訂正有価証券報告書-第120期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2020/07/14 15:18
【資料】
PDFをみる
【項目】
162項目
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは「新しい技術の創造と新商品の開発を通じて国際社会に貢献する」を経営の基本理念とし、法令・規則の遵守、公正・誠実を基本に、独創的技術の創造、顧客満足度の向上、グローバリゼーションの推進を通じて、国際企業にふさわしい企業活動を行うとともに、環境への負荷低減及び資源循環型社会の構築を目指しております。
(2)目標とする経営指標
営業利益率、資産効率を表す総資本利益率(ROA)及び株主資本利益率(ROE)を重視し、これら指標の向上を目指し、経営体質の強化に取り組んでおります。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社は昨年3月に創業100周年を迎えましたが、次の100年も成長するため、会社の進むべき方向として、以下の「あるべき姿」を定めております。
ⅰ)世界中の従業員に企業理念が浸透し、自ら考え、自ら行動する企業
ⅱ)独自の商品とサービスを有し、品質、機能で高く評価され、世界中で存在感のある企業
ⅲ)NTNに関わる全ての人が「NTN」ブランドに誇りを持てる企業
「あるべき姿」の実現に向けて当社グループは、新しい100年に向けた10年後の長期ビジョンとして、新たな領域に対して既存商品と新商品の双方で価値を提供できる事業構造に変革し、売上高1兆円、営業利益率10%以上、総資産回転率1.0回転以上、更に為替変動による利益への影響を現状から半減させることを目指します。
この長期ビジョン達成のために、昨年4月から3年間の新たな中期経営計画「DRIVE NTN100」において、次の3つの重要施策を推し進め、事業構造の変革を加速させてまいります。
1)新領域の展開
2)基盤技術・商品の強化
3)事業を支える経営基盤の強化
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
中期経営計画「DRIVE NTN100」の取組み
当社は、企業理念に定める「新しい技術の創造と新商品の開発を通じて国際社会に貢献する」企業として、持続可能な社会の実現に貢献し続けたいと考えています。
当社グループを取り巻く市場環境は、自動車における電動化や自動運転技術の進展、産業界全般におけるIoTやAIの実用化等、大きな変化が起きています。このような市場環境の下、当社グループは、昨年、10年後(2027年度)の長期ビジョンを策定しました。新たな領域に対して既存商品と新商品の双方で価値を提供できる事業構造に変革し、売上高1兆円以上、営業利益率10%以上、総資産回転率1.0回転以上、更に為替変動による利益への影響を現状から半減させることを目標にしています。
この長期ビジョン達成のため、昨年4月から3年間の中期経営計画「DRIVE NTN100」(DRIVE NTN Transformation for New 100:新しい100年に向けた変革を加速する)に取組んでいます。市場環境の変化を成長の機会にするため、最新デジタル技術と当社グループが培ってきた経営資源を融合させ、「革新的な技術・商品・サービスの開発」、「調達改革」、「生産性と品質の追求」、「資産効率の向上」を目指しています。
これらの実現のため次の3つの重要施策を推し進め、事業構造の変革を加速させてまいります。
1)新領域の展開
自動車市場における電動化や自動運転、産業機械市場におけるIoTの普及やAIの活用等、新しいニーズに対応した革新的な技術・商品・サービスの開発と提供を加速しています。
昨年、ハブベアリングにステアリングの補助機能を搭載したsHUB(エスハブ)を開発し、お客様へ提案を開始しました。車速やハンドル操作に連動して車輪単体における転舵角度を制御することで、車両の姿勢安定化と燃費改善に貢献します。また、ハブベアリングと小型モータを一体化したeHUB(イーハブ)をお客様へ提案しています。発進・加速時における駆動アシストやブレーキ時における電力回生を行うことで、48Vマイルドハイブリッド車をターゲットに省燃費化に貢献します。
自然エネルギー事業では、昨年、系統連系用NTNマイクロ水車の販売を開始しました。既存の水路に置くだけで簡単に発電し、発電した電力は系統を通じて売電することができます。当社は、地域でエネルギーを創出し地域で消費する地産地消型エネルギーの提案を進め、低炭素化社会の実現に貢献してまいります。
2)基盤技術・商品の強化
自動車市場における低フリクションや軽量化等の普遍的ニーズに対して、世界シェアNo.1を誇るハブベアリングと、世界シェアNo.2のドライブシャフト等の基盤商品で、駆動領域におけるトップメーカを目指しています。昨年、自動車の前輪用ドライブシャフトとして、高い伝達効率とともに世界最大の作動角55°を実現した固定式等速ジョイントCFJ-Wを開発しました。近年、人気の高まるSUVや4WD車に適用することで、省燃費化と最小回転半径の縮小を実現し、お客様の満足度向上に貢献します。
産業機械市場では、昨年、工作機械向けに業界で初めて熱流センサを内蔵したセンサ内蔵軸受ユニットを開発しました。高度な状態監視が可能になり、焼付きの未然防止によって、お客様の生産性向上に貢献してまいります。また、昨年ドイツのNTN Mettmann (Deutschland) G.m.b.H.で精密軸受の量産を開始しました。グローバルでの高機能軸受の供給能力の拡大とリードタイムの短縮によって、新たなお客様を獲得することで事業を拡大してまいります。
3)事業を支える経営基盤の強化
グローバルにおける競争環境の変化に打ち勝つため、強固な経営基盤の構築に取組んでいます。昨年、調達本部を設置し、調達改革を推し進めています。地域内における現地調達と地域間における最適地調達の推進、発注の集約化と価格管理の強化を図るとともに、品質やコスト、納期、コンプライアンス等でサプライヤーを総合的に評価する仕組みとルールの整備を行っています。
製造部門ではIoTとAI、ロボットを活用し、間接部門ではRPAの導入によって、それぞれ人件費の抑制に取組んでいます。今秋、竣工予定の和歌山製作所では、製造部門におけるスマートファクトリ化を推進し、製造リードタイムの大幅な短縮に取組んでまいります。
システム面では、日本における基幹ITシステムの刷新を行っています。サプライチェーン管理体制の強化に取組み、グローバルで効率的な棚卸資産の保有と、受注から納品までのリードタイム短縮を図ってまいります。
また、昨年、EHS(環境・労働安全衛生)統括部を設置しました。世界的に関心が高まる環境(Environment)、健康・衛生(Health)、安全(Safety)分野での取組みを一体的に推進してまいります。
なお、会社の支配に関する基本方針は次のとおりです。
(1) 財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社グループは「新しい技術の創造と新商品の開発を通じて国際社会に貢献する(For New Technology Network:新しい技術で世界を結ぶ)」を企業理念とし、法令・規則の遵守、公正・誠実を基本に、独創的技術の創造、顧客満足度の向上、グローバリゼーションの推進を通じて、国際企業にふさわしい企業活動を行うとともに、環境への負荷低減及び資源循環型社会の構築を目指しております。この理念のもとに企業活動を健全に継続し、株主の皆様を始め、お客様、従業員、地域社会の皆様等、あらゆるステークホルダーとの信頼関係の維持に十分に配慮し、長期的な視点に立った企業活動を行うことが当社の企業価値向上及び株主共同の利益の確保に資すると考えます。
当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方につきましては、当社が上場会社である以上、基本的には当社株式の大規模な買付も自由であり、最終的には上記のような観点から株主の皆様ご自身が判断されるべきものと考えております。しかしながら、当社株式に対する大規模買付行為については、株主の皆様に判断の前提となる十分な情報提供が行われるよう適切なルールが定められるべきでありますし、また、当該大規模買付行為が当社の企業価値又は株主共同の利益を著しく損なうと認められる場合には、当社は、当社の企業価値又は株主共同の利益を守るために、しかるべき対抗措置を取ることができるようにすべきであると考えます。
(2) 上記基本方針にかかる取組みの具体的内容
当社では、多数の株主・投資家の皆様に長期的に継続して当社に投資していただくため、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるための取組みを実施しています。
①当社は、昨年3月に創業100周年を迎えましたが、次の100年においても当社の企業理念である「新しい技術の創造と新商品の開発を通じて国際社会に貢献する」企業であり続けたいと考えています。
当社グループを取り巻く市場環境として、自動車における電動化や自動運転技術の進展、産業界全般におけるIoTやAIの実用化、ロボット化等、大きな変化が起きています。当社グループは、昨年、10年後(2027年度)の長期ビジョンを策定しました。新たな領域に対して既存商品と新商品の双方で価値を提供できる事業構造に変革し、売上高1兆円、営業利益率10%以上、総資産回転率1.0回転以上、更に為替変動による利益への影響を現状から半減させることを目指します。
この長期ビジョン達成のため、昨年4月から3年間の新たな中期経営計画「DRIVE NTN100」(DRIVE NTN Transformation for New 100:新しい100年に向けた変革を加速する)に取組んでおります。最新デジタル技術と当社グループが培ってきた経営資源を融合させ、「革新的な技術・商品・サービスの開発」、「調達改革」、「生産性と品質の追求」、「資産効率の向上」を図ります。これらの実現のため次の3つの重要施策を推し進め、事業構造の変革を加速させてまいります。
1)新領域の展開
2)基盤技術・商品の強化
3)事業を支える経営基盤の強化
②当社は、2008年2月5日開催の当社取締役会において、当社株式の大規模買付行為に関する対応方針の導入を決議し、2008年6月27日開催の当社第109期定時株主総会において株主の皆様のご承認をいただきました。その後、直近では2017年6月23日開催の当社第118期定時株主総会において、株主の皆様のご承認をいただき、これを継続しております(以下、継続後の対応方針を「本対応方針」といいます。)。本対応方針は、来年6月開催予定の当社定時株主総会終結の時まで効力を有するものとします。ただし、上記期間の満了前であっても、当社株主総会において本対応方針を廃止する旨の決議が行われた場合には、本対応方針はその時点で効力を失うものとします。
本対応方針の内容は、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、又は結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となるような当社株券等の買付行為を「大規模買付行為」とし、また当該買付を行う者を「大規模買付者」として、当社取締役会に対して当該大規模買付行為に関する情報提供を要求するものです。
大規模買付者が当社取締役会のあらかじめ定める手続に従わない場合、又は当該大規模買付行為が当社の企業価値又は株主共同の利益を著しく毀損するものであると判断される場合には、当社取締役会は、当該大規模買付者は行使することができないという行使条件を付した新株予約権の無償割当てを実施し当該大規模買付行為による損害を防止することができるものといたします。また、かかる判断にあたっては、当社取締役会は独立した第三者機関である特別委員会の勧告に原則として従うものとします。
なお、本対応方針の詳細につきましては、当社ホームページ(https://www.ntn.co.jp)に掲載の2017年4月28日付「当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策)の継続について」をご参照ください。
(3) 前記(2)の取組みについての当社取締役会の判断及びその判断にかかる理由
中期経営計画「DRIVE NTN100」を着実に実行し、中長期にわたる企業価値向上のための活動を継続することにより、当社の企業価値の向上が実現し、株主共同の利益が高まるものと考えます。
また、本対応方針は、大規模買付行為の適否を株主の皆様が判断されるにあたり、十分な情報提供を確保するために定めるものであり、特定の株主又は投資家を優遇し若しくは拒絶するものではありません。また、対抗措置として新株予約権を発行するのは、当該大規模買付行為が当社の企業価値に回復しがたい損害をもたらすものであると判断される場合等、厳重な客観的要件を充足する場合に限定されるとともに、その発行の可否の判断にあたっても、当社取締役会から独立した特別委員会の中立公正な判断に原則として従うこととしており、当社取締役会の恣意的判断を排除しております。対抗措置として発行する新株予約権及びその行使条件についても、あらかじめその内容について開示を行う等、企業価値向上及び株主共同の利益確保に必要かつ相当な範囲内の対抗措置であると考えます。
したがいまして、当社取締役会は、前記(2)の取組みは基本方針に沿うものであり、株主共同の利益を損なうものでないとともに、役員の地位の維持を目的とするものではないと判断いたしております。