訂正有価証券報告書-第91期(2016/04/01-2017/03/31)

【提出】
2023/02/13 9:24
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【項目】
117項目

業績等の概要

(1) 業績
当期における世界経済は、企業収益の改善が進んだ米国をはじめとする先進国や、底堅い成長が続く中国、及び資源価格が堅調に推移した資源国などで、景気は緩やかに回復いたしました。一方で、不安定な中東情勢や、欧州における英国のEU離脱に向けた動き及び米国の政策運営など、先行きについては依然として不透明感が残りました。
わが国経済におきましては、雇用・所得環境が改善する中で各種政策効果もあり、景気は回復基調が続きました。しかしながら、海外経済の不確実性等による景気の下振れリスクへの懸念が払拭できず、個人消費に力強さが欠けるなど、成長に鈍化が見られました。
このような中、当社グループにおきましては、3ヵ年にわたる中期経営計画の初年度として、「変革に取り組み、現状を打破することで次の100年を生き抜く」をスローガンに、各種施策を講じてまいりました。家庭用ミシン事業及び産業機器事業において、各市場のニーズに合った新製品の投入や、各種展示会への積極的な出展などの諸施策を実施するとともに、原価低減及び経費の徹底した削減に取り組みました。
しかしながら、製品販売価格の低下や為替相場が円高で推移した影響等を受けたことから、当期の総売上高は38,855百万円(前期比3,805百万円減)、営業利益は2,477百万円(前期比10百万円増)、経常利益は2,137百万円(前期比509百万円減)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は1,607百万円(前期比58百万円増)となりました。
セグメント別の概況は次のとおりであります。
① 家庭用機器事業
海外ミシン市場におきましては、当期に市場投入した新製品などを主軸に需要喚起に努めました。しかしながら、先行き不透明な米国や欧州を中心に不安定な経済状況が続いたことから販売台数が伸び悩み、更には為替相場が円高に推移したことも加わり、海外ミシン売上は低調な動きとなりました。
国内ミシン市場におきましては、各種展示会や店舗におけるミシン講習会等を通じて、お客様に当社ミシンに触れていただく機会を数多く提供し、市場開拓を継続したことなどから、国内ミシンの販売台数は増加いたしました。一方で、将来不安による根強い節約志向の中、高価格帯のミシン販売が伸び悩むなど、収益面では依然として厳しい状況が続きました。
これらの結果、海外・国内ミシンの販売台数は161万台(前期比4万台減)となり、家庭用機器事業の売上高は30,073百万円(前期比4,000百万円減)、営業利益は1,916百万円(前期比4百万円増)となりました。
② 産業機器事業
卓上ロボット・エレクトロプレス事業におきましては、使いやすさを追求した新製品を投入し、世界各地で行われた展示会へ出展するなど、新規顧客の開拓と需要喚起を図りました。また、製品のカスタマイズ対応や、技術セミナーを開催しサポート体制の強化に努めるなど、顧客基盤の拡充に注力いたしました。その結果、卓上ロボットの販売は堅調に推移した一方で、エレクトロプレスは自動車部品メーカーを中心に受注を伸ばし、過去最高の販売台数を記録いたしました。
しかしながら、価格競争の激化やダイカスト鋳造関連事業が伸び悩んだ結果、産業機器事業の売上高は5,919百万円(前期比91百万円増)にとどまり、営業利益は394百万円(前期比66百万円減)となりました。
③ その他
ITソフトウェア・情報処理サービス、24時間風呂の据付・メンテナンスサービスなどに、不動産賃貸収入を加えたその他事業の売上高は2,861百万円(前期比102百万円増)となり、また、一般管理費の削減等に努めた結果、営業利益は115百万円(前期比70百万円増)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末から604百万円増加し、6,663百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上、売上債権の減少等により2,239百万円の資金の増加となりました。(前期は2,256百万円の資金の増加)
投資活動によるキャッシュ・フローは、製造子会社の機械設備や新機種に係る金型等の有形固定資産取得による支出363百万円、ソフトウェア等の無形固定資産取得による支出90百万円などにより、625百万円の資金の減少となりました。(前期は752百万円の資金の減少)
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済等により1,010百万円の資金の減少となりました。(前期は1,399百万円の資金の減少)