットメントライン契約を締結しております。これらの結果、資金の偏在をならし、グループ全体で借入を極力削減する体制を整えております。
流動性管理
当社グループは、現金及び現金同等物と未使用のコミットメントラインを合わせた金額を手元流動性として位置付けております。当第2四半期連結会計期間末現在、当社グループは現金及び現金同等物77,662百万円を保有しております。
また、複数の金融機関と合計10,000百万円のコミットメントライン契約を締結しており、未使用額は10,000百万円です。これらを合わせると、当社グループは手元流動性を87,662百万円確保しております。これにより、季節的な資金需要の変動、1年以内に期限の到来する借入、事業環境リスク等を考慮の上、通年に渡り十分な手元流動性を確保していると考えております。
資金調達
運転資金等の短期資金は、原則として期限が1年以内の短期借入金を現地通貨で調達することとし、生産設備等の長期資金は、内部留保資金の他、固定金利の長期借入金及び社債等で調達することを基本方針としております。当第2四半期連結会計期間末現在、短期借入金の残高は54,619百万円で、通貨は主に日本円であります。1年内返済予定の長期借入金の残高は21,982百万円で、主に日本円による固定金利調達であります。長期借入金の残高は102,472百万円であり、通貨は主に米ドル、日本円であります。また、社債の残高は1,330百万円で、通貨はポンドであります。
当社は、株式会社格付投資情報センターから格付けを取得しております。当第2四半期連結会計期間末現在、長期債及び発行体格付けがA、コマーシャルペーパーがa-1であります。金融・資本市場へのアクセスを保持するため、一定水準の格付けの維持は重要と考えております。
当社グループでは、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出す能力に加えて、コミットメントライン契約を含めた手元流動性、健全な財務体質により、当社グループの成長を維持するために必要な運転資金及び設備投資・研究開発資金等を確保することが可能と考えております。