有価証券報告書-第80期(2025/04/01-2026/03/31)
(1)【人材戦略に関する基本方針等】
当社では、人的資本を中長期的な企業価値向上の最重要ドライバーと位置づけ、人材戦略及び4つの重点課題に対する取り組み(コア人材の発掘・育成・強化、人事制度改定、マネジメント手法の変革、従業員エンゲージメント・サーベイの結果及び改善活動、チームビルディング活動推進、DEI(Diversity, Equity and Inclusion)及び女性活躍の推進など)について、最高経営責任者(CEO)をはじめとする経営陣が参加する取締役会(指名・報酬委員会への諮問を含む)及び上席執行役員会議において定期的に報告、議論を行うガバナンス体制を構築しております。また、事業環境の変化にともなうコア人材などの持続的成長に必要な人材の枯渇、労働力人口減少による人材の確保困難、自律人材が育たずに組織が硬直化し変化対応力が低下する等のリスクについては、各事業本部と人事総務部門が連携してモニタリングとリスク評価を実施し、経営へ迅速にフィードバックするリスク管理を行っております。
① 連結会社の経営方針、経営戦略等に関連付けた連結会社の人材戦略
当社は目指す姿として「世界を動かす、なくてはならない会社」を掲げ、持続的成長やさらなる企業価値向上に向けて、社内の「変革」を進めております。事業面では、当社のコア・コンピタンスである「製造力(=超精密加工技術×大量生産技術)」を最大限に活用し、コア事業である「8本槍戦略」を展開しています。また、3つの成長戦略(①オーガニック成長、②M&Aの推進、③社会的課題解決型製品の開発と部品供給)に加え、異なる事業、技術、営業のシナジーにより高付加価値ビジネスを創出する独自の「相合(そうごう)」活動を推進しております。これらにより、成長の5分野+1(①AIデータサーバー、②ヒューマノイドロボット、③完全自動運転、④ニューモビリティ、⑤商用ドローン、(+1)航空機)において果敢にビジネスを展開してまいります。これら成長市場での競争優位(スピード、情熱、仕組み、設計)を確立するためには、戦略を具現化する「組織力」の最大化が不可欠です。
当社が上記の経営戦略を迅速かつ確実に実行に移すため、人材・組織上の4つの重点課題を以下のとおり特定し、これらの課題に取り組むことを通じて「自発的に行動して成果を創出する人材集団」(目指す人材像)への変革を推進しております。
重点課題① 計画的な人材リソースの最適化(連結会社)
当社の持続的な成長を担保するため、計画的な人材リソースの最適化(採用、育成)に注力しております。特に、グループ全体の持続可能性を高める「(i)コア人材(将来のグループ経営を担う候補人材)の発掘・育成・強化」と、当社の強みの源泉である「(ii)製造、営業、技術のプロフェッショナル育成」の2軸を最優先領域としてリソースを配分しております。
(ⅰ)コア人材(将来のグループ経営を担う候補人材)の発掘、育成、強化
グループの重要ポスト(本部長、事業部長)の後継候補者(Next Leader、Future Leader)及び次世代のタレント層(Hi-potential Leader)の3つのプールを構築し、各レイヤーの要件に合致した配置、研修を計画的に執行しております。
2024年度より開始した3つの選抜型研修(NLP、FLP、HLP)では、「大局を見据え、豊かな構想力と執行力を持って事業を進化させるリーダー」の育成を共通目標に掲げております。具体的には、①覚悟、視座、スキルの習得、②グローバルリーダーとしての大局観の醸成、③トップタレント間の交流(相合活動の創出)、④「Myパッション(従業員一人ひとりの情熱=この人生において、何に情熱を注ぎ、何を実現したいのか?)」の言語化による情熱の再発見を促しております。さらに、研修に留まらず、経営陣のシャドーイングを通じた経営判断力の早期養成や他部門への武者修行(修羅場経験の提供)を実践するとともに、強力なリーダーシップで事業群を進化させるトップマネジメント人材の外部獲得も機動的に組み合わせております。
(ⅱ)製造、営業、技術のプロフェッショナル育成
創業以来の製造ノウハウとM&Aにより獲得した技術力、営業力を次世代へ確実に継承、深化させるため、仕組みの盤石化をはかっております。2023年度より、人材開発部と各事業本部の共同による「サムライ・プロジェクト」を始動いたしました。海外工場等の現場経験が豊富なマネージャーを結集し、現場で即応できる実践的なナレッジや共通知識を習得する研修プログラムを用意し、現場マネージャー登用の「登竜門」として仕組みを整えております。海外工場での直接指導を通じて、次世代の製造、営業、技術リーダーの計画的育成と現場力の底上げを実現しております。
重点課題② 組織力の最大化
激変する成長市場で勝ち抜くためには、策定した戦略を現場レベルで迅速に遂行し、成果を生み出す「組織実行力」の最大化が不可欠です。当社はこれを重要課題と位置づけ、国内主要3社(ミネベアミツミ、ミツミ電機、ユーシン)における「人事制度改定」「階層別研修のリニューアル」、及び連結ベースでの「マネジメント手法の変革(トップダウンとボトムアップのベストミックス)」に注力しております。
また、「ミネベアミツミらしい人材の強さ」の源泉として、「目指す人材像」における4つの共通価値観(①情熱と挑戦、②現場、③マイボール精神、④相合)を定義し、各種人事施策(採用、配置、育成、評価)と連動させることで、組織風土としての定着をはかっております。
(ⅰ)人事制度改定(国内主要3社は2025年10月に実施。今後、国内各社へ展開。)
自律的な人材育成と最適配置による組織力強化を目的とし、2025年10月に人事制度改定を実施いたしました。従業員の成果、貢献度、果たすべき役割に基づいた公正かつ納得感の高い評価、処遇制度へとシフトすることで、主体的なキャリア形成と自律的な成長を促進いたします。
等級制度では、期待役割水準を明確化し、業務への姿勢と成果の両面を多角的に評価する仕組みを強化いたしました。また、国籍、性別、年齢等の属性に関わらない柔軟な抜擢登用を可能といたしました。報酬制度では、構成をシンプル化し、役割水準に応じた市場競争力のある報酬体系に再設計いたしました。評価と処遇の連動性を徹底することで、人件費の適正化とモチベーション向上を両立させております。評価制度では、「目指す人材像」に連動した項目を設け、企業文化の醸成を促すとともに、上司とメンバー間の定期面談(フィードバック)の徹底により、期待役割のすり合わせとキャリア形成支援を構造化しております。
(ⅱ)階層別研修のリニューアル(国内主要3社は2025年度より開始。今後、国内各社へ展開。)
改定後の人事制度が求める役割を体現できる人材を育成するため、昇格者研修を「一つ上の等級の役割を見据えた成長促進プログラム」へと刷新いたしました。研修受講がビジネス成果に直結(KPIを設定)するよう「学びの最適化」をはかり、実践的なコンテンツへとアップデートしております。また、全階層の研修にDX・AI教育を体系的に組み込み、全社的なデジタル活用水準を底上げするほか、若手層(入社3年間)の基盤強化として基本行動、接遇マナーを徹底習得するプログラムを実施しております。
(ⅲ)マネジメント手法の変革(連結会社)
これまでの強みであったトップダウン経営のスピード感を維持しつつ、従業員の創造性を最大限に引き出すため、ボトムアップの要素を融合させた「ベストミックスのマネジメント手法」への変革を推進しております。主たる施策として、(a)部門横断チームで新マネジメント手法を実践し成果を創出する「チームビルディング活動の推進」、(b)経営幹部が変革の必要性を直接語り対話を促す「タウンホール・ミーティング」の開催、(c)信頼関係構築のスキルを養う「対話型マネジメント研修」や、一人ひとりの従業員の「情熱」の源を言語化し自走を促す「Myパッション・マネジメント・プログラム」を管理職向けに実施しております。
重点課題③ 戦略実現のための企業文化(連結会社)
当社の基本戦略は、多様な技術、製品の「相合」による違い(Difference)の追求です。その原動力は、8つのコア事業、10のコア技術、そして世界9万人を超える従業員の「情熱」と挑戦にあります。
(ⅰ)「相合」活動の推進
2019年度より、従業員の情熱に基づくボトムアップ型のチーム活動とベストプラクティスの横展開(チームビルディング活動)をグローバルで推進しております。さらに、拠点である「東京クロステックガーデン(2023年3月稼働)」をハブとして活用し、Ⅹ(クロス)チーム活動を活性化させることで、「事業」「技術」「人」の相合を一段と加速させております。
(ⅱ)DEI及び女性活躍の推進
多様性を互いに受け入れ、新たな価値を創造する風土こそが「相合」の土台であるとの認識のもと、DEIを推進しております。人材登用においては「対等の精神」に則り、出身会社(M&A先の旧会社等)に関わらず優秀な人材を積極登用するとともに、特に女性の活躍推進を経営の注力テーマとしております。具体的な定量目標(KPI)として、2029年3月期末までにミネベアミツミ単体の「女性管理職比率8.0%(2026年3月期実績4.1%)」の達成を掲げ、経営層のコミットメントのもと、施策を強力に実行しております。
意思決定の質向上に向けた女性リーダーの計画的育成のため、2025年度より次世代女性リーダー育成プログラム「WLP(Women Leaders Program)」を始動いたしました。本プログラムは、参加者が自身の強みを活かした独自のリーダーシップを確立し、組織に変革をもたらすことを支援いたします。スキルとマインドの体系的習得後、チームで「当社の“当たり前”を打ち破る」をテーマとした実践プロジェクトに臨み、成果を経営陣へダイレクトに提言する仕組みを導入しております。あわせて、受講者の上司を対象とした「アンコンシャス・バイアス研修」を並行実施し、組織全体で女性活躍を後押しするインクルーシブな風土醸成をはかっております。このように女性管理職候補、上司、人事総務部門が三位一体で緊密に連携し、個別のキャリア開発、昇格支援にコミットする体制を構築し、登用までを一貫してサポートすることに加え、新卒、中途採用における女性比率の引き上げも実施することにより、2029年3月期末の目標達成に向けたパイプライン(次世代候補層)の厚みを確実に構築してまいります。なお、上記取り組みを国内各社へ展開してまいります。
重点課題④ 従業員エンゲージメント向上(連結会社)
会社の目標に強くコミットする従業員を増やし、自走する強い組織を通じて事業競争力を高め、持続的成長に繋げるため、2024年度より「従業員エンゲージメントの向上」を経営の重要事項として位置づけ、組織的な取り組みを展開しております。また、2025年度からは、国内での先行取組に加え、海外の一部(タイ、フィリピン、カンボジア、及び中国、マレーシアの一部拠点)を含めた「グローバル・エンゲージメント・サーベイ」を導入し、組織課題の現状を定量的に把握し、データ分析に基づいた実効性の高い改善計画を策定、実行しております。なお、「グローバル・エンゲージメント・サーベイ」は、2027年度までに全世界のグループ会社に展開いたします。
2025年度のサーベイ結果において、グローバル全体の「持続可能なエンゲージメント」スコアは86(好意的回答比率86%)と極めて良好な水準を記録し、個人の高い貢献意欲が維持されていることが実証されました。また、国内グループ23社の経年比較においては、16カテゴリー中14カテゴリー、全60設問中51設問でスコアが上昇し、2025年度に展開した各種主要施策(タウンホール・ミーティング、対話型マネジメント研修、職場単位のエンゲージメント向上活動等)が、顕著な改善成果として数字に表れました。国内の「持続可能なエンゲージメント」スコアについても、前回値(2024年12月実施、国内グループ21社)の60から+2ポイント向上し、62へと改善しております。
さらなる価値向上に向け、当社では主要な3つの改善領域(①設備、ツール、リソース充足による「業務効率性」の向上、②部署の垣根を越えた情報共有や意見集約による「コミュニケーション、連携」の強化、③自律的キャリア支援や適材適所の「タレントマネジメント」の推進)を特定いたしました。これらに対し、「会社全体」「各事業部(職場)」「それを支援する事業本部」の3層が連動した改善活動を強力に展開しております。具体的には、社長自らが各拠点を訪問して従業員とダイレクトに対話するタウンホール・ミーティングを年間を通じて計画的に実施し、経営メッセージの浸透をはかっております。また、「対話型マネジメント研修」を課長層昇格者の標準的な研修と位置付けて実施し、「Myパッション・マネジメント・プログラム」を管理職層(部長、次長、課長)へ段階的に展開し、個人の情熱と組織の方向性を同期させることで、各職場単位での自発的な改善活動を事業本部のサポートのもと推進しております。
さらに、これら3つの改善領域に対し、当社ではDX・AI教育への投資や業務効率化ツールの導入(業務効率性への対応)、及び社内公募制度の拡充や適材適所の配置転換など(タレントマネジメントへの対応)、具体的な予算とリソースを優先的に配分し、次年度以降のサーベイスコアのさらなる向上と組織生産性の最大化にコミットしてまいります。
② 提出会社の従業員の給与(賞与を含む)その他の給付の額及び内容の決定に関する方針
提出会社を含む国内主要3社では、自律的な人材の育成と最適活用による組織力の強化を目的とし、2025年10月に人事制度改定を実施いたしました。新たな給与、賞与決定方針においては、各等級における従業員の「期待役割水準」を明示しております。その上で、従業員の業務への姿勢(「目指す人材像」に基づく役割水準への到達度、プロセス評価)と、具体的な成果(業績貢献度、アウトプット評価)の両面を公正かつ客観的に評価する仕組みを導入しております。これらの評価結果を、原資の適切な配分に基づき「昇給改定」及び「賞与配分」へとダイレクトかつ適正に反映する運用を行っております。これにより、役割水準を満たし、高い成果を上げた人材への報奨(インセンティブ機能)を強化するとともに、人件費全体の投資効率と公正性を担保し、持続的な企業価値向上へと繋げてまいります。
当社では、人的資本を中長期的な企業価値向上の最重要ドライバーと位置づけ、人材戦略及び4つの重点課題に対する取り組み(コア人材の発掘・育成・強化、人事制度改定、マネジメント手法の変革、従業員エンゲージメント・サーベイの結果及び改善活動、チームビルディング活動推進、DEI(Diversity, Equity and Inclusion)及び女性活躍の推進など)について、最高経営責任者(CEO)をはじめとする経営陣が参加する取締役会(指名・報酬委員会への諮問を含む)及び上席執行役員会議において定期的に報告、議論を行うガバナンス体制を構築しております。また、事業環境の変化にともなうコア人材などの持続的成長に必要な人材の枯渇、労働力人口減少による人材の確保困難、自律人材が育たずに組織が硬直化し変化対応力が低下する等のリスクについては、各事業本部と人事総務部門が連携してモニタリングとリスク評価を実施し、経営へ迅速にフィードバックするリスク管理を行っております。
① 連結会社の経営方針、経営戦略等に関連付けた連結会社の人材戦略
当社は目指す姿として「世界を動かす、なくてはならない会社」を掲げ、持続的成長やさらなる企業価値向上に向けて、社内の「変革」を進めております。事業面では、当社のコア・コンピタンスである「製造力(=超精密加工技術×大量生産技術)」を最大限に活用し、コア事業である「8本槍戦略」を展開しています。また、3つの成長戦略(①オーガニック成長、②M&Aの推進、③社会的課題解決型製品の開発と部品供給)に加え、異なる事業、技術、営業のシナジーにより高付加価値ビジネスを創出する独自の「相合(そうごう)」活動を推進しております。これらにより、成長の5分野+1(①AIデータサーバー、②ヒューマノイドロボット、③完全自動運転、④ニューモビリティ、⑤商用ドローン、(+1)航空機)において果敢にビジネスを展開してまいります。これら成長市場での競争優位(スピード、情熱、仕組み、設計)を確立するためには、戦略を具現化する「組織力」の最大化が不可欠です。
当社が上記の経営戦略を迅速かつ確実に実行に移すため、人材・組織上の4つの重点課題を以下のとおり特定し、これらの課題に取り組むことを通じて「自発的に行動して成果を創出する人材集団」(目指す人材像)への変革を推進しております。
重点課題① 計画的な人材リソースの最適化(連結会社)
当社の持続的な成長を担保するため、計画的な人材リソースの最適化(採用、育成)に注力しております。特に、グループ全体の持続可能性を高める「(i)コア人材(将来のグループ経営を担う候補人材)の発掘・育成・強化」と、当社の強みの源泉である「(ii)製造、営業、技術のプロフェッショナル育成」の2軸を最優先領域としてリソースを配分しております。
(ⅰ)コア人材(将来のグループ経営を担う候補人材)の発掘、育成、強化
グループの重要ポスト(本部長、事業部長)の後継候補者(Next Leader、Future Leader)及び次世代のタレント層(Hi-potential Leader)の3つのプールを構築し、各レイヤーの要件に合致した配置、研修を計画的に執行しております。
2024年度より開始した3つの選抜型研修(NLP、FLP、HLP)では、「大局を見据え、豊かな構想力と執行力を持って事業を進化させるリーダー」の育成を共通目標に掲げております。具体的には、①覚悟、視座、スキルの習得、②グローバルリーダーとしての大局観の醸成、③トップタレント間の交流(相合活動の創出)、④「Myパッション(従業員一人ひとりの情熱=この人生において、何に情熱を注ぎ、何を実現したいのか?)」の言語化による情熱の再発見を促しております。さらに、研修に留まらず、経営陣のシャドーイングを通じた経営判断力の早期養成や他部門への武者修行(修羅場経験の提供)を実践するとともに、強力なリーダーシップで事業群を進化させるトップマネジメント人材の外部獲得も機動的に組み合わせております。
(ⅱ)製造、営業、技術のプロフェッショナル育成
創業以来の製造ノウハウとM&Aにより獲得した技術力、営業力を次世代へ確実に継承、深化させるため、仕組みの盤石化をはかっております。2023年度より、人材開発部と各事業本部の共同による「サムライ・プロジェクト」を始動いたしました。海外工場等の現場経験が豊富なマネージャーを結集し、現場で即応できる実践的なナレッジや共通知識を習得する研修プログラムを用意し、現場マネージャー登用の「登竜門」として仕組みを整えております。海外工場での直接指導を通じて、次世代の製造、営業、技術リーダーの計画的育成と現場力の底上げを実現しております。
重点課題② 組織力の最大化
激変する成長市場で勝ち抜くためには、策定した戦略を現場レベルで迅速に遂行し、成果を生み出す「組織実行力」の最大化が不可欠です。当社はこれを重要課題と位置づけ、国内主要3社(ミネベアミツミ、ミツミ電機、ユーシン)における「人事制度改定」「階層別研修のリニューアル」、及び連結ベースでの「マネジメント手法の変革(トップダウンとボトムアップのベストミックス)」に注力しております。
また、「ミネベアミツミらしい人材の強さ」の源泉として、「目指す人材像」における4つの共通価値観(①情熱と挑戦、②現場、③マイボール精神、④相合)を定義し、各種人事施策(採用、配置、育成、評価)と連動させることで、組織風土としての定着をはかっております。
(ⅰ)人事制度改定(国内主要3社は2025年10月に実施。今後、国内各社へ展開。)
自律的な人材育成と最適配置による組織力強化を目的とし、2025年10月に人事制度改定を実施いたしました。従業員の成果、貢献度、果たすべき役割に基づいた公正かつ納得感の高い評価、処遇制度へとシフトすることで、主体的なキャリア形成と自律的な成長を促進いたします。
等級制度では、期待役割水準を明確化し、業務への姿勢と成果の両面を多角的に評価する仕組みを強化いたしました。また、国籍、性別、年齢等の属性に関わらない柔軟な抜擢登用を可能といたしました。報酬制度では、構成をシンプル化し、役割水準に応じた市場競争力のある報酬体系に再設計いたしました。評価と処遇の連動性を徹底することで、人件費の適正化とモチベーション向上を両立させております。評価制度では、「目指す人材像」に連動した項目を設け、企業文化の醸成を促すとともに、上司とメンバー間の定期面談(フィードバック)の徹底により、期待役割のすり合わせとキャリア形成支援を構造化しております。
(ⅱ)階層別研修のリニューアル(国内主要3社は2025年度より開始。今後、国内各社へ展開。)
改定後の人事制度が求める役割を体現できる人材を育成するため、昇格者研修を「一つ上の等級の役割を見据えた成長促進プログラム」へと刷新いたしました。研修受講がビジネス成果に直結(KPIを設定)するよう「学びの最適化」をはかり、実践的なコンテンツへとアップデートしております。また、全階層の研修にDX・AI教育を体系的に組み込み、全社的なデジタル活用水準を底上げするほか、若手層(入社3年間)の基盤強化として基本行動、接遇マナーを徹底習得するプログラムを実施しております。
(ⅲ)マネジメント手法の変革(連結会社)
これまでの強みであったトップダウン経営のスピード感を維持しつつ、従業員の創造性を最大限に引き出すため、ボトムアップの要素を融合させた「ベストミックスのマネジメント手法」への変革を推進しております。主たる施策として、(a)部門横断チームで新マネジメント手法を実践し成果を創出する「チームビルディング活動の推進」、(b)経営幹部が変革の必要性を直接語り対話を促す「タウンホール・ミーティング」の開催、(c)信頼関係構築のスキルを養う「対話型マネジメント研修」や、一人ひとりの従業員の「情熱」の源を言語化し自走を促す「Myパッション・マネジメント・プログラム」を管理職向けに実施しております。
重点課題③ 戦略実現のための企業文化(連結会社)
当社の基本戦略は、多様な技術、製品の「相合」による違い(Difference)の追求です。その原動力は、8つのコア事業、10のコア技術、そして世界9万人を超える従業員の「情熱」と挑戦にあります。
(ⅰ)「相合」活動の推進
2019年度より、従業員の情熱に基づくボトムアップ型のチーム活動とベストプラクティスの横展開(チームビルディング活動)をグローバルで推進しております。さらに、拠点である「東京クロステックガーデン(2023年3月稼働)」をハブとして活用し、Ⅹ(クロス)チーム活動を活性化させることで、「事業」「技術」「人」の相合を一段と加速させております。
(ⅱ)DEI及び女性活躍の推進
多様性を互いに受け入れ、新たな価値を創造する風土こそが「相合」の土台であるとの認識のもと、DEIを推進しております。人材登用においては「対等の精神」に則り、出身会社(M&A先の旧会社等)に関わらず優秀な人材を積極登用するとともに、特に女性の活躍推進を経営の注力テーマとしております。具体的な定量目標(KPI)として、2029年3月期末までにミネベアミツミ単体の「女性管理職比率8.0%(2026年3月期実績4.1%)」の達成を掲げ、経営層のコミットメントのもと、施策を強力に実行しております。
意思決定の質向上に向けた女性リーダーの計画的育成のため、2025年度より次世代女性リーダー育成プログラム「WLP(Women Leaders Program)」を始動いたしました。本プログラムは、参加者が自身の強みを活かした独自のリーダーシップを確立し、組織に変革をもたらすことを支援いたします。スキルとマインドの体系的習得後、チームで「当社の“当たり前”を打ち破る」をテーマとした実践プロジェクトに臨み、成果を経営陣へダイレクトに提言する仕組みを導入しております。あわせて、受講者の上司を対象とした「アンコンシャス・バイアス研修」を並行実施し、組織全体で女性活躍を後押しするインクルーシブな風土醸成をはかっております。このように女性管理職候補、上司、人事総務部門が三位一体で緊密に連携し、個別のキャリア開発、昇格支援にコミットする体制を構築し、登用までを一貫してサポートすることに加え、新卒、中途採用における女性比率の引き上げも実施することにより、2029年3月期末の目標達成に向けたパイプライン(次世代候補層)の厚みを確実に構築してまいります。なお、上記取り組みを国内各社へ展開してまいります。
重点課題④ 従業員エンゲージメント向上(連結会社)
会社の目標に強くコミットする従業員を増やし、自走する強い組織を通じて事業競争力を高め、持続的成長に繋げるため、2024年度より「従業員エンゲージメントの向上」を経営の重要事項として位置づけ、組織的な取り組みを展開しております。また、2025年度からは、国内での先行取組に加え、海外の一部(タイ、フィリピン、カンボジア、及び中国、マレーシアの一部拠点)を含めた「グローバル・エンゲージメント・サーベイ」を導入し、組織課題の現状を定量的に把握し、データ分析に基づいた実効性の高い改善計画を策定、実行しております。なお、「グローバル・エンゲージメント・サーベイ」は、2027年度までに全世界のグループ会社に展開いたします。
2025年度のサーベイ結果において、グローバル全体の「持続可能なエンゲージメント」スコアは86(好意的回答比率86%)と極めて良好な水準を記録し、個人の高い貢献意欲が維持されていることが実証されました。また、国内グループ23社の経年比較においては、16カテゴリー中14カテゴリー、全60設問中51設問でスコアが上昇し、2025年度に展開した各種主要施策(タウンホール・ミーティング、対話型マネジメント研修、職場単位のエンゲージメント向上活動等)が、顕著な改善成果として数字に表れました。国内の「持続可能なエンゲージメント」スコアについても、前回値(2024年12月実施、国内グループ21社)の60から+2ポイント向上し、62へと改善しております。
さらなる価値向上に向け、当社では主要な3つの改善領域(①設備、ツール、リソース充足による「業務効率性」の向上、②部署の垣根を越えた情報共有や意見集約による「コミュニケーション、連携」の強化、③自律的キャリア支援や適材適所の「タレントマネジメント」の推進)を特定いたしました。これらに対し、「会社全体」「各事業部(職場)」「それを支援する事業本部」の3層が連動した改善活動を強力に展開しております。具体的には、社長自らが各拠点を訪問して従業員とダイレクトに対話するタウンホール・ミーティングを年間を通じて計画的に実施し、経営メッセージの浸透をはかっております。また、「対話型マネジメント研修」を課長層昇格者の標準的な研修と位置付けて実施し、「Myパッション・マネジメント・プログラム」を管理職層(部長、次長、課長)へ段階的に展開し、個人の情熱と組織の方向性を同期させることで、各職場単位での自発的な改善活動を事業本部のサポートのもと推進しております。
さらに、これら3つの改善領域に対し、当社ではDX・AI教育への投資や業務効率化ツールの導入(業務効率性への対応)、及び社内公募制度の拡充や適材適所の配置転換など(タレントマネジメントへの対応)、具体的な予算とリソースを優先的に配分し、次年度以降のサーベイスコアのさらなる向上と組織生産性の最大化にコミットしてまいります。
② 提出会社の従業員の給与(賞与を含む)その他の給付の額及び内容の決定に関する方針
提出会社を含む国内主要3社では、自律的な人材の育成と最適活用による組織力の強化を目的とし、2025年10月に人事制度改定を実施いたしました。新たな給与、賞与決定方針においては、各等級における従業員の「期待役割水準」を明示しております。その上で、従業員の業務への姿勢(「目指す人材像」に基づく役割水準への到達度、プロセス評価)と、具体的な成果(業績貢献度、アウトプット評価)の両面を公正かつ客観的に評価する仕組みを導入しております。これらの評価結果を、原資の適切な配分に基づき「昇給改定」及び「賞与配分」へとダイレクトかつ適正に反映する運用を行っております。これにより、役割水準を満たし、高い成果を上げた人材への報奨(インセンティブ機能)を強化するとともに、人件費全体の投資効率と公正性を担保し、持続的な企業価値向上へと繋げてまいります。