有価証券報告書-第159期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/30 11:41
【資料】
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【項目】
121項目
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、「MOTION & CONTROLを通じ、円滑で安全な社会に貢献し、地球環境の保全をめざすとともに、グローバルな活動によって、国を超えた人と人の結びつきを強める」という企業理念のもと、
①世界をリードする技術力によって、顧客に積極的提案を行う
②社員一人ひとりの個性と可能性を尊重する
③柔軟で活力のある企業風土で時代を先取りする
④社員は地域に対する使命感をもとに行動する
⑤グローバル経営をめざす
という経営姿勢により社会に貢献する企業を目指していきます。
(2) 経営環境及び対処すべき課題等
当社グループを取り巻く事業環境は、米中貿易摩擦や英国のEU離脱問題、中東情勢の緊迫化など、絶え間ない変化にさらされています。更に、頻発する自然災害や世界的な感染症拡大など、予測困難な事象が世界経済に大きな影響を与えています。一方、産業全般における技術革新は急激に進み、AIやIoTの開発および実用化、自動車産業における電動化・自動化など、企業として取り組むべき課題は拡大を続けています。加えて、気候変動への対応を含む企業の社会的責任は広がりを見せ、経営環境は急速に変化してきました。
こうした変化の中においても、当社グループは、MOTION & CONTROLを通じた社会への価値提供を続けていくために、2026年に中長期的な持続的成長を可能にする企業基盤を確立することを目指していきます。その達成に向けて2020年3月期から2022年3月期までの3ヵ年を第6次中期経営計画としてスタートさせました。
第6次中期経営計画として掲げる目標は、「次の成長に向けた事業基盤の強化」です。安全・品質・コンプライアンスそして環境を当社グループのコアバリューとした上で、第5次中期経営計画で据えた「オペレーショナル・エクセレンス(競争力の不断の追求)」と「イノベーションへのチャレンジ(あたらしい価値の創造)」の2つの方針を継続し、成長への新たな仕掛け、経営資源の強化、環境・社会への貢献の3つの経営課題に取り組んでいきます。
3つの経営課題と取り組み内容は以下のとおりです。
1. 成長への新たな仕掛けとして、
・IoT、電動化、自動化、環境の成長セグメントでNSKコア製品を伸ばします。
・成長セグメントへの新製品の市場化による成長を目指します。
・EPSビジネスは製品ラインナップを充実させ再成長を目指します。
2. 経営資源の強化として、
・教育体系の再構築や働き方改革、健康経営の促進、ダイバーシティ&インクルージョンの推進に
よってヒトづくりを進化させます。
・IoTの活用によってモノつくりを進化させます。
・NSKコア技術の徹底追求やオープンイノベーションの更なる活用によって技術開発を進化させます。
3. 環境・社会への貢献として、
・事業活動や環境貢献型の製品開発によるCO2排出量の削減及び資源の有効活用を目指します。
・市場、お客様へ安全・安心を与える品質づくりと安全文化づくりを目指します。
・社会から信頼され、働きがいのある会社づくりを目指します。
・グループガバナンスを強化しステークホルダーとの対話を深めていきます。
当社グループは、以上の取り組みによってたゆまぬ成長を目指すとともに、将来にわたって、企業理念に基づいた企業活動とMOTION & CONTROLの進化を通じ、社会的課題の解決と社会の持続的発展へ貢献し続けていきます。また、SDGsに定められた17の目標を尊重するとともに、当社グループの事業に関連した目標を重点課題として積極的に取り組んでいきます。
(3) 目標とする経営指標
第6次中期経営計画(2020年3月期から2022年3月期)で掲げる主な経営指標は以下のとおりです。
経営指標目標(注)
①売上高/成長率市場の伸びを上回る成長率売上成長2%/年
②営業利益率安定的な収益力の確保8%以上
③ROE株主資本コストを上回る
資本効率性の追求
10%以上
④ネットD/Eレシオ持続的な成長を支える
財務基盤の安定維持
0.3倍程度

(注)第6次中期経営計画作成時点
また、非財務目標として、環境に対してはCO2排出量の削減及び環境貢献型製品の開発、ダイバーシティ&インクルージョンに対しては、従業員及び管理職における女性比率の向上などに取り組んでいます。