有価証券報告書-第94期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、常に高品質で価値ある商品とサービスの提供を通じて社会・文化の向上に貢献するべく、法令等遵守のもと、各ステークホルダーの皆様と健全で良好な関係を維持しつつ、適正で効率的な経営に努めております。
また、当社グループは外部環境の変化に対応した強固な収益体質の構築を目指し、効率的な経営、生産効率の向上、研究・開発体制及び販売・サービス体制の強化等を行ってまいります。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループは、「企業価値の向上」を経営方針の一つに揚げており、株主・従業員を含む全てのステークホルダーとのより一層良好な関係を構築し、企業価値を高める為、収益構造の改善と企業体質の強化に努めてまいります。
なお、2019年5月10日に公表した2020年3月期から2022年3月期までの中期経営計画「JANOME 2021 Navigation for the Future」において営業利益率8%、自己資本純利益率(ROE)8%、総資産経常利益率(ROA)7%を中期目標としております。
(3)経営環境
①全般
世界経済は、米中貿易摩擦の長期化から停滞感が強まる中、2020年1月以降、新型コロナウイルスの感染が世界中に広がり、各国で経済活動を停止せざるを得ない状況となるなど、景気後退が急速に進んでおります。
国別に見ますと、米国では一部地域でロックダウン(都市封鎖)を行っておりましたが、感染者数の増加が続き、更には経済活動の停滞により失業者が増加するなど、雇用環境も悪化しています。また、諸外国に対する保護主義的な政策がもたらす世界経済への影響にも引き続き注視する必要があります。欧州においても、一時ロックダウンによる強力な外出禁止令のもと、人々の移動を制限したものの、依然として感染の広がりは続いております。国内においては、戦後最長と言われた景気の回復傾向が続いておりましたが、感染拡大により、設備投資の悪化から製造業では一段と厳しい環境となっております。緊急事態宣言発令中においては、営業活動への制限や自粛等の対応などにより、非製造業においても大きな打撃となっております。また、雇用・所得の面においても影響が出てきており、更なる景気減速が進んでいく懸念があります。新興国に目を向けますと、個人消費をけん引役に拡大基調にあったブラジルでは感染拡大が深刻化しており経済は急速に悪化しております。ロシアでは政府による規制は緩和されつつあるものの、感染者数は増加を続けております。中国ではいち早く経済活動を再開させたものの、通商問題など依然として懸念材料は多く残っております。
中国や欧米の一部では徐々に経済活動を再開させており、また、国内においても緊急事態宣言が解除されたことに伴い、全国で休業要請の緩和が段階的に行われております。一方で未だ有効なワクチンが開発されていない中においては、経済活動を再開させることにより第2、第3の感染の波を発生させるという懸念もあり、今後の先行きは非常に不透明な状況です。
②家庭用機器事業
家庭用ミシンは、一家に一台という時代から今はハンドメイドなどを楽しむ趣味の道具として浸透しており、世界的な需要としてはやや停滞傾向にあります。海外では世界経済の減速から北米や欧州など、ホビーを中心としたソーイング文化が根付く地域においても停滞傾向が続いており、また、米国の諸地域に対する経済制裁による影響もミシン販売の阻害要因となっており無視できない状況です。さらに、国内ではネット販売の伸長による低価格化の進行や人口減少の影響による需要の低下など、さらなる市場環境の悪化が懸念されます。このように、国内外において市場環境は非常に厳しい状況であると認識しております。他方、北米や欧州、国内においては、キルトやコスプレ、ペットのための洋裁づくりなど、趣味の分野に広がる需要の拡大にはビジネスチャンスがあるものと注目しております。こうした動きを捉えるべく、ミシン関連イベントへの積極的な出展、メディアを通じた露出の増加、SNSを通じた情報発信等に継続的に取り組むことで、国内外における潜在需要の掘り起こしに繋がるものと考えております。国内においては、ミシン専門店以外のネット通販、量販店など豊富な販売チャネルを活用した積極的な販売活動を行うとともに、直営支店販売における充実したアフターサービスなど当社の強みを最大限に活かすことで、国内シェアNo.1の堅持に繋がるものと考えております。さらに東南アジアや中南米などの新興国へは普及モデルのミシンの販売余地が大いに残されているものと考えております。
新型コロナウイルスに関しましては、1月以降、感染拡大により人々は移動を制限され、企業活動も停滞するなど、世界経済に大きな打撃を与えております。このような中、家での過ごし方に注目が集まり、世界的なマスク不足から手作りマスクへの関心が高まるとともに、ミシンに関するお問い合わせを多く受けております。こうした動向がミシン販売に好影響として表れつつありますが、これが一時期的なものなのか、潜在需要の掘り起こしに繋がるかどうかは、慎重に見極める必要があり現時点では判断することが困難であります。また、新型コロナウイルスの影響は長期化の様相を見せており、全国で開催しているミシン教室や大型展示会の開催中止が続いた場合、お客様に直接ミシンに触れていただき、当社ミシンの品質の高さやソーイングの楽しさを実感していただく貴重な機会が減少する懸念があります。
③産業機器事業
日本産業機械工業会の発表によれば、2019年度の産業機械受注額は前年比8.4%減の4兆7,879億円と2年ぶりに前年比で減少に転じ、特に外需を中心に落ち込みが大きく、長期化する米中貿易摩擦問題や、それに起因する中国経済の悪化ならびに設備投資の低迷など厳しい市場環境が続いております。他方、2020年に入り、米中の両国に歩み寄りの動きが見られ、一時、通商問題は緩和の方向に進んでいくという見方も出てきておりましたが、依然先行きは不透明な状況です。
このような状況下、これまで中国に集中していた生産機能をベトナムをはじめとする東南アジアなどの周辺地域へ移管する動きが出ており、これに対し、積極的にアプローチをかけることで新たな販売網の構築に繋がるものと期待しています。また、サーボプレスの主力市場である自動車業界は、電気自動車や自動運転の開発が進むなど大きな変革期を迎えており、今後、様々なビジネスチャンスの機会が増えてくるものと思われます。
一方で新型コロナウイルスの感染拡大により、自動車関連をはじめ工場の操業停止が相次ぎ、足元では設備投資を手控える動きが加速しており、機械受注に大きな打撃となっております。中国では主要都市の一部で経済活動が再開しつつあるものの、依然受注は戻っておらず、市場全体としても先行き不透明な状況が続いております。
当社産業機器事業におきましても、これまで、右肩上がりで成長を続け、当社の第2の柱として着実に成果を上げて参りましたが、外部環境の変化による煽りを受け、大幅な受注の減少となっております。これは、中国市場や自動車関連など特定の市場・業界への依存度が高いことも影響していると考えております。中期経営計画に基づき、新規顧客開拓を一層推し進めていくとともに、新エネルギー、環境・エコ、医療関係など幅広い業種にアプローチを行っていくことで、外部環境に左右されない盤石な販売網が構築できるものと考えております。
④IT関連事業
情報サービス産業におきましては、IoT、AI、RPAなどの「デジタルトランスフォーメーション(DX)」による「第4次産業革命」が徐々に社会に浸透してきております。これにより、企業などの生産者側からは、これまでの財やサービスの生産・提供の在り方が大きく変化し、生産の効率性が飛躍的に向上する可能性が指摘されており、かつその対象領域も広がりを見せることが期待されています。企業における競争力強化や生産性の向上のためのIT投資は引き続き堅調に推移している一方で、人材不足が顕在化しており、技術者の増強と育成が重要な社会的課題となっております。
その中で当社グループは、「課題解決型パートナー」としての対応を強化しております。システムインテグレーションでは、様々な業務のシステム構築を行ってきた経験をもとに、システム・ソフトウェア構築を支援しており、アウトソーシングでは、システム運用・監視・機器管理や情報処理業務に付帯するデータエントリー業務、オフライン業務全般をトータルでサポートしています。これら経営戦略・方策の下、新規顧客獲得、品質管理の徹底、人財育成などを実施し、収益基盤の安定・強化を進めてまいります。
(4)当社グループの中長期的な経営戦略及び対処すべき課題
当社グループは、持続的に成長する企業集団を目指しております。短期的に会社の規模や売上高の増大を求めるのではなく、商品とサービスのご提供を通じて社会・文化の向上への貢献に堅実に取り組みながら、そこで得られた利益が次の成長に繋がるような持続的成長企業となることが目指すべき目標であり、また課題であると考えています。企業が成長するための要素は様々ですが、当社の強みは創業以来培ってきた「信用」であり、またこれを支えているのは当社製品の品質への評価であると考えています。引き続き、これに満足することなく、品質の維持・向上に努めてまいります。
(1)中期経営計画
中期経営計画「JANOME 2021 Navigation for the Future」で「新生ジャノメ」への飛躍を掲げておりますが、創業100周年の2021年を一通過点として永続して成長するジャノメを目指すためには、これまでの「家庭用ミシン専業メーカー」から脱却しなければならないと考えています。
もちろん、当社グループの主軸となっているのは家庭用ミシン事業であり、この事業をさらに強固なものにしていくことが重要ではあります。その上で現在、第二の柱として成長している産業機器事業を拡大し、確固とした事業基盤を確立して「新生ジャノメ」への飛躍に繋げてまいります。
(2)家庭用機器事業
家庭用ミシンの市場としては、北米、欧州を重要市場と位置付けて、特に高付加価値製品を当社の強みとし、売上拡大を図っております。その他の市場におきましても、その市場ごとのニーズを的確につかみ、サービス・サポート体制の強化とブランドの浸透により普及に努めております。国内市場におきましても、多様なチャネルを通じてお客様のご要望に応え、トップシェアの確立を図ります。
これらの一層の強化には、より多くのお客様にものづくりの楽しさ、ミシンの魅力を知っていただくことが大切と考えており、マーケティングの強化を行うなどして市場の活性化を図り、業界全体を牽引してまいります。
(3)産業機器事業
産業機器事業は、ロボット及びサーボプレスを主たる事業商品として、ミシン事業に次ぐ第二の事業分野と位置付けております。ロボットは、ねじ締めや塗布を始めとする多様な用途に対応し、工場の様々な工程で活用されており、サーボプレスは、その動力がサーボモーターであることから、他のプレス機にはない高機能・高精度を実現し、これも様々な場面でご使用いただいております。
市場規模は、用途の広がりに連れて拡大が期待できますが、これを具現化するために、技術力、開発力の強化を行い、特に有望市場や未開拓市場でのサービス・販売拠点の拡充を図りつつ、新しい用途の可能性に繋がる提案型営業を進めてまいります。
(4)研究開発・生産体制
当社は、国産初のミシンメーカーとして創業して以来、技術の改良を重ね、革新的機能の開発には常に先進的役割を果たしてまいりました。また、産業機器分野には、ミシンメーカーとして培った技術を応用・発展するなどして、高機能・高性能の商品開発を実現し、市場に送り出してまいりました。
「品質のジャノメ」として、世界のお客様に高い評価をいただいておりますが、今後はより高品質で耐久性に優れた商品を開発・生産し「品質のジャノメ」として確固とした評価を確立し、信頼あるものづくりを行ってまいります。また、市場のニーズを的確に捉えた魅力ある商品をスピーディーにご提供してまいります。さらには、適地適産を念頭に、原価低減・生産性向上を推し進め、機動的な生産体制を構築してまいります。
(5)働き方改革・人財育成
当社では、当社で働くすべての社員が社業の発展に向けて意欲的に取り組み、労働生産性を向上させ、また私生活も充実して過ごせるようにすることが目指すべき働き方であると考えております。当社は、長時間労働が常態化している訳ではありませんが、勤務体制を含めた業務への取り組み方や業務自体の見直し、時間外労働の縮小、年次有給休暇の消化促進を一層進め、これらにより労働生産性を向上させ、ワーク・ライフ・バランスの充実を図ってまいります。
また、当社は、人財を会社における最も貴重な財産と捉え、能力開発及び知識の習得、技能の継承を継続的に進めてまいります。人間力を高めるための制度・機会作りに会社は積極的に取り組み、支援し、自己啓発にも力を注いでまいります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、常に高品質で価値ある商品とサービスの提供を通じて社会・文化の向上に貢献するべく、法令等遵守のもと、各ステークホルダーの皆様と健全で良好な関係を維持しつつ、適正で効率的な経営に努めております。
また、当社グループは外部環境の変化に対応した強固な収益体質の構築を目指し、効率的な経営、生産効率の向上、研究・開発体制及び販売・サービス体制の強化等を行ってまいります。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループは、「企業価値の向上」を経営方針の一つに揚げており、株主・従業員を含む全てのステークホルダーとのより一層良好な関係を構築し、企業価値を高める為、収益構造の改善と企業体質の強化に努めてまいります。
なお、2019年5月10日に公表した2020年3月期から2022年3月期までの中期経営計画「JANOME 2021 Navigation for the Future」において営業利益率8%、自己資本純利益率(ROE)8%、総資産経常利益率(ROA)7%を中期目標としております。
(3)経営環境
①全般
世界経済は、米中貿易摩擦の長期化から停滞感が強まる中、2020年1月以降、新型コロナウイルスの感染が世界中に広がり、各国で経済活動を停止せざるを得ない状況となるなど、景気後退が急速に進んでおります。
国別に見ますと、米国では一部地域でロックダウン(都市封鎖)を行っておりましたが、感染者数の増加が続き、更には経済活動の停滞により失業者が増加するなど、雇用環境も悪化しています。また、諸外国に対する保護主義的な政策がもたらす世界経済への影響にも引き続き注視する必要があります。欧州においても、一時ロックダウンによる強力な外出禁止令のもと、人々の移動を制限したものの、依然として感染の広がりは続いております。国内においては、戦後最長と言われた景気の回復傾向が続いておりましたが、感染拡大により、設備投資の悪化から製造業では一段と厳しい環境となっております。緊急事態宣言発令中においては、営業活動への制限や自粛等の対応などにより、非製造業においても大きな打撃となっております。また、雇用・所得の面においても影響が出てきており、更なる景気減速が進んでいく懸念があります。新興国に目を向けますと、個人消費をけん引役に拡大基調にあったブラジルでは感染拡大が深刻化しており経済は急速に悪化しております。ロシアでは政府による規制は緩和されつつあるものの、感染者数は増加を続けております。中国ではいち早く経済活動を再開させたものの、通商問題など依然として懸念材料は多く残っております。
中国や欧米の一部では徐々に経済活動を再開させており、また、国内においても緊急事態宣言が解除されたことに伴い、全国で休業要請の緩和が段階的に行われております。一方で未だ有効なワクチンが開発されていない中においては、経済活動を再開させることにより第2、第3の感染の波を発生させるという懸念もあり、今後の先行きは非常に不透明な状況です。
②家庭用機器事業
家庭用ミシンは、一家に一台という時代から今はハンドメイドなどを楽しむ趣味の道具として浸透しており、世界的な需要としてはやや停滞傾向にあります。海外では世界経済の減速から北米や欧州など、ホビーを中心としたソーイング文化が根付く地域においても停滞傾向が続いており、また、米国の諸地域に対する経済制裁による影響もミシン販売の阻害要因となっており無視できない状況です。さらに、国内ではネット販売の伸長による低価格化の進行や人口減少の影響による需要の低下など、さらなる市場環境の悪化が懸念されます。このように、国内外において市場環境は非常に厳しい状況であると認識しております。他方、北米や欧州、国内においては、キルトやコスプレ、ペットのための洋裁づくりなど、趣味の分野に広がる需要の拡大にはビジネスチャンスがあるものと注目しております。こうした動きを捉えるべく、ミシン関連イベントへの積極的な出展、メディアを通じた露出の増加、SNSを通じた情報発信等に継続的に取り組むことで、国内外における潜在需要の掘り起こしに繋がるものと考えております。国内においては、ミシン専門店以外のネット通販、量販店など豊富な販売チャネルを活用した積極的な販売活動を行うとともに、直営支店販売における充実したアフターサービスなど当社の強みを最大限に活かすことで、国内シェアNo.1の堅持に繋がるものと考えております。さらに東南アジアや中南米などの新興国へは普及モデルのミシンの販売余地が大いに残されているものと考えております。
新型コロナウイルスに関しましては、1月以降、感染拡大により人々は移動を制限され、企業活動も停滞するなど、世界経済に大きな打撃を与えております。このような中、家での過ごし方に注目が集まり、世界的なマスク不足から手作りマスクへの関心が高まるとともに、ミシンに関するお問い合わせを多く受けております。こうした動向がミシン販売に好影響として表れつつありますが、これが一時期的なものなのか、潜在需要の掘り起こしに繋がるかどうかは、慎重に見極める必要があり現時点では判断することが困難であります。また、新型コロナウイルスの影響は長期化の様相を見せており、全国で開催しているミシン教室や大型展示会の開催中止が続いた場合、お客様に直接ミシンに触れていただき、当社ミシンの品質の高さやソーイングの楽しさを実感していただく貴重な機会が減少する懸念があります。
③産業機器事業
日本産業機械工業会の発表によれば、2019年度の産業機械受注額は前年比8.4%減の4兆7,879億円と2年ぶりに前年比で減少に転じ、特に外需を中心に落ち込みが大きく、長期化する米中貿易摩擦問題や、それに起因する中国経済の悪化ならびに設備投資の低迷など厳しい市場環境が続いております。他方、2020年に入り、米中の両国に歩み寄りの動きが見られ、一時、通商問題は緩和の方向に進んでいくという見方も出てきておりましたが、依然先行きは不透明な状況です。
このような状況下、これまで中国に集中していた生産機能をベトナムをはじめとする東南アジアなどの周辺地域へ移管する動きが出ており、これに対し、積極的にアプローチをかけることで新たな販売網の構築に繋がるものと期待しています。また、サーボプレスの主力市場である自動車業界は、電気自動車や自動運転の開発が進むなど大きな変革期を迎えており、今後、様々なビジネスチャンスの機会が増えてくるものと思われます。
一方で新型コロナウイルスの感染拡大により、自動車関連をはじめ工場の操業停止が相次ぎ、足元では設備投資を手控える動きが加速しており、機械受注に大きな打撃となっております。中国では主要都市の一部で経済活動が再開しつつあるものの、依然受注は戻っておらず、市場全体としても先行き不透明な状況が続いております。
当社産業機器事業におきましても、これまで、右肩上がりで成長を続け、当社の第2の柱として着実に成果を上げて参りましたが、外部環境の変化による煽りを受け、大幅な受注の減少となっております。これは、中国市場や自動車関連など特定の市場・業界への依存度が高いことも影響していると考えております。中期経営計画に基づき、新規顧客開拓を一層推し進めていくとともに、新エネルギー、環境・エコ、医療関係など幅広い業種にアプローチを行っていくことで、外部環境に左右されない盤石な販売網が構築できるものと考えております。
④IT関連事業
情報サービス産業におきましては、IoT、AI、RPAなどの「デジタルトランスフォーメーション(DX)」による「第4次産業革命」が徐々に社会に浸透してきております。これにより、企業などの生産者側からは、これまでの財やサービスの生産・提供の在り方が大きく変化し、生産の効率性が飛躍的に向上する可能性が指摘されており、かつその対象領域も広がりを見せることが期待されています。企業における競争力強化や生産性の向上のためのIT投資は引き続き堅調に推移している一方で、人材不足が顕在化しており、技術者の増強と育成が重要な社会的課題となっております。
その中で当社グループは、「課題解決型パートナー」としての対応を強化しております。システムインテグレーションでは、様々な業務のシステム構築を行ってきた経験をもとに、システム・ソフトウェア構築を支援しており、アウトソーシングでは、システム運用・監視・機器管理や情報処理業務に付帯するデータエントリー業務、オフライン業務全般をトータルでサポートしています。これら経営戦略・方策の下、新規顧客獲得、品質管理の徹底、人財育成などを実施し、収益基盤の安定・強化を進めてまいります。
(4)当社グループの中長期的な経営戦略及び対処すべき課題
当社グループは、持続的に成長する企業集団を目指しております。短期的に会社の規模や売上高の増大を求めるのではなく、商品とサービスのご提供を通じて社会・文化の向上への貢献に堅実に取り組みながら、そこで得られた利益が次の成長に繋がるような持続的成長企業となることが目指すべき目標であり、また課題であると考えています。企業が成長するための要素は様々ですが、当社の強みは創業以来培ってきた「信用」であり、またこれを支えているのは当社製品の品質への評価であると考えています。引き続き、これに満足することなく、品質の維持・向上に努めてまいります。
(1)中期経営計画
中期経営計画「JANOME 2021 Navigation for the Future」で「新生ジャノメ」への飛躍を掲げておりますが、創業100周年の2021年を一通過点として永続して成長するジャノメを目指すためには、これまでの「家庭用ミシン専業メーカー」から脱却しなければならないと考えています。
もちろん、当社グループの主軸となっているのは家庭用ミシン事業であり、この事業をさらに強固なものにしていくことが重要ではあります。その上で現在、第二の柱として成長している産業機器事業を拡大し、確固とした事業基盤を確立して「新生ジャノメ」への飛躍に繋げてまいります。
(2)家庭用機器事業
家庭用ミシンの市場としては、北米、欧州を重要市場と位置付けて、特に高付加価値製品を当社の強みとし、売上拡大を図っております。その他の市場におきましても、その市場ごとのニーズを的確につかみ、サービス・サポート体制の強化とブランドの浸透により普及に努めております。国内市場におきましても、多様なチャネルを通じてお客様のご要望に応え、トップシェアの確立を図ります。
これらの一層の強化には、より多くのお客様にものづくりの楽しさ、ミシンの魅力を知っていただくことが大切と考えており、マーケティングの強化を行うなどして市場の活性化を図り、業界全体を牽引してまいります。
(3)産業機器事業
産業機器事業は、ロボット及びサーボプレスを主たる事業商品として、ミシン事業に次ぐ第二の事業分野と位置付けております。ロボットは、ねじ締めや塗布を始めとする多様な用途に対応し、工場の様々な工程で活用されており、サーボプレスは、その動力がサーボモーターであることから、他のプレス機にはない高機能・高精度を実現し、これも様々な場面でご使用いただいております。
市場規模は、用途の広がりに連れて拡大が期待できますが、これを具現化するために、技術力、開発力の強化を行い、特に有望市場や未開拓市場でのサービス・販売拠点の拡充を図りつつ、新しい用途の可能性に繋がる提案型営業を進めてまいります。
(4)研究開発・生産体制
当社は、国産初のミシンメーカーとして創業して以来、技術の改良を重ね、革新的機能の開発には常に先進的役割を果たしてまいりました。また、産業機器分野には、ミシンメーカーとして培った技術を応用・発展するなどして、高機能・高性能の商品開発を実現し、市場に送り出してまいりました。
「品質のジャノメ」として、世界のお客様に高い評価をいただいておりますが、今後はより高品質で耐久性に優れた商品を開発・生産し「品質のジャノメ」として確固とした評価を確立し、信頼あるものづくりを行ってまいります。また、市場のニーズを的確に捉えた魅力ある商品をスピーディーにご提供してまいります。さらには、適地適産を念頭に、原価低減・生産性向上を推し進め、機動的な生産体制を構築してまいります。
(5)働き方改革・人財育成
当社では、当社で働くすべての社員が社業の発展に向けて意欲的に取り組み、労働生産性を向上させ、また私生活も充実して過ごせるようにすることが目指すべき働き方であると考えております。当社は、長時間労働が常態化している訳ではありませんが、勤務体制を含めた業務への取り組み方や業務自体の見直し、時間外労働の縮小、年次有給休暇の消化促進を一層進め、これらにより労働生産性を向上させ、ワーク・ライフ・バランスの充実を図ってまいります。
また、当社は、人財を会社における最も貴重な財産と捉え、能力開発及び知識の習得、技能の継承を継続的に進めてまいります。人間力を高めるための制度・機会作りに会社は積極的に取り組み、支援し、自己啓発にも力を注いでまいります。