有価証券報告書-第90期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/20 15:05
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【項目】
119項目

業績等の概要

(1) 業績
当期における世界経済は、堅調な個人消費に支えられた米国・欧州諸国など先進国経済の牽引により緩やかな景気の回復が続きましたが、中国経済の急激な減速及び原油価格下落の影響を受けたロシア、ブラジルなど資源国経済の低迷により、依然として先行きは不透明なまま推移いたしました。
わが国経済におきましては、雇用・所得環境が改善したものの、輸出・生産面において円安効果が一巡したことや中国・資源国経済が減速した影響を受け、消費者マインドが停滞するなど、厳しい経営環境となりました。
このような中、当社グループにおきましては、3ヵ年にわたる中期経営計画の最終年度として、高収益体質の確立を目指し、各種施策を講じてまいりました。国内外における家庭用ミシンの新製品投入、中国における産業機器事業の販売・サービス拠点開設、連結子会社であるジャノメダイカスト(株)とホウセイ工業(株)の合併などの諸施策を実施するとともに、製造、販売及び管理コストの削減に取り組み、価格競争力の強化を図ってまいりました。
しかしながら、当社グループを取り巻く経営環境は厳しく、当期の総売上高は42,661百万円(前期比3,358百万円減)、営業利益は2,466百万円(前期比494百万円減)となり、経常利益は2,646百万円(前期比64百万円減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,548百万円(前期比312百万円減)を計上いたしました。
セグメント別の概況は次のとおりであります。
① 家庭用機器事業
海外ミシン市場におきましては、市場ニーズに即した実用コンピュータミシンと刺しゅう専用機の新機種を発売し、比較的堅調に推移している欧米等を中心に、需要喚起に努めました。一方で、ロシア及び新興国では、不安定な経済状況の影響を受けて不振が続きました。
国内ミシン市場におきましては、家庭用ミシンのフラッグシップモデルの拡販、ソーイング関連イベントへの積極的な出展など、新規ユーザーの開拓と国内市場の活性化に注力いたしました。しかしながら、景気の先行き不透明感や実質賃金の減少を受けて消費者の購買意欲が低下したことなどから、国内ミシン販売は低調な動きとなりました。
これらの結果、海外・国内ミシンの販売台数は166万台(前期比33万台減)となりました。
以上の結果、家庭用機器事業の売上高は34,073百万円(前期比3,228百万円減)、営業利益は1,912百万円(前期比445百万円減)となりました。
② 産業機器事業
卓上ロボット・エレクトロプレス事業におきましては、中国の深センに開設した販売・サービス拠点の活用や、ネットワーク対応に優れた卓上ロボットと直交ロボットを拡充するなど、サービス及び製品ともに強化に努めました。
ダイカスト鋳造関連事業におきましては、ジャノメダイカスト(株)とホウセイ工業(株)の連結子会社間の合併による効果を活かした営業活動を推進したことにより、順調に推移いたしました。
しかしながら、市場の競争激化の影響などにより、産業機器事業全体としては、売上高は5,828百万円(前期比127百万円減)営業利益は460百万円(前期比101百万円減)となりました。
③ その他
ITソフトウェア・情報処理サービス、24時間風呂の据付・メンテナンスサービスなどに、不動産賃貸収入を加えたその他事業の売上高は2,758百万円(前期比2百万円減)となり、また、一般管理費の削減等に努めたものの、営業利益は44百万円(前期比66百万円減)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末から141百万円増加し、6,059百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上、売上債権の減少等により2,256百万円の資金の増加となりました。(前期は2,386百万円の資金の増加)
投資活動によるキャッシュ・フローは、製造子会社の建物、機械設備や新機種に係る金型等の有形固定資産取得による支出1,118百万円、ソフトウェア等の無形固定資産取得による支出221百万円などにより、752百万円の資金の減少となりました。(前期は1,664百万円の資金の減少)
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済等により1,399百万円の資金の減少となりました。(前期は1,406百万円の資金の減少)